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青梅線・・・115系「むさしの奥多摩号」 撮影記

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2012.11.10
青梅線
紅葉ハイキング?
115系「むさしの奥多摩号」 撮影
  

晩秋を迎えて朝晩はめっきり冷え込むようになり、紅葉前線も関東まで下りてきました。こうなると色づいた木々と列車を組み合わせた秋らしい鉄道写真を撮りに、どこか山のほうへ行きたい・・・ところなのですが、私は前回までお伝えしていた青森旅行の交通費やら飲み代やらで散財(・・・ってほど、大袈裟なものではないけれど) してしまい、しばらくは近場(関東近郊)の撮影で我慢せねばなりません (´・ω・`) 。そこで今回の目的地は東京都内。ただし都内といっても都心の23区ではなく、ハイキングやプチ登山などで有名な青梅線の奥多摩(西多摩郡 奥多摩町)です。なにも遠くへ行かなくても、自然が多く残る奥多摩ならば、きっときれいな秋景色が見られるハズ。しかも今の時期の青梅線には週末にスカ色の115系(通称・山スカ)を使用した臨時快速「むさしの奥多摩号(大宮~奥多摩)」が運転されており、できればこの列車を紅葉と絡ませて撮影したいと思います。


11月10日(土)

まずは地元駅から青梅線の始発駅となる立川へ向かいます。中央線沿線に住んでいる私にとって青梅線はアクセスしやすい路線。しかし意外と訪れる機会は少なくて、とくに青梅より先(西)の区間に乗ったのは片手で数えられる程度しかありません。

中央線の立川から青梅を経て奥多摩に至る青梅線は、全長37.2キロの電化路線。全線を通して運行される列車もあるものの、大半は途中の青梅を境に運転系統が分けられ、青梅までは10両編成を中心に中央線からの直通列車が頻繁に走る通勤路線、いっぽう青梅から先は4両もしくは6両編成が単線*の山あいを行くローカル線のような雰囲気になり、青梅線はふたつの異なる顔を持った路線と言えるでしょう(*単線区間は青梅のひとつ手前にある東青梅から)。

しかしいくら青梅以西はローカル色が濃いといっても、そこは東京近郊の「E電区間」(E電って、懐かしいな・・・(^o^;) )。30分に一本程度は列車が運転されていて、地方のローカル線のように細かいスケジュールを立てなくても行き当たりばったりで何とかなるだろうと、私は軽く考えていました。そこで時刻表もロクに調べずに立川から青梅行きへ乗り、まずはこの電車の終点を目指します。奥多摩行きは青梅で始発列車が接続するものだとばかり思って・・・。

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まずは青梅線の始発駅・立川から青梅行きへ乗り込みます。
この列車はE233系10両で、
車両は中央線用の「T編成(10両固定)」でした。
中央線 立川

土曜の朝の下り・青梅行き。10両編成の車内は空いていて、五日市線・八高線・西武拝島線が接続する拝島を出ると、先頭車両の乗客は私ひとりとなってしまいました。これでは輸送力過多?・・・いいえ、この電車は10両固定の中央線用車両であることでもわかるように、青梅での折り返し後は中央線に直通して新宿、東京へと向かうことになります。土曜とはいえ、朝の東京方面へ直通する列車は相当混雑するはず。でも下りの今はガッラガラ。週末の青梅線は、御嶽(みたけ)や奥多摩へ向かうハイキング客などでけっこう混雑するものだと思っていましたが、拍子抜けです。まだ時間が早いからかな・・・? 立川から30分ほどで青梅着。

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青梅線は中央線と同じE233系が使われていますが、
青梅線内での扉は半自動扱い。
乗り降りする際はボタンを押して扉を開きます。

立川0652-(青梅669T)-青梅0727

青梅では反対ホームに接続待ちしている列車はいませんでした。駅の電光掲示板によると次の奥多摩行きは7時52分発の25分待ち。まだ列車が入線していないだけか・・・と、折り返し列車が来るであろう下り方(奥多摩側)を眺めて待ちます。ところが予想に反して、奥多摩行きの列車は上り方(立川側)からホームへ入ってきました (・_・∂) アレ?。なんだかこれはイヤな予感・・・。

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青梅から乗る奥多摩行きは
青梅・五日市線用の「青編成」。
青編成には6連と4連がありますが、
この列車は4両編成でした。
青梅線 青梅

4両という短い編成の奥多摩行き。でも始発列車ならば座れるハズ・・・が、車内はすでに超満員!Σ(゚д゚;) ナヌッ!? そう、実はこの奥多摩行きの始発駅は青梅ではなく立川だったのです。前述した、日に何本かあるという全線を通して走る列車のひとつがコレ。時刻表を見ずに「奥多摩行きは青梅で乗換」という思い込みだけで、私は先走ってしまいました。そりゃ、先行の青梅行きにハイキング客の姿が無いワケだ・・・lll/(=ω=。)\lllアア、シッパイ...。しかし、この奥多摩行きは青梅到着時点で満員で、おそらくこの状態は始発の立川からだと推測されます。だとすると立川でも座れたかどうかは解らず、青梅までの30分だけでもガラガラの電車で来れたのは決して悪い選択ではなかったか・・・と、失敗を前向きに考えるも、とにかく今は通勤ラッシュ並みのこの奥多摩行きへ乗らねばなりません。何とか隙間を見つけて車内へ入りこみ、青梅から先へ進みます。今日は比較的軽装で、三脚などを持って来ないでヨカッタ・・・。青梅から奥多摩までは約30分。このまま終点までぎゅうぎゅう詰めかと覚悟していましたが、途中、御岳山の登山口がある御嶽で三分の一ほどが下車して少し余裕ができました。私は奥多摩のひとつ手前にある駅、白丸で下車。

青梅0752-(707)-白丸0825

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白丸駅を発車してゆく奥多摩行き。
ホームの下り方は、すぐにトンネルとなっています。
青梅線 白丸

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交換設備が無い、一面一線の白丸駅。
駅舎は無く、自動券売機と簡易Suica改札機が
一台づつ設置されているのみの小さな無人駅です。
青梅線 白丸(開いた踏切から撮影)

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駅の写真などを撮っていたら
先ほどの列車が隣の奥多摩から折り返してきたので、
去り際を一枚パチリ。
青梅線 白丸付近(後追い)

列車は混雑していたけれど、この日はそれもうなづけるようなハイキング日和の快晴です。しかしここまで来てちょっと不安なのが紅葉の色づき具合。車窓からの風景を見た限り、色づきのピークには少し早い感じ・・・。実はお目当てとなる115系「むさしの奥多摩号」の通過にはまだ三時間もの時間があるのですが、もし紅葉がピークならば途中の宮ノ平や沢井などでも下車して、何本かE233系の普通列車を撮影してから、本命ポイントの白丸で115系に備えようと考えていたのです。ところが思っていたほど沿線の紅葉は進んでおらず、結局、途中で下車することなく白丸へと来てしまいました。上のE233系の写真では所々に紅葉した木が見られますが、果たして撮影地から見た紅葉はどんなものだろうか・・・一抹の不安を抱えつつ、白丸駅から歩く事5分。ハイキングコースの入り口となる数馬峡橋がそのポイントで、橋の上に立つとパッと視界が開けます。

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撮影地の数馬峡橋にはまだ誰もいません。
115系の通過まで三時間もありますものね・・・。

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これが数馬峡橋からの眺め。
とても都内とは思えない雄大な景色が広がります。
真ん中に架かるコンクリート橋が青梅線の線路。

たしかにちょっと緑の度合いが高いけれど・・・なかなかいい感じじゃありませんか (゚∀゚)! 線路のまわりを覆っている直立した木は針葉樹のスギの木なのでもともとあまり紅葉しません(紅葉が目立たない)が、その奥の広葉樹はいい具合に紅葉・黄葉のまだら模様となっています。正直、ベストはもう一週間後くらいってところでしょう。でも、来週末が晴れるという保証は無いし、もうこの状態でもじゅうぶんに秋らしさを絵にする事ができそうです C=(´▽`) ホッ 。あとはこの景色をどうやって切り取るかが腕の見せどころ。

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まずはヨコ位置で奥行きを出したアングルで撮ってみました。
この時間はちょうど列車の角度と日の当たりがシンクロし、
ステンレスのE233系はギラリと光ります。
ちなみに一枚上と木々の色の出方が違うのは
ホワイトバランスを変えたからで、上はオート、
この写真は太陽光モードに設定しています
(以下、太陽光モードで撮影)。
青梅線 鳩ノ巣-白丸

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下の水面は多摩川を塞き止めた白丸ダム。
流れはほとんどないので、無風になると水鏡になります。
でもこの日は朝からずっと微風が吹いていて、
キレイな水鏡がみられたのは一時だけでした。

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今度は上に振って、空を入れた構図。
ああ、ここを走る列車がステンレス通勤車のE233系でなく
国鉄標準色のキハなんかだったらいいのにな・・・
などとつい思ってしまいますが、忘れてはいけません。
そう、ここは東京都内なのです。

まさに試行錯誤。ほぼ30分おきに通過するE233系で、いろいろなアングルを試してみました。しかしここでの悩みどころは、やはり紅葉しないスギの処理。色づいた広葉樹の山を入れようとすると、当然手前にあるスギ林も入って来てしまいます。橋の上を行ったり来たり、右往左往するも、なかなか解決策が思い浮かびません (-`ω´-;)ウーム 。そうこうしているうちに日はどんどん高くなり、やがて山の陰だった渓谷にも日が当たるようになってきました。すると、意外にも手前に広がる湖畔の紅葉もキレイだった事に気づかされます。

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日が当たるようになったダム湖沿いの木々は
ちょうどいい色づき具合でした。
湖面ではカヌー教室が行われていました。
この景色を見ながらカヌーを漕ぐのは、
さぞかし気持ちがいいものなのでしょうね(^^)。

日が当たるまではあまり気に留めていなかったのですが、この紅葉はなかなかのボリューム (*'▽'*)キレー...。しかもこのアングルならばスギ林は気になりません。でも、紅葉の方に圧倒されてしまって、肝心の列車がちょっと目立たないかな? やはり鉄道写真的には最初の山バックの方がまとまりがあるか・・・いや、後から撮ったダム湖の紅葉も捨てがたい・・・本命の115系はどっちで撮ろう・・・と、ここでたった一度しか撮影チャンスが無ければ、優柔不断な私はとても悩むところ。でも、実は115系の臨時列車は奥多摩到着後にいったん拝島まで回送されるため、短時間で二回の撮影チャンスがあるのです。これならば両方のアングルが実践できるので、とてもありがたい。そこでまずは最初の下り列車(営業運転)を山バックのアングルで狙う事にしました。115系が顔を出すその一瞬を逃さぬように構えます。いつしか橋上には数人の同業者が集まっていました。

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錦秋の山あいを縫うように走る、
スカ色115系の「むさしの奥多摩号」。
中央山線を走る事で「山スカ」の愛称がある同車ですが、
今日は奥多摩の山へ出張してきました。

紅葉の山をバックに、山スカ115系が撮れました~\(^◇^*)/。結局、このアングルでのスギ林問題は解決できなかったケド、案外周りの紅葉がキレイにカバーしているかも。しかし、前に撮ったE233系の写真に比べると、背景にあまり立体感がありません・・・。実は115系の通過時刻はちょうどお昼ごろ(12時16分)。バリ順・・・というより、もはやベタ光で、背景の山に陰影が無くなってしまったのです。ハイキング客をターゲットにした臨時列車にしては目的地への到着がお昼だなんて、ちょっと遅くないか・・・? そんな「重役出勤」の115系は、奥多摩で乗客を降ろし、すぐに回送列車として戻ってきました。今度はダム湖の紅葉アングルでカメラを構えます。

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秋色の渓谷沿いに再び姿を現した山スカ。
今まさに、湖畔は紅葉真っ盛りです。

うん、こちらもいい感じ~ (´∀`)♪。でも、やっぱり列車が小さすぎますね・・・。このアングルならば115系ではなく、E233系でもじゅうぶんだったかもしれません (^^;)。ちなみに湖面に目をやると、先ほど撮った同アングルでE233系を撮った時よりも、水面に落ち葉がたくさん浮いているのがわかります。わずか一時間程度の差ですが、この間に少し風が強まってきて、たくさんの枯れ葉を落としてしまったのです。タテ位置で撮った山の紅葉はあと一週間後くらいがピークかと思われますが、この手前の木々はそう長くは持たないかも・・・そう考えると、この日はちょうどいい時期だったように思います。紅葉と山スカのコラボ、大満足で終了です。(^^)v

さて、前述したように撮影地となったこの橋は、数馬峡を巡るハイキングコースの入り口。私が撮影列車を待つ間にも、次々とハイキングを楽しむ人たちが通り過ぎてゆきました。私はとくにハイキングの趣味はありませんが、この橋の先はいったいどんなルートになっているのかとちょっと気になって、橋のたもとにあった案内板を見てみました。

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白丸から奥多摩へと続く、数馬峡周辺の遊歩道案内図。

へー、ここ(白丸)から奥多摩までの一駅区間がちょうどコースになっているのか。周囲を一周ではなく、隣の駅へ出られるのは面白い・・・。ここで沸々と込み上げてくる「徒歩鉄魂」(`・ω・´) シャキーン。このまま朝に降りた白丸駅へただ戻ってもツマラナイし、ここまで来ておいて白丸~奥多摩のわずか一駅だけ残して帰ると言うのもなんだかスッキリしません。ならばここはハイキングコースを歩いて奥多摩まで行き、そこから青梅線に乗って完乗する事にしました。まあ、白丸~奥多摩は青梅線の営業キロでも2.0キロ程度だし、たいした事は無かろう・・・と。C= C= C=┌( ・∀・)┘テクテク

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数馬峡橋を渡ったところから続く遊歩道。
所々で眺める秋景色に癒されます。
やっぱり紅葉は逆光で撮った方がキレイに見えるかな・・・?

渓谷沿いの遊歩道、多少のアップダウンはあるものの、景色を眺めながら歩くのはなかなか気持ちイイ。ところが、ちょうど中間地点にさしかかったあたりから遊歩道は無くなり、フツーの国道沿いを歩くことに・・・これはあまり楽しいものではありません。しかも2.0キロ程度なら30分もあれば行けると踏んでいたのですが、結果的には50分近くもかかってしまいました。そう、2.0キロと言うのはあくまでもトンネルなどを通って直線で進む青梅線の距離で、実際に歩いた道路は山を迂回するため3.5キロ。う~ん、これはちょっと疲れた・・・(o´Д`)=з。途中で歩いたことを後悔しかけるも、なんとか奥多摩駅へと到達。

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山小屋風の駅舎が建つ、青梅線の終点・奥多摩駅。
二階には軽食ができる喫茶店が併設されています。
青梅線 奥多摩

ハイキングに思っていたよりも時間がかかってしまい、乗る予定だった列車は出てしまいました。そこで次の列車までの待ち時間を利用して昼食をとることに。軒先に「そば・丼もの」とデカデカと書かれた駅前食堂へと入ります。失礼ながらあまり期待はしていなかったのですが、手渡されたメニューには・・・「当店自家製 さしみこんにゃく」ε=(°ω° )! 「ビールにあうっ! しめじのから揚げ」ε=ε=(°ω° )!! 「どっちの料理ショー特選素材に出たっ! 豆腐屋さんのあつあげ」ε=ε=ε=(°ω° )!!!  と、もうここは飲んでくれと言わんばかりの一品が名を連ねます。歩き疲れたこともあって、ビールが恋しい・・・。しかし、このあともまだ撮影予定が残っています。ここはグッとガマンして、名物だというとろろそばを注文。

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とろろそばとキノコめしのセットで
その名も「大岳セット」。
石臼で挽いた手打ち蕎麦はしっかりとした歯ごたえで、
とても美味しかったです。
う~ん、ココは名店かも。

ビールとおつまみの誘惑に打ち勝ち(?)、オナカも満たされたところで駅へ。私がこの奥多摩駅から列車に乗るのは7年前の05年以来のこと。前回は会社の同僚たちとのバーベキュー懇親会で奥多摩を訪れた帰りで、クルマで来ていたにもかかわらず、奥多摩駅の前を通った際に私だけ「電車で帰りたい」などとワガママを言いだし、ひとりクルマから降りたのでした。まあ、周りは「アイツは鉄だから」と納得してくれましたが、今考えると何とも自分勝手な行動です。\(_ _ ;)ハンセイ…

5810.jpg

7年前、05年に奥多摩から乗った青梅線。
当時はまだ201系で運転されていました。
05.8.10 青梅線 奥多摩

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今ではその201系の後継となるE233系の独壇場。
紅葉した木々をバックに
折り返し青梅行きとなる列車が入ってきました。
青梅線 奥多摩

そんな7年ぶりとなる奥多摩を後に、青梅線の上り列車で次に向かったのは軍畑(いくさばた)。この駅の上り方にあるトレッスル構造の鉄橋(トレッスル橋)は青梅線屈指の「お立ち台的」な撮影地です。今度はそこで復路の「むさしの奥多摩号」に備えて回送されてくる、山スカ115系を狙ってみたいと思います。

奥多摩1408-(1414)-軍畑1433

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朝に訪れた白丸同様、
この軍畑(いくさばた)も一面一線の無人駅です。
軍畑の由来は青梅を支配した三田氏と小田原の北条氏との
合戦場だったことからこの地名が付けられたとのこと。
青梅線 軍畑

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軍畑駅の東側(上り・立川方)にあるのが、
豪快なトレッスル構造の「奥沢橋梁」。
トレッスル橋とは、
鉄骨を末広がりに組みあげた橋脚を持つ鉄橋で、
複雑な工法とその見た目の美しさから人気が高く、
有名なのは山陰本線にあった「旧・余部橋梁」など。
青梅線 沢井-軍畑

撮影地へは獣道で斜面を上がらなくてはならず、それで奥多摩でのビールは控えていたのですが、少し高い位置から見下ろした赤いトレッスル橋はお立ち台の称号に相応しく、なかなかの眺め。ビールをガマンして来た甲斐があります。しかし残念ながらこの時間はあまり光線状態がよくありません。

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奥沢橋梁を渡る、E233系4連の奥多摩行き。

顔に日は当たるものの、サイドは真っ黒に潰れてしまいます。ならば反対サイドは順光かと思いきや、実は午後遅いこの時間帯は反対にも日は当たらず、まさに顔のみの「面順」状態。まあ、ここで撮るいちばんの目的は、往路では引き画で解らなかったヘッドマークを見せたいと思ったからで、顔だけでも日が当たってくれればいいか・・・。

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しかし日が傾くに連れ、やがて鉄橋は山影のなかへ・・・。

ところがお目当ての115系が通過するのは15時50分。秋の陽が沈むのは早く、伸びて来た山影が徐々に線路を暗く落としてゆきます。これではもう顔にすら日が当たるかどうか際どいところ・・・通過まではあと10分、されど10分。こういう時間の経過はとても長く感じます。まさに橋上の枕木が一本、また一本と影の中に入ってゆくなか、ようやく115系の通過を知らせる踏切が鳴りました。果たして・・・ ドキドキ(´・Д・`;)ハラハラ

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西日を浴びて奥多摩を目指す山スカが、
赤いトレッスル橋を渡ります。

まさにギリッギリ、なんとか日が持ってくれました~\(*≧∇≦*)/。もうすでに鉄橋の半分は影だったので、タテ位置にして奥の半分だけを切り取るアングルに変更。相変わらず顔とサイドのコントラストは強いけれど、やはり日が当たってくれたのは嬉しい~(^^)。

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115系はゆっくりとした速度だったので、
ズームを引いてヨコ位置でも撮れました。
コッチは全体が影の中ですが、コントラストは弱くて、
編成写真的にはこのほうがわかりやすいかも・・・。
ただし日の当たっている背景は
当然ながら、ぶっ飛んじゃっています。

光線や影には悩まされたけれど、結果的には顔に日の当たった状態と影のなかでの編成写真の両方がウマい具合に撮れました (また「回送幕」だけれどね ^^;)。このあと運転される「むさしの奥多摩号」の上り列車(営業運転)は奥多摩発が17時26分とほぼ日没後なので、これですべての撮影を終了して撤収します。何度も書いたように紅葉のピークにはちょっと早かったけれど、色づき具合は決して悪くなく、秋晴れのもとで存分に青梅線での「山スカ」撮影を楽しむことができました。心残りは、おつまみが充実していた奥多摩の駅前食堂・・・かな(笑)。次回訪れた際にも立ち寄って、今度こそ一杯引っ掛けてみたいと思います。

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軍畑から乗った帰りの電車も4両編成で、
車内はハイキング客で混雑していました。
でも軍畑から青梅までは10分ほど。
青梅で接続した立川行きは10両編成で、
こちらの列車には余裕で座ることができました(^^)。
青梅線 軍畑

軍畑1606-(1514)-青梅1617~1619-(1656T)-立川1648


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ONE-shot 101 藁塚

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PICK UP ONE-shot 101 藁塚
 
1117.jpg
先週土曜日は583系の臨時列車「わくわくドリーム号」の運転日。
あまり天気はよくないけれど、せっかくならば、
この時期ならではの紅葉などと絡めて撮りたいと考えていました。
 
夜行で営業運転が撮りづらいこの列車は、
午前中に武蔵野線を走る回送列車が狙い目です。
武蔵野線ならば、たしか見沼田圃(東浦和~東川口)の一画に
銀杏並木があったハズ・・・と、東浦和から歩いて行ってみるも、
なんとその銀杏は、すでにほとんどが枯れ木状態。 Σ( ̄ロ ̄ ; ハウッ...
そういや、前夜は風が強かったもんなぁ・・・。
仕方なく紅葉は諦め、オーソドックスに編成写真を撮ろうかと
抜けのよいところを探してフラフラしていたら、
ふと目にとまったのが、この藁塚(わらづか)でした。
 
藁塚は、稲を脱穀して残ったワラ(稲藁)を束にして積み上げ、
天日干しするもの (乾燥した藁は家畜の飼料などとして使われます)。
紅葉のような派手さは無いけれど、この藁塚も立派な晩秋の風物詩です。
  
藁塚が立ち並ぶ、のどかな風景のなかをゆく583系。
まるでかつての「はつかり」を思い起こさせるような光景で、
一瞬、ここが武蔵野線であることを忘れてしまいそうになりました。
 
12.11.17 武蔵野線 東川口-東浦和

ONE-shot 102 サービス、サービスぅ~!?

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PICK UP ONE-shot 102 サービス、サービスぅ~!
 
1002.jpg
もういっちょ、先週土曜の武蔵野線から。
この日は先にお伝えした583系の他にもう一本、
485系による団体臨時列車も設定されていました。
同路線で一日に二本の国鉄特急形が撮れるとは
なかなかオイシイじゃありませんか。
ただし583系同様、485系の方も営業列車は夜行運転で、
ここでは回送列車を狙うこととなります。
ヘッドマークが手動式の583系は回送列車でも、
そのまま営業運転と同じマークを出している場合が多いのですが、
電動幕の485系は「回送」表示になっちゃうハズ。
良くても営業運転と同じ「団体」表示。
どちらにしてもあまり絵にはなりません。
そこで今回は485系の美しいサイドビューを強調しようと、
ヘッドマークの見えない真横から流すことにしてみました。
  
ところが・・・
現れた485系のヘッドマークは「回送」でも「団体」でもなく、
なんと「ムーンライト えちご」のイラストマーク!
これにはもうビックリです。w(゚ロ゚)w ウワォッ!!
しかし真横でカメラを構えていた私は今さら角度を変えられず
(いちおう咄嗟にマークが見える位置でシャッターを切ったけれど、
モロに架線柱と被っちゃった・・・orz)、
イチかバチか後ろ側をマークの見える角度で追ってみました。
後追いなのでヘッドライトは点いていないけど、
背景には黄葉が入ってくれたので、これは結果オーライ。(^^)V
  
それにしても回送が「ムーンライト」幕とは・・・表示器の故障?
ひょっとして、撮り鉄へのサービスだったのかな?

12.11.17 武蔵野線 東川口-東浦和(後追い)
   
   
 
ちなみに、真横から撮った方はこんな感じ・・・
 
1002.jpg
 予期せぬヘッドマークサプライズに動揺してしまい、
若干タテぶれしてしまいました・・・。
まだまだ修行が足りませぬ。 (`・ω・´)

東北本線・・・リバイバル「津軽」撮影記

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2012.11.23
東北本線
夜の赤羽駅
リバイバル 急行「津軽」 撮影
  

先週金曜日は勤労感謝の日で祝日。週末の土日と合わせると三連休となります。しかし私は先月に青森へ遠征したばかりだし(金欠・・・)、連休中は最終日の日曜以外はあまり天気も良くなさそう。なので、この連休は遠出するような撮り鉄計画は立てていませんでした。だからといって、家でのんびりと・・・というわけにはいきません。実はこの三連休初日は、私にとって鉄以外のもうひとつの趣味でとても大事な日となっていました。もうご存知の方も多いと思いますが、私のもうひとつの趣味とはサッカー観戦で、応援するチームは千葉(市原・千葉)を本拠地とするJ2チーム「ジェフユナイテッド千葉」(理由は以前にも書いたように、出資する親会社のひとつが鉄道会社のJR東日本だから・・・^^;)。そのジェフ千葉のJ1昇格・復帰をかけた大一番、「J1参入決定戦」が23日金曜日に行われることとなったのです。まさに「決戦は金曜日」!! o(必`・ω・´勝)ノ

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ここで、サッカーにあまり詳しくない方、しかもJ1ならまだしもJ2なんてまったく知らねーよ・・・(゚Д゚) と、言う方も多いと思われますので、この「決定戦」についての説明をちょこっとだけさせていただきます。(サッカーにまったく興味のない鉄の方は、中盤付近のE233系が出てくる辺りまでスキップしてください ^^; )日本のプロサッカーリーグ・JリーグはトップリーグのJ1が18チームと、その下部に位置する二部のJ2が22チーム(12年現在)で成り、毎年そのうちのJ1下位3チームが降格、J2上位3チームは昇格という入換えが行われて、リーグ戦を盛り上げています。J1からは今年も例年通り下位の3チームが自動的にJ2へと降格となりますが、J2は今年から上位2チームはJ1へ自動昇格、そして残り1チームは3位から6位の間でプレーオフ(決定戦)が行われることとなりました。そして今年のJ2、最終順位はこんな感じ・・・。

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優勝した甲府と最終節に2位へすべり込んだ湘南が自動昇格 (・ε・`。)イイナァ...。残った最後の一枠を3位から6位の京都、横浜FC、千葉、大分で争うことになり、トーナメント方式の第一戦は上位チームへのアドバンテージとして、最も上の3位がいちばん下の6位と、4位は5位との組み合わせ。つまり京都vs大分、横浜FCvs千葉の対戦カードが組まれました。しかし勝ち点で拮抗しているようにこの4チームの実力差はそれほど大きくありません。そこで上位チームへはさらに「ホームゲームとして開催できること」と「90分戦って同点(引き分け)だった場合は延長・PKは行われず、上位チームが勝ち抜けとする」という二つのアドバンテージが与えられました。ということは、京都と横浜FCは引き分けでもOK、極端なハナシをすればガチガチに守って0-0でも勝ち抜けられます。逆に千葉と大分が次のステージへ進むには勝ちが絶対条件。これは上位が圧倒的に有利か・・・と思いきや、ふたを開けてみれば6位の大分が3位の京都に4-0の圧勝。さらに千葉も横浜FCに対して4-0。結果的には「引き分けでも大丈夫」と「勝たなきゃいけない」と言う心理的な駆け引きが、この下克上を引き起こしたともいわれています(もちろんそれだけでなく、試合の流れや対戦チーム同士の相性などもありますが)。この結果、決勝戦は千葉vs大分に。今度は千葉の方が順位が上ですから、千葉は引き分けでも昇格決定で、大分はやはりこの試合でも勝たなくてはJ1に上がれません。前試合とは逆の立場になったジェフ、果たしてそれがどう影響するのか・・・。決勝の舞台は中立地である聖地・国立。 チバ(*`Д´)っ乂c(`Д´*)オーイタ

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天気は予報通りの冷たい雨。それでも国立には多くの千葉・大分の両サポーターが駆けつけました。中立地とはいえ東京の国立競技場。千葉サポの方が若干は多いものの、大分サポも遠いところをよくこれだけ集まったものだと驚かされます。13時にキックオフされた試合は一進一退の攻防。大分はシンプルに前線へ、千葉は手数をかけて慎重にゲームを運んでいると言った感じ。ここでも例のアドバンテージ心理が作用しているのか・・・? いや、前試合で引き分け狙いは命取りになると言うことは千葉の監督、選手、そしてサポーターも重々承知のハズ。私も引き分けじゃダメだ、一点取って勝つんだ!と強い気持ちを持ち続けます。少なくとも80分(後半35分)までは・・・。ところが試合は動かず、残り10分まで0-0のスコアレス。こうなると「あと10分、0-0で逃げ切れば昇格・・・」の思いがアタマの中でチラついてきてしまいました。決して監督や選手、他のサポがそうだったとは言いません、でも私のなかでは「このまま終われば・・・」の気持ちが芽生えて来てしまったのは確かでした。そんな弱さを見透かされたように残り4分となった86分(後半41分)、千葉は一瞬の隙をつかれ、スピードのある大分・林選手にディフェンダーの背後へ走り抜けられます。林の蹴ったボールは千葉のキーパー・岡本選手の伸ばした手の先を越え、ゴールネットへ・・・私の目にはスローモーションのように映った悪夢の一瞬。まさにボー然と静まり変える千葉の応援席。ハッと我に返ったときには、対岸のゴール裏で狂喜乱舞の大分サポの姿が・・・。0-1、それでもまだ一点取れば同点。同点ならば昇格できるんだ、諦めてはいけない! しかし、残された時間はロスタイムを含めても10分弱。システムを変えて逆襲に転ずるにはあまりにも時間が無さ過ぎました。千葉は長身の選手を入れて、最後のパワープレーに出るも実らず、タイムアップ。ジェフの昇格をかけた戦いは辛く悲しい結果となってしまいました。・゚・(ノД`)・゚・ウワアァァァン!!。

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一勝、いや、一点が遠かった千葉。それはこの試合に限ったことではなく、大事なところで勝てない、勝ちきれないと言うのはシーズンを通しての課題でした。先ほどの順位表を見ても、昇格した2位・湘南との最終的な勝ち点差はわずか3、つまり一勝差(勝ち=3、分け=1、負け=0)でしかなく、長いシーズン中のどこかで一試合でも取りこぼしが無ければ昇格できていたのです(得失点差では湘南を上回るため)。でも今回の決定戦がそうであったように、この一勝というのがどれだけ重く大きいものかということは千葉だけでなく、昇格を逃したどのチームも痛感しているはず。結局、終わってみれば今シーズンの千葉はJ2の5位。とても昇格に値する順位ではありません(大分は6位だけどね ^^; )。この決定戦の悔しさをバネに、来年こそはスッキリと自動昇格を・・・いやJ2の優勝を果たしてほしいところです p(`・д・´)qガンバレ!!。・・・でも、今まさに最終盤のJ1で残留争いをしている"G"や"A"、"V"のような選手層の厚いチームが本当にJ2へ落ちて来るようなことがあると (まさか"C"ってことはないですよね・・・yasさん ^^;)、来季の昇格争いは今季以上に厳しい戦いとなりそうだなぁ・・・。


・・・そんなワケで、勝ったら行きつけの飲み屋で祝杯だ~!などと考えていたのに、すっかり意気消沈してドコへも寄らずに帰宅 (。_。*).....トボトボ。同じ酒でも祝杯ではなく、家でヤケ酒をあおるか? でも、敗者のヤケ酒ほど空しいものは無いし、万が一テレビで大分が喜んでいるようなシーンが映し出されたりしたら、悲しみが込み上げて来てしまいます (´;ω;`)ウッ 。そこでいったんは帰宅したものの、日が暮れてからカメラバッグを持って再び外出。こうなったらヤケ酒ならぬヤケ鉄で、現実逃避だ ヽ(`Д´)ノ! と、中央線と埼京線を乗り継いで向かったのは赤羽駅。実はこの日、上野青森で583系を使用した「リバイバル急行・津軽」の運転が設定されていました(上越・羽越・奥羽線経由)。ただしこの列車は現役時代の急行「津軽」と同様に夜行運転(上野21:54)となるため、関東近郊で走行写真を撮るのは難しく、かといって始発駅の上野や途中停車駅の大宮は混雑必至。当初は撮影を諦めていました。でも家でイジけているくらいなら、ダメ元でも気晴らしに撮影へ出た方がずっとマシ。そこで、停車はしないもののホームの灯りなど比較的条件がいい赤羽駅で「津軽」を待ち構えることとしたのです。

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まずは普通列車で試し撮り。
上野口へ投入されたE233系はこれが初撮影です。
東北本線 赤羽

しかしホームの灯りがあるとはいえ、やはりその明るさは日中には遠く及ばず、ギリギリ三桁の感度であるISO800でも1/50secが精一杯。写し止めるには列車の速度に合わせてズームリングをまわす「ズーム流し」で対応するしかなさそう。ズーム流しはちょっとしたコツがいるので、本命「津軽」の前に何本か練習しておきたいところですが、タイトルに貼った211系や上のE233系は赤羽に停車するため速度が遅く、あまり参考になりません。ここは一本でも通過列車で感覚を掴みたい。そういう意味ではおあつらえ向きの列車がまもなくやってきます。それは試し撮りと言うにはあまりに豪華なこの列車。

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速度を落とさずに、夜の赤羽を颯爽と駆け抜けるのは、
EF64 1051牽引の寝台特急「あけぼの」。

普通列車とはまったく違ったオーラを放って現れた「あけぼの」。ちょっと緊張気味ではありましたがスムーズにリングをまわせて、なんとか許容範囲内に写し止めることができました。関東にいながら、なかなか撮影機会が無いロクヨン牽引の「あけぼの」。今回の本命ではないものの、これは嬉しい副産物です。そして通過列車である「あけぼの」を止められたことで、気分的に余裕を持って「津軽」を迎えることができます。

ところで気になるのは、その「津軽」のマーク。急行「津軽」と言えば私は14系で運転されていた客車列車時代の印象が強く、583系の「津軽」と言われてもあまりピンと来ません。たしかに末期は客車に変わって583系や485系が使用されていたみたいですが、イラストマークなどは無く、ただの「急行」表示だったハズ。では今回のリバイバルでもマークは「急行」なのか? それとも文字のみで「津軽」? まさか拍子抜けの「団体」とか「臨時」じゃないだろうな・・・。これは現れるまでの楽しみにしておこうと、あえて情報系掲示板などには目を通さずに583系を待ちます。果たして掲げていたヘッドマークとは・・・。

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立派な「津軽」マークを掲げた583系が赤羽を通過。
やはり583系には夜のシーンが似合います。
(トリミング済み)

なんと「津軽」のイラストマーク (゚∀゚)! 583系「津軽」の現役時代には見られなかったイラストマークですが、なかなか似合っていてカッコイイじゃないですか。定期列車の合間を縫って走る臨時スジだったからか通過速度は「あけぼの」より遅く、ズーム流しも落ち着いてヘッドマークに合わせることができました。ただし右下にちょっとだけ、前方にいた同業者の肩が入ってしまったため、トリミングしてカットしています。ズームリングをまわしながらの撮影だったので、まったく気がつかなかったよ。。。(´Д`;)アチャ~

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583系に付けられた「津軽」のヘッドマークを
さらにトリミングして拡大してみました。
モチーフになったのはリンゴと岩木山で、
個人的に先月の青森旅行が思い出されます。(^^)

それにしても、583系には初めて掲げられたと思われるこの「津軽」マーク・・・実は私には見覚えがありました。それは今から22年も前の90年夏。客車列車として最後の運転となったひと月間だけ、今回と同じマークが機関車の前面に掲げられていたのです。

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90年夏、奥羽本線経由だった「津軽」は
山形新幹線改軌工事の開始により仙山線経由に経路変更。
同時に14系客車から583系へ使用車両が変わることとなり、
客車「津軽」最後のひと月には特別にマークが付けられました。
この日の牽引機は初代のEF65レインボー機、1019。
90.8 東北本線 日暮里付近

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1014.jpg

上野着が早朝だった「津軽」。
上写真の営業運転はシャッタースピードが足りずに
ブレてしまいましたが、尾久へと回送される推進回送は
なんとか写し止めることができていました。
1019号機に掲げられていたのは今回と同じマーク。

う~ん、懐かしい・・・。まさかあの時の「期間限定マーク」が今回のリバイバル「津軽」に使われることになるとは、思ってもみませんでした。でもいくらリバイバルとはいえ現役時代と同じ「急行」の文字だけじゃちょっと寂しいですから、今回のイラストマークはファンにとって嬉しい配慮ですね(なんだか前回続き、二回連続のヘッドマーク・サプライズをネタにしてしまったような・・・^^;)。行こうか行くまいか悩んでいた夜間のリバイバル「津軽」撮影ですが、やっぱり行って良かったと思える結果を得ることができました。もしジェフが勝っていたら、この頃は酔いつぶれていて撮れなかったかも・・・!? でもジェフサポとしてはやっぱり、J1に昇格してほしかったな・・・(未練タラタラだね (´・∀・`*) )。


☆オマケ☆

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前述したように、末期にはヘッドマークが付けられた
客車「津軽」ですが、上りの最終列車にはさらに
特別なヘッドマークが用意されていました。
それがこの「リンゴマーク」。
青いPFに掲げられた大きなリンゴはインパクトがありました。
90.8.31 東北本線 日暮里付近

1016.jpg

そして最終日の「津軽」に使用された14系は
その日のうちに品川へと回送。
オクシナの牽引に充当されたのはロクイチでした。
90.8.31 東北本線 蕨-南浦和

久留里線・・・国鉄形 キハ30・37・38 撮影記

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2012.11.25
久留里線
最後の悪あがき・・・?
国鉄形 キハ303738 撮影
  

千葉の木更津と上総亀山を結ぶ久留里線は、東京近郊にありながらローカルムードが味わえる単線・非電化の路線。そののどかな沿線風景もさることながら、ここを走る車両は国鉄時代から活躍する旧型の気動車(ディーゼルカー)で、近年は撮り鉄・乗り鉄の人気を集めています。しかしそんな久留里線にもついにステンレス製の新型気動車が投入され、旧型は今月(11月)いっぱいで役目を終えることになりました。今月いっぱいということは、週末休みの私にとっては先週末の三連休が最後の撮影チャンス。どうにか時間を作って久留里線へ向かおうと計画を企てますが、連休初日の金曜は前回お伝えしたように、ジェフサポ(Jリーグ「ジェフ千葉」のサポーター)は絶対に外せない「J1参入決定戦」の日(負けちゃったけど・・・(´;ω;`) )。そこで、土日のどちらかで久留里線へ行こうと天気予報を見ると、土曜よりも日曜の方が良さそう。実は土曜は丸一日フリーで、日曜は夕方から所用があったのですが、やはり天気がいいに越したことはありません。出撃は日曜に決定。限られた時間のなか、たとえ撮影できるのが数本であっても、最後の活躍をする国鉄形キハたちをしっかり記録しておきたいと思います。

11月25日(日)

まずは総武線、内房線と乗り継いで久留里線の始発駅である木更津を目指します。先約した非鉄の所用は夕方4時に都内での約束で、木更津から都内までは約二時間(都内の場所にもよりますが)、久留里線沿線からだと三時間の所要時間を考えなくてはならず、昼過ぎには現地を出なくてはなりません。ここは少しでも久留里線での滞在時間を作ろうと、自宅最寄り駅から朝イチの列車に乗り込み、ちょうど千葉を出たあたりで日の出を迎えました。車窓から見上げた空は予報通りの快晴。(^^)

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途中の五井で接続するのは小湊鉄道。
小湊沿線も今頃は紅葉がきれいな時期ですよね。
ちょっと立ち寄りたいところですが、
残念ながら今日は時間がにゃい・・・(´・ω・`)。
内房線 五井(車窓から)

新宿0520-(中央472T)-御茶ノ水0536~0536-(総武542B)-千葉0627~0638-(内房133M)-木更津0717

久留里線には今年9月に内房線で運転された「リバイバル・さざなみ」の撮影ついでにちょこっと立ち寄っていますが、久留里線自体を目的とするのは昨年12月以来、約一年ぶり。思い返せばちょうどその頃に新型への置き換えが正式に発表され、旧型を記録するには約一年もの猶予があったハズなのに、結局あまり訪れることができませんでした。幸い、置き換えは順次に行われる方式ではなく、12月1日を境に一気に新旧が入れ替わるため、旧型にはまだ一両の離脱も無いところがせめてもの救いです。このブログの読者ならばもうご存知の方が多いと思われますが、現在(置き換え前)の久留里線で使用されている車両は、1960年代に製造されたキハ30、83年製のキハ37、86年製のキハ38の三種で、なかでも人気なのは製造年が古くて国鉄色が復刻されたキハ30。間近に迫った新型への置き換えは三種全車を対象に行われるので、もう車種を選り好みしている余裕は無いのですが、今回もできることなら国鉄色のキハ30が撮りたい。それにこのキハ30に巡り会えるかどうかというのは一種の運試しのようなものであり、久留里線訪問のひとつの楽しみでした。私はどちらかというとキハ30との相性は良くない方でしたが、おそらく最後となる運試しの結果やいかに? ドキドキしながら木更津で内房線を降りると、そこにいたのは・・・やたっ!キハ30 (゚∀゚)!

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木更津で発車を待つ久留里線。
上総亀山行き923Dの先頭に立つのは
国鉄色のキハ30 100!
内房線 木更津

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続く二両目は? と、後方へ進むと・・・
なんと、こちらもキハ30! w(*゚o゚*)wワオッ!!

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後方(木更津方)を務めるのはキハ30 62。
ホームには別れを惜しむファンの姿が見られます。
これはまさに最後のビッグプレゼントですね!(^^)

嬉しいことに、さっそく出会うことができた国鉄色ツートンカラーのキハ30。しかもこの接続した923Dはキハ30のみの二連というファンには堪らない組成で、最後の運試しは「大吉」と言っていいでしょう。置き換え前最後の日曜日、ひょっとしてなにかがあるのでは・・・との期待を少しは持っていましたが、まさにやってくれました木更津派出! d(´∀`*) グッジョブ!!

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ちなみに三両あるキハ30のうち、
残ったもう一両のキハ30 98は車庫でお休みでした。

しか~し、毎度のことですが列車移動の「徒歩鉄」の場合、乗らなきゃならないこの列車の走行写真を沿線で撮ることはできず、どこかで降りて折り返しの木更津行きを狙うしか方法はありません。撮り鉄的にはちょっともったいないけれど、仕方なく片道はキハ30の乗り鉄を楽しむことにします。それにしても二両の車内は満員。本来なら空いているであろう朝の下り列車ですが、その乗客の内訳は学生などの地元客が二割、紅葉鑑賞で亀山湖などを訪れると思われるハイキング客が二割、そして鉄が六割と言った感じ。旧型最後の週末で天気も良好、さらにキハ30二連と来たら、まあ鉄が集中するのもムリは無いか・・・私もその一人だし (^^;)。そんなワケで混雑した車内ではあまりキハ30の乗り心地を楽しむ余裕は無く、先へ進む列車に淡々と揺られるだけ。沿線各所の撮影ポイントではカメラの放列がこのキハ30を出迎えます。さて私は折り返しをどこで撮ろうか。いつも横田の田んぼばかりで芸が無いので、今回は小櫃か平山あたりまで行ってみるかな・・・などと考えていると、列車はまもなくその「いつもの」横田へさしかかり、車内には「次の横田では列車交換のため、4分ほど停車いたします。」とのアナウンスが流れます。するとそれを聴いた瞬間、私の頭には「ひょっとして4分あれば、田んぼの撮影地まで走って行けるのではなかろうか・・・?」などという、アホみたいな考えが浮かんでしまいました。たしかに横田と次駅の東横田の間に広がっている田園地帯には、横田駅から10分も歩けば着くことができますが、わずか4分ではあまりに無謀。冷静に考えれば無茶苦茶なことなのに「キハ30の二連の走行が撮りたい」の一心で、私は横田で列車を降りてしまいました。

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横田では上りの924Dと交換。こちらはキハ38でした。
久留里線 横田

木更津0723-(久留里923D)-横田0739

構内踏切で一枚だけ交換シーンを撮り o[◎]_- )パチリ 、あとはひたすらに撮影地を目指して全力疾走!
ダダダッ ε=ε=ε=ε=ε=ε=┏(# ゚Д゚)┛ウオオォォォォォォォー!!
駅舎を抜け、第一コーナー、第二コーナー、第三コーナーを順調にクリアし、ここまでのラップタイムは二分半と順調なペース。あとは約200メートルの直線を残すのみですが、ぬかるんだ未舗装の農道が最後の難関です! すでに踏切は鳴りはじめていて、駅の方向を振り返れば黒煙を吐いてこちらに向かって来るキハ30の姿が・・・果たして!?





ハァ...ハァ...(;;´Д`) ゼエ...ゼエ...


 

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雲ひとつない青空の下を走り行く、
国鉄色キハ30の二連!(923D)
ツートンのみのシンプルな編成は国鉄時代そのもの。
久留里線 横田-東横田

なんっっっとか、ギリっギリ間に合いました~ \(≧▽≦)/イエーイ!!...(A´-д-)=3 アー、シンド...。さすがにいちばん抜けの良い定番ポイントまで到達するのはムリで、背景には家々が入ってしまいましたが、それでも手前側はスッキリと抜けており、徒歩鉄ならぬ「走り鉄(?)」としてはじゅうぶんと言える結果でしょう。それに定番の方はすでにかなりの同業者がいたので、たとえ間に合ってもいい位置で撮れたかどうか解りませんし(こちらの先客は二名のみでした)。それにしても、こんなに全力で走ったのはいつ以来だろう。最近の運動不足がたたってか、呼吸が正常に戻るまで結構な時間がかかりました。もうイイ歳なんだから、あまりムリはしない方がいいかな? ε=o(´ロ`||)ゴホゴホ...。

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振り返って、後追いも。
こちら側は顔に日が当たりませんが、
太陽を反射する国鉄色が
なかなかイイ感じで撮れました。(^^)
久留里線 東横田-横田(後追い)

さて、呼吸が落ち着いたところで次の撮影へ。結局なんだかんだでまた横田で降りてしまい、今の折り返しとなる上り列車・928Dもこの横田近辺で撮ることになってしまいました。今度は背景がスッキリしている定番ポイントで撮ろうかと思いましたが、やはり考えることは皆同じで、そのまま折り返しを待つ同業者で定番は引き続き混んでいます。それに、私としてはこの928Dを撮ったらすぐに次の下り列車・927Dに東横田から乗って移動したいと考えていたので、定番位置は諦めて東横田駅近くで折り返しを待つこととしました(上下列車は先ほど同様に横田で交換するので、横田に戻っていては間に合わず、下りへ乗るならば東横田へ出た方が効率がいい)。この行動パターンは昨年とほぼ一緒です。

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一時間半後、
先ほどのキハ30が上総亀山から折り返してきました。
私が選んだ撮影ポイントは東横田駅のすぐ近くです。
久留里線 東横田

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光線を重視して後追いを撮影(928D)。
私は異形式併結の「珍ドコ編成」好きですが、
国鉄色で整えられたキハ30の二連もまたよろし。(^^)
久留里線 横田-東横田(後追い)

この日二発目のキハ30二連も良好な状態で撮れました。しかし今考えると、ムリに走ってまで同じような画を量産するより、たとえ一本だけでも今までと違うアングルをしっかりと腰を据えて撮るべきだったかとも思います。う~ん、咄嗟だったとはいえ、なんで横田で降りて走っちゃったんだろう・・・。でもチャンスはまだあるし、次に再び折り返して来る(であろう)下りのキハ30を今度こそ違ったアングルで狙えばいいか。と、このときはお気楽に考えていましたが、実はそんなに甘くないのが久留里線なんですよね~(^^;)。

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予定通り東横田では
余裕で下りの927Dに間に合いました。
こちらはキハ38+37の二連。
久留里線 東横田

東横田から乗った二連の927Dも朝に乗った列車同様、いや、それ以上の大混雑。やはりその大半は同業者(鉄)です。もはや乗車列車がキハ30だからと言うことではなく、この日は久留里線全体が旧型へのお別れムードで賑わっているみたいで、同乗した女子高生はちょっと迷惑そう。あと一週間後にはキレイな新型車両で通学できるようになり、その頃にはファンのフィーバーも治まるから、もうちょっとだけ辛抱してね・・・(^人^;) ゴメンネ ゴメンネ~。 ほとんど車窓風景を見ることもままならず、東横田から揺られること20分で久留里着。

東横田0938-(927D)-久留里1000

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久留里線の主要駅・久留里は乗降客が多く、
木造平屋建ての駅舎には駅員も配置されています。
久留里線 久留里

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杉玉発見!杉玉発見!(.hanamuraさん)
銘水の里、久留里にはいくつもの造り酒屋があります。
でも酒瓶は重いから、帰りに買って帰ろう・・・。

現在は君津市に属していますが、久留里は古くから久留里城の城下町として栄えた町で、お城は今でも久留里のシンボル的な存在です。そして何を隠そうそのお城が次の目的地。熊本へ行っても熊本城には寄らず、弘前へ行っても弘前城を見ない私が、なぜに久留里城へ向かうのかと言えば、当然ながら撮り鉄のためで、高台にあるこの久留里城からは久留里の町とそこをゆく久留里線が一望できるのです。駅から20分ほど歩いて街中を抜けると、県道沿いに見えてきたのは「久留里城入口」の看板。しかし山城である久留里城へ到達するにはここからが大変で、かなりの急坂を登らなくてはなりません。徒歩鉄とはいえ、今回はやけに足を酷使するなぁ・・・ε~ε~ε~(;´Д`)ヒィィィィ...。

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城山の高さを表した看板。
平地にある三の丸からてっぺんの本丸までは
100メートル以上の高低差があります。
私が目指すのは128メートルにある二の丸。

2009.jpg

100メートル程度の高さならたいしたことは無さそうですが、
とにかく坂道が急で、麓付近のの道端には
木杖も用意されています(私は使いませんでしたが)。

2015.jpg

山道を上へ上へ・・・。
青梅線の回でも書きましたが、
決して私の趣味は山登りやハイキングではありません(^^;)。
行きに酒瓶を買わなくてヨカッタよ・・・。

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麓から上ること10分、
ようやく視界が開ける二の丸へと到達しました~。
ここが目指していた撮影ポイントです。

撮影地となる二の丸までの道のりはちょっと大げさに書いていますが、この日の私的にキツかったのは事実で、やはりここへきて朝の「横田ダッシュ」が響いているのかも。そんななか、なんとか二の丸へと到達して展望台から眼下を見渡せば、疲れが吹き飛ぶほどの素晴らしい眺望。ここまで登って来た甲斐があると言うものです。先客は4~5人おられましたが、キャパは広くて無問題。さっそく私もカメラを構えて列車の通過を待つことに。

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のどかな里山の情景を行く久留里線の列車(932D)。
遠景でも白い久留里色は同化することなく目立ちます。
久留里線 平山-久留里

まずやって来たのは、私が久留里まで乗って来た927Dの折り返しである上りの932Dで、キハ37+38の二連。この二種も来週にはお役御免となってしまうので、無駄にすることなくキッチリと押さえます。でもやはりいちばんの狙いは、先ほどのキハ30二連。きっとツートンの国鉄色は久留里色以上にこの景色に映えることでしょう。ところが927Dの通過後、ここにいた数人の同業者は全員撤収してしまいました。あれ?国鉄色は撮らないの? まあ次の列車が通過するまではまだ一時間近くもありますし、撮影場所を変えるのかな・・・? ひとりだけ撮影地へ残された私、これでは場所取りの必要は無さそうです。そこで次の列車が来るまでの空き時間を利用し、久留里城の本丸を見に行くこととしました。今いる二の丸から本丸まではすぐなので、キツさもありません。

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久留里の町を見下ろすようにそびえる
久留里城の本丸(復元)。
久留里城の起源については
「平安時代中期の猛将平将門の三男、東少輔頼胤が
初めてこの地に砦を構えた」と伝えられていますが、
確証はなく伝説と考えられています。 
以後、明治4年秋に廃城されるまで中世には里見氏、
近世には黒田氏をはじめ数々の城主の居城となってきました
(君津市のHPより抜粋)。

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その天守閣からの眺めはなかなか爽快。
でも残念ながら久留里線はこの角度から見えません。
と言うことは、久留里線の車窓からも
このお城の姿は見えないのか・・・。

30分ほどかけて本丸と資料館をざっと見学し、再び二の丸の撮影地へ。国鉄色が期待される下り929Dの通過まであと20分、さすがに何人かの同業者がいるかと思いきや、やはり誰もいない。これはなんだかいや~な予感・・・(;¬_¬)ウーム... 。結局通過の5分前に一人の方が現れたのみで、929Dを迎えます。高台から目を凝らして久留里駅方向を見ていると、現れたのは・・・ありゃ、キハ38!?

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同じ撮影地ながら、先ほどとは別アングルで。
こちらからは木々が生い茂った森の中を走る
久留里線の姿が見られます。(929D)
もう少し紅葉を期待したのですが、
今年はまだ早いみたい・・・。
久留里線 久留里-平山

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上写真では車両が解りづらいので、クローズアップ。
走って来たのはキハ30ならぬキハ38・・・orz

この929D、てっきりキハ30が折り返して来るものだとばかり思っていましたが、どうやら私の読み違いで、キハ30は朝撮った928Dで木更津に到着後は運用に入らず入庫してしまったらしい(あとでよく調べてみるとこの929Dの運用は928Dではなく、その後の930Dから繋がっているんですよね)。どうりで撮影地が閑散としているわけだ・・・。残念ながらこの俯瞰撮影地で撮るキハ30は、私にとって叶わぬ幻の一枚となってしまいました。それでもたとえキハ38であれ、晴天に恵まれたこの撮影地で置き換え間近の旧型が撮れたのですから、これでヨシとすべきなのかもしれません。ちょっと残念な思いを残しつつも、私は満足して城山を下りました。

時間的にこれで久留里線の撮影は終了。次の上り列車は久留里発12時48分で、順調に乗り継いでゆくと東京・新宿には15時半着。4時の待ち合わせにはちょうどいい頃合いです。でも久留里の列車発車時刻まではまだ少し時間があるので、久留里の町でお昼を食べてから東京へ戻ることとしました。何といっても銘水の里・久留里は蕎麦がウマい。そこで入ったのは一軒のお蕎麦屋さん。しかしちょうど昼食どきで、なんとか相席で座れたものの、老夫婦がひとつひとつ丁寧に作っている蕎麦はなかなか出てきません。時間は刻一刻と過ぎてゆき、列車の時間が気になりだした頃、ようやく私の頼んだ鴨せいろが運ばれてきました。

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久留里でのお昼ゴハンは、鴨せいろ。
手打ちの蕎麦は二八ながら歯ごたえがあり、
蕎麦の風味も強くて美味しい。
久留里線が新型に置き換わっても、
この蕎麦を食べるために
また久留里を訪れたくなるほどのお味でした。

確かに美味しい手打ち蕎麦。でも私にはゆっくりと味わっている余裕はありません。列車の発車まで残り15分、10分で蕎麦をかき込み、残り5分で駅へと急ぎます ε=ε=ε=┏(#´Д`)┛マタカヨ...。本当に今日は慌ただしい日だなぁ・・・。駅へ着くとすでに列車はホームへ入線し、発車を待っていました。あ~結局、酒屋へは寄れなかった・・・(´・д・`)。

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キハ37を先頭に停車中の上り木更津行き。
実は乗車する934Dは写真を撮る余裕がなかったので、
これは久留里に到着したときに撮った930Dです。
でも使用されている編成はどちらも同じ
(ただし934Dは手前の一番線から発車)。
久留里線 久留里

久留里1248-(934D)-木更津1332

おそらく私にとって、旧型の最後となるであろう久留里線訪問は終始バタバタになってしまいました。本来ならもっとじっくりと向かい合って旧型の三種にお別れを言いたかったところですが、限られた時間内のなかでは満足のいく結果が残せたのではないかと思っています。久留里線からの引退後が気になる旧型三種(とくにキハ30)。やはり廃車となってしまうのか、それともさらに活躍の場が与えられるのか私には解りませんが(譲渡話があるとか、ないとか?)、三形式とも国鉄時代からの長きにわたる活躍、お疲れさまでした。これでキハ30系列の生き残りは、関東鉄道のキハ100形二両だけと言うことになるのかな・・・。

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木更津の車庫内には営業運転を待ちわびる
新型・キハE130系の姿がありました。
久留里線 木更津


木更津1355-(内房・総武4376F)-錦糸町1514~1515-(総武1457B)-御茶ノ水1524~1526-(中央1503H)-宿1537

 

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PICK UP ONE-shot 103 「船橋線」の臨時列車。

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PICK UP ONE-shot 103 「船橋線」の臨時列車
 
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子供の頃から鉄道好きだった私にとって、
憧れのひとつだったのが、定期券で通う「電車通学」。
小・中学校が家から徒歩で通える近さだったこともあり、
高校は絶対に電車で通学できるところを・・・と考えていました。
しかし県外の高校となれば、私立でお金がかかるし、
「通学定期が欲しいから県外の私立に行きたい」なんて志望動機は、
当然ながら親に認められるはずもありません。
そもそも私の拙い成績では通学方法で学校を選ぶような余裕はなく、
結局、与えられた選択肢は近場にあるいくつかの公立高校でした。
それでも私は通学定期への夢が捨てきれず、
選択肢のなかで唯一電車通学が可能な学校を受験し、合格。
晴れて人生初となる定期券を手に入れることができたのです。
ただし、その通学区間は東武野田線のわずか数駅。
同じ東武でも特急や急行が走る伊勢崎線などとは異なり、
通勤形の普通列車ばかりで何も面白味が無い野田線。
しかも私が通っていたのは、そのなかでもさらに地味な
通称「船橋線*」と呼ばれる区間で、
いくら憧れの電車通学とはいえ、ひと月も通えば飽きてしまい、
当時の私は「日本でいちばんツマラナイ路線の定期」を持ってしまった・・・
と、嘆いたものでした (おーげさだね ^^;)。
  
  
あれからウン十年・・・
なんと、その地味な船橋線に臨時の特別列車が走るというではありませんか!
これは当日に伊勢崎線・南栗橋の車庫で行われる一般開放イベント
「東武ファンフェスタ」への団体輸送で、船橋から南栗橋までの運転。
使用されるのは旧塗装の復刻色で人気を集めている8000系の8111Fです。
船橋線の元・通学利用者としては、これを見逃すわけにはいきません。
ネットを検索してもあまり撮影地がヒットしない船橋線ですが、
私には一カ所、キレイに撮れそうな場所の心当たりがありました。
それは高校時代、毎日車窓から眺めていた抜けの良い築堤で、
いいポイントだけれど船橋線じゃ撮る気がおきないと、
当時はまったく見向きもしなかった場所。
しかし何十年も経った今でも、果たして撮影はできるのだろうか・・・?
期待半分、不安半分でその撮影地へと向かいます。
  
すると、そこにあったのは昔とまったく変わらない情景。
これには思わず、懐かしさよりも嬉しさが沸いてきます。
ここは編成撮りもじゅうぶんに可能な撮影地ですが、
私にとっては想い出深いこの場所の雰囲気を少しでも表現したくて、
あえて引き画で狙ってみることにしました。
 
周りには誰もいない、私だけのフェイバリット・ポイントを
軽やかに駆け抜けてゆく、復刻色の8111F。
まさか高校を卒業してからウン十年も経ったあとに、
ここで撮影することがあろうとは、思ってもみなかったなぁ・・・。
 
あ、ちなみに私の高校時代の野田線はこの色ではありません・・・(^^;)
  
12.12.2 東武野田線 高柳-逆井
 
  
  
 
* 東武野田線は埼玉の大宮から千葉の船橋へと至る路線ですが、
途中駅の柏が頭端式のスイッチバック構造となっているため
大半の列車が大宮~柏と柏~船橋で運行区間が分けられ、
柏を境に大宮方面をそのまま「野田線」、
船橋方面は通称で「船橋線」と呼ばれることがあります
(ただし沿線民や利用者は船橋側でもフツーに野田線と呼ぶことが多く、
私も船橋線とはほとんど言いません。
この通称は業務用か、ファンが付けた呼び名なのかな?)。

江ノ電・・・七里ケ浜俯瞰 撮影記

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2012.12.08
江ノ電
 白波立つ湘南海岸
 七里ケ浜俯瞰 撮影記
  

私は師と呼ばれるようなエライ人ではないけれど、師走ともなればそれなりに忙しくなるものらしい アワヽ(゚○゚ ;ヽ)三(ノ; ゚□゚)ノアワワ。そうなるとなかなか自分の都合だけではウマくまわらず、先週末はどちらかというと日曜の方が鉄ネタは豊富だったのですが(中央線の甲府まで24系寝台車を使用した団体列車が入線したり、西武では101系のさよなら運転があったり・・・)、日曜はどうしても外せない大切な用事ができてしまい、私に与えられた趣味の時間は土曜のみ。しかし日曜に対して土曜はあまり私的には食指が動くようなネタがなく、非鉄を決め込もうかとも思ったのですが、予報を見るかぎり風は強いものの天気はとても良さそう。ならば今回はネタに拘らず、前からちょっと気になっていたとある撮影地へと行ってみることにしました。その撮影地がある路線とは江ノ島電鉄、通称「江ノ電」です。

古都・鎌倉や江ノ島観光の足としてだけでなく、路地裏や海沿いを走るシーンは映画やドラマなどにたびたび登場し、今さら説明の必要がないほど有名な湘南を走る小さな電車、江ノ電。撮り鉄的にも、季節によって様々に変化する沿線風景と多種多様な車両の組み合わせが楽しめる、魅力的な路線です。しかし意外と私は撮影機会が少なく、一昨年の春に外勤ついでに藤沢から鎌倉まで乗り通したことがあるだけで、本格的な撮影となると、もうかれこれ10年以上も前のこと。毎年、梅雨時の紫陽花や併用軌道区間で行われる夏祭りなど、一度は撮影したいと思いつつもすっかり忘れてしまい、機を逃していました。遠くのローカル線もいいけれど、もっと足もとの魅力的な路線をしっかりと見直すべきなのかもしれません。そんなワケで今回はなんとなく江ノ電。でも今は紫陽花の時期ではないし、紅葉もほぼ終わりかけ。一体何を狙うのかというと・・・実はこの日の湘南には「ある注意報」が発令されていました。その気象条件こそが今回のキーポイントになります。


12月8日(土)

藤沢と鎌倉を結ぶ江ノ電。都内からのアクセスを大まかに分けると、横須賀線で鎌倉か、東海道線もしくは小田急江ノ島線で藤沢かの二通りになります。ルートは江ノ電沿線の目的地にもよるけれど、私が目指す場所はどちらを経由しても時間的、料金的に大差ありません。ならば週末の鎌倉は観光客で混んでいそうなイメージがあったので、藤沢側から江ノ電へと入ることにしました。

1001.jpg

今回は久しぶりに東海道線でスタート。
普通列車で江ノ電の始発駅である藤沢へ向かいます。
東海道本線 大船

東京0853-(東海道765M)-藤沢0943

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東海道線、小田急江ノ島線、そして江ノ電が乗り入れる藤沢。
江ノ電ののりばは小田急百貨店の二階にあります。
江ノ島電鉄 藤沢

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江ノ電のターミナルは二面一線のみの頭端式ホーム。
向かって左が乗車、右が降車ホームです。
入線して来たのは1500形。
江ノ島電鉄 藤沢

一日乗車券を買って改札を抜けたと同時にホームへ入って来た鎌倉行きの電車は、折り返し先頭となる鎌倉方がレトロ調の10形、後方の藤沢方が一般形の1500形を連結した四連。現在の江ノ電は実に新旧6種もの車両が活躍しており、毎回どの車両に乗れるのかが楽しみでもあります。そんななかでも、やはりお目当てとなる車両はあるわけでして、鉄のいちばん人気は最古参で1960年製の300形。今回はネタに拘らず・・・とは言うものの、やはり300形を撮りたいのがホンネ (・ω<) テヘッ☆。現在は305F(305+355)一本のみが在籍している300形、果たして運用には就いているのでしょうか・・・? それはさておき、私が乗る列車の後方に連結されている1500形の1501Fは江ノ電らしからぬ白いボディにオレンジと赤の帯。これは何かの広告車かと思われがちですが、実は江ノ電初の新性能電車(カルダン駆動方式)である1500形がデビューした際、イメージアップのために塗られていたのがこの色で、当時は「サンライン号」の愛称で親しまれた、いわゆるリバイバルカラー。しかし私はこの形の電車と言えばグリーン塗装(旧塗装・後出)の1000形の方が印象深いため、リバイバルカラーと言われてもあまりピンと来ないと言うのが正直なところです・・・(^^;)。

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江ノ電の車両はすべて連接式の二連ですが、
早朝・深夜を除き、二連×2の四連で運転されます。
併結は新旧・車種の隔たり無く行われ、
私が乗るこの列車は10形+1500形でした。
この統一感の無い編成も江ノ電の魅力のひとつ・・・かな?(^^;)
江ノ島電鉄 藤沢

私はそんな1500・・・ではなく、10形の方へ乗車。別に10形がスキとか、1500形がキライというわけではなく、ただ単に運転席後ろから前方の景色を眺めたかっただけ。しかしさすがは人気路線の江ノ電、前方かぶりつきにはすでにファミリーの先客がいました。前面展望は諦め、私はおとなしく席へと座ることにします・・・(´・ω・`)。
定刻に藤沢を出た列車はしばらく住宅街のなかを走り、10分ほどで江ノ島へ。すると、ここでファミリーの方々は下車していったので、変わって私が前方かぶりつきへとありつくことができましたヽ(・∀・)ノゎーぃ♪。これはグッドタイミング。江ノ電の前方展望はここ江ノ島から先が面白いのです。

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江ノ島駅を発車した列車は程なくして
路線唯一の併用軌道(路面電車)区間へと入ります。
併用軌道を走る列車の展望はいつ見ても面白い (゚∀゚)!
江ノ島電鉄 江ノ島-腰越(車窓から)

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腰越駅手前で併用軌道区間は終わり、
今度は住宅街の狭い路地裏へ。
江ノ電は塀や軒先をかすめるように走ります。
江ノ島電鉄 腰越-鎌倉高校前(車窓から)

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その路地の先に見えて来たのは、湘南の青い海。
やぱり車窓に海が見えてくるとテンションが上がるものです。
(*゚∀゚)=3ハァハァ 
江ノ島電鉄 腰越-鎌倉高校前(車窓から)

併用軌道から路地裏へ入り、やがて海へ・・・この江ノ島から鎌倉高校前までの二駅区間は変化に富んでいて、鉄じゃなくてもじゅうぶんに楽しめるのではないでしょうか。そして私はこの海岸近くにある駅、鎌倉高校前で下車。

藤沢1000-(江ノ電49列車)-鎌倉高校前1015

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目の前に海が広がる駅として、有名な鎌倉高校前駅。
まさに湘南を連想させる象徴的なポイントです。
江ノ島電鉄 鎌倉高校前

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駅横で撮影した江ノ島と江ノ電のコラボカット。
よく見るお決まりの定番構図ですが、
車道にクルマが一台もいない状態で撮るのは
意外と難しいのです。
車両は京都・嵐電との姉妹提携を記念した
嵐電カラーの「嵐電号」。
江ノ島電鉄 鎌倉高校前付近

江ノ電の撮影地として選んだのが鎌倉高校前とは、我ながらベタベタのベタコさんです (*^^)ゞ。でもこの日の湘南には強風注意報が発令されていて、ふだんは穏やかな湘南の海もこの日ばかりは大きな白波が立つ、いわゆる時化(しけ)の状態。実は冒頭で触れたキーポイントとなる気象条件とはこのことで、荒波の湘南海岸をバックにした江ノ電を撮りたいと考えていたのです。そこで最初の撮影地は駅近くの踏切。ここは海を背景に江ノ電が撮れる有名なポイントで、今の時間帯ならば列車をシルエット気味に落とした面白いカットが狙えるはず。そう、この場所こそが今年の9月にスイスの湖でトラムを撮った際に私が思い浮かべていた撮影地です。しかしこの撮影地にはそのスイスのときと同じ、大きな問題点が・・・それは交通量の多い車道が並行していること。

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海をバックに江ノ電を・・・が、
並行する道路のトラックがモロにカブってしまいました。orz
シルエットで解りづらいですが、車両は500形。
江ノ島電鉄 七里ケ浜-鎌倉高校前

とりあえず一枚撮ってみましたが、やはりこんな感じでクルマとカブらずに列車を撮るのは至難のワザ。晴天の週末に海沿いの道ともなればドライブに出かける方も多く、最初に駅横で撮ったような、まったくクルマのない状態など奇跡に近いものがあります。それでも根気よく狙い続ければ一回くらいは撮れるか・・・?

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奥の車道にはクルマが無いけれど、
今度は手前に踏切待ちの車列が・・・(´Д`;)。
これは1000か、1500形。

1014.jpg

ギリギリクルマが抜けた!?
でも電車を引き付けすぎて、
海の面積が少なくなっちゃいました。
この一カット前だと電車の位置が良くても
右端に写っているクルマが大きく入っています。
う~ん、難しいものだなぁ・・・(´~`;)。
このシャープなシルエットは2000形。

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クルマは抜けたけれど、バイクが一台・・・。
このくらいは目をつぶるべきか?
これも1000形系列。

何度か挑戦してみるも、なかなかスッキリとは抜けてくれません。ここに載せたのはそれでもまだマシな方の写真で、ほとんどが並走するクルマとのモロカブりだらけ。撃沈写真ばかりが続くと精神的に萎えてきます (;´д`)=3ハア…。それに荒波の表情もあまり出ていないような気がする・・・。ここでは思っていたほどの成果が得られず、早めに見切りをつけて撮影地を移動することにしました。
次に考えている撮影地は、鎌倉高校前のひとつ鎌倉寄りにある駅、七里ケ浜が近そう。江ノ電の一駅区間は短く、鎌倉高校前から七里ケ浜の間も0.9キロ程度。これならば12分間隔の江ノ電を待つよりも、歩いちゃった方が早そうです テクテク C= C= C=┌( ・∀・)┘。

ところで、さっきから列車の車種を確認し続けているのですが、まだお目当ての300形の姿を見ていない。今日は動いていないのかなぁ・・・などと考えながら七里ケ浜へ向かって歩いていると、途中の信号場で見かけた編成は・・・

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鎌倉高校前~七里ケ浜のほぼ中間点にあるのは
上下の交換が可能な峰ヶ原信号場。
駅ではありませんが、大半の列車がここで交換します。
左が1000形で、右は1500形。
江ノ島電鉄 峰ヶ原信号場

先ほど藤沢から乗った1501Fでした。これでこの日動いている全編成を見たことになりますが、やはり300形はお休みのようです。う~ん残念・・・(´・ω・`)ショボーン。お目当てが動いていないと解ると、一気にテンションが下がります。それでもこの日の荒波は、コラボする車両に関係なく、ぜひとも次に目指す撮影地で撮っておきたい。再び気持ちを奮い立たせて先へ進みます。でも私、実はその撮影地へ行くのは今回が初めてで、詳しい行き方を知りません。そこはソネブロ仲間のFTドルフィンさんをはじめ、ネット上で何人かの方が撮影されている写真を見かけているのですが、解っているのは稲村ケ崎~七里ケ浜を臨む高台の俯瞰ポイントだと言うことだけ。ある程度は地図上で目星をつけて、あとは行ってみれば解るかと思ったのですが、実際は意外と苦労することに。

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七里ケ浜海水浴場の最寄り駅、七里ケ浜。
駅の周囲にはオサレなカフェやレストランが軒を連ねます。
江ノ島電鉄 七里ケ浜

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このあたりは道路と線路の境界が低く、
江ノ電らしい緩やかな雰囲気を味わうことができます。
走ってゆくのは現行塗装の1000形。
江ノ島電鉄 鎌倉高校前-七里ケ浜(後追い)

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その江ノ電の線路脇には上の方へと伸びる階段が・・・
ここが撮影地へと続く入り口か・・・?
(o¬ω¬o)アヤシイ...

1020.jpg

急斜面の階段を上ります。
徒歩鉄のクセに俯瞰好きなので、最近こんなんばっかし・・・。
ε~ε~ε~(;´Д`)ヒィィィィ...

1021.jpg

階段を上り切ると視界が開けたところに出ました。
でも江ノ電はよく見えないなぁ・・・(A´・д・)=3
撮影ポイントはもっと上の方なのかな?

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さらに歩き続け、だいぶ高いところまでやってきました。
家々の向こうには、高波の立つ荒々しい海原が見えます。

1023.jpg

なんと、この先は行き止まり!?Σ(゚□゚(゚□゚*)ナ、ナニーッ!!
せっかくここまで上がって来たのに・・・orz。

高台へ続く階段や坂を登るも、視界はあまり開けません。しかも細い路地は複雑に入り組んでいて、行き止まりや、気がつけば同じ道をぐるぐると彷徨うことに・・・。いったいあの俯瞰写真はどこから撮られたものなのだろうか? 海に面した大邸宅の豪華なバルコニーからなら見晴らしが良さそうですが、まさかあそこから撮ったんじゃあるまいな・・・Σ(゚д゚;) ハッ!!、ひょっとしてこのお屋敷の坊ちゃんが鉄で、仲間内をみんな招き入れたのでは!? m9(゚∀゚)っ ソレダッ!!  ・・・などと、アホなことを本気で考えてしまう始末。同じところを二周も三周もしている不審人物、この辺で空き巣騒ぎがあったら間違いなく私が疑われることでしょう。もう諦めて駅へ戻ろうかと思ったそのとき、海の見える丘の一角に足場は悪そうだけれどなんとか立てそうな場所が・・・。

1024.jpg

七里ケ浜を一望する俯瞰ポイント。
湘南の海が目の前に大きく広がっています。
そしてその傍らをゆく、江ノ電の電車。
江ノ島電鉄 稲村ケ崎-七里ケ浜

やっと見つけた~\(≧∇≦)/! そう、こここそが探し続けていた俯瞰撮影地です! いったい江ノ電はどこにあるの・・・?と言われてしまいそうなほど、列車はちっちゃくしか写りませんが、江ノ電沿線にここまで大きく海を入れることができる雄大な撮影地が他にあるだろうか。そして狙い通り、この日の海は豪快に白波を立てています。う~ん、諦めずに探してヨカッタなぁ・・・マヂ*。.+゚(つД`。)゚+。.*ウレスィ。ちなみにこの場所はあまり撮影地として公表されていないみたいなので、先人に敬意を表してここでは詳しい場所は伏せておくことにします。ただ、道はそれほど難しくなく、駅から迷わずに歩けば15~20分程度の距離。私みたいに迷いまくると一時間ほどの時間を要します(笑)。

1025.jpg

続いてやってきたのは、茶色いレトロカラーの20形。
茶色い電車はまったくと言っていいほど目立ちませんね・・・。

念願の撮影地は見つけることができました。でもまだちょっと時間帯が早く、列車の顔には日が当たっていません。これではあまり列車が目立たない。ただでさえ江ノ電はシックな色の車両が多いのに・・・。そこでここはいったん引き上げて、光線状態が良くなる午後の遅い時間に再度訪れることとしました。さらに狙いは、朝に乗って来た1501Fの「サンライン号」。白が基調のあの車両ならば、きっと遠景でも目立ってくれるハズです。
時間潰しのために丘の上の俯瞰ポイントを下りて七里ケ浜駅へ戻り、電車で江ノ島(駅)へ。

七里ケ浜1250-(76列車)-江ノ島1300

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相模湾に突き出た江の島への入り口となる江ノ島駅
(島名・住所等は「の」、駅名は「ノ」が使われます)。
週末は多くの観光客でにぎわいます。
江ノ島電鉄 江ノ島

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江ノ島の名物と言えば「しらす丼」。
本当は活きのいい「生しらす」が食べたかったのですが、
この日は時化で漁に出られなかったのだとか (´・д・`)。
まあ、あの荒波じゃ仕方ないか・・・。
「釜揚げしらす」でもじゅうぶんに美味しかったです。

1028.jpg

江ノ島と腰越の間は、
先ほどの車窓からも眺めた、併用軌道区間。
せっかくなので、ここでも少し撮影をしてゆくことにします。
まずはカーブを横切る2000形を正面から。
江ノ島電鉄 腰越ー江ノ島

1029.jpg

江ノ電の鉄道110周年、バス85周年を記念して、
1000形1101Fに施されているのは、
江ノ電のゆるキャラ「えのん」が描かれた「スキップえのん号」。
えのんのモチーフは漢字の「江」の字だそうで・・・。
この写真、右スカの何とも中途半端な構図ですが、
実は右の影にある「江ノ電もなか」のお店を入れたかったのです。

1030.jpg

これがその「江ノ電もなか」を売る和菓子処「扇屋」さん。
店頭には600形の前頭部が保存されています。
(しかも運転台部分が和菓子の作業場!)
もなかを買うついでに「撮影してもいいですか?」と尋ねたら、
おかみさんに「コッチの方が動かないから撮りやすいでしょ」と
言われてしまいました・・・(^^;)

1031.jpg

でもやっぱり私は動いている電車の方を撮るのがスキ。
現在の最新形式である500形をローアングルから撮影。
江ノ電の電車は新型でもどこか愛嬌があります。

1032.jpg

白い「サンライン号」がやってきました。
この車両を狙うために、
そろそろ俯瞰ポイントへ戻ることとしましょうか。

1033.jpg

俯瞰ポイントへ戻る途中で
朝の海バックポイントにさしかかったとき、
ちょうど踏切が鳴ったので急いで移動して一枚パチリ。
不思議とこういうときに限ってクルマとのカブリ無しが
成功しちゃうものなんですよね~(^^;)
車両は俯瞰ポイントで目立たなかったレトロ色の20形。
なんだか異国の鉄道みたい・・・。
江ノ島電鉄 七里ケ浜ー鎌倉高校前

昼食をとり、少し併用軌道区間で撮影、さらに電車には乗らずに海岸沿いを歩いて移動したことで適度に時間は潰れて、俯瞰ポイントへ戻った頃にはちょうど良い日の向きとなっていました。午後になって少しは風が弱まるかと思っていましたが、相変わらず強くて波は高いまま。時化で生しらすが食べられなかったぶん、この高波はしっかりと撮らなくちゃ。 (`・ω・´)-3フンス!!

1034.jpg

はやくも傾きはじめた冬の陽に照らされる七里ケ浜の情景。
線路上に現れたのは大きな窓が特徴の2000形です。
江ノ島電鉄 稲村ケ崎-七里ケ浜

1035.jpg

後追いの20形は、少しアングルを上げて撮ってみました。
海の向こうに見えるのは三浦半島の葉山あたりです。

この撮影地でネックとなるのは、線路沿いに林立する電柱や架線柱の処理。列車の顔にかからない箇所は大きく分けて三つで、今の20形を撮った上段、その前の2000形を撮った中段、そして先ほど来たときにレトロ色20形を撮った下段。列車の速度はゆっくりなので一本の列車でも、その三カ所すべてでの撮影が可能ですが、本命の「サンライン号」はこの写真を選んでみました。

1036.jpg

白波がまるで生き物のように荒れ狂う湘南の海を背に、
西日を浴びた「サンライン号」が走り抜けてゆきます。

空や対岸の山を入れた上段アングルだと見切れてしまう手前の駐車場に、いつの間にか白いキャンピングカーが止まっているではありませんか。これがなんだかカッチョ良くって、ぜひとも入れたくなってしまいました。なので、ここでは中段で撮った写真をチョイス。高台で強風、いや、暴風にあおられながらの撮影でしたが、満足のいく写真を撮ることができました (^^)。いつかはここで300形を撮ってみたいものですが、晴天の休日でこんな迫力のある波が見られるような条件は、そうそう無いだろうなぁ・・・。

1037.jpg

再び丘を下りて、七里ケ浜駅へ。
今度は下りの鎌倉行きへと乗り込みます。
強風で架線に付着物があった関係で、ダイヤが少々乱れ気味・・・。
江ノ島電鉄 七里ケ浜

七里ケ浜1455-(95列車?)-極楽寺1502

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あとは鎌倉へ出て帰る予定ですが、
ちょっと極楽寺駅に寄り道。
こじんまりとしたいい駅舎です。(^^)
江ノ島電鉄 極楽寺

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駅の北側にあるのが駅名にもなっている極楽寺。
創建は1259年で、建立したのは北条義時の三男・重時。
鎌倉で唯一の真言律宗の寺なのだそうです。

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でも鉄で極楽寺と言えば思い浮かべるのは、
江ノ電の車庫である極楽寺検車区。
沿道から中をのぞくと、お休みしている300形305Fの姿が。
今度来るときは動いていてね・・・(´・
ω・)人オネガィ。
江ノ島電鉄 極楽寺検車区

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ちなみにこの極楽寺検車区、
構内を住民専用の踏切(遮断器の無い第四種踏切)が
跨いでいますが、この踏切での撮影などは御法度。
もちろん私も柵の手前から撮影しました。

1042.jpg

極楽寺には鉄スポットがもうひとつ。
駅の東側にあるのは江ノ電唯一のトンネルである「極楽寺隧道」。
以前はもっとスッキリ撮れたような気がするけれど、
ちょっとケーブルなどが掛かる窮屈な写真となってしまいました。
トンネルから現れたのは
デビュー当時の旧塗装を纏った1000形の1001F。
やはり1000形系列にはこの色が似合いますね。
江ノ島電鉄 長谷-極楽寺

1043.jpg

極楽寺から終点の鎌倉へ。
乗ったのは朝と同じ10形+1500形の編成。
編成の後部にはさっき撮った「サンライン号」が連結されています。
江ノ島電鉄 鎌倉

残念ながら撮りたかった300形は動いていなかったけれど、白波立つ湘南海岸で俯瞰撮影や海バック、さらに併用軌道を走る姿など、一日かけて江ノ電を満喫することができました。今回は湘南海岸を中心に巡ってきましたが、江ノ電にはまだまだ魅力的な撮影地がたくさんあります。次は紫陽花の時期に長谷のあたりで、今度こそ300形を狙ってみたいですね(まさか引退しちゃわないだろうな・・・^^;)。そして「生しらす」の方も次回にリベンジです(笑)。

極楽寺1526-(99列車?)-鎌倉1534

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今回使用した江ノ電の一日乗車券「のりおりくん」。
料金は580円ですが、歩くことが多かったので、
あまりもオトクにならなかったかも・・・。
上にあるのは扇屋さんの「江ノ電もなか」。
10コ入り(¥1300)だといろんな車種と味が楽しめますが、
バラ売り(¥130)は2000形の抹茶餡のみとのこと。


鎌倉1607-(湘南新宿ライン1710E)-新宿1709

都電・東武・・・ライトアップ・スカイツリー 撮影記

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2012.12.14
都電東武
 634㍍のクリスマスツリー!?
 東京スカイツリー・スペシャルライトアップ
 撮影記
  

先週のとある日、外勤でたまたま乗った東武の電車で一枚の中吊り広告に目が留まりました。そこにあったのは緑色に光る「スカイツリー」の写真。ご存知、今年5月にオープンして大きな話題となった「東京スカイツリー」。この新たな東京のシンボルは日暮れと共に毎日ライトアップされ、隅田川の水をイメージした淡いブルーの「粋」と江戸紫をテーマとした赤紫色の「雅」の二種類が一日ごと交互に点灯するのが通常パターンです。しかしこの中吊り広告によると、クリスマス時期の週末に限り「クリスマス・スペシャルライトアップ」として、もみの木をイメージした緑色(日や時間帯によってはキャンドルの炎をイメージした赤色)にライトアップされるらしい。クリスマスという華やかな一大イベント、そして何より「限定」という響きに弱いニッポン人。かく言う私もそのひとりで、フツーのライトアップでは見向きもしないのに、限定のクリスマスバージョンとあらば一度見てみたくなりました。そして私はやはり鉄なので、できることならこの「世界一高いクリスマスツリー(?)」と鉄道のコラボを撮影したいところ。しかしスカイツリーと鉄道を絡めた撮影地はいくつかありますが、当然ながらライトアップは夜景となるため、走行中の列車を止めるのは相当に厳しい。となると、駅などに停車中の列車とスカイツリーがウマく納まる場所がベストです。でも、そんな好都合な撮影地があるのだろうか・・・? 実は私には一箇所だけ心当たりがありました。そこはネット上で写真を見かけただけで、私自身は一度も行った事がない撮影地なのですが(まるで前回の七里ヶ浜俯瞰みたいだね ^^;)、まあ都内なら手軽にいけるし、列車とのコラボがムリならば限定色のスカイツリーだけでも撮れればいいかとの軽い気持ちで、ためしにその撮影ポイントを訪れてみることにしました。


12月14日(金)

あらためて東京スカイツリーのHPで詳細を確認すると、前述したようにスカイツリーのスペシャルライトアップは週末の金・土・日限定。しかも午後7時から9時までの二時間のみで、それ以外の時間帯は通常の「粋」か「雅」(の冬季バージョン)が点灯されているとのこと。たった二時間だけとはちょっとセコい気もするけれど、これならば慌てる必要は無く、金曜日の退勤後でもじゅうぶんに間に合います。勤務先の最寄り駅から地下鉄と山手線を乗り継いで向かったのは大塚。ここでその撮影地がある路線へと乗り換え。

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大塚駅前の山手線ガード下に停車しているのは、
現在残っている唯一の都電、荒川線。
都電荒川線 大塚駅前

大塚の駅前から私が乗り込んだのは、都電唯一の生き残りである荒川線の電車。そう、今回の目的路線はこの都電荒川線です。かつては東京都区内を中心に多くの路線網が展開されていた東京の路面電車「都電」。しかし自動車の増加で主要道路を走る路面電車の運行が困難となり、さらに急速な地下鉄網の発達などでその役割を終え、60年代後半から70年代前半にかけてほとんどの路線が廃止。最盛期には41系統あった路線も今や三ノ輪橋(荒川区)と早稲田(新宿区)を結ぶ、荒川線のみとなってしまいました。そんな都電荒川線、最近では地元区民の足としてだけではなく、下町情緒を味わえる観光路線としても注目を浴び、テレビや雑誌等のメディアで取り上げられることも多くなっています。私はと言えば、勤務先の健康診断が雑司が谷のクリニックで行われるため、少し前までは路線西部の新宿区、豊島区界隈をちょくちょく利用していたのですが、数年前に地下鉄・副都心線が開業してからはそちらを使うことが多くなり、都電はしばらくご無沙汰。そして今回の目的地がある、東部の北区、荒川区方面ともなると、はたして乗ったのはいつ以来なのか記憶が定かではありません。なので路線図もあまり頭に入っておらず、大塚駅前から目的地の荒川区役所前まではせいぜい20分ぐらいだろうとテキトーに見積もっていたものの、実際は倍の40分もかかってしまいました。ようやく到着したのは7時を10分ほど過ぎたところで、すでにスペシャルライトアップは始まっているハズ・・・。

大塚駅前1830-(都電荒川線)-荒川区役所前1910

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その名のとおり、荒川区役所近くにある荒川区役所駅前の電停。
この写真ではちょっと解りづらいですが、
線路の先(電車の上あたり)にはスカイツリーが見えています。
都電荒川線 荒川区役所前

荒川区役所前で都電を降り、前駅の荒川二丁目寄りへ少し戻ったところにある踏切が、スカイツリーと都電を一緒に写しこめることで有名な撮影ポイントで、ここでは開いた踏切から荒川区役所前電停に停車中の電車を後追いで狙います。ただし踏切が開いてからアングルを決めて長時間露光するのは容易なことではなく、かといってモタモタしていると電車はすぐに電停を発車してしまうので、ここではいかに迅速に行動できるかが成功へのカギ。電車が通過して踏切が開き、安全を確認したら、いざ撮影開始。ε=┏(・Д・)┛イソゲッ!!

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電停に佇む都電の先に見えるのは、
美しくライトアップされたスカイツリーの姿。
都電が走る昔ながらの情景に、今年は新たな名所が加わりました。
都電荒川線 荒川区役所前(開いた踏切から望遠で撮影)

あちゃ、焦ってスカイツリーのてっぺんを切ってしもうた。しかもビミョーに斜めっているし・・・(ーдー;)。写真では明るいように見えますが、実際にファインダーで覗くとかなり暗くて、短時間で電車やスカイツリーの位置、さらにピントや水平を合わせるのは結構大変な作業です。ちなみにこの場所は後追い限定。向かってくる電車の場合は当然ながら踏切が閉じているので、ここでは正面を撮ることはできません。ところで、今回いちばんの目的であるスカイツリーですが・・・あれ?これがスペシャル? どう見ても緑色には見えず、電球色のようなフツーのライトアップと変わらない気がするけれど・・・(・・∂) アレ? なんて思いながら、よ~く目を凝らしてみると・・・(◎_◎) ンン!?

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架線柱のスキマからわずかに緑色が・・・

あっ、たしかにちょろっとだけ緑が見えている ( ゚▽ ゚;)! あとから調べてみると、このライトアップはオレンジと緑で構成された「シャンパン・ツリー」といわれる色で、オレンジの部分はシャンパンをイメージしている色なのだそうな。な~んだ、タワー全体が緑色になるわけではないのね・・・。と、いうことは、クリスマスツリーをイメージした肝心な緑色の部分が見えにくいこの場所は、明らかに撮影地の選択ミスではないか・・・(´Д`;)トホホ。でも、せっかく来たのだし、一枚くらいはビシッと決めたのを撮っておきたい。中途ハンパなスペシャルライトアップですが、少しここで都電撮影を続けます。

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赤いカラーの電車は最新型の8800形。
8800形は従来の都電カラーである黄緑色にとらわれず、
赤、黄、紫、橙の四色があります。
近代的なデザインの新型車はスカイツリーとのコラボも良く似合う?

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でも、やっぱり私のなかで都電といえば、この7000形のイメージ。
吊り掛け駆動方式の懐かしいモーター音を響かせて、
東京の街を走り続けます。

しかし、電車がブレちゃったり、スカイツリーの位置が悪かったり、さらには反対方向の電車と重なって踏切が開かないとか、手前の道路に車が通過してライトの軌跡が横切るなど、なかなかウマく撮ることができず、結局40分も粘ってなんとか見られるようなカットは、この8800形と7000形の二枚だけ。もうこうなると、レトロタイプの9000形や7000形のリバイバルカラー車(7022)が撮りたいなどという贅沢なことは言えません。それでも新型の8800形と旧型の7000形が一枚ずつ残せたので、とりあえずは満足かな・・・。ここで時計に目をやると、時刻はちょうど8時になるところ。スペシャルライトアップの終了まではあと一時間あります。このまま緑色が解りづらい場所での写真だけじゃ面白くないので、予定には無かったけれど、急いで別の撮影ポイントへ移動することにしました。

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まずは荒川区役所前から
早稲田行きの都電で三駅の町屋へ戻ります。
都電荒川線 町屋駅前

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町屋からは京成の下り普通列車へ乗り込み・・・
京成本線 町屋

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二駅目の関屋で下車
正式な駅名は京成関屋ですが、駅名板は「せきや」のみ

京成本線 京成関屋

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京成関屋駅は東武伊勢崎線の牛田駅に隣接しています。
ここからは東武の上り普通列車に乗って・・・
東武伊勢崎線 牛田

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やはり二駅目の鐘ヶ淵で下車。
目的地周辺です。ルート案内を終了します【・□・】。
東武伊勢崎線 鐘ヶ淵

荒川区役所前1955-(都電荒川線)-町屋駅前2000...町屋2005-(京成1917)-京成関屋2013...牛田2016-(東武伊勢崎線970)-鐘ヶ淵2020

都電に三駅、京成で二駅、そして東武を二駅と短区間で三路線を効率よく乗り継ぎ、荒川区から足立区を経て墨田区の鐘ヶ淵までやってきました。この駅から10分ほど歩くと横を流れる荒川の河川敷へ出ることができ、実はその土手の上が知る人ぞ知るスカイツリーのビュースポットなのです。さっそく土手へ上がってみるとそこにあったのは、まさしく緑色の「クリスマスカイツリー」(゚∀゚)!

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鐘ヶ淵の土手上からは、
荒川区役所前で見えなかった緑色の部分もハッキリ。
これがクリスマススペシャル「シャンパン・ツリー」の全貌です。

うん、これならばスペシャルと言われて納得できます +.*.。(´∀`)゚+.*.キレィ。しかし問題はどうやって列車を写し入れるかということ。ここは鐘ヶ淵駅に程近く、土手上からもスカイツリーと絡めて東武伊勢崎線・・・もとい、東武スカイツリーラインの列車を撮ることができます。ただしホームでの停車位置は遠く、昼間ならば走ってくる列車を手前まで引き付けて撮るのが定番。でも今は夜で真っ暗・・・長時間露光で走っている列車を撮ると、流れて光の筋になってしまいます。

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鐘ヶ淵のホームは10両分と長く取ってありますが、
ここに停車する普通列車の大半は短い6連で、
停止位置はちょっと遠め。
東武伊勢崎線 鐘ヶ淵付近

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長時間露光で走っている列車を撮るとこうなります。
車体の帯色で何となく東急5000系だということは
解る気がしますが・・・

これはこれで抽象的な鉄道写真として捉えれば決して悪くは無いのですが、どの列車、形式を撮ってもさほど変わり映えせず、クリスマスバージョンのスカイツリーがクリアに写っているのが一枚でもあれば、もうじゅうぶん。そこでここからは禁じ手ともいえる「超高感度」に設定して、走る列車を止めてみたいと思います。デジカメの感度を上げるとそのぶん粒子が荒れて画質が悪くなるので、私はあまり感度を上げるのを好まず、通常は日中の晴天でISO100か200。夜景でも400かせいぜい800程度。先ほどの荒川区役所前で撮った都電もISO800で、上の光の筋になった長時間露光はISO200で撮っています。でもここでは粒子が細かいクリアな写真で列車が流れちゃうより、たとえ荒れても高感度で列車を写し止めたほうが面白そう。私の持つカメラの最大感度はISO25600。にまんごせんろっぴゃくって、もう笑っちゃうくらいのインフレ感度です( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。TTL(内蔵露出計)が示すシャッタースピードは1/125sec(f3.5)。果たしてどんな風に写るのか!?

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ここは中央の通過線が狙いやすく、そこに照準を合わせていると、
現れたのは先ほどと同じ東急5000系。
同形式なので上とのいい比較対象になったかな?

なんと、夜なのに通過する走行列車を写しとめることができました~!オオ!ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!! ザラッザラで、荒れっ荒れの画質ですが、ちゃんとスカイツリーの色も解るし、驚いたことに「花・寺社」と書かれたヘッドマークの文字や、車両ナンバーの「5105」もかろうじて読み取ることができます。フィルム時代では考えられなかったこんな撮影も可能になってしまうなんて、あらためてデジカメってすごいんだなぁ・・・。こうなると他の形式も撮ってみたくなり、できれば特急を・・・などと思っていると、ちょうど浅草を20時40分に出てきた200系の特急「りょうもう45号」の姿が見えてきました。しかし・・・

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クリスマスバージョンのスカイツリーをバックに
カーブを走り抜ける200系の特急「りょうもう」。

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引き付けて撮ろうとしたら、手前に6050系が・・・Σ(゚д゚;) ナニッ!

6050系の快速にカブられて撃沈・・・orz。この列車は私が撮り始めた8時半からクリスマスバージョンが終わる9時までの間で、唯一通過する下りの特急列車だったのに・・・残念 (´・ω・`) ショボーン。このあとは21時ちょうどに浅草を出る「スペーシア(けごん35号)」があるけれど、どうだろう。やっぱりクリスマスバージョンは9時キッカリに終わっちゃうものなのかなぁ・・・?

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続いて通過線を走ってきたのは東急8500系。
通過線を通るのは東急田園都市線やメトロ半蔵門線からの直通車が多く、
あまり東武の沿線で撮っているという感覚がありません。
しかしこの8500系も、いつまで第一線(東急)で活躍できるのか解らず、
これはいい記録になりました。

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下りの「りょうもう」はカブられたけれど、
上りの後追いは撮ることができました。
でもやっぱり下り列車の方が絵的に収まりがいいね・・・。

20時58分に上りの「りょうもう46号」が通過した直後、それまで美しい緑色に輝いていたスカイツリーは徐々にその輝きを失い、やがて真っ暗に・・・。時計の針は午後9時ちょうど。この日のスペシャルライトアップはここで終了です。ああ、やっぱり「スペーシア」までは待ってくれなかったか・・・時間にシビアね~(´∀`;)。

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一旦消灯して真っ暗になったスカイツリー。
なんだか寂し・・・(;_;)。

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やがて紫色の「雅(冬雅)」が点灯。
ちょうどその傍らを「雅カラー」の「スペーシア」が通過してゆきます。
図らずも「雅」同士のコラボになりました。

ライトアップの色は変わっちゃったけど、「スペーシア」まで撮影。まあ、紫色のライトアップを撮るのも今回が初めてだったので、一日で二色のスカイツリーが楽しめたと思えばいいかな・・・。これで撮影は終了です。

わずか30分程度だったとはいえ、寒風吹き荒ぶ荒川土手での撮影で体はすっかり冷えてしまい、このあとは浅草で熱燗でもひっかけてから帰ろうなどと考えながら電車に乗っていると、途中の曳舟で動かなくなってしまいました。どうやら下りの竹ノ塚付近で輸送障害(人身事故・・・)があり、伊勢崎線は全線で抑止。上り列車も行き止まり構造の浅草駅に入ることができず、曳舟でしばらく運転を見合わせるとのこと。仕方なく浅草での一杯は諦めて、かろうじて運転されていた半蔵門線への直通列車で、おとなしく帰ることにします。それにしても撮影中に抑止が掛からなくてヨカッタ・・・まさに間一髪と言ったところでした。

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帰りは予定外の半蔵門線経由に・・・。
東京メトロ半蔵門線 錦糸町

鐘ヶ淵2120-(伊勢崎線980)-曳舟2123~2125-(半蔵門線2931K)-錦糸町2132~2144-(総武2051B)-御茶ノ水2153~2154-(中央2155T)-新宿2204


ライトアップされたスカイツリーと鉄道のコラボカット。都電の荒川区役所前では肝心の下半分が見えないという大失態をし、鐘ヶ淵では本命とも言える特急がカブられて、結果的にクリスマスバージョンで撮れたのは東急の車両ばかりだったという、なんともお粗末な撮影になってしまいましたが、スカイツリー開業初年のクリスマス・ライトアップを鉄道と絡ませて記録したいという第一の目標はとりあえず達成できたのではないかと思っています。東京のクリスマスシーンに新たに加わったスカイツリー・スペシャルライトアップ。来年はもうひとつの限定バージョンである「キャンドル・ツリー」の方を狙ってみようかな~(^^)。

PICK UP ONE-shot 104 Xmas Express 2012

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PICK UP ONE-shot 104 Xmas Express 2012

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クリスマスと新幹線。
一見なんの繋がりも無いような組み合わせですが、
この時期に私が思い浮かべるのは、90年代に流れていた
JR東海「クリスマス エクスプレス」のテレビCM。
もうCMが流れなくなって久しいけれど、
今でもきっと、クリスマスを大切な人と過ごすため、
イブの夜に新幹線へ乗り込む人って、いるのでしょうね。


もしも、あのCMが今でもあったなら・・・
と、イメージして、毎年撮影している「Xmas EXPRESS」。
今年はピンクのイルミネーションと組み合わせてみました。
でも、ただ流すだけでは面白くないな・・・と思い、
レンズに「(*゚∀゚)=3 はあ~っ」と、息をひと吹き。
すると、冷たい夜風にさらされていたレンズはたちまち白く曇り、
ちょっぴり幻想的な世界に早変わり~ ♪

・・・な~んて、ひと昔前のカメラ雑誌に載っていたような、
使い古した技法をやってみましたが、
はたして今でもこんな撮り方をしている人はいるのかいなと気になって、
ためしに「レンズに息を吹きかける」などと検索してみたら
『カメラレンズに息吹きかけるのは
コーティングにダメージを及ぼすので絶対にやっちゃダメ!』
との解説が・・・エッ?(;゚⊿゚)ノ マジ?
カメラやレンズを大事に使うよいコは
あまり真似をしない方がいいようです。。。(;^^)ゞ
  
  
   
今週末はクリスマス前の三連休。
みなさん、楽しい週末をお過ごし下さい ☆.。・:*:・゚。
        
12.12.19 東海道新幹線 品川-東京(後追い)

中央本線・辰野支線・・・クモハ123「ミニエコー」 撮影記

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2012.12.24
中央本線・辰野支線
クモハ123「ミニエコー」 撮影
  

鉄にとって毎年、この年末時期に気になることと言えば、来春に行われるダイヤ改正の内容発表。とくに近年は新設列車よりも廃止列車や引退する車両などに注目が集まります。 果たして廃止が危惧されている寝台特急「あけぼの」や夜行急行「はまなす」などは、無事に生き残ることができるのか・・・おそるおそるその内容を見てみると、目立ったところでの廃止列車はない様子。まずはホッと一安心 ε-(´▽`)ホッ。来春の改正は秋田新幹線の新型車両・E6系の運転開始と言った目玉はあるものの、列車の増発や到達時分の短縮、快速の停車駅見直しなど、地域ごとの利便性向上がメインと言ったところで、最近のなかでは比較的おとなしめの改正内容と言えるのではないでしょうか。新型への置き換えなどにより引退する車両はいくつかありますが、上越新幹線の200系や常磐線の651系・E653系、東海道・名古屋地区の117系、北近畿特急の183系など、ある程度は想定内でした。ただし、私的に予想外だったのがひとつだけ・・・それは中央本線の旧線部分(辰野支線)にあたる、辰野~塩尻で運転されていた「ミニエコー」の引退。

中央本線の岡谷~塩尻間は元来、辰野を経由する善知鳥(うとう)峠越えのルートで開業(1906年)しましたが、のちに長大な塩嶺トンネルを抜けるみどり湖経由の短絡線(塩嶺ルート)が開通(1983年)。これにより同駅間は大幅な時間短縮が実現し、あらためて塩嶺ルートの新線が中央本線のメインルートとなり、辰野経由の旧線は支線化。そこで利用者が減った辰野~塩尻間の輸送力適正化を目的として、支線用に荷物電車(クモニ143)から改造された単行形電車が、今回引退発表されたクモハ123系・愛称「ミニエコー」です。

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文章だけでは解りづらいと思いますので、
中央本線 岡谷~塩尻の路線図を添付します。
青がみどり湖経由の新線で、現在のメインルート。
赤が辰野経由の旧線で、現在の辰野支線。
「ミニエコー」が運転されているのは支線の
塩尻から辰野の間になります。

種車の新製から34年、改造から26年の立派な国鉄形である「ミニエコー」。そもそも荷物電車から改造されたなどという経緯を考えれば、いつ引退してもおかしくはなかったのですが、使用されていた運転区間が短く、さらにその輸送量に見合ったとされる1M方式両運転台の車両、つまり単行電車の代わりがJR東日本にはなく、新製される可能性も薄いことから、「ミニエコー」をもうしばらくは使い続けるものだとばかり思っていました。しかし今回の発表内容では、辰野支線での単行運転をやめ、大糸線などで使用されている二両編成のステンレス車両・E127系を導入するとのこと。一両のローカル電車が二両編成になることなど、世間一般からしてみたらたいしたことではありませんが、JR東日本唯一の営業用単行電車の引退ともなれば、鉄としては一大事です。そこでさっそく、連休最終日の24日に「ミニエコー」が走る中央本線・辰野支線へと行ってみることにしました。う~ん、我ながら見事な「葬式鉄」っぷりだなぁ・・・(^^;)。


12月24日(月)

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信州へのアプローチは
中央東線のエース、特急「スーパーあずさ」で。
中央本線 立川

まずは立川から松本行きの特急「スーパーあずさ5号」へ乗り、中央本線を下ります。今は「青春18きっぷ」の発売シーズン。それなのに、たかだか辰野か塩尻あたりまで行くのに特急利用とは、私にしてはちょっと贅沢・・・? たしかに中央本線の普通列車は本数が多く、しかも長距離区間を運転をしているので、接続さえ良ければ一、二回程度の乗り継ぎで都内から塩尻まで到達することができます(所要時間は、だいたい四時間くらい)。でもたまには、いつも私が乗った普通列車をびゅんびゅん追い越してゆく特急列車の方に乗ってみたい。この日はクリスマスイブだし、特急利用はちょっとした自分へのご褒美と言ったところ。そこでどうせ乗るならばと、速達タイプの「スーパーあずさ」をチョイス。E351系自慢の振り子機能を生かし、カーブでも速度を落とすことなく飛ばしてゆきます。このスピード感、気持ちイイ~。゚+.(・∀・)゚+.゚。中央道がトンネル崩落事故の影響で一部区間通行止めとなり、高速バスの所要時間にも影響が出ていることから、連休の中央線特急は混雑するかと思って指定券を取ったのですが、車内は意外にもガラガラ。これだったら自由席でもヨカッタかな(久々に特急へ乗ったのに、考えがセコいね・・・´Д`;)。立川からの二時間を快適に過ごし、10時22分着の岡谷で下車。もし普通列車でこの時間に岡谷へ着こうとするならば、立川を朝6時半に出ねばならないので、この二時間の短縮はさすが特急と言ったところ。

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久しぶりに乗った「スーパーあずさ」は快適でした (^^)。
中央本線 岡谷

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岡谷の0番線に停車しているのは、
辰野を通って飯田線へと入る天竜峡行きの普通列車で、
JR東海の313系が使用されています。
中央本線 岡谷

岡谷は先に説明したように、みどり湖経由の本線(新線)と辰野経由の支線(旧線)の分岐駅。ただし支線の岡谷~辰野間は現在では飯田線へ直通する列車が主体で運転されており、中央線の支線と言うよりは飯田線の一部といった感じ。お目当ての「ミニエコー」も岡谷までは来ず、辰野まで行かないと会うことはできません。では次の行程はこの飯田線へ直通する列車で辰野へ出るのかというと、そうではなく、私が乗るのは先ほどの「スーパーあずさ」と同じく本線を経由する松本行きの普通列車。

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岡谷から次に乗る列車は、
長野色115系の松本行き普通列車。
中央本線 岡谷

塩尻側から辰野支線へと入るのならば、岡谷ではなく塩尻で「スーパーあずさ」を下りればいいのに・・・と、お思いの方も多いでしょう。でも実は私が目指していた駅は辰野でも塩尻でもなく、本線ルート上にあるみどり湖(駅の位置関係は上記の地図参照)です。日中は二時間に一本程度の運転間隔である辰野支線。徒歩鉄がその列車に乗って沿線の撮影地を訪れるとすると、乗った列車は撮影できず、折り返して来るのを待たねばなりません。これでは本数の少ない辰野支線を撮るのに効率が悪すぎる。そこでまずは支線に乗らなくても撮影でがきる、塩尻付近の撮影地を探すことにしてみました。たしか以前に本線の車窓から、カーブして分岐してゆく辰野支線の築堤が見えて、そこが撮りやすそうだと思ったことがあったのです。そこまで塩尻から歩ける距離か地図で調べてみると、意外にも塩尻よりもみどり湖の方が近そうだと言うことが判明。そんなワケで今回の目的地をみどり湖としたのでした。ただし他の撮影地はあまり調べて来ておらず、ほとんど行き当たりばったり。頼りはスマホの地図だけです。

立川0822-(スーパーあずさ5号)-岡谷1021~1031-(中央431M)-みどり湖1037

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本線(新線)の塩嶺ルート上に設けられた唯一の駅、みどり湖。
駅舎はなく、線路を跨ぐ公道上に方向別の入り口がある
ちょっと変わった構造の駅。
中央本線 みどり湖

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旧線こと辰野支線の線路を目指し、西へ向かって歩きます。
スマホの地図が示したルートは、こんな未舗装の細い道・・・
(´Д`;)ダイジョブカ?

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ちょっと不安に思いつつもしばらく歩くと
山裾の築堤上に、立ち並ぶ架線柱が見えてきました。

次の辰野支線の列車は、塩尻のひとつ手前にある小野を11時11分に出る下りの塩尻行き(159M)。私がみどり湖に着いたのは10時37分ですから、通過まで約30分しか時間がありません。知った道ならばサクサク進めるところですが、何せ初めて行く撮影地。慎重に地図を確認しながら歩いていたら、辰野支線の線路が見えるところへ出るだけで10分近くを要してしまいました。撮影地にと考えていたカーブのポイントまではまだかなりの距離がありそう。地図を見るかぎり、とても残り20分では到達できません。そこでとりあえず次の列車は、間に合う範囲の近場で撮れるところを探すことにしました。とはいえ、峠越えをする支線は勾配を上って、上の写真を見ても解るようにかなり高い位置を走っています。線路脇まで近づけるようなところなどあるのか・・・? スマホの地図と自分の直感だけを頼りに歩みを進めてゆくと、やがて上へと続く急な坂道が見えてきました。その傍らにはクルマへの注意を促す「踏切アリ」の看板が見えます。踏切があると言うことは、線路まで近づけるハズ。

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上の方へ伸びる坂道。
右脇には「この先の踏切・小特を除く車両通行禁止」の標識が。
踏切があるのか・・・?

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坂を上がりきってみると、ウマく線路際に出ることができました!
でも、あたりを見渡しても踏切らしきものは無いぞ・・・(゚-゚;) ハテ?

積もった雪で足を滑らせないよう慎重に坂を上ってみると、付近に踏切は無かったものの、クルマが転回できるようなちょっとしたスペースが広がっており、嬉しいことにすぐ脇を走る支線を撮るのに都合がよさそう。それにしてもこのスペースは一体ナニ・・・? 実は着いたときはあまり深く考えなかったのですが、あとから調べてみると、ここはかつて本線だった時代に設置されていた東塩尻信号場の跡地だったらしい(83年の新線開業とともに廃止)。この日は雪で埋もれていて確認できませんでしたが、スイッチバック時代の側線なども残されていて、廃線・廃駅巡りとしてはけっこう有名な場所とのこと。見当たらなかった踏切は、その当時に存在していたものなのかも知れないですね。そうとは知らず、私は何だか知らないけれど撮りやすそうなスペースを発見!と、喜んでいたのでした。さっそくここでカメラを構えてみます。カーブの向こうにはトンネル(善知鳥トンネル)の出口が見えていて、300~400ミリクラスの望遠レンズがあればトンネルから出て来たところを正面がちに狙えそう。でもあいにくこの日は長タマを持って来ておらず、ズームレンズの200ミリが精一杯。そこでトンネルをワンポイントとして背景にちょこっと置いて、列車を手前のカーブまで引き付けてみることにしました。

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やがてトンネルの奥から二つの光が・・・
撮り鉄として、このライトが見えたときの緊張感は堪りません。
(*゚∀゚)ドキドキ

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旧線の峠道を快走する、単行電車「ミニエコー」。
独特の重いモーター音が山あいに響き渡ります。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻

「あれ?「ミニエコー」はどっちが前パン(パンタを上げている方向)だっけ・・・??」 などと通過する直前になって妙な迷いが出るも、なんとか落ち着いて見極めてパンタを切らずに迫力あるカットが撮れました (^^)。何度か塩尻駅などで停車中の姿を見かけたことはあったけれど、沿線で走る「ミニエコー」を撮ったのはこれが初めて。ローカル線の単行電車というとのんびり走るイメージがありますが、「ミニエコー」は驚くほどの俊足ぶりで、通過後すぐに振り返るも、後追いを撮ることはできませんでした (;゚д゚)ハエー…。 それでも一発目がビシッと決められたので大満足。

今の列車が塩尻から折り返して来るのは約一時間半後。その時間を利用して、今度こそ最初に行こうと考えていたカーブの撮影地へと向かうことにします。これだけ時間に余裕があれば、のんびりと散策しながらでも間に合いそう。

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このあたりの集落は広くて大きな家が多く、
道沿いに立派な蔵がいくつも見られます。
観光地ではないけれど、なかなか趣のあるいいところです。

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辰野支線沿いには寺院や神社も多く目につきます。
そのうちのひとつである三嶽神社に寄って、
いい写真が撮れるよう、お参りしてゆきましょう (-人-)。
この神社は本殿の地下より湧き出ているという
手水が有名なのだそうな。

私は東京生まれの千葉育ちで、両親も共に東京生まれ。でも実は父方の祖母はこの辰野支線沿いにある小野(辰野町)出身で、今でも何人かの遠い親戚が住んでいるという。私が小野の親戚宅へ行ったのは、高校生の頃に一度だけ法事で父に連れられて来られた程度なのですが、このあたりは何となく懐かしいというか、居心地の良い空気を感じます。私と小野の繋がりは深くないけれど、ひょっとしたら私のなかに流れる先祖の「血」みたいなものがそう感じさせているのかもしれません。そんな事を思いながら塩尻方向へしばらく歩くと、やがてリンゴ畑の向こうにお目当ての撮影地が見えてきました。

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山裾を迂回するように引かれた、辰野支線の大カーブ。
15連の列車でも余裕で入りそうなほどの雄大な撮影地ですが、
ここを通るのはたった一両の「ミニエコー」。

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同じ場所から振り返ると、
現・本線を行く「スーパーあずさ」の姿が見えました。
手前にある木々はリンゴで、
花や実がついた時期に訪れてみるのも面白いかも。
中央本線 塩尻-みどり湖

この築堤上の大カーブこそが中央線(現・本線)の車窓から見えていた辰野支線の撮影地で、一度は訪れてみたいと思っていた場所。カーブの中間付近にはちょうど線路の高さに合った踏切があり、ここから撮るのが良さそうです。神社などに寄りつつのんびり歩いて来たこともあって、最初の撮影地からの所要時間はほぼ一時間。カメラをセットすると程なくして、塩尻を発車して来た「ミニエコー」(158M)が姿を現しました。

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木々の合間を抜けて、築堤上に現れた「ミニエコー」。
中央本線(辰野支線) 塩尻-小野

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いかにも旧線らしい大カーブを突き進んでゆきます。
こちらの上り方は、パンタを下げた「下げパン」側。

念願の大カーブで撮った「ミニエコー」。単行電車でこのカーブを表現しようとすると、どうしても後スカになってしまいますが、それは仕方のないところ。でも、思ったよりもいい画にならなかったような気がします。どうせならもっと引いて、後ろのカーブを端まで入れるべきだったかな・・・。それよりも、このポイントで最初に撮った上の写真の方がなんとなくまとまりがあるように感じて、個人的にはそっちが気に入りました。単行の「ミニエコー」は引きだと寂しい画になってしまうのではないかと思っていましたが、案外この方が単行ということが強調できて面白いのかも知れない。そこで今度はもう少しスッキリと引き画が撮れるポイントから狙ってみることにしました。次の列車は約30分後に通過する塩尻行き161M。運転間隔の広い辰野支線にあって、なぜかこの列車だけは折り返し時間が短く、すぐにやってきます。急いで目をつけておいた丘の上へ ε=┏(・Д・)┛イソゲッ! 。

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雪で白くなった路盤をゆく「ミニエコー」。
雪が解けて温かくなる頃、この車両は引退を迎えます。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻

何とか間に合って、カーブから直線にさしかかったところをタテ位置で撮影・・・って、あれ? 引き画の写真を撮るんじゃなかったのかって? 実はこの場所、同じ立ち位置で180度カラダをまわすと、こんな写真も撮れちゃうのです。

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右へ左へカーブを切り、
山裾を縫うように敷かれている辰野支線。
築堤上を単行車両が懸命に駆け抜けてゆきます。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻

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追って、もう一枚。こちらは二つの山が入ります。

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ズームアップしてさらにもう一枚。
集落の家々を見下ろすように走る「ミニエコー」。

はじめに手前の線路で撮った列車はしばらくすると、大きく迂回して反対側の景色に再び現れました。一粒で二度どころか、三度も四度もオイシイこのポイント。タテ位置で撮った写真もなかなかいい感じで撮れましたが、やはりここでの本命は俯瞰撮影。抜けの良い俯瞰ポイントだと、列車が見えなくなるまで何度も何度も追いかけたくなります。これで山々に雪化粧などの色気があればなぁ・・・などと、つい贅沢なことを思ってしまいますが、背景が白くなってしまうと「ミニエコー」が目立たなくなってしまうかもしれず、これはこれで良かったのかもしれません。

予定通り、一往復半、合計三本の「ミニエコー」を撮り終えて撤収。次の「ミニエコー」は一時間半後の辰野行き上り列車(160M)なので、それまでに塩尻駅へと歩いて行き、そこから今度は「乗り鉄」の方を楽しみたいと思います。

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丘を下りて塩尻駅方向へ歩くと、本線のガード下をくぐります。
ちょうど115系の普通列車がやって来たので一枚撮ってみましたが、
背景に山が入って(高ボッチ高原かな?)
ここもなかなか信州らしい、いいポイントです (^^)。
この辺は本線と支線をウマく組み合わせて撮影計画を立てると、
一日いても飽きないかもしれませんね~。
中央本線 みどり湖-塩尻

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丘の上の撮影地から歩くこと40分ほどで塩尻駅に到達。
クリスマス寒波に包まれているとのことでしたが、
思ったほどは寒くなく、いい運動ができました。
中央本線 塩尻

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塩尻駅は中央本線の途中駅ながら、
東京方面へ向かう、通称・中央東線と
名古屋方面へ向かう、通称・中央西線との分岐駅。
左へカーブしているのが特急「あずさ」などが走る東線で、
右の西線には、名古屋からの特急「しなの」がやってきました。
中央本線 塩尻

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改札を抜けてホームへ下りると、
先ほど撮影した「ミニエコー」が待機中。
タイミングよく長野色115系との並びが見られました。
来春の改正では、長野地区へ投入された
211系の運用開始も伝えられており、
この長野色115系にも変動がありそうです。
中央本線 塩尻

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あらためて「ミニエコー」ことクモハ123系に目をやると、
内外の車端部にズラリと貼付けられた銘板に目がいきます。
いちばん上の「JR東日本」の所属銘板を除くと、
製造、改造銘板が全部で四枚。
その多さがこの車両の波瀾万丈な歴史を物語っています。

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JR東日本に所属するクモハ123はこの1番のみ。
荷物電車からの改造から四半世紀あまり、
たった一台で支線の任務をこなしてきました
(「ミニエコー」は一台のみの存在であるため、
検査時などは115系が代走にあてられます)。

塩尻駅の辰野支線ホーム(3番線)で、発車を待つ「ミニエコー」。沿線の撮影地では一人の同業者も見かけませんでしたが、さすがに引退発表直後の祝日とあって、ホームには何人かの方が「ミニエコー」へカメラを向けていました。それでも数人程度で、まだおとなしい方。この先は引退を惜しむファンが徐々に増えてゆくことでしょう。車内はそんな鉄よりも純粋な地元客で結構な乗車率。「ミニエコー」名物とも言える、長いロングシートはほぼ満席です。塩尻から辰野は距離的にも時間的にもたいしたこと無いので、私は立って過ごそうかと思っていたところ、学生さんがちょっとずつ詰めてひと席空けてくれたため、ありがたく座らせてもらうことにしました (*´∀`)ノァリガトネー。多くの客を乗せて、辰野行きの「ミニエコー」は定時に塩尻を発車。

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意外と・・・と言っては失礼ですが、
ほぼ満席となった「ミニエコー」の車内。

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塩尻を発車すると、しばらくして現・本線と分岐します。
本線は複線ですが、辰野支線は単線です。
中央本線 塩尻付近(車窓から)

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先ほど撮影した大カーブを経て徐々に勾配を上がり、
列車は善知鳥峠越えへと挑みます。
はじめに撮影した旧・東塩尻信号場付近では
ここまでの高さに上がってきました。
中央本線(辰野支線) 塩尻-小野(車窓から)

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善知鳥峠を越えると、少しだけ雪が深くなっていました。
このあたりの沿線もいい感じで撮れそうですが、
ここで途中下車しちゃうと、次は二時間も列車が無い・・・(・ω・`)。
中央本線(辰野支線) 小野付近(車窓から)

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祖母の生まれ故郷である小野。
そして次駅の信濃川島は一面一線の地味な駅ながら、
中央本線全線で唯一、交換設備を持たない駅だったりします。
塩尻と辰野を含めたこの全四駅が「ミニエコー」の活躍の場。
中央本線(辰野支線)小野/信濃川島(車窓から)

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塩尻から20分、飯田線との接続駅である辰野に到着。
「ミニエコー」に乗った小さな旅が終わりました。
中央本線(辰野支線) 辰野

中央本線は何度も乗っているけれど、この辰野支線に乗るのはいつ以来だろう・・・。実は前述した小野の親戚宅へ行った際に、私はてっきりこの辰野支線は全線(岡谷~辰野~塩尻)乗ったものだとばかり思っていました。ところがあとから父とした話の中で、あの時は列車の接続が悪くて、辰野からタクシーで親戚宅へ向かったことが判明。帰りは小野から列車に乗って塩尻へと出ているものの、辰野から小野の間はずっと未乗のままだったのです。それに気付いたのは、国鉄・JR乗りつぶしのかなり後期。全線完乗まであと残り数線のローカル線を残すのみとなっていたところで、慌てて中央本線・辰野支線を乗りつぶしたのでした。今から16年前の96年のこと。辰野支線に乗るのはそれ以来か・・・。その後、仕事で塩尻や岡谷へは何度か出張で訪れ、そのたびに辰野支線へ乗ってみようかと思うも、時間的なタイミングと本数の少なさがネックとなって、結局、支線へは乗らずに本線経由で帰っていました(そういえば、そんな事を一度「ONE-shot」でも書いていますね)。今回は「ミニエコー」の引退がキッカケとなって久々に訪れた辰野支線でしたが、やはり長いトンネルでスパッと抜けてしまう現・本線よりも、勾配を上がって峠越えをする旧線の辰野支線は景色がよく、撮り鉄だけでなく乗り鉄的にも楽しむことができました。

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辰野で飯田線からやって来た岡谷行きに乗り換え。
ここで「ミニエコー」とはお別れです。
来年3月の引退までにもう一度会う機会はあるのか?
それともこれがラストになってしまうのかな・・・。
中央本線(辰野支線) 辰野

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朝に「スーパーあずさ」を降りた岡谷へと戻ってきました。
これで辰野支線を巡る撮り鉄・乗り鉄旅は終了です。
中央本線 岡谷

塩尻1419-(中央160M)-辰野1440~1446-(1425M)-岡谷1458

岡谷からスタートし、みどり湖から塩尻まで歩きながらの撮り鉄、そして塩尻から辰野まで「ミニエコー」の乗り鉄を楽しんで、最終的にスタート地点の岡谷へ。本数の少ない辰野支線ですが、撮り・乗りともに効率よくまわることができて、存分に満喫することができました。10月の青森旅行以来、しばらくは青梅線や江ノ電、都電・東武など近場での撮影が続いていましたが、やっぱりちょっとした遠征は気分的にもリフレッシュできていいですね~。おそらくこれが今年最後の鉄道旅になると思われますが、来年も時間とお金が許すかぎり、いろいろなところへ行ってみたいと思います (^^)。

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行き(往路)は「スーパーあずさ」を使いましたが、
帰りは節約のため、いつもの鈍行旅です。
115系のボックスシートに揺られてのんびりと帰りませう。
中央本線 茅野

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115系の車内で食べるのは、
塩尻駅で買っておいた「とりめし弁当(¥610)」。
野沢菜が入っているのが信州らしくていいですね。
☆☆・・・
そしてやはり塩尻と言えば、お供は地元のワイン(¥290)。
とりめし弁当に赤ワインとはミスマッチなように見えますが、
意外とこれが合うんです。(^^)
これで合計900円とは何ともリーズナブルな「飲み鉄」。

岡谷1623-(1536M)-小淵沢1704~1710-(346M)-甲府1748~1808-(564M)-高尾1938

 

☆オマケ☆

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この旅の前日にあたる23日には、天皇杯サッカーの準々決勝、ジェフ千葉vs鹿島アントラーズの試合(東京・味スタ)を観戦してきました。結果は残念ながら0-1で敗れてしまいましたが、J2のジェフにとって、久々にJ1強豪チームとの公式戦は、選手・サポーターともに楽しめたのではないかと思っています。来年こそ悲願のJ1復帰を果して、再来年はリーグ戦でアントラーズと対戦したいところです。木山カントク、一年間の指揮お疲れさまでした。。。

PICK UP ONE-shot 105 謹賀新年

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PICK UP ONE-shot 105 謹賀新年

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新年あけましておめでとうございます。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

2013年元旦 あおたけ

 

 

今年のお年始は、

今春で常磐線から姿を消してしまう

651系の「スーパーひたち」です。

 

実はこの写真は10年以上も前に撮ったもの。

JRの全線完乗を間近に控えて、

今度は乗り鉄よりも撮り鉄に本腰を入れようと思い、

最初に撮りたいと考えていた情景的なシチュエーションが

以前に鉄道雑誌のグラビアで見かけたことがあった

LEDマークが印象的な夕暮れ時の「スーパーひたち」でした。

 

当時はまだデジカメではなかった時代。

撮り鉄に復帰したばかりの私には

半逆光という条件は露出の決定が難しく、

あれこれ悩みながらなんとか撮影。

数日後に現像所で出来上がってきたポジを見て、

ようやく思い通りに撮れていたことを喜んだものです。

 

私にとって、あの時に感じた嬉しさ、

撮った写真を誰かに見てほしいという思い、

それが今のこのブログにつながっているといっても

過言ではないかもしれません。

 

実際は撃沈ばかりで

思い通りの写真が撮れることなど少ないけれど、

今年もこの鉄道写真という楽しさを

ブログを通してお伝えできればいいなと思っています。

 

98.12.1 常磐線 友部-内原

 

上電・・・デハ101 撮影記

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2013.01.03
上毛電気鉄道
 撮り初めは赤城颪に吹かれて・・・。
 上電 デハ101 撮影記
   

2012年も押し迫ったある日のこと。
ちょっと人と会う約束があり、その前にメガネのホコリくらいは拭いておくのがエチケットだろうと思い、きゅきゅっとハンケチでレンズをこすり始めたところ、突然「ベキッ!」と、いや~な音が。恐る恐る手元を見てみると・・・

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ぎゃ~!メガネが真っ二つ・・・Σ(゚□゚(゚□゚*) ナ、ナニー!!

なんとメガネが真ん中のブリッジ部分から、ポッキリと折れてしまっているではありませんか!もう何十年もメガネをかけているけれど、こんなことって初めて。まあ長く使っていたし(7~8年)、劣化していたのかもしれないな・・・。その日の約束はなんとか切り抜けたものの、やはり新しいメガネを作らにゃならない。今やメガネの値段もピンキリで、安く作ろうと思えば数千円程度でできてしまうモノもありますが、私はメガネがトレードマークといっても過言ではないほどのメガネっ娘・・・いや、メガネ人。仕事柄、人と会うことも多いので、できればいいモノが欲しい。ただでさえ物入りの年末にこの出費はかなりの痛手ではありますが、ここは妥協せずに自分に合ったものを作ってもらうことに。
・・・んで、いったい何が言いたいのかというと、新しいメガネにかかった総費用は、新幹線で東京から新青森まで往復できてしまうほどとなり(あ、計算しなくていいですよ。。。^^;)、年末年始休みに遠出の旅行へ行くことは断念せざるを得なくなってしまいました (´・ω・`) ショボーン 。

そこでこの休みは近場(関東近郊)での撮り鉄を考え、目を付けたのは群馬のローカル私鉄「上毛電鉄」。上毛電鉄では毎年お正月に車両基地の一般公開イベントが行われており、今年は3日に開催されることになっています。大晦日から元日、二日と酒漬けだった私。だらけきった体に気合を入れて、いざ2013年の撮り初めに群馬は前橋へ (/*´∀`)o レッツラゴー♪。

 

1月3日(木)

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高崎から前橋まで乗った両毛線は115系。
高崎地区では国鉄型がまだまだ元気です(^^)。
13.1.3 両毛線 前橋

新宿0659-(高崎2600E)-高崎0851~0904-(両毛443M)-前橋0918

高崎線(湘南新宿ライン)と両毛線(上越線からの直通)の普通列車を乗り継ぎ、新宿から二時間ちょっとで群馬の県庁所在地・前橋に到着。今回の目的である上毛電鉄は前橋と桐生を結ぶ路線なので、さっそく乗り換えを・・・と、いきたいところですが、実は上毛電鉄が発着するのはこのJR前橋駅ではなく、そこから約一キロ北へ進んだところにある中央前橋駅。上毛電鉄へ乗るにはそこまで歩いていかねばなりません(両駅間には連絡バスもアリ)。寒風吹きすさぶなか前橋駅を背に15分ほどゆくと、通りの右手にガラス張りの中央前橋駅舎が見えてきました。

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JR両毛線の前橋駅は二面三線の高架駅で、普通列車のほか
新宿や上野へ直通する特急「あかぎ」なども発着します。
13.1.3 両毛線 前橋

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いっぽうこちらが上毛電鉄の中央前橋駅。
ローカル私鉄のターミナルですが、
こちらのほうが街の中心にあり、県庁や繁華街に近い。
立地条件が以前に紹介した弘南鉄道の中央弘前駅に似ていますね。
でも現駅舎は2005年に建て替えられたもので、
中央弘前よりずっとキレイです
(“味”は中央弘前のほうがあると思うけれど・・・^^;)。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋

上毛電鉄(上毛電気鉄道)、通称・上電は、ここ中央前橋から西桐生までを結ぶ全長25.4キロ、単線電化のローカル私鉄。前橋から桐生の間には先ほど乗ったJR両毛線も走っていますが、南側の伊勢崎を経由する両毛線に対して、こちらは北側の赤城を経由するように線路が引かれ、それぞれに役割を分担する形となっています。ちなみに中央前橋と同様、終点に当たる西桐生の駅も両毛線・わたらせ渓谷鐡道(わ鉄)の桐生とは接続しておらず、前橋ほど遠くはないにせよ、やはり数分ほど市街地を歩かなくてはなりません。この上電と接している他社線は途中の赤城で乗り換えられる東武桐生線だけ(このほかに桐生球場前駅も、わ鉄の運動公園駅に近接していますが、ここの乗り換えも徒歩数分の距離)。
また「上電」の通称から、同じ群馬県にある上信電鉄(高崎~下仁田)と混同されがちですが、あちらの通称は「上信」。歴史的には上信のほうがずっと古いはずなのに、上電という略称は上毛が先に取っちゃったのかな?

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市内を流れる広瀬川沿いに建つ中央前橋駅。
(川沿いというところも中央弘前に似ている!?)
ホームに停車しているのは色とりどりの顔を持つ700形。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋

そんな上電を走る現在の主力車両は、カラフルなマスクが特徴の700形で、元・京王井の頭線の3000系(上電の形式は本来「型」の字が使われるのが正式なようですが、ここでは上電HPの車両紹介にならって、「形」のほうを使わせていただきます)。もちろんこの700形も井の頭線時代を知る者にとっては懐かしくていい電車なのですが、上電にはもっと古くてファンを魅了する名車が残されているのです。それは上電開業時の1928年(昭和3年)から活躍するオリジナル電車、デハ100形101号(デハ101)。すでに定期運用には入らず、現在では事業用(車両基地構内の入れ替えや工事列車の牽引)とイベント列車が主な仕事となっているデハ101。実は毎年恒例の正月イベントは貴重な運転機会のひとつであり、私が正月の3日にわざわざ上電を訪れた真の目的は、このデハ101の走行シーンを撮影することにありました。中央前橋に着いた時間も、そのデハ101の運転時刻を見計らってのもの。さっそく駅の横に流れる広瀬川沿いで、間もなく入線してくるデハ101を狙いたいと思います。

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広瀬川にかかる橋の上から、まずは700形を。
上電の700形はパノラミックウィンドウ化されておらず、
昔ながらの井の頭線3000系顔を色濃く残しています。
13.1.3 上毛電鉄 城東-中央前橋(後追い)

ここは駅近くにありながら川沿いをゆく列車がスッキリと撮れる、なかなかいい撮影地。しかし、右に張り出した木の枝がどうしてもかわしきれません・・・。そこで本番となるデハ101は、タテ位置にして右をカット。上下のバランスは曇り空よりも川面を大きく入れることにしてみます。やがて傍らの踏切が鳴り、線路上には古めかしいチョコレート色の電車が姿を現しました。

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のんびりと広瀬川沿いを走る上電の名車・デハ101。
中央前橋方の顔は貫通型です。
13.1.3 上毛電鉄 城東-中央前橋

う~ん、シブくていい電車だなぁ・・・(´▽`*)ウト~リ。パンタが思いっきり串刺しなのはちょっと残念だけれど、この位置まで引きつけないと架線柱のスパンに車体が抜けきらないので、致し方ないところか・・・。ゆっくりと通過するデハ101を横目に見ながら同じ橋の上で振り返って、今度は中央前橋に入線するシーンを後追い。

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頭端式ターミナルの中央前橋に到着したデハ101。
こちらの西桐生方の顔は非貫通。
この両側で顔が違うスタイルの単行電車は、
かつて鶴見線で活躍したクモハ12を思い起こさせます。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋

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デハ101が停車したのはいちばん川側の4番ホーム。
障害物が少なく、光線状態も良好なので、まさに撮影会状態です。
非貫通側にはお正月らしく日章旗が掲げられていました(^^)。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋

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横に掲げられた【中央前橋⇔西桐生】のサボ。
ただし午前中に行われるデハ101の運転は、
中央前橋から途中の大胡までです。

中央前橋へ入ってきたデハ101は約30分停車ののち折り返し、まずはイベント会場で車両基地のある大胡(おおご)へと向かいます。それよりも一本前に先行する電車に乗れば15分ほどの余裕がありますが、上電の撮影地などよく知らない私。あまりせわしく動き回らず、折り返しも無難にこの中央前橋付近で狙うこととしました。撮れる場所が見当たらなければ先ほどの広瀬川の橋に戻ればいいやと思いながら、しばらく線路に沿って歩いてみると、住宅街の合間にぽっかりと一~二両なら抜けそうなスペースを発見。光線状態も良さそうで、ためしに先行電車を撮ってみることにします。

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先行電車は赤いマスクの700形713F。
この上電700形は全8編成それぞれで色が違い、
まさに井の頭線時代を彷彿とさせる「レインボーカラー」
(・・・8色だけどね ^^;)。
そのなかでもこの赤(フェニックスレッド)などは
上電のオリジナルで、なかなか目を楽しませてくれます(^^)。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋-城東

二連だとかなりカッツいけれど、単行のデハ101ならばじゅうぶんに収まりそう。あとは後方に位置するパンタが串らないようにしたいものですが・・・デハ101は700形よりも車体長が二メートルほど短いので(デハ101が16メートルで、700形は18メートル)、なんとか抜けてくれるかな?
そしてもう一つ気になるのが空模様。この日はかなりの強風で雲の流れが速く、晴れたり曇ったりを繰り返す、猫の目天気。先行電車ではきれいに日があたったものの、デハ101の懐かしい吊り掛けモーター音が響いてきたころには・・・

0013.jpg

冬空の下、日章旗をなびかせて快走するデハ101。
車内はイベントへ向かう人たちで超満員です。

あああ、曇られてしまった・・・ヽ(´Д`;)ノ アゥア…。はやくも新年最初の撃沈 orz。念のため絞りをオートにしていたので露出アンダーは避けられたけれど、順光ポイントだっただけにここは晴れてほしかったな・・・。パンタのほうは読み通り、余裕をもって抜けてくれただけに残念。
でも、写真的にはイマイチの結果でしたが、やっぱり力行時に鳴り響く、吊り掛け駆動の甲高い唸り音はたまりませんね~。遠くから聞こえてきたときには思わず鳥肌が立っちゃいました。

さて、午前中のデハ101はこの大胡~中央前橋の一往復のみ。残りの大胡~西桐生は午後に運転されます。その間に大胡で行われているイベントへ顔を出すことにしましょう。中央前橋駅に戻って、西桐生行きの電車へと乗り込みます。

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中央前橋で待機していた700形は
「パステルブルー」の716Fで「賀正」マーク付き。
あれ?左隣も同じ青色じゃないかって?
あちらは「ロイヤルブルー」の712Fです(笑)。
ちなみに上電は車内への自転車持ち込みOKなので
(平日朝夕の通勤通学時間帯を除く)、
ホームでは自転車を押す姿が日常的に見られます。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋

私は過去、上電へは乗りつぶし目的以外にも何度か訪れており、いちばん最近では05年に東武桐生線で活躍していた吊り掛け駆動車・東武5050系へ乗りに来たついでに、中央前橋→西桐生→赤城のルートで全線を乗り通しています(それでも、もう8年も前か…)。そのときにはすでに700形化されていて、今回とくに目新しく感じたことはありませんでした。
中央前橋を出た電車は前橋の市街地を抜けると、左手に榛名山や赤城山を見ながら走り、約20分で車両基地のある大胡に到着。

中央前橋1045-(上電23列車)-大胡1102

0015.jpg

大胡の側線には先ほどのデハ101の姿があり、
後ろには黄色塗装のデハ104が連結されています。
車両展示イベントの入れ替え作業かと思っていたところ、
どうやらこれは車両基地と駅構内の間(数百メートル)を
往復する100形の乗車体験らしい。
ちょっと乗ってみたいかも・・・(´ρ` )イイナァ。
13.1.3 上毛電鉄 大胡 (開いた構内踏切より撮影)

大胡ではすでにイベントが始まっていて、わずか15分ほど先行していたに過ぎないデハ101が、もう乗車体験コーナーへと駆り出されています。その様子をホーム脇からちょこっと押さえてから、イベント会場である車両基地(大胡列車区)へ。ここからは少しイベント会場での様子をご覧ください。

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1928年(昭和3年)開業時の面影がそのまま残る
大胡の木造駅舎。
ドラマや映画のロケに使われることもあるのだとか。
13.1.3 上毛電鉄 大胡 

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その大胡駅の西側に隣接されているのが
上電唯一の車両基地、大胡列車区です。
イベント会場の入り口では
「サンライトイエロー」の714Fがお出迎え。
13.1.3 上毛電鉄 大胡列車区

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展示車両は「ゴールデンオレンジ」の718F(左)と
凸型電気機関車のデキ3020形。

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1929年製のデキ3020形。元々は東急の電気機関車で
近年まで東急・長津田工場の入れ替え等に従事していましたが、
09年に動態保存を目的に上電へと譲渡。
しかし移籍後は車籍を有しておらず、本線走行はできないとのこと。
それにしてもなぜ、縁もゆかりもない東急の電機が
この上電で保存されることになったのだろう・・・?

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そのデキ3020形が後ろに従えているのは、
1928年製の鉄製有蓋貨車 テ241で、こちらは元・東武の貨車。
やはり09年に保存目的で上電へと譲渡されたものですが、
デキ3020形同様に車籍はありません。
このデキ+テの組み合わせで、本線をゆく姿を見てみたいものです。

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車両展示の脇では、さきほどのデハ100形の乗車体験が継続中。
この黄色いデハ104も貴重なデハ100形の生き残りですが、
すでに車籍はありません。
黄色は1960年代の「カラシ色」を復刻したものとのこと。
茶色いデハ101とはだいぶ印象が異なるものですね。

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乗車体験にはまだ余裕があるとのことだったので、
ためしにデハ101のほうへ乗ってみました~(^^)
ニス塗りの壁、木の床、白熱灯がいい雰囲気です。

0024.jpg

そして大胡列車区といえば、この木造の電車検修庫。
先に紹介した大胡駅舎とともに開業当時に建築された希少な建造物で、
国の登録有形文化財に登録されています(駅舎・車庫・変電所など)。

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車庫の内部はこんな感じ。
木造板張りでトラス構造を採用した建物は構造的な安定度が極めて高く、
柱間を広くとることができ、車両を格納することを可能にしているとのこと。
レトロななかにも、実用感が漂っています。

お目当てだった車両展示のほか、木造車庫の見学やデハ100形の乗車体験までできて、わずか一時間という短い滞在時間ながらも、存分にイベントを満喫することができました。イベント自体は午後3時まで行われていますが私は早めに切り上げて、午後に大胡~西桐生で運転されるデハ101の撮影に備えます。大胡から再び西桐生方面の下り電車に乗り、次に向かったのは膳。

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赤城連山の南麓を東西に横断する上電。
車窓からは赤城山系が一望できます。
13.1.3 上毛電鉄 北原-新屋 (車窓から)

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大胡から5つ目の膳で下車。
13.1.3 上毛電鉄 膳

大胡1203-(27列車)-膳1214

午前中は中央前橋付近でデハ101の車両をメインに撮影しました。でもやはり上電といえば、車窓からもその雄大な姿を見せていた赤城山との組み合わせを撮りたいもの。車窓から眺めていると、この膳と一つ手前(中央前橋寄り)にある粕川の間には田園が広がっていて、そこから赤城山を背景に走る上電を撮ることができそうです。先ほどと同様に、まずは700形で試し撮り。

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赤城山と上電700形。
かつては井の頭線を走っていた都会派電車も、
今ではすっかり上州の景色になじんでいます。
13.1.3 上毛電鉄 粕川-膳

うん、これぞまさに狙い通りの上電らしいカット。でもちょっと引きすぎかな? よくみれば手前にある農薬のズタ袋(?)が入ってしまい、右端の白い側溝も目立ちます。もうちょっとアングルを再考すべきか・・・。
それにしてもこの場所、風をさえぎるものが何も無くて、めっちゃくちゃ寒い!! 冬の上州名物である赤城おろし、俗にいう「上州の空っ風」が容赦なく吹き付け、そのハンパない冷たさで、もう目から涙、鼻から鼻水が止まりません

ヒイイィィィサビィィィィィ((((((((lll゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル
寒風に耐えて待つこと一時間半。すっかり体が冷え切ってしまったころ、ようやくデハ101の通過を知らせる踏切音が風に乗って聞こえてきました。しかし、空は相変わらず流れ雲が多く、直前まで晴れたり曇ったり。これで曇ったら相当にショックだなぁ・・・ドキドキ(´・Д・`;)ハラハラ。

0029.jpg

赤城山麓をコトコトゆく、上電のチョコ電。
85年前の上電開業時からずっと
デハ101は赤城山のふもとを走り続けてきました。

なんとか晴れてくれました~ヽ(´▽`)ノ 。今回の上電撮影のなかでは、いちばんの本命カットとして考えていたデハ101の赤城山バック。これが晴れで撮れたのは、本当に嬉しい*。.+゚(つД`。)゚+。.* ヨカッタ…。アングル的にはやはり単行ということで、先ほどのよりも山裾をカットして車両を少し大きめにしています。車両位置が画面真ん中ではないのは、シンメトリー構図があまり好きではないということもあるけれど、実は車両で背後にある大きな倉庫を隠したかったからでした。
このカットが無事に撮れたことで安心し、一気に脱力。デハ101はもう一度、西桐生から折り返して大胡へと向かう上りの運転が残されているのですが、あまり移動せずに近場の順光ポイントで撮ることとしました。

0030.jpg

朝に中央前橋から乗った「賀正」マークの716F。
今回はデハ101の引き立て役になってしまった感のある700形ですが、
やっぱりこの電車も愛嬌のあるいい電車です(^^)。
13.1.3 上毛電鉄 膳-粕川

最近ちょっとマイブームになっている、広角~標準系レンズのローアングル舐め。デハ101のラストもこれで決めよう・・・と、考えていたところ、上の716F撮影後に太陽は大きな雲に包まれてしまいました。このアングルで撮るには早いシャッタースピードが必要なので、日差しが受けられないとかなりツライ。ならばと、ここは思い切ってアングルの方向転換。標準系レンズではなく望遠レンズで正面気味に狙うことにしてみます。これならば曇りでシャッタースピードが落ちても、ある程度は止まってくれるハズ。最近はローカル線撮影が多かったこともあり、なかなか出番がなかった300ミリ(+テレコン)、久々に使うなぁ・・・(今回もローカル線ですけれど ^^;)。望遠に差し替え、ファインダーを覗いて待っていると、デハ101は定刻よりも少し遅れて姿を現しました。

0031.jpg

雲に遮られた弱々しい日を浴び、
上毛路を力強く走り抜ける、老兵・デハ101。
いつまでもその雄姿を見続けたいものです・・・。
13.1.3 上毛電鉄 膳-粕川

妥協案とも言うべき望遠での正面ドカンアングルでしたが、意外と悪くなく、むしろ変化がついてよかったかもしれません。冷たい赤城おろしに晒されながらの辛い撮影でしたが、結果的に満足のいく上電での新年撮り初めとなりました(^^)。

これでデハ101の撮影はすべて終了。でも、この日はせっかく全線フリーの一日乗車券を買ったので、終点の西桐生まで乗ってみることにします。

0032.jpg

待合室のみの簡素な膳駅から再び下り列車へ乗車。
13.1.3 上毛電鉄 膳

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赤城は東武桐生線との接続駅。
700形の向こうには、東武特急「りょうもう」の姿が見えます。
13.1.3 上毛電鉄 赤城(車窓から)

0034.jpg

私の乗った西桐生行きは「りょうもう」との接続を図っており、
両線の列車がほぼ同時に赤城を発車。
赤城から次駅の桐生球場前までは単線並列区間で、
しばらくはデッドヒートを繰り広げますが、
やはり「りょうもう」のほうが速いっっ (>ω<;;)。
見る見るうちに差が広がってゆきます。
13.1.3 上毛電鉄 赤城(車窓から)

0035.jpg

渡良瀬川を渡ると、まもなく終点の西桐生。
ちょっと見にくいけれど、下流に架かっているのは
両毛線とわたらせ渓谷鐡道の鉄橋です。
13.1.3 上毛電鉄 富士山下-丸山下(車窓から)

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西桐生に到着~。
乗車したのは赤いマスクの713Fでした。
13.1.3 上毛電鉄 西桐生

膳1544-(41列車)-西桐生1607

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0038.jpg

マンサード屋根の洋風建築でモダンな西桐生の駅舎ですが、
大胡と同じ1928年(昭和3年)開業時に建造。
こちらも国の登録有形文化財に登録されています。
13.1.3 上毛電鉄 西桐生

中央前橋から西桐生まで上電全線を乗り通すと約50分。いっぽう、両毛線での前橋~桐生は約30分と、やはり所要時間では叶いません。しかも同区間の運賃はJRの480円に対して、上電は660円と割高。しかし、赤城山麓を映す車窓風景は北側を走る上電のほうがよく、また大胡や西桐生といった歴史を感じさせる駅舎や東武との単線並列など鉄的な見どころも多い。両端の起終点がアクセスしにくいという難点があるけれど、案外それも上電らしい面白さのひとつではないでしょうか。赤城山麓をゆくローカル私鉄、上電。機会があればまた乗り、撮りにぜひ訪れたいと思っています。

前述したように西桐生からJR両毛線の桐生までは徒歩で7~8分。帰りは桐生から両毛線に乗って前橋方面へ向かえば往復で違った路線を楽しめますが、実は私の手元にある上電の一日乗車券はまだ元を取れていない・・・。ちょっとセコいけれど、私は再び上電で50分かけ、中央前橋へと戻るのでした。

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今回使った上電の一日乗車券、
「赤城南麓1日フリー切符(¥1300)」。
中央前橋~西桐生は片道660円ですから、
単純に往復すれば元が取れます(笑)。
図柄は赤城山をバックに走る700形。

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中央前橋へ戻ってきたころにはすっかり日が落ちていました。
13.1.3 上毛電鉄 中央前橋

西桐生1616-(48列車)-中央前橋1708

 

 

つづき・・・ます!? ( ̄△ ̄;)エッ!?

上越線・・・583系「あけぼの」撮影記

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2000.jpg
2013.01.04
上越線
 583系あけぼの(回送)」撮影記 
   

年末年始を故郷で過ごす帰省客のために、今シーズンも各地で様々な臨時列車が設定されました。この臨時列車には第一線を退いた波動用の国鉄型車両なども割り当てられ、帰省客のみならず・・・いや、むしろ帰省客以上に、鉄の注目が集まります(とくに乗り鉄、撮り鉄)。そのなかでも今シーズンいちばんの目玉となったのが、上野と青森を結ぶ寝台特急「あけぼの」を保管する形で上野~弘前 間に運転される、寝台特急「あけぼの81・82号」。
「あけぼの」と言えば、今や残り少なくなったブルートレインの生き残りで、定期に使用されているのはもちろん青い車体の24系客車。ところが今回運転される臨時の「81・82号」にはブルトレ客車でなく、なんと寝台特急型電車の583系が使用されるのです!w(゚ロ゚)wウワォ!! 583系の優等列車は今でもかろうじて、JR西日本カラーの急行「きたぐに」が臨時で大阪~新潟 間を走っているものの、国鉄色で人気があるJR東日本の583系は近年、 「わくわくドリーム号」や往年の名列車を復刻した「リバイバルトレイン」など団体列車での活躍が目立ち、ごく稀に運転される臨時列車(多客臨)も「あいづライナー」の代走や「ふくしま花見山号」といった快速での設定がいいところ。しかしこの「あけぼの81・82号」は、臨時とはいえれっきとした特急列車で、しかも583系の特徴を生かした「寝台特急」として設定されたもの。団体列車ではない583系の寝台特急なんて、いったいいつ以来の運転なのだろう・・・(´_` )トオイメ 。私は前回の冒頭で紹介したメガネの一件があり、金銭的にあまり遠出はできないけれど、この列車だけはどうにかして撮りたいと考えていました。

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時刻表に掲載された、臨時の「あけぼの81号」。
(電車3段寝台)の注釈が付けられているのが、
寝台特急電車・583系を使用する証です。
JR時刻表・13年1月号より。

ただし、この「583あけぼの」が運転されるのは、年末一日(12/29上野発・下り81号)、年始一日(1/3弘前発・上り82号)のわずか二日だけ。首都圏近郊で撮るとしたら、29日の夜に上野を出る「81号」よりも、4日の早朝に上野へ着く「82号」の方が撮りやすそう(そもそも29日の夜は忘年会で、出撃ができませんでした・・・ズルッ(ノ_ _)ノ )。それでも「82号」の上野着は早朝の6時(0605着)と日の出前でまだ暗く、どのみち走行写真を撮るのはムリがあるか・・・と、思いながら、いつもの鉄道情報誌(DJ誌)をよく見てみると、4日の6時に上野へ着いた「82号」の583系はすぐに折り返し、高崎・上越・信越・羽越線を通る回送列車で、その日じゅうに所属区の秋田へと戻るではありませんか(回9083M)。日中に走るこの回送列車ならば沿線で走行写真を撮ることができそうです。しかし回送列車だと「あけぼの」ではなく、「回送」表示になってしまうのでは・・・? と、お思いの方もいらっしゃるでしょう。ところが583系は前面の表示を変えるのに手間がかかるため、おそらく「あけぼの」表示そのままで所属区へ戻される確率が高いのです(そもそも今の583系に「あけぼの」幕が入っているとは考えられず、今回掲出されるマークはステッカーを貼付けたものだろうし)。

だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、そんな「583あけぼの」の回送を沿線で撮るため、4日は高崎線か上越線沿線への出撃決定!・・・って、あれ? たしか前日の3日には、群馬の上毛電鉄でイベントがあって、前橋へ出撃していたハズ・・・そう、実はここからが前回の続きで、連日同方面へ東京の自宅から出撃するのはさすがにバカらしいと思い、前回のラストに上電で西桐生から中央前橋へ戻ったあとは、そのまま前橋のビジネスホテルで一泊してしまいました。翌日のことを考えると、ホントは高崎か渋川あたりに泊まったほうが効率はよかったのですが、年始早々の3日はどこも満室か、お高い宿泊プランしかなかったのです。ちなみに前橋で泊まったホテルは朝食付きで一泊4000円。ちょうど東京~前橋の往復運賃(片道1890円)と同じくらいで、これならば懐も「気分的には」痛みません(笑)。


1月4日(金)

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前橋から両毛線の高崎行きで出発。
左隣に見える田町区の185系は、
新宿行きの特急「あかぎ2号」です。
13.1.4 両毛線 前橋

さて、前述したように上野から高崎線・上越線を通って、最終的には秋田へと向かう583系の回送列車。都内の自宅から出撃するのならば高崎線内が時間的にも金銭的にも手頃なのですが、せっかく前橋に泊まったのならば、やはりここは列車の背景に住宅などが入らずにスッキリ撮れ、なおかつカブリ率が高崎線に比べると格段に低くなる、上越線で撮りたい。そこで前橋から乗った両毛線で高崎へは向かわずに、次の新前橋で上越線の水上行きに乗り換えます。その上越線の車内には三脚を担いだ同業者らしき方の姿がチラホラ・・・やはりこの583系回送列車は注目度が高いようです。

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渋川を過ぎると、上越線は利根川に沿って走ります。
とくに津久田や岩本のあたりは眺めがよく、
この利根川と列車を絡めて撮れる撮影地も多い。
13.1.4 上越線 津久田-岩本(車窓から)

休日にはSL列車などが運転され、雑誌やネット上にも幅広く撮影地が公開されている上越線。津久田の鉄橋や水上の諏訪峡といった風景絡みで絵になる撮影地も多いのですが、今回は583系が掲げる「あけぼの」マークが最大のポイント。画的にはあまり面白味がないかもしれませんが、しっかりとヘッドマークが解る列車主体の写真が狙えるところを撮影地に選びます。いくつかアタマに浮かんだ候補地の中で、車窓からその状況を眺めつつ私が決めたのは、岩本駅近くのストレートが撮れる踏切。

前橋0712-(両毛620M)-新前橋0716~0721-(上越723M)-岩本0750

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ホームに雪が積もった岩本で下車。
一面真っ白に見えますが、深さはそれほどありません。
スニーカーでも苦にならない程度。
岩本の駅裏には東電の水力発電所があり、
ホームや車窓からも見ることができます(タイトル写真)。
13.1.4 上越線 岩本

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久しぶりに降りた岩本。
数年前に訪れた時はまだ古い木造駅舎だったはずですが、
いつのまにか簡素な新しいハコに変わっていました。
(2010年に建て替えられたらしい・・・(・ω・`) )。
13.1.4 上越線 岩本

積雪はあるものの、風が無いせいかそれほど寒さは感じず、前日の赤城おろしよりずっとマシです。撮影地へは583系が通過する一時間半前の8時頃に到着。自宅から出てこの時間に岩本へ着こうとするならば、初発電車に乗っても在来線の普通列車だけではムリで、高崎までは新幹線を使わなくてはなりません。次の普通列車でも583系には間に合うけれど、やはり先行電車で試し撮りするくらいの余裕は欲しいし、できればいい場所も確保したい。そう考えると、少なからず前橋泊の利はあったかな?

2005.jpg

まずは107系の普通列車を撮影。
雪煙を巻き上げて、なかなか豪快な走りを見せています。
13.1.4 上越線 津久田-岩本

しばらく経つと、上写真の普通列車やクルマで来た人などで、撮影地は少し賑やかになってきました。そこで隣人の方からちょっと気になるハナシが・・・実はこの583系の営業運転となる「あけぼの82号」は、東北地方の大雪・強風の影響で定刻よりも一時間ほど遅れて上京し、かろうじて撮影ができたのだとか。しかしその姿はまさに「雪ダルマ」で、ヘッドマークはほとんど見えなかったらしい・・・Σ( ̄□ ̄;)エッ、マジ!? 。着雪して雪ダルマとなった583系の姿は想像するだけでもカッコいいけれど、「あけぼの」のマークが見えないのはちょっと困る。折り返してココへ来るまでに雪が溶け、マークが見える状態になっているといいけれど・・・。でも溶けすぎちゃうのも、なんだかもったいない気がするなぁ・・・(-"-;)ウゥム… 。マークは見たいが雪は溶けないで欲しい、なんとも矛盾したワガママな願望です。しかしそんなムチャぶりが、まさか叶うとは!?

「あけぼの82号」の遅れは回送列車での停車時間短縮などで取り戻し、この撮影地には情報誌に書かれていた時刻のほぼ定時(5分遅れ程度)に踏切が鳴りました。やがて直線上に現れた583系、その姿は・・・

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雪国での激走を物語るような形相で走り抜ける
583系の「あけぼの(回送)」。
これぞまさに東北夜行、最高の勇姿です!

前面に豪快な着雪を残しながらも「あけぼの」のヘッドマークはハッキリ解る、まさに理想の状態でした~ ヤタ━ヽ(≧▽≦☆)ノ━ッッ!!。それにしてもウマい具合に溶けたものだなぁ・・・(^^;)。107系の普通列車を撮った頃に比べると、だいぶ道床の雪が溶けて雪煙は舞わなくなっちゃったけれど、それでも583系の迫力ある姿はじゅうぶん過ぎるくらいに満足。これは岩本まで来た甲斐があったというものです (^^)。

2010.jpg

583系が掲げていた「あけぼの」のヘッドマーク。
残念ながら寝台特急を表す「流星マーク」は無いのね・・・。
(上写真のトリミング)

今回はカメラを三脚に据えていたので後追いは撮らず、肉眼で通過する583系を見送って、撤収。時間的にはまだ午前中ですが、この日は夕方から友人宅の新年会に招かれており、ちょっと早いけれどこれで東京へと戻ることにします。前日の上電、そして上越線の583系「あけぼの」と、わずか二日(実質一日半)ではありましたが、充実した新年の群馬旅となりました。

2007.jpg

岩本に入って来た115系も、ちょっぴり雪化粧。
でも先ほどの583系に比べると甘いですね~(笑)。
13.1.4 上越線 岩本

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高崎では乗り換えの合間にお昼ゴハン。
高崎といえば「だるま弁当」などの名物駅弁がありますが、
今回はもうひとつの隠れた名物(?)を
ホームのスタンドでいただきます。
13.1.4 信越本線 高崎

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これがウワサの「たかべんカレー(¥400)」。
たかが駅のスタンドと侮るなかれ、
じっくり煮込んだここのカレーは本当においしいんです!
マジ(゚д゚)ウマー!
学生の頃は鉄の合間によくここでカレーを食べたもので、
変わらぬ味に懐かしさも込み上げてきました。
あくまでもコスパを踏まえての個人的評価ですが、☆☆☆☆・
ちなみにここはラーメンもウマいです。

岩本1000-(上越734M)-高崎1041~1117-(高崎3120Y)-新宿1259

 

ところで、「あけぼの」というと冒頭にも書いたように、電気機関車が牽引する客車列車(ブルートレイン)のイメージが強く、東北へ向かう583系の寝台特急は「はくつる」や「ゆうづる」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。では、583系が「あけぼの」に使われるのは今回が初めてだったのかというと・・・実は同じように臨時で、数年間だけ583系の「あけぼの」が走った時期がありました。

9008.jpg

「あけぼの」のマークを掲げて、上野を目指す583系。
マークは今回のものより、当時の方がちょっと赤っぽい?
よくみると、このときも左上に流星マークはありませんね。
90.8 東北本線 日暮里付近

あまり写りが良くなくて恐縮ですが、これは90年夏に撮った583系の臨時「あけぼの82号」。当時はたしか奥羽本線の改軌工事(山形新幹線開業を控えて)に伴い、仙山線経由で運転されていたと記憶しています。あれから23年・・・まさか再び583系「あけぼの」が運転され、それを撮ることができるとは思ってもみませんでした(実際に583系「あけぼの」が運転されるのは、95年以来17年ぶりらしい)。


成田線・・・183系「成田臨」撮影記 2013

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2013.01.12
成田線
 新年の運試し!?
 183系「成田臨」 撮影記 2013
   

先週末は成人の日を含む三連休。しかしメガネビンボーの私に遠出できるような余裕はなく、連休も近場での撮り鉄です。この時期に関東でネタになる列車といえば・・・そう、成田山新勝寺への初詣参拝客を輸送する団体臨時列車、通称「成田臨」。国鉄特急型の183系などが使われることで撮り鉄に人気の列車です。もはや私にとっては新春の恒例行事ともいえる成田臨撮影、しかし昨年は都合がつかずに未撮影でした。だからというわけではないけれど、去年は個人的にあまりいい年ではなかった気がしています(メガネの一件以外にも)。そんな鉄道の撮影ごときで運勢が変わるようなちゃっちい人生じゃ困るのですが、今年こそは、おめでたい「初詣」絵幕を掲出した成田臨の183系を撮り、運気アップといきたいところです (`・ω・´)-3 フンス! 。


1月12日(土)

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ウチから成田まで行くのに、
今回は勝田台まで東葉高速鉄道を使ってみました。
乗ったのはオレンジ帯の2000系で、
この車両は東京メトロ東西線の05N系と同一設計。
東葉高速鉄道 東葉勝田台

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勝田台で京成へ乗り換えて成田へ。
奥にスーツケースを持っている方が見えるように、
この東葉高速と京成を乗り継ぐルートで
都心から成田空港へ向かう人も結構多いです。
京成本線 勝田台

中央線沿線のウチから成田へ行くにはJRの中央線と総武線、成田線を乗り継いでいくのが手っ取り早いのですが、実はこのほかにもいろいろなルートがあり、鉄としてたまには違う路線にも乗ってみたい。思い返せば、昨年に成田線で運転された「アンパンマン・トロッコ」を撮影しに行ったときにも同じようなことを試し、そのときは 『新宿-(都営新宿)-本八幡...京成八幡-(京成)-成田』 のルートを選びました(新宿~成田 940円)。そこで今回はまた違ったルートとして、中央線沿線の自宅からまずは中野に出て、東京メトロ東西線と東葉高速鉄道を直通する電車に乗り、終点の東葉勝田台へ。東葉勝田台に隣接する京成の勝田台から成田へ向かう方法を選んでみることに。これだと乗り換えが少なく、さらに中野始発の東西線でずっと座っていけるという利点があります。しかし途中に第三セクターの東葉高速を挟むことにより運賃がかさみ、中野~成田で1270円(メトロ 300円・東葉 610円・京成 360円 Σ(゚Д゚#) トーヨー、タカッ! )。前回の都営経由に比べるとちょっと高上りになってしまい、結果的にはJRのみの中野~成田、1280円とほとんど変わらなくなってしまいました。まあ、東葉高速なんてめったに乗らないし、たまにはいいか・・・。ちなみに東西線を西船橋で降り、横着せずに徒歩10分の京成西船まで歩いて、そこから京成に乗って成田へ向かうと、なんと中野~成田の運賃は820円!(メトロ 300円・京成 520円)。今のところ、これがウチから成田への最安値のようです・・・。

中野0701-(メトロ東西線・東葉高速)-東葉勝田台0814…勝田台0836-(京成特急)-京成成田0857

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成田山新勝寺への最寄り駅、京成成田。
JR成田線の成田とは道路を隔てて近接しており、
両駅間の乗り換えは徒歩で2~3分ほど。
京成本線 成田

そんなルートでやってきた成田。ここでJR成田線には乗り換えず、成田駅から徒歩で撮影地へと向かいます。昨年は撮影しなかったものの、一昨年、そして三年前と二年連続、成田線の木下~小林(キオコバ)で編成写真を主体に撮った成田臨。今年はちょっと変化をつけたいと思い、定番のキオコバではなく成田と下総松崎の間にあるポイントを選んでみました。新勝寺への初詣客で賑わいを見せる東口とは対照的に、閑静な住宅街が広がる西口。そこを抜けて15分ほど歩くと、撮影地となる県道の陸橋が見えてきました。成田線をオーバークロスするこの陸橋上から俯瞰で下をゆく列車を狙います。

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まずはE231系の普通列車で試し撮り。
成田線の我孫子口(成田~我孫子)には、
常磐線でおなじみのE231系松戸車が使われています。
成田~我孫子の区間運転は5連の付属編成で対応。
成田線 下総松崎-成田

ここには初めて訪れたのですが、障害物が少なくて編成がスッキリと収まる、なかなかの好撮影地です。午前は晴れれば順光となるのに、曇り空なのが残念。天気予報では晴れのハズだったんだけどなぁ・・・。ところでこの場所、実は私がいる陸橋からの俯瞰よりも下にある踏切脇から撮る方が有名で人気が高く、成田臨の通過までまだ一時間近くもあるというのに下はもう撮影者でびっしりです (´Д`lll)スゴイネ…。

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たくさんの撮り鉄が集まるポイントを通過してゆく、E231系。
この列車は上野から常磐線を経て直通してくる列車で、
10連の基本編成が使われています。

いっぽうこちらの陸橋上は、まだ4~5人程度。最終的には10人くらいになりましたが、下のカオス度に比べると余裕です。やっぱりヘッドマークがしっかりと解る、線路端からの寄りのほうに人気が集中するのね・・・。この日運転される成田臨は、団体が二本と多客臨一本の合計三本で、いずれの列車も国鉄特急型の183(189)系。できればそのうち一本くらいはアングルを変えて下の踏切で撮ろう・・・なんて考えていたのですが、この状況ではあとから入り込む余地など無さそうです (^^;) 。

1006.jpg

ここは成田空港に近いこともあり、
小さくですが国際線飛行機が飛ぶ姿も見ることができます。
飛行機に疎い私、機種などはサッパリ解りませんが、
航空会社くらいはなんとか・・・これは大韓航空ですね。
ああ、本場のサムゲタンを食べにソウルへ行きたいなぁ・・・。
(トリミング済み)

1007.jpg

次に飛んできたのは・・・エールフランスのカーゴかな?
ああ、本場のエスカルゴを食べにパリへ行きたいなぁ・・・。
それにしても、どんよりとしたスッキリしない空です。
(トリミング済み)

上空の飛行機をカメラの望遠レンズ(・・・といっても、ズームの200ミリ程度)で眺めたりしながら時間をつぶし、成田臨の通過を待ちます。最初の一本目は熊谷からの団体さんで、この列車に使用されるのは、かつて中央線の特急「あずさ」で活躍し、今では通称「あずさ色」と呼ばれる水色の183系(幕張車)。遅れはなく、列車はほぼ定刻に姿を見せました。

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冬枯れの木々を背景に、
初詣客を乗せた「あずさ色」が成田線を走ります。
成田線 下総松崎-成田

天気は変わらずの曇り空で、せっかくの「あずさ色」もちょっと寒々しい絵となってしまいました。ヘッドマークの表示は味気ない「団体」幕でしたが、もともと「あずさ色」の183系には「初詣」の絵幕が入っていないので、これは想定内です。

この「あずさ色」の通過から約30分後。続いてやってくる列車は、かつて信越線の特急「あさま」で使われていた深緑色の183(189)系、通称「あさま色」(長野車)で運転される、快速「成田山初詣むさしの号 」(府中本町~成田 武蔵野・常磐線経由)。立派な列車名はあるものの、おそらくこれも絵幕ではなく「臨時」か「快速」表示が掲出されることでしょう。それでもこの「あさま色」は成田線への入線自体が珍しいので、しっかりと押さえておきたいところ。

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のどかな北総の景色のなか、単線をゆく「あさま色」。
ゆっくりとした速度だったので、まずは少し引き目で一枚。
このくらいのアングルのほうが、成田線らしさは出ているかもしれません。

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手前まで引き寄せてもう一枚。
はるばる長野から出張してきた189系を使い、
府中本町~成田というちょっと変わった区間で運転された
快速「成田山初詣むさしの号」(全席指定)。
はたして需要はあったのでしょうか・・・?

この頃には雲が流れ始め、薄日が差すこともあったのですが、結局、「あさま色」も曇り空のなかで通過。ヘッドマークはやはり「臨時」表示でした。それにしても「あずさ色」に続き「あさま色」とは、なんだか成田線ではなく中央線か篠ノ井線で撮影しているような気分です (^^;)。

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「あさま色」の通過後は、徐々に日が当たるようになってきました。
このムラサキ色の飛行機はタイ国際航空。
ああ、本場のカオマンガイを食べにバンコクへ行きたいなぁ・・・。
(トリミング済み)

さて、次の高崎からくる団体列車が本命ともいえる国鉄色183系(大宮車)で、「初詣」の絵幕に期待が高まります。ただし過去の記事でも書いているように、この絵幕は必ず掲出されるというものではなく、見られるかどうかは運次第といったところ (・・・というか、幕を調整する乗務員の気分次第!?)。三年前は大宮車が二本運転されて、その二本とも絵幕の大当たりで「大吉」。一昨年は二本運転されたものの、一本は「団体」幕、もう一本は絵幕で一勝一敗の「中吉」。では今年はというと、この撮影日には大宮車での団体が一本しか設定されず、まさに一発勝負。通過前にはようやく雲が抜けて日が差し、きれいな順光で運試しの舞台が整いました。果たしてその結果やいかに・・・。

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まずは待ちきれずに
撮影地に顔を出したばかりの183系を。
あれ?マークが・・・(・ω・;) ンン?

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明るい日の光に照らされて快走する国鉄色183系。
しかし肝心のマークは、白幕・・・Σ(°д°lll) ガーン!

なんと絵幕はおろか、「団体」や「臨時」の文字すらない、真っ白な無地幕・・・ヘ(゚∀゚ヘ)マッシロケッケッケ~。これはどういうことかと通過後に隣の同業者へ伺ったところ、どうやら三本ある大宮の国鉄色183系のうちの一本、OM101編成が最近になって上り方(クハ183-1527)の表示器を破損したらしく、幕を回すことができなくなってしまったらしい・・・orz 。この教えてくれた方は、できればそのOM101が成田臨へ入らないことを望んで撮影に来たそうですが、残念ながら願いむなしく、見事にその当該編成が充当されてしまったとのこと。なるほど、白幕の理由はわかりました。でも、なんにしても期待していた「初詣」絵幕を拝むことはできず、これじゃあ運気アップどころか新年早々「大凶」じゃないか~!ヽ(#`Д´)ノ ムキーッ!!

ところが、ここでは車道があって後追いは撮れませんでしたが、去り際をよく見ると後方(クハ182-101)の表示幕は正常で、しっかりと「初詣」幕が掲出されているではありませんか (゚∀゚)オッ!  と、いうことは、折り返し列車ならば念願の「初詣」幕を撮ることができるのか・・・。しかしその折り返し列車までは、まだ三時間以上もの待ち時間があります。それまでずっとこの撮影地にいても仕方がないので、ここは成田山へお参りにでも行き、時間をつぶすことにしました。

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成田山新勝寺へと続く、賑やかな参道。
両脇には名物であるウナギ屋が軒を連ねます。
香ばしい匂いがたまらないっっっ!(≧ω≦;;)ク~ッ!
でもどの店も大行列で、入れそうにありませんね・・・
(そもそも今の私にウナギを食べられる余裕などないケド…)。

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成田山新勝寺の山門。
成田山新勝寺は真言宗智山派の大本山。
本尊は不動明王で、家内安全、交通安全などを祈る
護摩祈祷のために訪れる人も多いのだそうな。

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新勝寺の本堂で初詣。
実は私、成田山へ来たのはこれが初めてだったりします。
ウチは神道なので、あまりお寺さんには縁がないんですよね。
え~っと、お寺での作法は、合掌一礼だっけ・・・( ̄人 ̄)。

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お昼はウナギ・・・ではなく、駅そばを。
なめこ、山菜、とろろ、わかめ、温玉が入ったこのお蕎麦、
なんだか縁起のいい名前が付けられていたけれど、
忘れちゃった・・・(「ごりやくそば」だったかな?)。
☆・・・・

温かい甘酒を飲みながら参道を通り、新勝寺を参拝。さらに境内でいちばん高いという平和大塔から成田空港線の「NEX」や「スカイライナー」でも見えないかと上ってみるも、木々に遮られてまったく見えず(動機が不純ですな・・・^^;)。下山してウナギの香ばしい匂いを嗅ぎつつ参道を抜け、駅そばの質素な昼食を・・・そんな感じで適度に時間を使い、二時間後に再び沿線の撮影地へと戻ってきました。時間に余裕があるのなら何も朝と同じ区間の撮影地ではなく、成田線に乗って移動して別のポイントへ行ってもよさそうなものですが、実は先ほどの国鉄色183系(大宮車)が折り返す時刻は成田を16時ちょうど発。日の持ち具合を考えると、なるべく始発の成田に近い位置で撮った方がいいかと思ったのです。朝は大勢の同業者が詰めかけたこの界隈、しかし折り返しまで待ちきれなかったのか、それとも撮影地を移動したのかは解りませんが、午後はパラパラと数人が散らばる程度。そこへ朝と同様、まずは「あずさ色」から折り返してきました。

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すっかり晴れ渡った青空のもとを、のびのびとゆく「あずさ色」。
その姿はまるで、今年の干支である「巳」であるがごとし。
成田線 成田-下総松崎

朝のどんより空からは考えられないほどのいい天気となり、大きく空を入れた構図で「あずさ色」を撮ることができました (^^)。往路でも確認したように、この列車は「団体」幕ですから、サイド気味のアングルでじゅうぶんです。

折り返しは朝の往路と同じ順番なので、次は30分後に通過する「あさま色」の番。この「あさま色」も「臨時」表示だし、やはりサイド気味で撮るかと思っていたところ、わずか30分の間にも日は徐々に傾き、上写真の「あずさ色」ポイントには住宅の影が伸びてきてしまいました。あわてて日の持ちがよさそうな場所へ移動。そこは朝に撮った陸橋の逆アングルで、先客がお二人ほどいらっしゃいました。

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初詣を終えた参拝客を乗せ、成田から府中本町へ戻る
快速「成田山初詣むさしの号」。
常磐・武蔵野線の短絡線を通る、乗り鉄的に面白そうなこの列車。
ひょっとしたら参拝客よりも鉄の需要のほうが高いかも?
成田線 成田-下総松崎

往路は曇り空だった「あさま色」も復路はバッチリいい光が当たってくれました。よく見れば編成の後方は影に入っちゃっているのだけれど、巻いているのであまり気にならないかな?

この「あさま色」からさらに30分後に通過するのが、「初詣」幕を掲出してくる国鉄色。今度は移動しなくても日が持ちそうなので、「あさま色」と同ポイントで待ちます。でもここは少し変化をつけて「初詣」幕を強調したい。車体側面がマンダーラになるのを覚悟の上、あえて望遠で顔をアップ目に狙ってみることとしました。さあ、往路はまさかの白幕で撃沈だった縁起物の「初詣」幕。復路ではしっかりと拝ませていただきます。

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西日を浴びて現れた国鉄色183系。
その顔にはしっかりと「初詣」の絵幕がありました(^^)。

今年もかろうじて、183系の「初詣」絵幕をゲットできました~ヽ(´▽`)ノワーイ♪。OM101編成の下り方には特急シンボルマークが付いておらずちょっと物足りない顔つきですが、それでも今年に限っては、絵幕を掲げてきてくれただけでじゅうぶん満足です。今年の運試し、午前の「大凶」が最終的に「小吉」くらいには巻き返せたかな?(笑)

今年は三色の183(189)系のそろい踏みと、一見華やかに見える成田臨。しかし前述したように、昨年まで二本撮れた大宮車のものが一本になり(運転日にもよるけれど)、年々縮小されているような気がします(最近はバスへと移行しているらしい)。果たして来年も絵幕を掲げた183系での運転があるのかどうかはわかりませんが、運転される限りはこの新年の運試しを楽しみたいものです。


帰りは市川に住む妹と会うため、素直にJRで戻りました。
成田1622-(成田1538M)-千葉1659~1701-(総武快速1728F)-市川1723

 

ONE-shot 106 都電俯瞰

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PICK UP ONE-shot 106 都電俯瞰

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穏やかな撮影日和の週末。
そんな日に限って、私は土日とも休日出勤でした。
忙しさがピークなのはわかるけれど、
晴天に撮り鉄できないのは、なんだか悔しいなぁ・・・。
 でも頑張ったおかげ(?)で、
仕事は日曜の午前中には片付き、午後はフリーに。
もう時間的に撮り鉄や乗り鉄ができる路線は
都区内に限られるけれど、
このままでは今週のブログネタもないことから、
せめて「ONE-shot」くらいは撮ろうと思い、
カメラを持って出かけてみました。
さて、どこへ行こう・・・。
 
 
都内の電車といえば、
先月にスカイツリーと絡ませて撮って以来、
ちょっと気になっているのが「都電荒川線」。
折しもソネブロ仲間のゆるキャラさん
「都電荒川線・フォト散歩」なる本を購入し、
ブログで紹介していましたっけ・・・。
ならば私もそれに便乗して、都電散歩としゃれこもう。
 
大塚駅から都電を乗り降りし、下町界隈をテキトーにぶらり。
都電を撮るとなると、やはり車両本位よりも、
地域密着で下町などの生活感を表わした
街角スナップ的なものを撮る方が絵になって面白い。
でも私はこういうカットがあまり得意ではなく、
つい電車の位置や光の当たり具合なんかを考えてしまって、
予期せぬ人の動きなど、一瞬のシャッターチャンスを逃しがち。
それに撮った写真を見ても、どうも私の作風ではなく、
なんだか「都電縛り」で、撮らされているって感じが強い・・・
(エラソーなこと言ってるケド、
要は街角スナップが下手っぴってこと ^^;)。
 
では私の作風(ってほどのものではないけれど)に合った
都電の撮り方って、いったいなんだろう?
考えた末に行きついた先は・・・やっぱり俯瞰撮影でした。
 
 
無数の家々や遠くのビル群(よくみると東京タワーも!)をバックに
併用軌道を走る一両の路面電車。
都電らしい生活感などあまり出ていないクールな写真ですが、
これも現代の都電を表わす一枚といえるのではないでしょうか。
 
13.1.20 都電荒川線 飛鳥山-王子駅前 

ONE-shot 107 さよなら、イルカ485。

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PICK UP ONE-shot 107 さよなら、イルカ485。

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私は試運転や配給列車などの
いわゆる業務ネタには詳しくありませんが、
どうやら鉄道趣味雑誌のHPによると、
東日本・勝田に配属されていた二本の485系、
4連のK40編成と6連のK60編成が
相次いで郡山へ廃車回送された模様。
どちらも国鉄特急色ではないものの、
今や貴重な485系であることには変わりはなく、
側面に描かれたイルカのイラストから
「イルカ号」「ドルフィン号」などと呼ばれて、
ファンに親しまれてきました。
とくにK60編成の方は国鉄時代に北海道へ投入された
四つ目ライトが特徴の1500番台だっただけに、
今回の引退は本当に残念です。

私が最後に撮影した「イルカ」の走行シーンは、
昨年4月、桜満開の中央線・残堀川橋梁でのこと。
そのときに写真を「ONE-shot」で紹介しながら、
「引退が近いかも・・・」なんてことを書きましたが、
やはり現実になってしまいました・・・(´;ω;`) 。

0408.jpg
おつかれさま、485系「イルカ号」。
 
 
485系が引退したあとの波動用にはE653系が就くとのこと。
今年の春は同ポイントで桜とE653系「ぶらり高尾散策号」の
コラボが見られることになるのかな?

 
上・08.11.22 武蔵野線 東川口-東浦和  
下・12.04.08 中央本線 日野-立川(再掲)

しなの鉄道・・・169系 急行「志賀」 撮影記

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2013.01.27
しなの鉄道
 見えるか!? 浅間山!
 169系 急行「志賀」 撮影記

 

休日を犠牲にしてきた仕事が一段落し、給料日を迎えて財政危機もとりあえずは脱した(万年ボンビーなのは変わらないけれど・・・^^;)。そこで今回はちょっぴり奮発して、新幹線でお出かけです。新幹線といっても東海道や東北ではなく、乗るのは比較的短距離な長野新幹線。

1月27日(日)

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赤い帯が特徴のE2系「あさま」号。
今旅は久しぶりに長野新幹線でスタートです。
東北新幹線 東京

このブログではよく、485系や583系に代表される国鉄特急型を残り少ない貴重な車両と紹介してきましたが、それ以上に貴重で、今や絶滅寸前にまで追い込まれているのが国鉄急行型車両。かつて日本全国に存在した急行列車はその名のとおり速達性を担う、特別料金(急行券)が必要な優等列車でした。しかし特急列車の多様化や、特別料金を必要としない快速列車の速度向上などにより、徐々に急行列車の存在意義が薄れて衰退。現在のJR線上には、定期の急行が客車列車の「はまなす(青森~札幌)」を残すのみとなっており、もはや急行型車両など必要としないのが実情です。そんな活躍の場を失った急行型を譲り受けて運転しているのが、長野県の第三セクター路線「しなの鉄道」。この鉄道ではかつて信越本線の急行「信州」や「志賀」などで活躍した、169系急行型電車が現役で運転されています。しかし誕生からすでに40年以上が経ち、さらに保安設備上の都合から運転範囲が限定される(JRへ乗り入れられない)などの不都合が生じた169系。残念ながらこの貴重な急行型の生き残りも、ついに今年4月を持って引退することが決定してしまいました(定期運用は3月まで)。

その引退を前にしなの鉄道では様々なイベントが計画されており、27日の日曜日には、かつて信越線と長野電鉄を直通して上野~湯田中を走っていた169系の急行「志賀」が、屋代~軽井沢でリバイバル運転されます。その急行「志賀」こそが今回のターゲットで、私は朝イチの長野新幹線へと乗り込んだのでした。

東京0624-(あさま501号)-軽井沢0732

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雪積もる軽井沢で、しなの鉄道へと乗り換え。
軽井沢駅には碓氷峠越えの補機として活躍した、
EF63 2が保存されています。
しなの鉄道 軽井沢

旧・信越本線こと、しなの鉄道を私が訪れるのは一昨年の12月末以来で、ほぼ一年ぶり(しなの鉄道の簡単な概要などについては、その記事を参照ください)。そのときの狙いも今回と同じ湘南色に復刻された169系(S52編成)で、平原駅付近の跨線橋から浅間山をバックに撮影しています。そこで前回とは撮り方に少しでも変化をつけようと、出発前にいろいろな撮影地を模索したものの、やはりしなの鉄道を撮るなら浅間山は無視できず、結局目指すは浅間山バックの定番中の定番、御代田。この日は朝から快晴で、その雄大な眺望にも期待が持てます。しかし・・・

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車窓から見えるハズの浅間山は・・・orz
しなの鉄道 信濃追分付近(車窓から)

ご覧のとおり、浅間山は見事に雲隠れ。そう、たとえ晴れていたって、山がキレイに見えるとは限らない。そんなことは過去の経験から十も百も承知の助。でもドン雲りならキッパリ諦めがつくけれど、まわりが晴れていて、浅間山だけに雲がまとわりついているというのは、なんだかなぁ・・・(´・ω・`) ショボーン。それでも御代田周辺にはスッキリとした直線や大きなカーブ、跨線橋からの俯瞰など、いろいろな撮り方ができる撮影地が点在しているので、とりあえず予定通り下車。

軽井沢0740-(しなの鉄道753M)-御代田0754

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浅間山の麓にある御代田町(長野県北佐久郡)の御代田駅。
駅舎内には地元ケーブルテレビ局が併設されています。
しなの鉄道 御代田

浅間山が見える(ハズの)撮影地までは、徒歩で15分ほどの道のり。路面には数センチほどの積雪があり、慌てず慎重に歩みを進めます。でもこのあたりの雪は粉雪であまりすべらず、先日に都心で降ったような湿って重たい雪よりもずっと歩きやすい。ただし吹き付ける風はとても冷たく、やはり高原の冬を実感します。やがて線路脇に同業者のものと思わしき数台のクルマが止まっているのが見えて、撮影地に到着。しかし定番撮影地に同業者の姿は無く、あたりを見渡すと、あちこちにカメラを持った方がウロウロしています。どうやら皆さんも浅間山が見えないことでアングルを決めあぐねている様子。

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本来ならキレイに浅間山が見えるハズの
ポイントを行く115系普通列車。
しなの鉄道 御代田-平原

ためしに私も定番位置から普通列車を撮ってみましたが、車窓から見た先ほどにも増して雲が低く立ちこめ、もはや山の存在すら感じさせない、単なる中途半端な引きの編成写真になってしまいました。こりゃダメダメだ・・・(´д`;)トホホ…。

1007.jpg

どうせ列車主体に撮るのなら、
冬枯れの木々が背景の方が、高原らしくていいかな・・・。
台車に雪を抱えた115系、なかなかいい感じです。
ファンの間ではあまり評判の良くないとされる
しなの色115系ですが、私は意外とキライじゃありません。
しなの鉄道 平原-御代田

まあ幸い、浅間山が雲隠れしている以外はきれいな光に恵まれていて、列車主体の編成写真を撮るのには問題無さそう。いちおう上写真の冬枯れバックを無難な候補として考え、まだ時間に余裕があるので、もう少し近辺を歩き回ってみることにしました。そこでいったん今いた撮影地を離れ、あぜ道から舗装道路へ出たところで何気なく来た道を振り返ると・・・なんと今の撮影地の向こうに、雄大な山脈が見えるではありませんか!o(゚∀゚)o オッ!

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遠くに見える北アルプスの山々を背に、
しなの色115が走り抜けてゆきます。
しなの鉄道 平原-御代田

方角的にこの山脈は北アルプスだと思われますが、長野県南部の御代田からこんなにクッキリ見えるとは、ちょっとビックリです。それにしても実はこの場所、線路脇にある資材置き場を見ても解るように、ひとつ前に撮った写真(冬枯れバック)と列車の止め位置はほぼ同じなんです。先ほどは寄り過ぎていてまったく山に気付きませんでしたが、少し目線を変えるだけでこんなにも違った景色にになるとは、驚き・・・というか、落ち着いて周りを見ない、自分の視野の狭さを痛感します。この北アルプスバックで湘南色の169系を撮れれば、なかなかいい絵になりそう。ところが、ところが・・・私はほぼこのアングルで決定し、同業者も各々の場所で構え始めた本命列車・急行「志賀」通過の約20分前。このころになると、あれほど雲に覆われていた浅間山が姿を現し始めたのです!Σ(゚□゚*)ナヌッ!? そして逆に北アルプスには流れ雲が・・・Σ(゚□゚*)エェッ!?

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雲が流れて姿を見せた浅間山。

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いっぽう、少し雲が多くなって来た北アルプス・・・。

しかし浅間山周辺の雲は完全に取れたわけではなく、まだ不安要素を残しています。通過直前にまた、雲に隠れてしまうかも知れない。悩んでいる間にも時は進み、「志賀」の通過まであと15分・・・ ドースル!?o(゚д゚*三*゚д゚)oドースル!? 葛藤の末、やっぱり当初のアタマの中にあったように、好条件で撮れるのならばここは浅間山バックを優先したい。残り10分となった時、もう浅間山に雲がかかることは無さそうだと、思い切って移動を決断! ε=ε=ε=┌(;゚口゚)┘イソゲッ  カメラをセットして数分後、澄んだ冬の空気に169系の重い唸り音が鳴り響いてきました。果たしてその結果は・・・

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真っ青な雪晴れのもと、浅間山麓を快走する
湘南色169系の急行「志賀」。
しなの鉄道 御代田-平原(後追い)

晴天順光で浅間山バックの169系が撮れました~ヽ(´▽`)ノワァーイ♪ 。 浅間山バックとはいいながら、実際は右の浅間山よりも手前中央の石尊山が目立っちゃうような角度ですが、個人的には左の剣ケ峰まで入れた三つの山並みがバランスよく入っている方が好みなので、あえてこの角度でカメラを構えてみました(列車の背後にある農機具小屋も隠したかったし)。やはり雪を抱いた信州の山々と信越線時代を彷彿とさせる湘南色の急行電車は似合いますね~! 移動して正解、大満足の結果が得られました (^^)。

続いては、今の軽井沢へ向かった急行「志賀」が一時間後に折り返して戻ってくるので、それを狙いたいと思います。な~んだ、二回も撮影チャンスがあるのなら迷うこと無いじゃん・・・と思われそうですが、変わりやすい山の天気では折り返しの列車まで浅間山に雲がかからないという保証は無く、撮れるときに撮っておきたいもの。それに今回の運転は通常の普通列車ではなく、イベント列車の急行「志賀」。往復のどちらかでは「志賀」のヘッドマークや急行幕が解るように撮りたい。最初の一枚目で浅間山バックが撮れたことにより、今度は心置きなく列車中心に狙うことができるというものです (・・・なんだか、理屈っぽいね ^^;)。そこで折り返しの二本目は、線路端からキッチリと編成写真を押さえることとしました。

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うっすらと雪化粧した顔に「志賀」のマークを掲げた169系S52編成。
その走りには往年の急行列車を彷彿とさせる力強さを感じました。
しなの鉄道 御代田-平原

う~ん、やっぱり急行幕の湘南色169系はカッコイイ・+。:.゚(´∀`。).:。+゚。せっかくの快晴で浅間山がクッキリ見えているのに、オーソドックスな編成写真とはもったいないっっっ(≧ω≦;)・・・って声も聞こえてきそうですが、引退前に一度はヘッドマーク付き、急行幕の169系をしっかり撮っておきたかった。これはもう電車好きのこだわり・・・というか、自己満足でしかありません。でも結果的には往復で引きと寄りのバリエーションが撮れたので、よかったかな? 風は冷たくても日が照っていたぶん待ち時間もそれほど辛くはなく、結果が伴った気持ちの良い撮影ができました。撮影地をあとにして御代田駅へと戻ります。

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御代田ではちょうど上下の列車が並びました。
私が乗るのは手前の下り小諸行き。
しなの鉄道 御代田

御代田からは再びしなの鉄道の下り列車へ。この日の急行「志賀」は、午前と午後に一往復ずつ屋代~軽井沢を往復する運用。では今度は午後の一往復を撮るため撮影地を移動・・・するのではなく、もうこれで169系の撮影は終了です。

実は今回の旅、当初の予定では土日の一泊二日で、東京→上越新幹線→上越線「シーハイル上越」撮影→越後川口から飯山線乗車→長野(泊)→しなの鉄道「急行 志賀」撮影→長野新幹線→東京 という、撮り鉄と乗り鉄を効率よく組み合わせたルートで計画を組んでいました。ところが週末は新潟県をはじめとした日本海側が暴風雪の荒天となり、新潟県内の鉄道路線は相次いで運休。乗車予定だった飯山線も金曜の時点で早々と翌日土曜の運休が決定してしまい、やむなく日曜のみ日帰りのしなの鉄道撮影に切り替えたのです。この初めの計画では、スキー臨時列車「シーハイル上越」や急行「志賀」の撮影がメインではあったけれど、昨年秋の青森遠征以来、久々に地方ローカル線への乗り鉄となる、飯山線乗車を楽しみにしていました。撮り鉄であるとともに元々は乗り鉄気質のある私。豪雪路線として知られる飯山線の車窓を眺めながら駅弁で一杯やるなんて、もうサイコーじゃないですか。しかしいくら雪見列車といえど、運休となってしまってはどうしようもありません・・・。日帰りと縮小された今旅、それでも急行「志賀」を撮りにせっかく長野県まで来たのなら、単純に長野新幹線で往復してしまうのはつまらない。そこで午後は、飯山線に比べるとローカル度合いは薄れますが、小諸から分岐する小海線の乗り鉄を楽しむことにしました。午前の急行「志賀」が思いっきり撃沈写真だったら午後も撮影にあてるつもりでしたが、自分的には午前中に撮れた二枚で、もうじゅうぶんです。

御代田1153-(しなの鉄道763M)-小諸1202

んじゃあ、小諸で駅弁とビールでも買って、小海線へ・・・と、いきたいところですが、なんと私が乗って来たしなの鉄道の763M列車と、次に出る小海線132D列車の接続時間はわずか4分しかありません!(゚∇゚ ;)エッ!? その4分間で駅弁とビールを買い、跨線橋を渡って小海線ホームへ行き、ブログ用に小海線の列車も撮らにゃ・・・いや、小海線の座席確保が先か!? アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ… でもとにかく、まずは駅弁の調達を・・・と、しなの鉄道ホームの売店(というか、立ち食い蕎麦スタンド)を覗くも駅弁は無く、店のオバチャンに尋ねると駅弁は駅舎脇の売店にあるのだと言う。駅舎は跨線橋を小海線ホームとは反対方向へ進んだ先にあり、4分・・・いや、もう残り2、3分で買って、再びホームへ戻って来る余裕はありません。空きっ腹にビールをだけを流し込んでもウマくないし、列車の発車時刻が迫っていることから、結局何も買わずに待機していた小海線へと乗り込みました。待ち時間が長いのは困るけれど、接続が良すぎるのも考えものですね・・・ (;´д`)=3ハァァ…。

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小諸で出発を待つ小海線のキハ110。
小海線 小諸

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小諸を発車した小海線の上り列車はしばらく、
今乗って来たしなの鉄道の上り方向と並行します。
その並行区間には東小諸と乙女の二駅がありますが、
どちらも小海線の列車しか止まらず、
しなの鉄道側にはホームがありませ

(右の複線がしなの鉄道)

小海線 東小諸/乙女(後方の車窓から)

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乙女を出ると、右へ大きくカーブして
しなの鉄道と分岐します。
小海線 乙女-三岡(後方の車窓から)

小海線は中央本線の小淵沢を起点とし、八ヶ岳東麓の野辺山高原から千曲川の上流に沿って佐久盆地の小諸までを結ぶ、全長78.9キロの非電化ローカル線(今回は終点側の小諸から小淵沢方向へ進んでいます)。小海線といえば、何といっても鉄道最高地点(標高)で知られる野辺山や清里を通る日本屈指の高原路線として知られ、愛称は「八ヶ岳高原線」。驚くべきことに、国内の鉄道路線(普通鉄道)で標高の高い駅ベスト9までが小海線にあります。

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小諸から15分ほどで長野新幹線との接続駅、佐久平。
地平の新幹線ホームの上に小海線高架ホームがあるという
新幹線駅としてはちょっと珍しい構造になっています。
駅舎の向こうに見えるのは、先ほど撮影していた浅間山。
小海線 佐久平付近(車窓から)

そんな高原路線の小海線ですが、小諸側から乗るとしばらくは佐久盆地の平坦な車窓が続きます。でも一気に高度を上げてハイライトを迎えてしまう小淵沢側からの下り列車に乗るよりも、盆地を抜けて徐々に高度を上げ、やがて高原へと車窓が変化する上り列車の方が個人的には好みかも。

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途中の中込でワンクッション。
左の132Dから右の230Dへ乗り継ぎます。
せっかくならばハイブリッドのキハE200を期待するも、
230Dも同じキハ110でした。
小海線 中込

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中込駅の跨線橋からは小海線のキハと浅間連峰を
きれいに写し込むことができました。
本当にこの日はいい天気です(^^)。
小海線 中込

比較的首都圏から近く、両端を中央本線と長野新幹線・しなの鉄道が接続している小海線は手軽に乗ることができるローカル線で、私も幾度となく乗車しています(前回は05年だから8年前か・・・)。しなの鉄道がまだJR信越本線時代には、中央線~小海線~信越線で大回り(もしくはその逆まわり)するというのが青春18きっぷビギナーの定番コースでしたが、しなの鉄道がJRではなくなり、横川~軽井沢の碓氷峠区間もバス路線となってしまったため、今では青春18だけで大回りすることができなくなってしまったのは残念。ちなみに青春18の時期ではないものの、今旅も途中の軽井沢~小諸にしなの鉄道が入っていることで大回りの片道普通乗車券は作れず、それぞれの区間で個々に切符を買っています(首都圏から長野新幹線で佐久平を経由して小海線、中央線へ抜けると、今でも片道乗車券が有効)。

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適度に空いた車内に暖かな日差しが注がれます。
ローカル線旅としては最高の条件。
ああ、これで駅弁と酒があればなぁ・・・(^^;)

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車窓に千曲川が沿うようになると、
やがて列車は上り勾配へとさしかかります。
(後方から眺めているので下っているように見えますが・・・^^;)
小海線 小海-松原湖(後方の車窓から)

乗り継ぎをした中込を出ると、列車は千曲川に沿って走るようになります。このあたりから徐々に勾配を上げ始め、標高865メートルの小海まで来ると車窓はすっかり高原の景色となりました。ここからが「八ヶ岳高原線」である小海線のハイライトで、全国の駅(普通鉄道)標高9位の松原湖(967.2m)、8位の海尻(1034.8m)、7位の佐久海ノ口(1039.3m)、5位の佐久広瀬(1073.5m)、4位の信濃川上(1135.3m)を経て、いよいよ第一位、標高1345.67mの野辺山へと到達します。

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海尻駅に掲げてあった小海線の路線図。
フツーはその駅からの所要時間などが書かれるものですが、
ここでは小海線各駅の標高が表示してあります。
小海線 海尻(車窓から)

でも小海線の場合、確かに数字だけ見ると標高の高いところを走っているのは解りますが、以前に紹介した西日本の標高第一位の木次線や九州の高原路線と知られる肥薩線豊肥本線などと違って、スイッチバックを駆使したり、見晴らしの良いところへ一気に躍り出るわけではなく、ずっと八ヶ岳東麓の高いところを走っているので、それほど高さを実感しないのが正直なところ。あまりピンと来ないまま「標高日本一の駅」野辺山に到着。ここでは交換列車行き違いのため、3分ほどの停車時間がありました。せっかくなのでホームへ出て記念の標柱などを写真に収めます。

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野辺山の手前では視界が開け、
確かに高いところを走っているのは解りますが、
日本一の標高・・・というほどの眺望ではありません。
そもそもこのあたりの町や集落は
全体的に標高が高く、
小海線だけが眺望の良いところに敷かれているわけではないんですよね。
小海線 信濃川上-野辺山(車窓から)

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それでもやはり野辺山駅ホームにある
JR線最高駅の標柱を見ると、ちょっと嬉しくなります (^^)。
ちなみに駅前の標柱にはいまだに「国鉄」最高地点の文字が・・・。
小海線 野辺山

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その野辺山で交換した列車は、ハイブリッドのキハE200。
発電用ディーゼルエンジンで発電した電気と、
蓄電池に充電した電気を効果的に利用して走行する
環境にやさしい車両です。
今回はこのキハE200に乗りそびれてしまいましたが、
同様のシステムを搭載したHB-E300系には、
五能線の「リゾートしらかみ」で乗車しています。
小海線 野辺山(後方の車窓から)

ところで、駅としてはこの野辺山が全国一位の標高にありますが、鉄道路線の最高地点は野辺山を出てから清里方向へしばらく進んだ地点になります。そこには線路端に「鉄道最高地点」などと書かれた大きな標柱が立っていたハズで、できれば鉄道乗車記的にその標柱を写真に収めたいところ。しかし久々に乗る小海線、果たしてどちら側の車窓からその標柱が見えるのかイマイチ自信がありません(以前乗った時はブログで写真を紹介することも無く、あまり関心が無かったし・・・)。でもたしか進行右側(上り列車)だった気がするので、うろ覚えながらもカメラを構えていると・・・あっ見えた (゚∀゚)!

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車窓から見えた「鉄道最高地点」の標柱。
その標高は1375メートル!
小海線 野辺山-清里(車窓から)

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鉄道最高地点では標柱ばかりに目が行きがちですが、
この付近の車窓からは八ヶ岳連山がきれいに見渡せます。
でもこの日は雲がかかっていて、ちょっと残念。
小海線 野辺山-清里(車窓から)

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野辺山の次駅は高級別荘地として有名な清里。
80年代には第二の軽井沢として、ブームになりましたよね。
ちなみに標高は全国第二位の1274メートル。
小海線 清里(車窓から)

最高地点の標柱を越えると列車は軽やかに勾配を下り始めます。標高二位の清里(1274.7m)、三位の甲斐大泉(1158.2m)、6位の甲斐小泉(1044.2m)と徐々に標高を下げ、車窓右手に南アルプスの雄大な山並みが迫ってくると、まもなく終点の小淵沢(886.7m)に到着。

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小海線最後の見せ場は小淵沢の手前で広がる、
南アルプスの山並み。
太陽が写っちゃうくらいの完全なド逆光ですが、
シルエットの山容もまたよろし(^^)
手前の電化路線は中央本線です。
小海線 甲斐小泉-小淵沢(車窓から)

小諸1206-(小海132D)-中込1232~1239-(230D)-小淵沢1423

最終盤の清里で多少の客が乗り込んできたものの、立ち客が出るほどではなく、終始まったりとした雰囲気で高原ローカル線の旅を楽しむことができました。返す返す残念だったのは駅弁が買えず、空腹状態であったこと・・・って、(゚o゚;) ハッ!! 駅弁駅弁!! 実はこの小淵沢でも次に乗る中央線との接続時間はわずか7分しかないのです。でも特急「あずさ」も停まる小淵沢は中央線ホームにも駅弁を積んだ売店があり、今度は無事に駅弁とビールをゲットすることができました ε-(´∇`●)ホッ。

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小淵沢で小海線のキハ110(左)から、
中央線普通列車の115系へ乗り換え。
中央本線 小淵沢

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や~っとありつけた駅弁は「やまのごはん」(¥900)。
竹籠の弁当箱にマスの塩焼きや鶏つくね、きゃらぶきなど、
信州らしい山の幸が詰まっています。
ゴハンは一見ふつうのオニギリに見えますが、
クリおこわ、クルミ味噌と、ちょっと凝ったつくりに。
☆☆・・・
小淵沢は駅弁の種類が豊富なのですが、
どれも値段が少し高めで、ほとんどが1000円越え。
この「やまのごはん」は数少ない1000円以下ですが、
それでも内容からすると900円はちょっと高いかも。

小淵沢から乗り継いだ中央線の上り普通列車は高尾行きで、これに乗り続けていれば乗り換えなしで都内へと戻ることができます。ガラガラの115系車内で駅弁をツマミにビール二本を開け、もうすっかり堕落モード。でも今旅の乗り鉄はまだコレでは終わりません。高尾行きの列車をあえて途中の大月で降り、次の列車を待ちます。発車した115系の後を追うように大月のホームへ入って来たのはこの列車。

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夕暮れの大月、富士急からの渡り線を通って来たのは、
183系あずさ色の「ホリデー快速 河口湖」号。
中央本線 大月

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元・特急車両の183系、
自由席の車内には、簡易リクライニングシートが並びます。

乗り鉄らしく最後は車両にこだわり、富士急の河口湖から直通して来た「ホリデー快速 河口湖」号を利用することにしました。この列車に使われている183系の座席には、背もたれが途中で固定できない簡易リクライニングシート、通称「簡リク」が使用されています。今の標準であるフリーストップ・リクライニングシートに比べると乗り心地はあまり良くないけれど、この簡リクは国鉄時代の優等列車を彷彿とさせる、なかなか懐かしいシロモノ。かつての特急車両の乗り心地を楽しみながら、本日三本目のビール(500缶 ^^;)を開け、今旅を締めることとしましょう・・・~(~∀~*)~ウィ~。

小淵沢1430-(中央556M)-大月1632~1649-(ホリデー快速 河口湖2号)-新宿1804

好天に恵まれた一日。本格的な撮り鉄の方からすると、こんな絶好の撮影日和なのに急行「志賀」の撮影を午前中で切り上げちゃうなんてもったいない!・・・と思われるでしょう。でも鉄道利用で撮影地へ向かう私のスタイルとしては、できるだけその行程でも乗り鉄を楽しみたいと思っています。結果的にしなの鉄道では満足のいく169系の撮影ができ、さらに小海線でのんびりとした乗り鉄が楽しめた。当初の一泊二日の旅程とは違っちゃったけれど、大満足の日帰り信州旅となりました。(^^)

 

余談・・・この旅の翌日には東京・神保町で開かれている、ソネブロ仲間sonicさんの個展へとお邪魔いたしました。そこでsonicさんに「実は昨日、しなの鉄道の169系を撮りに行って来たんですよ~」とお話しされたところ、間髪入れず「ええっ!169系も引退するんですか!?」との返しが・・・。ただ「撮って来た」と言っただけなのに「引退」の二文字が浮かんじゃうとは、う~ん、私はすっかり葬式鉄化しているなぁ・・・f(^_^; ポリポリ。

ONE-shot 108 みどりの山手線

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PICK UP ONE-shot 108 みどりの山手線

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山手線のラインカラーが黄緑色(ウグイス色)になってから
来年で50周年を迎え、それを記念して運転されている、
黄緑のラッピング電車「みどりの山手線」。

「みどりの山手線」と言われて思い浮かべるのは、
やはり某カメラ屋(今や家電量販店?)のCMソング。
♪ ま~るい緑の山手線、真ん中通るは中央線 ♪
・・・ってことで、
この記念電車は、まず最初にここで撮るべきだろうと、
「新宿西口駅の前~♪」に向かいました。

この企画が発表されたときは、
ステンレスのE231系に黄緑のラッピングをしたって、
昔の103系のようにはならんだろう・・・なんて思っていましたが、
なかなかどうして、案外いい感じになっているではありませんか。
約一年間(今年12月まで)運転される「みどりの山手線」。
機会があれば、いろんなところから狙ってみたいものです。


ところで先日、
偶然にも恵比寿駅でこの「みどりの山手線」に遭遇し、
私はしげしげと眺めながら懐かしんでいたのですが、
すぐ近くにいた女子高生の集団からは
(* ゚∀゚) 「えー!ナニこの緑の電車~
イモムシみたいで、ちょーキモイんデスけど~」
との声が。
103系時代を知らないワカモノにはそう見えるのかな・・・と、
ジェネレーションギャップを感じてしまいました。(^ω^;)

13.1.26 山手線 新大久保-新宿
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