PR: 『コンシェリア西新宿タワーズウェスト』申込受付開始!
秩父鉄道・・・1000系 「桜鉄」撮影記
異例の早咲きとなった、今年の桜。もう東京では花が散り、すっかり葉桜となってしまいました。満開だった先週末に体調を崩して非鉄を余儀なくされた私、なんだか今年の「桜鉄(=桜と列車を絡めた撮影)」は不完全燃焼だったなぁ・・・(´・ω・`)。 いや待て、あきらめるのはまだ早い。さすがに東京近郊では厳しいものがあるけれど、少し郊外に出ればまだまだ満開の桜は見られます。むしろ東北地方などはこれから咲き始め。あきらめたら、そこで試合終了・・・いや、今年の桜鉄は終了だよ (ア〇ザイセンセー! (`;ω;´) ブワッ)。 ・・・とはいうものの、今年の桜鉄が自分的にノリ切れなかった要因が体調のほかにもう一つあります。それはお天気。どうもこのところの関東は週末の天気がスッキリしない。あきらめずに桜を求めて郊外へ・・・などと思ってはいたものの、今週末の土・日も晴天が期待できないどころか、春の嵐で暴風雨になるというではありませんか。いちおう病み上がりだし、風雨にさらされてまで撮り鉄はしたくない。どうして平日は晴れるのに、週末に限って雨なんだ!ヽ(#`Д´)ノムキー!! ・・・ん?ならば、平日に撮影へ行けばいいんじゃね?m9(・∀・)ソレダ!! 新年度に入ったばかりだけれど、忙しさのピークだった年度末よりは落ち着いていて、一日くらいなら休暇が取れそう。そういえば昨年も桜の満開状況に合わせて平日に休みを取って小湊鐡道へ行ったっけ・・・。そこで5日の金曜日、一日休みを取って撮影へと出かけることにしました(本当は木曜の方が天気はよかったんだけれど、さすがに新年度一発目の会議をすっぽかすわけにはいかなかった・・・^^;)。
4月5日(金)
さて、無事に休みは取れたものの、いったいどこへ行くのか。今現在(金曜時点)桜が満開となっていて、なおかつ撮り鉄としては撮影する車両にもある程度のこだわりが欲しい。そんな都合の良い路線があるのかって? そこで私が向かったのは、埼玉県北部のローカル私鉄・「秩父鉄道」。このブログでも何度か紹介しているおなじみの路線ですが、ここを走る元・国鉄101系の現・1000系は新車(・・・というか東急の中古車 ^^;)への置き換えが進んでおり、桜との組み合わせが見られるのは、おそらく今シーズンが最後になるのではないかと思われます。秩父鉄道には桜と列車がコラボできる撮影地も多く、これはぜひとも記録しておきたいところ。さらに秩父鉄道といえば、ソネブロ仲間・やなぼーさんのお膝元で、そのブログ情報によると埼玉北部の桜は今がまさに満開とのこと (゚∀゚)オッ!。 これは期待が持てる嬉しい情報です(^^)。これで「満開の桜」と、元・国電という「こだわりのある車両」、秩父鉄道は二つの条件を満たしたことになります。
今旅、まずは熊谷を目指して高崎線を北上。
平日朝の下り列車は空いているイメージがありますが、
沿線に大学や工業団地などが多く存在する高崎線は
下り列車も結構な混雑。
赤羽から乗って、ようやく座れたのは鴻巣でした・・・。
東北本線 赤羽
赤羽0734-(高崎837M)-熊谷0829
しかし問題は、肝心の1000系が動いているかどうかということ。最近は新型の活躍に押されて、稼働率が低いとも言われています。はたして、高崎線から乗り換えた熊谷で、秩父鉄道ホームへ降りてみると、そこには・・・
元・国鉄101系の現・秩父鉄道1000系。
この1003Fは国電リバイバルカラーとして、
中央線や武蔵野線での活躍を彷彿とさせる、
オレンジ色が復刻されています。
秩父鉄道 熊谷
パンタを下して側線に停留している、オレンジ1000系の姿がありました (´・o・ill)ぁ...。現在残っている1000系は、白を基調とした秩父鉄道オリジナル色の1010Fと、国電リバイバルカラーのスカイブルー色1001F、そしてバーミリオン・オレンジ色1003Fの三編成のみ。そのなかで個人的にいちばん撮りたかったのが、このオレンジだったのですが、どう見ても完全にお休み状態。もう今日は動かないのかなぁ・・・(´・ω・`)ショボーン。 でも残りの二本、白(オリジナル)と青(スカイブルー)は見当たらないので、運用に入っているのでしょうか? ならば撮影地で待っていれば、少なくとも二本の1000系は必ず撮れるのかというと、実はそう簡単ではないのが秩父鉄道撮影。以前にもちょろっと説明していますが、秩父鉄道は羽生から熊谷、寄居、秩父を経て、三峰口までを結ぶ全長71.7キロの単線電化路線。全線を片道二時間もかけて走り通す列車があれば、途中や末端部での区間運用も多く、さらにそれらを組み合わせた運用はとても複雑で、秩父鉄道の旅客線は支線などが無い単純な路線なのに、意外とお目当ての車両を捕まえるのが難しいとされています。私がこれから行こうとしている桜の撮影ポイントへ、運用に就いていると思われる二本の1000系が、ウマく現れてくれればいいのだけれど・・・。
停留中のオレンジを横目に、
私が乗る影森行きの下り列車が入線。
車両は元・東急8090系の現・7500系。
先頭には漫画「のだめ・カンタービレ スタンプラリー」の
ヘッドマークが掲げられていますが、
これは作者が沿線の皆野町出身によるものなのだとか。
秩父鉄道 熊谷
昨年の秋に運転されたイベント列車「EL五重連」の撮影など、ちょくちょく訪れている秩父鉄道ですが、熊谷から乗るのは久しぶり。というのも、最近の秩父鉄道撮影では長瀞や秩父の近辺が多く、ウチから行くには東武東上線で寄居か、西武秩父線で秩父(御花畑)へ出る方が便利で料金も安い。しかし今回最初に訪れようと思っている撮影地は、いつもと違って熊谷の近くにあるため、東武や西武よりもJR高崎線を経由した方がアクセスしやすかったのです。熊谷から下り列車に揺られること10分、やがて車窓には撮影地の桜並木が見えてきました。
後方の乗務員室越しに見た桜並木。
車窓から見た限りでは、
まだ満開に近い状態を保っているように見ます。
秩父鉄道 ひろせ野鳥の森-大麻生(後方の車窓から)
熊谷0850-(秩父鉄道1515列車)-大麻生0901
撮影地最寄りの大麻生駅。
木造でなかなか味のある駅舎です(^^)
秩父鉄道 大麻生
車窓から桜の状態を確認し、大麻生という小駅で下車。この駅の南側には荒川が流れており、車窓から見えた桜は、その荒川の土手に沿って立ち並んでいるものです。これはなかなか見事な桜堤ではありませんか!
警報機のない第四種踏切を注意して渡ると、
その先には見事な春景色が広がっていました~!
ハルヽ(´▽`)ノ ランマン ♪
秩父鉄道 大麻生付近
でも、近づいてよく見てみると、やはりちょっとピークは過ぎていて、木によってその咲き具合・・・というか、散り具合に差があります。ここはなるべく花の淋しい木は目立たせず、満開状態を保ったボリュームのある木をメインにして撮りたい。そんな元気で枝ぶりのいい木を探して土手上をウロウロしていると、桜並木の向こうから列車の音が近づいてきます。 あれ?スマホで開いた大麻生の時刻表によると、次の列車はあと20分後のはずなんですが・・・(゚ー゚*?) オヨヨ?
撮影地に着いての一発目、
不意に現れたのは6000系の急行「秩父路」。
この6000系は、元・西武101系です。
秩父鉄道 大麻生-ひろせ野鳥の森
通過していったのは大麻生を通過する、急行「秩父路」号。そりゃ、この列車が大麻生の時刻表に載っているわけないわな・・・(´д`;)。鉄にあるまじきイージーミス、それでも慌てて撮ったにしては案外悪くなく、桜並木もいい感じに入りました。しかし、あまり天気が良くないのが残念。写真をさかのぼるとわかるように、熊谷にいたころは晴れて日が差していたんです。しかし大麻生に着くと、空は真っ白のドン曇りに。結局、平日に出撃しても、今年の桜鉄は青空に恵まれなかったということか・・・ε-(-ω-`)ハァ…。それでも桜が満開なので、先週の非鉄分くらいは取り戻せたかな? あとはここで、お目当ての1000系が撮りたいところ。次は時刻表に載っていた上りの普通列車です。普通列車には1000系が入っている可能性があるので、どの列車も気を抜けません。
多摩川ならぬ、荒川の桜堤を眺める元・東急車。
東急時代は赤い帯を巻いていましたが、
緑の帯もなかなかお似合いです(^^)。
秩父鉄道 ひろせ野鳥の森-大麻生(後追い)
う~ん、1000系ではなく、7500系の「東急さん」でした。やはり、残り少なくなった1000系とはそう簡単に出会えず、根気よく待ち続ける覚悟が必要か・・・と思われたそのとき、先ほどの東急さんと交換してやってきた下り列車は、懐かしいモーター音を響かせて現れました!
立派な桜に見守られ、一路、秩父を目指す1000系。
今年が最後の花見となってしまうのか?
秩父鉄道 大麻生-ひろせ野鳥の森(後追い)
白1000、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
やってきたのは秩父鉄道色の1010F。リバイバルカラーではありませんが、今やこれも貴重な国電101系の生き残りです。なんとか一本でも1000系と桜とのコラボが残せてよかった・・・。まずは、ホッとひと安心 C=(^◇^ ; ホッ! 。 ちなみに今の列車は、羽生発の影森行き1517列車。時刻表を見ると、終点の影森には10時49分に着くので、折り返しは同駅11時09分発の羽生行き1528列車かな・・・と、ある程度の運用予測をつけておきます。できれば折り返し列車を狙って、もう一回くらい桜とともに撮りたい。
ところで、1000系を待ちながらも、先ほどからちょっと気になっていることがあります。それは時折聞こえてくる「汽笛」の音。実はこの撮影地から少し熊谷方向へ進んだところにあるのは、秩父鉄道の車両基地である「広瀬川車両基地」。ここは1000系や7000系などの普通車両のほか、SL「パレオエクスプレス」の牽引機である蒸気機関車、C58 363も所属しており、汽笛はそのC58のものだと思われます。この日は平日で「パレオ」の運転は無いハズですが、汽笛が聞こえたということは、構内での整備運転でも行われているのかな? とりあえず白1000が撮れたことだし、ちょっと撮影地を離れて、その様子を覗きに行ってみましょう C= C= C= ┌(*・_・)┘トコトコ。
広瀬川車両基地で待機中のC58 363。
罐には火が入り、後ろには12系客車が連結されています。
秩父鉄道 広瀬川(貨)
おろ?C58が12系を従えて、まさに「パレオエクスプレス」の編成が組成されている・・・。ひょっとして今日は「パレオ」の運転があるのか? 手持ちのスマホで秩父鉄道のHPを調べてみると、たしかに5日の金曜は運転日となっています。平日なのに・・・?と思っていると、そこへ小学生くらいのお子さんを連れた家族連れがSLを見にやってきました。あ、そうか、学生はまだ「春休み」でしたっけ。今日は春休みに合わせた運転なのね。
せっかくなので、SLと桜の組み合わせ。
この後「パレオ」は始発駅の熊谷へ向けて回送されてゆきました。
イッテラ~ (*・ω・*)ノ~~
でも、あくまでも私の本命は1000系。白は撮れたけれど、青はまだ見ていません。しばらく「パレオ」見物で時間をつぶしていたけれど、そろそろ次の普通列車がやってくる時間です。ふたたび形の良さそうな桜の木のたもとでカメラを構え、待つことしばし。木々の隙間から見えてきたのは・・・やたっ、スカイブルー!!
満開の桜をかすめて走りゆく、青い1000系。
花曇りの天気ですが、青い車体は桜によく映えます(^^)。
秩父鉄道 大麻生-ひろせ野鳥の森
青1000、キタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!!
先ほどの白1000も、もちろん貴重なのですが、やはり国鉄型好きとして、このリバイバルカラーが来てくれたのは、とても嬉しい!念願の桜と国電のコラボを撮ることができました~ヽ(^◇^*)/ ワーイ 最近は個人的に、単色の国電カラーをラッピングで復刻した「みどりの山手線」をよく撮っていますが、やはりモノホンの単色国電となると重みが違うよなぁ・・・(´▽` )。この青1000で運転された列車は、三峰口発の羽生行1520列車。先ほど同様に時刻表で追ってゆくと、終点の羽生には10時34分着で、その折り返しはというと同駅10時43分発の111列車か、11時00分発の113列車になると思われます。しかしこの折り返し列車は両方とも熊谷行で、この大麻生まではやってきません。しかも熊谷止まりということは、そのままオレンジのように入庫してしまう可能性もあり、もう今日は出てこないかも・・・(´・ω・`)ソーナノ?。まあ一回でも、撮れただけヨシとしますか。運用に就いている二本の1000系が撮れたので、とりあえずは目標達成。しかしまだ撤収時間には早いし、桜鉄もちょっと撮り足りない。説明したように、もういちど青1000の方を撮るのは望み薄ですが、白1000の方はおそらく単純に影森から折り返してくると思われるので、それを待ちつつ、もうしばらく桜堤での撮影を続けることにします。すると、汽笛が再び。
満開の桜を眺めながら、ゆっくりと走るC58 363。
平坦な場所なので、あまり煙は出ていません・・・(^^;)。
秩父鉄道 ひろせ野鳥の森-大麻生
先ほどのSL「パレオエクスプレス」が、熊谷で客扱いして戻ってきました。「パレオ」っていつも観光客向けの派手なヘッドマークが掲げられている印象があったのですが、この日はヘッドマーク無しで、なかなかシブい。それにしても、やはり私はSLを撮るのがあまり得意ではありません。桜とのコラボを優先したものの、テンダー(炭水車)が見えない構図って、どうなんだろうか・・・(-ω-;)ウーン。
「パレオ」が通過すると、ほとんどの同業者が撤収(・・・といっても、平日なのでパラパラといた程度でしたが)。そこで、良さそうなアングルだと思っていたけれど、先ほどは先客がいたので遠慮していた撮影ポイントへと行ってみることに。
桜と菜の花が咲きほこる、
春景色のなかをゆく、東急さん。
この時は薄日が差し、少し青空も見えました。
秩父鉄道 ひろせ野鳥の森-大麻生
桜と菜の花、「春の二点セット」が入るこの場所、さすがに先客がいただけあって、いい感じ(^^)。しばらくここに腰を据えて、白1000がやってくるのを待つことにします。予測だとあと一時間程度で戻ってくるはず・・・と、スマホの時刻表を眺めていると、そこへおひとりの同業者から声をかけられました。「ここはきれいですね~、お隣で撮ってもよろしいでしょうか?」。顔を上げるとそこに立っていたのは、渡辺篤史さん似のちょっとダンディな方。礼儀正しくて好感が持てますので、もちろん相席を快諾。この方、てっきり「パレオ」を撮ってから移動してきたのかと思いきや、1000系狙いで今来たばかりだという(実はこの方も、この日「パレオ」が運転されているのを知らなかった・・・^^;)。「今日の1000はどうです?撮れましたか?」と尋ねられたので、オレンジは熊谷留置、青は羽生へ上って行ったものの折り返しは熊谷止まり、白は下り方からそろそろ戻ってくる頃・・・と、今までの経緯と通過時刻をお教えしました。すると即座に時刻表(スマホではない)を開き、運用をチェックし始めます。お、この渡辺篤史さん、ひょっとしてただ者ではない!? (・。・ )オッ!?。 しばらく時刻表とにらめっこしたのち、ボソッと低い声で「次の下り・・・青が来るんじゃないか?」と、私からすると意外ともいえる発言が!Σ(・ω・ノ)ノエッ! え?だって、青は羽生へ上って行って、折り返しは熊谷止まり。もう、ここへは来ないんじゃ・・・と、聞き返すと、「いや、熊谷で入庫せずにそのまま運用が繋がると、羽生に10:34に着いた1520列車(←さっき私が撮った列車)は10:43発の熊谷行111列車となり、熊谷に11:04着。ここで入庫せずにすぐ折り返すと、熊谷11:11発の羽生行となって、羽生には11:32着。さらにそれが折り返すと、11:38発の影森行1525列車となり・・・大麻生には12時10分」・・・との、驚くべき見解!私など羽生からの折り返しが熊谷止まりと見ただけで、即入庫だと思っていましたが、運用が続くとは・・・。はたしてその方の読み通り、上り方の直線上に見えてきたのは、紛れもないブルーの車体!
桜と菜の花に迎えられ、再び姿を見せた青1000。
下り方の先頭は前パンなので、
なるべく桜の枝にかからぬよう、慎重にシャッターを切ります。
オオオオw(゚0゚*)wォォォォォォ-!! ホントに青1000が来たよ・・・。さすが多くの「建ものを探訪」をして、見聞が広い渡辺篤史さん(・・・ちがうって)、素晴らしい読みです! おかげで再び、桜と国電のコラボが撮れました~ヽ(^◇^*)/ ワーイ。いっぽう、私が白1000と読んでいた上りの普通列車はといえば・・・東急さん。う~む、まだまだ読みが甘いなぁ・・・f(^^;) ポリポリ。でも白1000以上に嬉しい、青1000が撮れたことで大満足。ここで撤収することにしました。去り際に渡辺篤史さんへ挨拶すると、「お疲れ様でした。オレンジも・・・来るといいですね」とのこと。白ではなくオレンジ? これは何かを予感・・・いや、読んでいるのか!?
大麻生へ進入してきた7500系。
ホームからもこのように桜鉄することができます(^^)。
秩父鉄道 大麻生
大麻生から下り方へ二つ目の武川で交換したのは・・・白1000。
私の読みよりも一本ズレていたのか・・・(。-`ω´-)ンー…。
秩父鉄道 武川(車窓から)
大麻生から下り列車に乗り、私が次にやってきたのは、JR八高線、東武東上線との接続駅で、沿線の主要駅である寄居。このまま東上線に乗り換えて東京へ帰る・・・わけではなく、寄居にはお昼ゴハンをとるために立ち寄ったのです。わざわざ途中下車してでも食べたい、そんな寄居の名物というのがこちら。
寄居駅前にある食堂・今井屋さんの「たれカツ丼」。
ここのカツ丼は、卵とじでも、ソースでもなく、
揚げたてのカツを、甘辛いしょうゆだれにくぐらせたもの。
甘辛いカツがゴハンに合って、これは美味しい!
ボリュームも満点で、食べごたえじゅうぶんです。
やなぼーさん、リベンジ果たせました~(^^)
地元の方がおススメだという、今井屋さんのカツ丼。これまでも何度か秩父鉄道撮影に来るたびに寄りたいと思っていたのですが、このお店は日曜・祝日が定休日。休日に多く運転される秩父鉄道のイベント列車撮影とは、なかなか都合が合わなかったのです。でも今日は金曜でもちろん営業日。ようやくその名物を味わうことができました ( ´З`)=3マンプク!。
途中下車ついでに寄居で購入した、
「2013年、パレオエクスプレス運転開始記念
ペーパークラフト付 硬券入場券」。
昨年は整備中の脱線事故で運休続きだったC58 「パレオ」。
今年の運転にかける意気込みは、例年以上のものがあるでしょう。
寄居からは再び下り列車へ乗車。
毎回訪れるたびに1000系の「乗り鉄運」があった私ですが、
今回は次の列車も東急さんでした。
まあ、仮にここでオレンジ1000なんかが来ちゃうと、
泣くに泣けないけれど・・・(^^;)。
秩父鉄道 寄居
カツ丼でオナカが満たされ、次に向かうのは上長瀞。実は秩父鉄道での桜鉄をするにあたり、私が真っ先に思い浮かんだのは、昨年の秋に訪れた長瀞と上長瀞の間にある通称・「桜の小径」。もちろん秋に行ったときに桜は咲いていませんでしたが、その代わりに小道を赤く彩った曼珠沙華ことヒガンバナの群生が見事でした。でもやはり「桜の小径」と呼ばれるそこへは、桜の季節に訪れたいもの。今井屋のおばちゃん おねーさんによると、長瀞の桜は今がちょうど見ごろですよ~とのこと。
長瀞~上長瀞にある「桜の小径」を前方から眺めてみます。
外からの撮り鉄もいいですが、
こうやって車窓越しに見る桜も、旅情感あっていいですね~。
秩父鉄道 長瀞-上長瀞(前方の車窓から)
大麻生1238-(1527列車)-寄居1257
寄居1337-(1529列車)-上長瀞1356
線路沿いに続く 「桜の小径」は、まさに今が満開!
心落ち着く、いい散歩道で、
鉄抜きにして、しばし散策したいところ。
秩父鉄道 長瀞-上長瀞
一見すると誰もいないように見える、桜の小径。しかし実際は、木の幹ごとに鉄が張り付いて裏でカメラを構えており、ここはお互いに写り込まないよう、暗黙の了解で気を使いあっているのです。それでも平日の今日は鉄の数が少なめ。ここは週末ともなれば桜とSLのコラボなどを狙いに多くの同業者が集まる有名スポットで、場所取りもし烈で大変なのだとか。
最初にやってきたのは、「のだめ」マークの東急さん。
ここは桜も重要ですが、さりげなく小道も入れたいところ。
ここでの狙いは、先ほどの大麻生で影森行きとして下って行った、青1000。渡辺篤史さんほど鋭くはありませんが、私なりに運用を仮想してみると、影森行き1525列車となった青1000は、終点の影森に13:14着。そこで折り返しとして繋がりそうなのは、同駅13:55発の1536列車で、この列車は上長瀞14時17分。しかし、先ほどの白1000のように、単純にすぐ折り返すのではなく、一本ズレるようなこともありそう。そうするとその次の影森始発は14:38の1538列車で、上長瀞は15時01分か・・・。いずれにせよそのどちらかには入ると思われるのですが、ひとつ気になるのは影森始発13:42で、上長瀞とは逆方向の三峰口行・下り列車(1707列車)があること。先ほどの羽生~熊谷のように、末端の区間運用に入る可能性も無くはないのか・・・"o(-_-;*) ウゥム…。でもここでいくら考えていたって、複雑な運用が解けるわけでなく、あとはやってくるのを信じて待つしかありません。ひょっとしたらその間に、先ほどの白1000も戻ってくるかもしれないし。
とりあえず、次に来る列車は青1000の可能性がない下り列車。どうせ東急さんだろうと思いながらも、いちおうカメラを構えると、「ヴ~~~ン」という、あの独特なモーター音が・・・まさか、白か!?Σ(゚д゚;)ナヌッ!?
満開の桜をくぐるように、姿を現したのはオレンジ色の国電。
やはり元・国鉄101系にはオレンジ色が似合います。
オレンジ1000、キタ━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━!!!!
なんと、あの熊谷でお休み状態だったオレンジが、ここで運用に就いてくれるとは思ってもみませんでした! あまりのビッグサプライズに、もうパンタの抜けとか考えている余裕はなく、ひたすらに連写しまくったのですが、なんとか抜けのいいところで収まってくれていました。それにしても、大麻生で去り際に渡辺篤史さんが呟いたひとこと、あれはやはりオレンジが午後の運用に入ることを知っていたのだろうか・・・。なんにしても、思いがけず嬉しい大収穫を得ることができました。あとは反対方向から来るはずの青1000ですが・・・最初の1536列車は空振り。続く一本ズレの1538列車も違いました。やっぱり秩父鉄道の運用は一筋縄ではいかないなぁ・・・(´・ω・`)ゞウーン。でも、その1538列車で何人かの同業者が撮影地へ駆け付け、いそいそと下り方向へ向けてカメラのセッティングを始めます。ということは、次の列車に青1000が入っているのか!? ところが現れたのは、青ならぬ黒。
桜花爛漫の秩父路をゆく、SL「パレオエクスプレス」。
やはりSLはヘッドマークが無い方が個人的に好みです。
秩父鉄道 上長瀞-長瀞
すっかり忘れていた、SL「パレオエクスプレス」。私は邪魔にならぬよう端っこに立ってスキマから狙ってみたのですが、意外と面白い絵になったかもしれません。「パレオ」はあまり煙を吐かないことで有名(?)なので、いっそのことこんな撮り方もありなのかも・・・(^^;)。しかし、やはり多くの同業者は1000系よりもSL狙いだったらしく、撮り終わるとすぐに撤収してしまいました。
「パレオ」の続行で来た普通列車も、東急さん・・・。
SLが行ってしまうと、桜の小径には静寂が戻りました。
線路沿いに200メートルほど続く桜の小径は、
いろいろなアングルが楽しめます。
でもやってきたのはまたしても、東急さん・・・。
同じ東急さんでも、この7000系は元・8500系です。
それにしても、おっかしいなぁ・・・いっこうに青1000がやってきません (o´・ω・`)。時間が経つにつれてだんだん露出も厳しくなってきたし、さすがに仮想していた列車より二時間以上も差があると、あきらめも出てきます。さらに追い打ちをかけるように、青1000を期待して待った次の上り普通列車は・・・
朝に乗った「のだめ」マーク付きは顔アップで。
この日だけで、だいぶ秩父の東急さんを
撮り溜めることができました・・・(^^;)
「のだめ」マーク付きの7507F。これって、私がこの撮影地に着いて最初に撮った、三峰口行きの折り返しじゃないか・・・。なんで、青1000よりだいぶ後に下ったコイツが、先に戻ってくるんだよ!ヽ(#`Д´)ノムキー!! もうこれでポッキリ心が折れました。この桜の小径では、いちばん撮りたかったオレンジが撮れただけでもじゅうぶん満足なので、これにて撤収を決意。
桜舞い散る上長瀞のホームに、下り列車が入ってきました。
週末の暴風雨で、もうだいぶ散ってしまったことでしょう・・・。
秩父鉄道 上長瀞
今回の秩父鉄道撮影、運用をしっかりと把握している方からしたら、笑っちゃうくらいの情弱ぶりだと思いますが、やはり私からすると秩父鉄道の運用は把握しづらくて難しい・・・(>_<;;;)。でも、むしろこの複雑な運用を読み解いて撮影するのが、秩父鉄道撮影の醍醐味と言えるのかも知れません。そんななか読み通りとはいかなくとも、なんとか現存する三種の1000系を桜とともに撮れたのは、私にしては上出来でしょう。秩父鉄道1000系、引退が決まる前にもう一度くらい、じっくりと撮影へ訪れたいものです。
結局、青1000とは、上長瀞から二つ目の皆野で交換・・・。
長瀞であと一本待っていれば、撮れたのね orz…。
ちなみにこの列車は三峰口発の1544列車。
やはり影森からいったん三峰口までの区間運用で
下っていたということか・・・。
秩父鉄道 皆野(後方の車窓から)
上長瀞1606-(1537列車)-御花畑1626
帰りはいつものように、秩父からの西武経由で。
最近、降って湧いたような「廃止問題」で困惑している、西武秩父線。
都心から秩父への観光アクセスとしてだけでなく、
地元住民の重要な足である同路線は利用者も多く、
廃止になることなど、まず考えられません (`・ω・´)。
そんな西武秩父線の車窓を眺めながら飲むのは、
駅構内で売っていた、萌え地ビール(発泡酒)。
ちなみに、このアニメキャラの名前を僕はまだ知らない・・・(^^;)。
西武秩父1638-(西武秩父線)-飯能1726~1728-(西武池袋線)-所沢1751~1753-(西武国分寺線)-国分寺1818
平日である金曜日に休みを取って、撮影に向かった秩父鉄道の桜鉄。満開の桜のもと、お目当ての1000系を撮ることができて、満足のいく結果が得られました。ただちょっと残念だったのは、やはり思ったよりも天気が良くなかったこと。ちなみに、この日いちばん晴れていたのは、今井屋でカツ丼を食べている時間帯でした・・・(^^;)。
週末の暴風雨で、東京のみならず関東近郊の桜は、ほぼ終わってしまったのかな・・・? やはり桜花の命は短く、儚いものですね・・・。
ONE-shot 116 たまたまたらこ。
PICK UP ONE-shot 116 たまたまたらこ。
木曜ってことは二週連続、会社を休んでの平日鉄?
いやいや、今回は休んだわけじゃないんです。
実は・・・
木曜日の仕事は一日中、茨城方面へクルマでの外勤。
ただし、今回のスケジューリングは同行する後輩が主導で、
クルマの運転も彼任せ。
私は助手席に乗っかっているだけで、
ドコへ連れて行かれるのかもよく解っていませんでした
(それでいいのか?先輩よ・・・ (=ω=;) )。
そこで当日、車中ではこんなやり取りが・・・
「最初に向かう現場は?」と私が尋ねると、
「え~っと、筑西市です」と返す彼。
「チクセイシ???」
恥ずかしながら「鉄道◯カ」の私は、
地名を鉄道路線や駅に頼っているところが大きく、
駅名にない地名はサッパリ見当がつきません。
たしか茨城に「筑西」なんて駅はなかったハズ・・・
「ボクは通勤以外で電車に乗ることがないので、駅は知りません。」
「・・・。」
...アッソ( ・ω・)(・ω・ )ハイ...
まあ、どっちもどっちなので、
とりあえずカーナビ任せで走ってゆくと、たどり着いたのは、
JR水戸線、真岡鐡道、そして関東鉄道常総線の三路線が集う街、下館。
ここって下館市じゃなかったんだ。知らなかった・・・
(05年に下館市周辺の3町と合併されて、筑西市となったらしい)。
そんな下館駅の前を通りかかった際、
チラッと目に入ったのが、このタラコ色のキハでした (゚∀゚)オッ!。
もちろん、ちょっとだけ止めてもらって、一枚撮影。
関鉄キハ100形は、元・国鉄キハ30の貴重な生き残り。
以前にも紹介したように、この車両の運用は関鉄のHPに公表されており、
調べれば容易に捕まえることができます
(一日一往復なので「容易」ではないか・・・^^;)。
しかし後からそのHP見てみると、私が見たこの列車は、
関鉄が公表しているキハ100のスジとは異なり、
どうやら何らかの事情で発生した、従来車の代走だったみたい。
つまりこれは、たまたま通りかかったところに、
これまた、たまたま代走で動いていたキハ101がいたという、
偶然に偶然が重なった、平日のタラコ撮影だったのでした。
う~ん私ってば、「鉄運」持ってる!?
13.04.11 関東鉄道常総線 下館
ちなみに写真の列車は下館発11:43の3100列車。
通常キハ100で運転されるのは下館着12:20の5087列車で、
そもそも木曜日はタラコではなく紺色のキハ102が担当。
・・・ということは、ひょっとして、
この日、3100レと5087レが交換する騰波ノ江駅では、
101と102、キハ100同士の並びが見られたってことか。
中央本線・・・新府 桃源郷 撮影記
久々に穏やかな晴れが期待できる週末、しかし関東の桜はすっかり終わってしまいました。ここは桜を追い求めて東北地方に遠征すべきか、それとも、早くも新緑へシフトすべきか・・・(゚^ ゚)ウーン...。そんな事を考えながら、週の中頃にいつもの定食屋でワンコインランチを食べていると、目に留まったのはお昼の情報番組。何という番組かは解りませんが(N◯Kだったかな?)、それは韮崎(山梨)にある桃畑からの中継で、桃の花は今が満開を迎えていると言うではありませんか。これを聞いて、私はちょっとビックリ。というのも、春の花はよく聞くフレーズどおり「ウメ、モモ、サクラ」の順に咲くもので、二月の梅と四月の桜、その間に桃が来るものだとばかり思っていました。そもそも三月三日のひな祭りは「桃の節句」ですし・・・。もちろん地域によって異なるのでしょうが、東北や北海道ではなく、もう桜が終わってしまったと思われる山梨で今ごろ桃が満開になるとは、まったくもって意外でした(このあたりは桜の開花も遅いのかな?)。でもこれは私にとって、嬉しい情報。中継のあった韮崎付近は中央本線の線路沿いにも多くの桃畑があり、なかでも韮崎の隣駅にあたる新府(しんぷ)のあたりは、桃と列車を組み合わせることができる撮影地が点在しています。これで週末撮影の行き先が決まりました。ただし問題は、中継のあった火曜日から四日後の土曜日まで、花がどれくらい持ってくれるかというところ。本当は中継のあった翌日にでも駆けつけたいところですが、さすがに二週連続の平日鉄で仕事を休むわけにはいきません(木曜に一枚、「仕事中鉄」はしちゃったけどね (^^;)ゞ)。まあ、この新府の撮影地は背景に八ヶ岳の山並みを入れることもできるので、もし桃がダメならば、そっち(八ヶ岳)をメインにすればいいか・・・。
4月13日(土)
高尾駅のホームに鎮座する天狗像に見送られ、
おなじみの長野色115系で出発。
中央本線 高尾
自宅最寄り駅から中央線の下り快速電車で高尾へ出て、乗り継いだのは普通列車の小淵沢行き。これで一気にお目当ての撮影地がある新府まで行くことができます。週末の中央線下り列車、とくに朝の早い時間帯は登山客やハイキング客でけっこう混雑するので、東京方面から乗り継ぐ場合には接続処置がとられているギリギリの列車ではなく、高尾で少し並んで待つくらいの余裕を持つのが鉄則。やはり今回も高尾発車時点では立ち客がびっしりの混雑具合でした。とは言っても、ハイキング客の大半は相模湖や上野原で下りてしまい、大月へ着く頃には空席が目だつようになるのですが。
勝沼ぶどう郷付近からの眺め。
この甲府盆地を見下ろす車窓は中央線屈指で、
いつ見ても雄大です (´▽`)。
中央本線 勝沼ぶどう郷付近(車窓から)
この日はまさに雲ひとつない快晴で、勝沼ぶどう郷付近からの車窓には、甲府盆地越しに南アルプスの山並みもクッキリ! まさに絶好の撮影日和です。天気が良好とくれば、あと気になるのは、やはり桃。列車は高台の勝沼から弧を描くように甲府盆地へと下りてゆき、やがて山梨市へ。実はこの山梨市付近も線路沿いに桃畑が多く、撮影地としても知られているのですが、その状況はというと・・・
車窓から見た桃の木に、
花は・・・無い。Σ(°д°lll) ガーン
中央本線 山梨市-春日居町(車窓から)
山梨市の桃園ではすでに花摘みが終わり、桃の木はすっかり寂しい状態になっていました (´・ω・`) ショボーン。ちなみに桃園では桃の花が満開になると散るまで待つのではなく、「花摘み」という農家さんの手作業で花は摘まれてしまいます(桃の木は枝一本で作れるモモの実がたった一個だけなので養分がそこへ集中するよう、枝に咲いている桃の花はひとつを除いてすべて摘んでしまわなければならないのです)。つまり今年の桜のように、気温が低い日が続いていたから散らずに長持ちするなんてことはなく、すべては桃の花の開き具合を見た農家さんのスケジュール次第。はたして新府の桃はどれだけ摘まれずに残っているのだろうか・・・(´□`;)フアン...。山梨市から甲府、韮崎を経て、列車は順調に新府へ到着。
高尾から普通列車で二時間半、新府で下車。
乗ってきた115系を見送ります。
中央本線 新府
新府は相対式二面二線構造。
上下線のホームは改札内で繋がっておらず、
それぞれホーム別に階段が備え付けられています。
上写真が下りホームで、下は上りホーム。
中央本線 新府
高尾0726-(中央523M)-新府0950
まわりを農園に囲まれ、他にめぼしいものが何も無いような、無人駅の新府。ふだんは乗降客が少ない駅ですが、この日は三脚などのカメラ機材を担いだカメラマンのほか、イーゼルや画板などを持った、絵描き屋さんの姿も多く見受けられます。もちろん皆さんのお目当ては共通で、満開に咲き誇っているであろう桃の花。期待半分、不安半分で、桃畑が一望できる丘の上へと歩みを進めると、そこに見えてきたのは・・・まさに息を呑むようなこの景色!
青空の下に広がっていたのは、桃色の丘!
まだ摘まれずに桃の花が残っていました~!☆;+。゚*ヾ(´∀`)ノ゙ヤター *゚。+;☆。・・・というより、ここは桃の郷として観光PRされているような有名な丘なので、ひょっとしたら農園の方が、あえてギリギリまで花摘みをせずに残しておいてくれたのかも知れません。いずれにせよ、これは期待通りの絶景。先月に同じ中央線の高尾梅郷を訪れた際、満開の梅林を見て思わず「これぞ桃源郷!(桃じゃなくて梅だけど・・・)」なんて感想を書いたけれど、今回は紛れもない正真正銘の「これぞ桃源郷!」です! では、さっそく桃源郷での「桃鉄 (桃◯郎電鉄ぢゃあないよ)」撮影をはじめましょう。
桃畑のなかを行くのは、長野色115系の普通列車。
背景には八ヶ岳の雄大な山容が入ります。
中央本線 穴山-新府
まずは乗ってきたのと同じ、長野色115系の普通列車から。広い丘の上から桃畑と八ヶ岳、さらに列車がバランスよく入るようなところを探すのですが、意外とこれが難しい。周囲をウロウロしながら、ようやく上写真の場所に落ち着いたものの、ココも決してベストではなく、左手前に入り込む枝や奥の青いビニールシートがウマくかわしきれません。枝の方は枯れ枝ではなく花が付いているのでまだ許せるけれど、青いビニールシートは目障りだなぁ・・・(。-`ω´-)ンー 。実は、ここより少し右方向へ行ったところに、ビニールシートや枝がウマくかわせそうなお立ち台っぽいところがあるのですが、狭いそのスペースはお一人さま限定で、すでに先客がいらっしゃいました。なので、しばらくはその様子を見つつ、撮影を進めることに。
この日は183系などの団体・臨時列車は設定されておらず、
ここを通る唯一の国鉄型特急車両が185系の「はまかいじ」。
八ヶ岳をバックに走る185系も、なかなかいいものです。
中央本線 穴山-新府(後追い)
続いてやってきたのは、
485系改造の和式電車「華」で運転される
快速「お座敷桃源郷パノラマ号」。
まさに列車名通り桃源郷を走る同列車ですが、
濃紺の「華」はあまり景色に映えませんね・・・(^^;)
ネタとなる臨時列車の「はまかいじ」と「華」が撮れたところで、まずは一息。そこでふとお立ち台の方へ目をやると・・・先客の方が三脚をたたんで撤収準備をしているではありませんか!(゚∀゚)オッ! しかも、なぜか大慌てで走り去ってゆく・・・ひょっとしてモヨオしてきちゃったのかな? なんて、くだらないことを考えながらも、私は入れ替わるようにして素早くお立ち台へ 。。。。。。(((((ノ`ω´)ノ サササッ
再び長野色115系。
決して珍しい存在ではない長野色115系ですが、
車齢の高い国鉄型であることには変わりなく、
一本でもムダにはできません。
こういう日々の記録が大事なんです (`・ω・´)キリッ。
中央本線 穴山-新府
お立ち台からのカット、桃の入り具合は先ほどよりも減ってしまいましたが、画的にはスッキリとまとまった感じ。なにより列車が枝に遮られず、ワンスパンでも手前まで引き付けられるようなったのが嬉しい。もう185系などの臨時列車は行っちゃったけれど、ここでは定期の特急列車を何本か待ってみようと思います。しかし東京近郊で中央線を撮っていると特急は30分ヘッドで数多く運転されている感覚がありますが、半数は甲府止まりの「かいじ」。甲府より西にあたるこの区間に来るのは一時間に一本の「あずさ」のみで、しばらく時間が空きます。時刻表に載っている甲府の発着時刻を目安にすると、次の「あずさ」は約30分後か・・・と、気を抜いたその時、丘の裏から轟音とともに現れたのはコイツ。
突如現れたのは、EH200牽引の貨物列車。
青い機体と桃のコントラストが、いい感じです。
でも貨物列車の後追いはサマになりませんね・・・(^^;)
中央本線 穴山-新府(後追い)
あああ、スリッパ・・・いや、EH200の貨物がぁ・・・(´Д`;)。そうか、それでさっきまでこの場所にいた同業者さんは急いで撤収し、逆の下り列車が撮れるアングルへと移動して行ったのね。モヨオしたわけじゃなかったんだ・・・(^^;)。結局、今年になっても貨物時刻表を買わず、相変わらず貨物列車には疎い私。情けないほどの情弱っぷりです。
二階建て車両の215系で運転される、
「ホリデー快速 ビューやまなし」。
この区間では珍しいステンレス車ですが、
ステンレスは遠景だとあまり映えないので、
思い切って山を入れず、こんな撮り方をしてみました。
案外、悪くない?
中央本線 穴山-新府(後追い)
八ヶ岳をバックに桃畑を走る二種の「あずさ」、
これぞ春の中央東線を表すカットと言えるのではないでしょうか。
個人的にはE351系の「スーパーあずさ」(下)が好みですが、
ここでは白が基調のE257系「あずさ」(上)の方が、
風景にはよく映えて見えます。
中央本線 穴山-新府
上写真の同列車を追って、手前でもう一度撮影。
桃の花越しに、連結面を狙います。
まさに春爛漫の桃源郷~♪
貨物列車は中途ハンパな後追いで撮らざるを得なかったものの、特急のE257系「あずさ」、E351系「スーパーあずさ」ともに、キッチリと撮ることができて満足、満足~ (*^▽^*)。もうこのアングルではじゅうぶんに撮れたし、いつまでもこのお立ち台を一人で占領しているのは気が引けるので、ここで少し場所を変えることにします。移動しつつ、ちょっと振り返ると、次にそのお立ち台の住人となったのは鉄でなく、腰を下ろして絵を描きはじめたお婆さんでした。もう当分、お立ち台は空きそうにありませんね(^^;)。
快晴の青空に桃色の花がよく映えます。
ここでは列車と八ヶ岳は小さく、
脇役程度に写し込んでみました。
中央本線 穴山-新府
空に向かって伸びる桃の木を正面から。
桃をメインに普通列車でもブラそうかと、待ち構えていると、
ファインダーを横切ったのは予想外の215系。
「ビューやまなし」の回送列車ですね。
思いがけずステンレスがキラッと光って、結果オーライ(^^)。
桃畑でやってみたかったのは、やはりこの撮り方。
花越しに特急「あずさ」を流し撮り~。
まるで「ピンクのカーテン」です・・・って、
たしか昔、そんなタイトルのポルノ映画があったような・・・。
桃畑をかすめて疾走する「スーパーあずさ」。
完全に車体を桃で覆ってしまうよりも、
このくらいの方が撮りやすくて、画的にも好みかも。
今度は丘を下り、桃畑の近くで撮影。俯瞰からの遠めだけでなく、いろいろな角度で撮影が楽しめるのも、この撮影地の魅力。花越しの流し撮りなども気負わずに遊び半分で撮ってみると、意外と成功するものです。そして先ほどまで撮っていた午前順光の八ヶ岳バックと対を成す、ここでのハイライトとなるのが、午後順光となるこの場所。
桃畑の向こうにうっすらと見えているのは、
日本一の山、富士山のお姿!
中央本線 新府-穴山
そう、この撮影地からは八ヶ岳だけでなく、富士山をバックに桃畑を行く列車も撮ることができるのです。ただし冬の澄んで乾燥した空気と違って、桃の季節は晴れても春霞であまり富士山ハッキリ見えない日が多く、この日もちょっと霞みがちでうっすら。それでもやはり富士山は存在感があります。ここでもE257系とE351系、二種の特急を撮ってゆくことにしましょう。さっそくE257系「あずさ」が撮れたので、次はE351系「スーパーあずさ」の番。でもここではちょっとムリをして、こんなことにチャレンジしてみました。まずは富士山バックのポイントを離れて、先ほど流し撮りした桃畑脇へ・・・C= C= C=┌( ・_・)┘テクテク。ここで「スーパーあずさ」を迎えます。
桃色の空気に包まれた「スーパーあずさ」。
木々の合間から「AZUSA」のロゴがウマく抜けてくれました。
もちろん、狙い・・・どおり!?
中央本線 穴山-新府
そして桃畑で流し撮りを撮ったあとは、プレビューも確認せずに上り坂を一気に全力疾走!
ダダダッ ε=ε=ε=ε=ε=ε=┏(# ゚Д゚)┛ウオオォォォォォォォー!!
すると・・・
富士山を遠くに眺めつつ、
桃畑のなかを東京へ向かって走り去る「スーパーあずさ」。
中央本線 新府-穴山(後追い)
なんと、富士山バックに間に合っちゃうのです! まさに一粒で二度美味しい撮影地・・・ですが、体力的にキビシいので、もうやりません ハァ...ハァ...(;;´Д`)=з ゼエ...ゼエ...。
でもこれで、富士山バックでもE257系とE351系の両方が撮れたし、もう撤収するか・・・と、考えていたところ、なぜかこの時間になって、まわりで散って撮影していた同業者が、一斉にこの富士山バックへと集結しはじめます。これは・・・なにかある!? (;¬_¬)アヤシイ...。 そこで、ためしに隣の青年に小声で尋ねてみると・・・ヒソヒソ(  ̄∀(・。・;)ナニ? 「もうすぐ山スカが来るんです」とのこと! エッ!Σ(=゚ω゚=;)マジ!?。山スカこと、国鉄色の115系(豊田車)は、中央本線内でも主に高尾~甲府間で運転されており、甲府以西まで乗り入れる運用は少ないのです。この日も朝から撮影を続けてきましたが、普通列車は長野色(長野車)ばかりで、一度も山スカを見ませんでした。その青年によると、あと一時間後に来る新府15時23分発の下り343Mが、そうなのだという (*・∀・)ノアリガトネ。一時間か・・・朝から列車内で食べた菓子パン一ケだけだったので、ちょっとオナカは減ってきたけれど、その程度で山スカが撮れるのであれば、短い待ち時間です。ところが一時間後に現れたのは・・・
定刻通りに走ってきた343M普通列車は、
三両編成の長野色115系。
中央本線 新府-穴山
山スカ、コネ━━━━('A`;)━━━━……
残念ながら343Mは山スカではなく、長野色115系でした (゚ー゚*?)アレ?。でも予想が外れたのはムリもありません。この343Mはたしかに先月行われたダイヤ改正前までは山スカの運用に間違いなかったようで、ほかの同業者も意外そうな顔をしています。しかし、どうやらダイヤ改正により運用が変わってしまったらしい。もちろんこれで情報をくれた青年を責めるつもりは毛頭ないのですが、逆に彼の方が 「あ、あれ?おかしいな・・・あ、でも、このあとの小淵沢行き345Mは間違いなく山スカですよ。あ、いや、たぶん・・・アワヽ(´Д`;≡;´Д`)ノアワワ 」と、焦りまくり。きっとマジメでいいヤツなんだなぁ・・・(´・∀・`)。その345Mは新府16時36分発で、さらに一時間後です。でも、そんな風に言われるとなんだか撤収しづらくて、ついつい残業を決意。しかしそのおかげで、こんな収穫もありました。
和式電車「華」の
快速「お座敷桃源郷パノラマ号」。
往路を撮ったときには
濃紺であまり風景に映えないなんていいましたが、
こうやってみると桃色の帯がアクセントになっていて、
意外と悪くないかも。
中央本線 新府-穴山(後追い)
午前中の本命だった185系の特急「はまかいじ」。
やはり湘南色のブロックサインを纏ったこの車両には
富士山をバックに走る姿が似合います。
いずれは伊豆箱根鉄道などでも
富士山バックの185系「踊り子」を撮りたいところ。
そして215系の快速「ビューやまなし」。
実は帰りには、韮崎か甲府から
この「ビューやまなし」に乗る計画を立てていたのですが、
撮影地で見送ることになっちゃいました・・・。
午前中に往路を撮った「華」や「はまかいじ」、「ビューやまなし」が次々に帰ってきて、富士山バックで撮ることができました~ヽ(´▽`)ノワーイ ♪。とくに185系の「はまかいじ」は、往路をお立ち台で撮ることができずにちょっと不完全燃焼だったので、復路がきれいに撮れたのは嬉しい。さらに夕方近くになって気温が下がってきたせいか、春霞が少しやわらいで、富士山もよく見えるようになってきました。そして「ビューやまなし」の通過から数分後、桃畑の向こうから甲高いモーター音とともに見えてきたのは・・・(゚∀゚;)ドキドキ
富士山を背に桃畑を行く、スカ色115系。
今や春の一日に数回だけ訪れる、貴重な瞬間です。
中央本線 新府-穴山
山スカ、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
富士山、満開の桃、そして国鉄色の山スカ・・・まさに最高の条件が出そろいました \(≧∇≦)/ヤッタァー!。これは本当に待った甲斐があったというもの。情報を教えてくれた青年には大感謝ですm(_ _)m。あらためてお礼を言うと・・・「あ、でも、次に来る17時05分の347Mもおそらく山スカですよ」とのこと。でも、この富士山バックではもうじゅうぶんなので、その347Mは駅へと戻りがてらに、桃と絡めて撮ることとしました。
西日に照らされた桃の郷を行く山スカ。
これぞまさに桃源郷と呼ぶにふさわしい情景です。
中央本線 穴山-新府(後追い)
青年の言う通り、続く347Mも山スカでした。ここで二本連続で来るのではなく、もう少し時間的にバラけてくれると撮りやすいのですが、それはファンのわがままな願望ですよね(^^;)。とくに引退や置き換えが発表されたわけではない山スカですが、貴重なこの国鉄色115系には、日に日にファンの注目度が上がっているように感じます。甲府以西の運用は減ってしまったけれど、山スカの一日でも長い活躍を期待し、来年もまたここで鮮やかな桃とのコラボを見せて欲しいものです。
撮影を終えて新府のホームで待っていると、
カーブを切って入線してきたのは山スカ!
最初に撮った345Mの折り返し(346M)ですね。
中央本線 新府
甲府でのわずかな乗り継ぎ時間で、
思わず「甲州」の名に惹かれて買った駅弁は、
こちらの「ザ・甲州丼飯(こうしゅうどんぱん)(¥900)」。
内容は甲州ワインビーフの炒飯と、甲州豚のカツ丼、
甲斐味鶏の鶏飯、三種の肉飯が味わえるもの。
ボリュームがあって、若い人にはウケそうだけれど、
炒飯、カツ丼、鶏飯の飯もの三つって、
ちょっと雑さを感じちゃう駅弁ですね・・・。
☆☆・・・
甲府から乗り継いだ高尾行きの564Mも
山スカ115系でした。
天狗像に出迎えられて、高尾に到着。
中央本線 高尾
新府1740-(中央346M)-甲府1757~1808-(564M)-高尾1940
うららかな春の日に、満開の桃に迎えられた新府の桃源郷撮影。思っていたよりもずいぶんと長丁場になってしまったものの、晴天のもと八ヶ岳や富士山をバックに多種多様な列車が撮影でき、最終的には貴重な山スカまで撮れてしまうという、大満足の一日となりました(^^)。これで今年の春は、いちおう「ウメ・モモ・サクラ」制覇です(そのうち二つは中央線だけれどね・・・^^;)。
ONE-shot 117 新顔
PICK UP ONE-shot 117 新顔
まるで冬に逆戻りしてしまったような、冷たい雨の週末。
いったい、今年の春はどうなっているのだ・・・(ー'ー;)ウウム。
こうなると撮影意欲も萎んでしまいます。
そこで先週末は "ほぼ" 非鉄を決め込み、
久々に千葉・柏の実家へと顔を出すことにしました。
そのついでに撮ってきたのがこちらの電車。
ちょうどこの日から営業運転を開始した、
東武野田線用の10030系、11652Fです。
(なんだかんだで、結局は撮り鉄しているのね・・・^^;)
野田線への移籍に伴い、帯色を淡い水色とグリーンに変更し、
ガラリと雰囲気を変えた10030系。
そのカラーリングが
某コンビニのコーポレートカラーに似ていることから、
早くもファンの間では「ファ〇マ色」なんて呼ばれているようですが、
なかなか爽やかで、いい色合いじゃないですか
(ちょっと小〇急1000形っぽい気もするけれど・・・)。
いずれは大量投入されて、
従来の8000系を脅かす存在になるのかもしれませんが、
今はまだ、出会えるとラッキーな気持ちになれる、
野田線唯一のステンレス車です(^^)。
ONE-shot 118 Objet?
北陸01・・・北陸本線475系 撮影記
季節は春から初夏へ移り変わり、気がつけば早くもゴールデンウィーク。私も人並みに何日かのお休みを取ることができました。やはり連休となれば混雑するのは解っていても、ちょっと遠征したいところ。今年のGWで個人的に気になる撮り鉄的なネタはというと、青森で恒例となっている弘前さくらまつりへの臨時列車か、長野のしなの鉄道で運転される急行形車両・169系のラストランあたりか。前者は奥羽本線の快速「弘前さくらまつり号」に583系が使用され、さらに日によっては同路線で24系ブルートレイン(「リバイバル 鳥海」)や485系国鉄色(「急行 春の桜名所めぐり号」)の団体列車も運転される予定。いっぽう、しなの鉄道でGWに企画されているのは、ラストランへ向けて今まで3連だった169系を、国鉄色のみの6連や、しなの鉄道色と併結した9連で運転するという豪華なもの。これはどちらも、まさにファン垂涎の臨時列車やイベントといっても過言ではないでしょう (*゚∀゚)=3ハァハァ 。
しかし思い返せば、私は昨年の秋に青森へ、そしてしなの鉄道へは今年の一月と三月に二回も行ったばかりです。このブログを見ていると、私はしょっちゅういろんなところへ鉄道で出かけている印象をお持ちの方も多いと思われますが、その大半は日帰り圏内の関東近郊や甲信越ばかりで、実は旅行と呼べるような泊まりがけでの遠征は年に3~4回程度。私にとって泊まりがけの旅行は、今でも特別なものに変わりありません。となると、できれば同じところに続けていくのではなく、いろんな地方へ行って、撮りたい、乗りたい、食べたい、そして飲みたい(笑)。ちなみに昨年は、5月の連休に九州、7月の夏休みに広島・出雲、そして11月に青森と、見事にバラけています。ならば今年のGWはネタにはとらわれず、この機会に定期列車で撮っておきたい車両を狙うか、もしくは、かねてから一度は行ってみたいと思っていた、景色の良い撮影地を目指すというのもアリかと考えました。
そこで今回、私が旅先に選んだのは10年の夏以来、約三年ぶりとなる北陸地方。485系「雷鳥」や夜行列車の「北陸」、「日本海」、「能登」が相次いで廃止となり、個人的にはしばらくのご無沙汰でしたが、15年春に予定されている北陸新幹線の金沢延伸で、激動の変革期を迎えようとしている北陸本線をはじめ、個性的なローカル私鉄も多く存在するこの地域は、鉄的な魅力が満載です。はたして、そこで私が撮りたい車両とは? そして行ってみたい撮影地とは? 久しぶりに数回に渡ってお伝えする、あおたけ流・鉄道旅行記の始まりです。あくまでも気持ちは「Not even trouble! I want to get travel!!」なのですが、いったいどんな旅になるのやら・・・。
4月28日(日)
今旅のスタートは上越新幹線の「Maxとき」(左)。
列車名に「Max」が付いているように、
二階建て車両のE4系が使用されています。
右隣のE2系は長野新幹線「あさま」。
13.4.28 東北新幹線 東京
各方面への新幹線が発着する東京駅から、私が乗ったのは上越新幹線の「Maxとき」。鉄道で首都圏から北陸地方へ向かう方法はいろいろとあるなかで、今旅は道中に趣向を凝らすのではなく、少しでも目的地での時間を有効に活用したいため、もっともオーソドックスといえる上越新幹線から北越急行・ほくほく線へと乗り継ぐルートを選びました。連休二日目となるこの日は、自由席でも余裕で着席できるほどの乗車率。ちなみに今年のGW、私の休みは暦通りで前半の三連休は4月27日(土)からなのですが、"とある都合"により出発は一日遅れの28日(日)としました。
越後湯沢で、特急「はくたか」へ乗り継ぎ。
顔がグレーの681系はJR西日本の車両です。
13.4.28 上越線 越後湯沢
越後湯沢で上越新幹線から乗り継いだ、金沢行きの特急「はくたか」が走る北越急行・ほくほく線(六日町~犀潟)は、首都圏と北陸地方(とくに富山・石川)のアクセス向上として、97年に開業した第三セクター路線。主にこの特急「はくたか」を使った、上越新幹線と北陸本線のバイパス的な役割を担っており、現在の収益は同線を通過する特急が9割で、普通列車は全体の1割にも満たないとのこと。そのため北陸新幹線が金沢延伸した際には、利用者が新幹線へ移行することでの大幅な減収が確実視されており(今乗っている「はくたか」も、新幹線延伸後には廃止が濃厚なのだとか)、沿線利用者の確保や地域の活性化が課題となっています。
「はくたか」の車窓に広がるのは、米どころ魚沼の広大な田園風景。
13.4.28 北越急行ほくほく線 くびき-犀潟(車窓から)
でも今はほくほく線の未来より、車窓を眺める私がいちばん気になっているのは、今日の空模様。東京は晴れていたのに、上越国境の大清水トンネルを抜けた越後湯沢では小雨がぱらつく曇天。せっかく遠征の撮影旅に出ているのだから、やっぱり晴れて欲しいものです。とくにこれから向かおうとしている目的の撮影地は、晴天じゃないと画にならないし・・・(´・Д・`;) 。ちょっと不安な気持ちで空を見上げていると、やがて雲の切れ目から青空が覗きはじめ、北陸本線との接続駅である直江津に付く頃にはすっかり晴天になってくれました (゚∀゚)オッ!。私はその直江津で「はくたか」を下車。
日が差した直江津で「はくたか」をお見送り。
直江津はJR東日本と西日本の境界駅で、
乗務員はここで東日本から西日本へと交代します
(「はくたか」に北越急行の乗務員は担当しません)。
13.4.28 信越本線 直江津
東京0700-(Maxとき303号)-越後湯沢0811~0820-(はくたか2号)-直江津0905
JR東日本の信越本線とJR西日本の北陸本線が乗り入れる直江津駅(ほくほく線は犀潟~直江津で、信越本線へ乗り入れ)。二つの長大本線が交わる主要駅ですが、管轄が信越線に属するためか、この駅に置ける両線の扱いの差は歴然としており、信越線の方が大きく幅を利かせ、北陸線は隅っこに追いやられている感じ。とてもここが米原を起点として日本海沿いを353.8キロも続く北陸本線の終点とは思えないような扱いです。でもその雰囲気が私はキライではなく、むしろここから北陸線の普通列車に乗り込む旅は郷愁と旅情が溢れていて大好きなんです(^^)。そして何を隠そう、この北陸線の普通列車こそが今旅最初の撮影ターゲット。
いちばん北側にある欠き取り形の終端ホームが
北陸線普通列車用の1番線です
(大半は1番線発着ですが、
一部の北陸線列車は他の番線も使用)。
13.4.28 信越本線 直江津
ご多分に漏れず、ステンレス製の新型車による波は北陸線まで押し寄せ、近年では福井・金沢周辺を中心に、同線を走る大半の普通列車がステンレスの521系になってしまいました。そんななか、北陸線の最北部に位置する、この富山~直江津では現在でもすべての普通列車に鋼製の国鉄形車両が使用され、まさに最後の聖域ともいえるでしょう。しかも、なかには国鉄時代に急行「くずりゅう」や「立山」などとして活躍した交直両用の急行形電車、475系の生き残りが含まれているというのだからさらに驚きで、その元・急行形が私のお目当て。それにしても、前述したようにこの日はしなの鉄道で同じ急行形の169系がイベント運転を行っているというのに、あえて同日に北陸線の475系を狙うとは、我ながらマニアックというか、捻くれているというか・・・(^^;)。しかし、直江津で待機していた北陸線の普通列車は、残念ながらお目当ての475系ではありませんでした ( ̄△ ̄;)エッ?。
広い直江津の構内でポツンと停まっていたのは、
475系ならぬ、413系。
北陸本線は今年、全線開通100周年を迎え、
413系の乗務員扉脇には記念ステッカーが貼られていました
(タイトル写真参考)。
13.4.28 信越本線 直江津
顔は475系とあまり変わらないけれど、似て非なるこの電車は、国鉄時代に475系をはじめとした急行形車両の部品(電装品・冷房装置・台車など)を再利用して新造した近郊形電車の413系で、デッキ付き片扉の急行形に対し、デッキなし両開き扉としたところが大きな相違点。もちろんこの413系も今や貴重な国鉄型のひとつではあるけれど、やはり元・急行形の475系とは歴史的な重みや深みがまるで違います。できれば475系は撮るだけでなく、乗る方でも楽しみたかったところですが、まあ、乗るよりも撮ることが第一目的と考えれば、ここで出会っちゃうよりも撮影地で迎えた方がいいか・・・と、前向きに考えて、413系へ乗車。40分の待ち時間ののち、富山行きの普通列車は定刻に直江津を出発しました。
急行形の475系とは異なる近郊形とはいえ、
413系の室内もボックスシートが並ぶ国鉄仕様です。
始発となる直江津の発車時点では、車内はガラガラ。
そんな413系に揺られながら、早くも駅弁を。
直江津で購入したのは「鱈めし(¥1100)」
その名のとおり、棒ダラの甘露煮がメインですが、
実は半生の焼きタラコが昆布の炊き込みごはんにマッチしていて、
個人的にはそれがとても美味しかったです。
☆☆☆・・
直江津は日本海の幸を使った名物駅弁が多いので、
朝食抜きでここまでガマンしてきました(^^)。
海沿いの駅、有間川~。
13.4.28 北陸本線 有間川(車窓から)
トンネル内の珍駅、筒石~。
13.4.28 北陸本線 筒石
再び海沿いの駅、親不知~。
でも、ここは高速道路が豪快に視界を遮ります・・・。
13.4.28 北陸本線 親不知(車窓から)
直江津を出てしばらくすると、車窓には一面の日本海が広がります。その情景は湯沢での小雨がウソのような快晴で、空も海も真っ青!! これでまずは一安心 (○^д^)=3 ホッ。なぜならば、一度行ってみたいと思っていた今旅最初の撮影地では、この日本海をバックに北陸線の列車を撮ろうと考えていたからで、青い海を演出するのに晴天は必須条件です。その海バックの撮影地があるのは、直江津から一時間ほどの市振。
快晴を確信し、予定通り市振で下車。
ここも海沿いの駅なのですが、
海側には防風壁が設置されています(写真の右側)。
13.4.28 北陸本線 市振
駅舎はあるものの、現在は無人駅の市振。
しかしここは新潟県最西端に位置する駅で、
北陸新幹線延伸で予定されているJRからの経営分離後には、
この市振が新潟県と富山県のそれぞれが運営する
第三セクター鉄道の境界駅となります。
13.4.28 北陸本線 市振
直江津0946-(北陸544M)-市振1055
市振は新潟と富山の県境にある集落で、古くは越後国と越中国の境となる関所が置かれており、松尾芭蕉の奥の細道にも「市振の関」として登場した歴史があります。そんな由緒ある集落なのに、私は駅を出ると町並みには目もくれず、一目散に撮影地へ向かって小走り。実は次の下り普通列車(直江津方面行き)の通過時刻が迫っているのです。ふだんなら、普通列車など一本くらい逃しても・・・なんて軽い扱いですが、今回ばかりはその普通列車にお目当ての475系が来るかもしれないので、一本でもムダにはできません。撮影地までの直線距離は約一キロと、さほど遠くはないけれど、撮影場所へは最後に急な斜面を登らなくてはならず、20分程度で到達できるかは微妙なところ。はたして間に合うのか!? ε=ε=ε=┏(;´Д`)┛ヒィハァ...
息を切らせながら斜面を登ると、
眼下には市振の集落と北陸線の線路が一望できました。
この地域の家々に多く見られる黒いツヤのある屋根瓦は
「能登瓦」と呼ばれる独特なもので、
水分を含んだ重い雪を屋根から落としやすくするために、
釉薬をかけてなめらかにしているのが特徴です
(・・・って、たまたま前日に見たテレビ番組で言っていました)。
なんとか通過の数分前に、海を入れて俯瞰撮影できる、最低限の高さまではたどり着くことはできました。あとはカメラ片手に線路を注意深く見ながら、もう少しだけ高さを稼いでゆきます。遠くに列車の姿が見えてからカメラを構えても間に合うのが、俯瞰撮影の強み。やがてモーターの唸り音が響いてきたところで足を止め、向かってくる列車を目で確認。そこでやってきたのは・・・コイツ。
真っ青な日本海をバックに現れたのは、
これまた真っ青な列車。
13.4.28 北陸本線 越中宮崎-市振
ぬはっ、青一色の「海坊主」・・・Σ(´Д`lll)ヌヲッ!。この色は以前に広島で撮った末期色真っ黄色の115系同様、JR西日本が人件費および塗装費削減という、なんとも情けない理由で遂行している単色化計画のひとつで、北陸線の413系や475系には青一色化が進められています。できればこの通称「海坊主」は、来てほしくなかったなぁ・・・。しかもこの車両もまた475系ではなく、413系でした。でも、あんまり嬉しくない「海坊主」ですが、こうやってみると意外と海景色にマッチしているように見えて、なんだかちょっと複雑な気分です。単色も遠景だと悪くないかも・・・。まあ何にせよ、とりあえずは無事に間に合ったのでホッと一息 ε- ( ̄、 ̄A) フゥー。息を落ち着かせてから撮影場所を吟味して、カメラをセッティング。
続いては北陸本線北部のエース、
681系の特急「はくたか」。
やはり9両編成の特急列車は画になります。
よく見るとこの列車、
グレーの西日本車とレッドの北越車が
併結した編成でした。
青い空、青い海、そして海岸線にまっすぐと伸びた線路・・・あらためて眺めるとまさに絶景で、とても気持ちのよい撮影地です(^▽^)。以前に同じ日本海沿いにある羽越本線の笹川流れ俯瞰(今川~越後寒川)で撮ったときにも述べましたが、関東人にとって日本海側の天気を読むのはとても難しく、望みどおりの天気に恵まれるかどうかは運次第といっても過言ではありません。それだけに、この最高のコンディションは本当に嬉しい。あとはお目当ての475系が来てくれれば文句ナシなのですが・・・先ほどから見かける普通列車は413系ばかり。富山~直江津では共通運用を組んでいる475系と413系。この両形式の比率はほぼ同数くらいかと思い込んでいたのですが、ひょっとした富山以南の521系増備に伴い、比較的車齢の高い475系は数を減らしているのかな・・・? 日中は数編成のローテーションで運用されているこのあたりの普通列車。次も413系だと、475系を撮るのはかなりキビシい。せめて一本だけでも、475系が来てほしいものですが・・・。祈るような気持ちで迎えた次の普通列車は・・・お!475系、キタ (゚∀゚)!
広大な日本海を眺めながら海岸線を走り抜けるのは、
元・急行形の普通列車。
編成は短くても、その力強い走りは健在です。
ここで、やっと本命がきてくれました~\(≧▽≦)/ワーイ♪。パッと見は先ほど乗った413系と変わらないように見えるかも知れませんが、側扉の間にズラリと並んだ窓配置、この均整のとれたスタイルこそが元・急行形車両の証です。一本だけ存在する国鉄色のリバイバル編成ではない、ごくフツーの北陸色475系。それでも私的には、この好条件で475系を撮ることができただけで、もう大満足。これこそ私が見たかった情景・・・ああ、ホントにここまで来てよかったよ マヂ・゚・(。ノ∀`)・゚・ゥレスィ・・・。
なんとか475系が撮れたところで、次の狙いは新潟と金沢を結ぶ、特急「北越」。この「北越」に使用される新潟の485系には大きく分けて三種類の顔があり、これを撮り鉄的なクジ運に当てはめると、大当たり(゚∀゚*)=国鉄特急色(K編成・T18編成)、当たり(・ω・)=国鉄顔の「北越色」(T編成)、ハズレ(´Д`;)=大幅リニューアルの3000番台(R編成)といったところ。もちろん私が大当たりとなる国鉄色の485系を撮りたいのは言わずもがなですが、残念ながらこの日の「北越」に国鉄色が入る可能性が極めて低いことは、事前に解っていました (´・ω・`) ショボーン 。というのも、国鉄色は全部で三編成。そのうち二編成(K編成)は、GWに運転される臨時快速「ムーンライト えちご」へ限定的に充当。では残り一本(T18)に望みを託そうとするも、その編成は冒頭でちょろっと触れた弘前への団体列車「急行 春の桜名所めぐり号」へ使用されることが鉄道誌の情報欄に掲載されていました。なので、不測の事態による運用変更や団体の設定取り消しでもないかぎり、この日の「北越」に国鉄色が入ることはありえません。ならば、せめて「当たり」のT編成を引き当てたいところですが・・・
車端部のターコイズブルーがアクセントになる、
485系3000番台(R編成)の特急「北越」。
この列車も海が似合います(^^)。
通過時間が近接している二本の「北越」、下りの3号、上りの4号ともに3000番台のR編成でした。つまり、「ハズレ」 ザンネン(´Д`;)デスタ。でも「北越」には近々、先のダイヤ改正で常磐線の「フレッシュひたち」から撤退したE653系がコンバートされる計画があり、すでに同車は新潟入りして改造待ちだとも言われています。そうすると485系が「北越」から撤退するのは、もう時間の問題と言え、編成で当たり外れを選んでいる余裕など無くなってきているのが実情。ここは475系同様に、この好条件で485系「北越」が撮れたことを素直に喜びましょう(もちろんホンネを言えば、国鉄色が撮りたかったんだけれど・・・^^;)。
再び「はくたか」がやってきたので、
今度は画角に編成をキッチリ納めてみました。
でも個人的には列車を真ん中に置かない
一枚目のようなアングルの方が好きです。
ところで、「北越」の通過直前にはお一方の同業者がやって来られ、その方によると13時過ぎに上りの貨物列車があるとのこと。これは貨物オンチの私にとって、とてもありがたい情報です アリガタヤ(-人-)アリガタヤ。今まで撮ってきたアングルは基本的に下り列車を狙う場所なので、情報がなければ先日の中央線・新府の桃源郷のときのように、また慌てながら「貨物の後追い」という情けないカットを撮るところでした(^^;)。なので、頃合いを見計らって上り列車が撮れるアングルへと移動。そもそもこの撮影地は午後になると、上り列車の方が光線が良くなります。
まずは望遠系で、海と列車をクローズアップ。
木の陰から飛び出してきたのは、北越急行681系の「はくたか」。
同じ681系でも、赤い顔の方がアクセントになっていいですね(^^)。
13.4.28 北陸本線 市振-越中宮崎
次の普通列車は能登瓦が特徴的な市振の集落を入れて。
もちろん475系を期待するも、
またしても413系でした・・・(´・ω・`)。
市振の集落を俊足で駆け抜ける「はくたか」。
町並みを入れると、風景に生活感が出るように思います。
普通列車や「はくたか」を撮っているうち、気がつけば時刻は13時半をまわっていました。貨物の正確な通過時刻を知らない私はおとなしく待ち続けていますが、先ほどの同業者さんは後方の一段高いところから「あれ~?来ないなぁ・・・。連休でウヤ(運休)なのかなぁ・・・(。-`ω´-)ンー」と、唸りながら首を傾げています。連休だと運休になる可能性があるのだから、やっぱし貨物は奥が深くて撮るのも大変だなぁ・・・なんて思っていたそのとき、線路上に真っ赤な電気機関車が現れました。 キタ(゚∀゚)コレ!?
日本海縦貫線らしい、赤いEF510が牽引する貨物列車。
荷は少なめだけれど、連休中はこんなもんか・・・
・・・と思いきや、
後方には荷がいっぱい積んでありました。
さすが貨物の大動脈、日本海縦貫線!
撮影後に後ろを振り返って「来ましたね!」と投げかけると、「いや、待っていたのはEF81の◯◯レ、なんだけどなぁ・・・ (´・ω・)ゞ」・・・とのこと。どうやらそちらは本当にウヤだったらしい。でも私としてはEF510の貨物でも、じゅうぶんに嬉しい収穫です。そして、この貨物列車の写真を見ると解るように、だいぶサイドの日当りが弱くなってきたので、ここで撤収を決意。もともと私は貨物の前に通過した413系の普通列車を撮ったら引き上げるつもりでいたので、これはほぼ予定通り。でも、思ったよりも普通列車に475系が充当されていなかったのは予想外で、結局、滞在中の三時間で通った上下二本ずつの普通列車のうち、本命の475系はわずか一カットのみという結果には、ちょっと物足りなさが残ります。しかし、このあとの予定を変更してまで光線状態の悪い場所で475系を待ち続けるのは得策ではないと考え、市振駅へ戻って予定通りの行程を進めることにしました。
私が乗る上り列車の三分前に入ってきた
下りの直江津ゆきは475系!Σ(・ω・ノ)ノヌオッ!
先ほどの俯瞰で唯一撮れた列車の折り返しですね。
13.4.28 北陸本線 市振
ホームの花壇にあったチューリップと
無理矢理に絡めて・・・。
本当は低速シャッターで列車をブラそうとしたものの、
カメラの設定をオートモードにしていたのを忘れていて、
中途ハンパな位置でビシッと止まってしまった、ダメダメ写真。
何でも慌てるとロクな結果にならないものです(^^;)。
13.4.28 北陸本線 市振
・・・続きます (^皿^;)。
北陸02・・・北陸本線 立山バック撮影記
GWの連休を利用してやってきた、北陸鉄道旅。前回からの続きです。
初日(4/28)となるこの日は、東京から上越新幹線、ほくほく線経由で北陸本線へ入り、まずは市振の俯瞰撮影ポイントから日本海をバックに特急「はくたか」や「北越」などの各列車を撮影。本命と位置付けていた元・急行形の475系はわずか一本しか撮ることができなかったものの、快晴という絶好のコンディションに恵まれて、気持ちの良い撮影ができました。まずは上々の出だしといっていいでしょう。午後になって光線状態が悪くなってきたところで、市振の俯瞰には見切りをつけて、次の目的地へと向かいます。
市振で次に乗る上り(富山方面)の普通列車を待っていると、
現れたのは、先ほど(前回)最初に撮った青一色の413系。
ゲッΣ( ̄□ ̄;)ウミボーズ…
やはり近くで見ると、「海坊主」はインパクトがあります(^^;)。
13.4.28 北陸本線 市振
市振から乗った金沢行きの普通列車は、すぐに県境を超えて新潟から富山へ。厳密にいえばここからが北陸地方になるのですが、鉄的には直江津から北陸本線へ乗った時点で、もう北陸へ入ったような錯覚に陥ります。ここであらためて、名実ともに北陸入りした北陸線の列車は、泊、入膳といった日本海に面した町や、立山・黒部アルペンルートの玄関口である黒部を通り、やがて富山平野へと差し掛かりました。しばらくはボーっと車窓を眺めていた私、しかしここからの風景には少しだけ注意深くなります。実は私が次の目的にと考えていたのは、富山平野で晩春に彩を見せる、富山名物のチューリップ。できればそれをどこかで北陸線の列車と絡めて撮りたいところ。この時期、同じ県内のチューリップ公園(砺波市)では、GW中にチューリップ祭りなるものが開催され、毎年観光客で大盛況になるそうです。ならば時期的に北陸線沿いにあるチューリップ畑も今が見ごろになるハズ・・・。しかし、その公園にあるチューリップはあくまでも観光客向けの観賞用で、連休中は無理にでも花を咲かし続けてくれます。ところが、私が求めている線路沿いのチューリップ畑は、観賞用ではなく球根栽培用。花が咲いて色が確認できると、すぐに花は刈り取られてしまい(球根の栄養が花に取られないための処置)、その刈り取り時期は例年だと4月20日前後。だいたいはGWだともう遅いものなのですが、刈り取りはチューリップの成長によって多少のバラつきがあり、あわよくば・・・との気持ちで私は車窓を眺め続けます。でもその淡い期待はもろくも砕かれ、列車は魚津や滑川などチューリップで有名な撮影地を通過するものの、すでにすべてが刈り取られた後らしく、その痕跡すらまったくわからない状態でした。やっぱ、ムリだったか・・・(´・ω・`) ショボーン。しかし、その代わりといっては何ですが、車窓には先ほどからずっと、立山連峰の見事な山並みが映し出されています。
残念ながらチューリップはありませんでしたが、
車窓には美しい立山連峰が広がっています。
13.4.28 北陸本線 魚津-滑川(車窓から)
過去に何度も北陸線の車窓から立山連峰を眺めているけれど、気温が上がって空気が霞みやすいこの時期の午後に、ここまでハッキリ、クッキリと見えているのは珍しい。ひょっとすると、これは千載一遇のチャンスかもしれません。そこで急遽、チューリップ畑から立山連峰へと狙いを変更 (ホントはチューリップ、立山、列車の三点が絡められればベストだったんだけどね ^^;)。立山を背景に北陸線の列車を撮ることができる撮影地へ向かうべく、私が列車を降りたのは東富山。
市振1417-(北陸552M)-東富山1505
その名の通り、富山の隣に位置する東富山ですが、
どことなく、のどかな雰囲気が漂います。
13.4.28 北陸本線 東富山
この東富山と、一つ手前(直江津寄り)の水橋の間にある、通称・立山バックと呼ばれる有名撮影地は、私もかねてから一度は行ってみたいと思っていた場所のひとつでした。しかしその思いを阻んでいたのは、徒歩鉄にはちょっと辛い、駅から撮影地までの遠い距離。ここは県境の山奥などではなく、富山の市街地に程近いような場所にもかかわらず、その駅間はとても広く、さらにアクセスとなるようなバス路線も見当たりません。参考までに雑誌やネット上の撮影地ガイドなどによると、アクセスは東富山から徒歩50~60分もかかり、中には「機材を担いで徒歩で行くのは、非現実的」とも記されています。実は撮影地までの直線距離では、東富山よりも水橋の方がだいぶ近いはずなのですが、途中で超えなくてはならない常願寺川には適度な位置に橋が架かっておらず、倍近くの距離を迂回して橋を渡ると、結果的に東富山よりも遠くなってしまうという。そんな何とも不便な撮影地なのです。
しかし、この日のような立山連峰がきれいに見えているベストコンディションを、撮影地が遠いからと言ってみすみす逃してしまうのはもったいない。「徒歩鉄」を自負している私、ここはなんとしても撮影地まで歩いてやろうじゃないか!(`・ω・´) -3フンス! 駅からの距離はあるものの、幸いにして目的地までの道は単純そう。15時05分の列車で東富山に着いた私、できれば15時50分過ぎに通過する特急「北越6号」を撮影地で迎えたく、目標のラップタイムは45分です。ガイドに書かれていた所要時間よりは若干短いけれど、まあ、なんとかなるっしょ。 と、歩き始めたものの・・・C= C= C=┌( ・_・)┘テクテク。
遠くに立山を臨み、どこまでもまっすぐ続く道・・・。
たしかに道は単純・・・いや、単純すぎる。東富山駅周辺の住宅街を抜けると、あとはひたすらに広大な田園地帯の農道を行くだけなのですが、これがかえって距離感を鈍らせます。歩けども~、歩けども~、まさに同じ景色ばかりε-(-ω-`)フゥ…。当然ながら遠くに見える立山連峰も一向に近づいてきません。こういう場合、遠くに見えるものを目標に歩いてはいけないのかもしれませんね。距離感に変化が無い分、疲れが増すように思います。しかもこういうときに限ってスマホの地図機能のGPSは、まったく明後日の方向を記していて役に立たないし・・・ ( - _ - メ ;)チッ 。撮影地に近づいているのか、それともまだ相当に距離があるのか・・・よく解らないまま、刻々と時間だけが過ぎてゆき、目標とする「北越6号」はそろそろ魚津を出るころ。焦りが出て、次第に歩みも早くなります。体が暑い、荷物が重い、足がイタイ・・・(´;ω;` )ツライヨォ。 もう「北越」は諦めようかと思いかけたその時、ようやく陽炎の向こうに撮影地の目印となる神社の鳥居が・・・!コレ、富山だけに、蜃気楼ってことはないよね・・・!?最後の力を振り絞り、やっとたどり着くことができました~ゴ━━━\(T▽T)/━━━ル!!。 よくみると神社の裏手には、すでに何人かの同業者が三脚にカメラを据えて待機しています。どうやらそこが定番ポイントらしい。私も挨拶してその中に加わると、程なくして傍らの踏切が鳴り出しました。
雄大な立山連峰を背に、北陸線を走り抜ける
485系T編成の特急「北越」。
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山
なんとか間に合って、「北越6号」を撮ることができました~\(≧▽≦)/ワーイ♪。しかもこの「6号」には、リニューアル車の「R編成」(3000番台)ではない、原型北越色の「T編成」が充当されており、前回の私が勝手に決めた「北越運」に当てはめると、これは「当たり」(笑)。頑張って歩いてきた自分へ最高のご褒美となりました。ああ、途中で間に合わないと思って心が折れかけたけれど、立ち止まらずに歩き続けて本当に良かった ・゚・(。ノ∀`)・゚・ 。ちなみにこの撮影地への到達は自分の徒歩鉄史上でも、間違いなく五本の指に入るほどの辛さでした。もしここへ行こうと思われている徒歩鉄派の方がいらっしゃるとしたら、足に結構な自信があるか、もしくは相当の覚悟が必要です(^^;)。
さて、苦労してここまで来たからには、もちろん「北越」だけ撮って帰るというわけにはいきません。次はもう一つのお目当て・・・というか、もともとこの日いちばんのお目当てである、475系を待つことにします。富山近郊のここは先ほどの市振よりも普通列車の本数は多く、475系を捕まえられる確率もグッと上がるはず。そんな期待込めて待っていると、さっそく「北越」の通過後に逆方向からやってきた下りの普通列車は・・・475系!
念願の475系を後追いながら、
立山バックで撮ることができました!
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山(後追い)
しかも原型ライトを保持する、いわゆる「デカ目」の編成でした。実は現存する475系は圧倒的にデカ目の方が多く、富山などでは決して珍しい存在ではないのですが、関東や東日本でデカ目はもうずいぶん前に絶滅してしまっただけに(デカ目としては微妙な扱いの、115系「訓練車」は残っているけれど・・・)、思わず懐かしさがこみ上げてきます。やはり急行形のこの顔にはデカ目がしっくりくるよなぁ・・・(´∇`*) 。できれば後追いではなく正面から撮りたいけれど、すぐに折り返して戻ってきてくれるかな?
続いて20分後に来た下り普通列車も、デカ目の475系。
富山近郊を中心に走る、黒部行きや泊行きがある分、
ここは市振よりも効率よく撮影ができます。
今度は少し引き気味のアングルにしてみました。
山脈は広く入るけれど、ちょっと迫力が減ったかな?
ならば今度は逆に、1.4Xのテレコンを噛まして圧縮し、
681系の「はくたか」を画面いっぱいに撮ってみました。
山や列車の迫力は増すけれど・・・画質わるっ (>_<;;) 。
やっぱし、ズームレンズにテレコンなど付けるべきではありませんね。
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山
レンズを変えながら試行錯誤していたところへ現れたのは、
寝台特急の「トワイライトエクスプレス」。
ホントはこの列車をチューリップ畑で狙いたかったのですが、
立山バックで後追いを撮ることになっちゃいました。
ちなみにこの撮影地は神社の裏手に位置するので、
振り返っても上り方を撮ることはできません。
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山(後追い)
山脈を広めに入れたり、テレコンを噛まして圧縮してみたりと、ズームレンズでいろいろ試してみるも、やはり最初に「北越」を撮ったくらいの画角が自分的には好みで、結局はそこに落ち着きます。アングルを安定させたのち、しばらくして下り方からやってきたのは、お目当てのデカ目475系!オッ(゚∀゚)キタッ!! どうやら先ほどの編成が帰ってきてくれたようです(実は二本目に撮った方)。
立山の麓をゆく、北陸色の475系。
今は日常的に見られるこの光景も、
近い将来は大きく変化することになりそうです。
はたして北陸新幹線延伸後のこの路線には、
どんな車両が走ることになるのでしょうか?
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山
市振俯瞰の海バックに続き、雪山が連なる立山連峰バックでも、快晴の空のもとでお目当ての475系を撮ることができて大満足!ホント、言うことなしです ヨカッタ(〃^▽^〃)ヨカッタ 。485系「北越」や475系など、ここで撮りたいものはもうだいぶ撮れたけれど、せっかく恵まれたこの好天。日が傾くにつれて徐々に赤みを増してきた立山を、もう少し撮影し続けたいと思います。おっと、その前に・・・市振と東富山でいろいろと撮りまくり、気が付けばメモリーカードの撮影できる残量が、あと8枚になっていました。以前にメモリーカードの残量不足でシャッターチャンスを逃したことがあって以来、私は残り10枚を切ったところで、カードを交換するように心がけています。
え~っと、替えのメモリーカードは・・・っと、
いつもカメラバックのなかに・・・(゚ー゚*)アレ?
・・・コッチのポケットかな? (・_・; )コッチ?
・・・レンズポーチに紛れている? ( ;・_・)ソッチ?
・・・ひょっとしてブロアーの陰に? ^(・д・`)ココカ?
・・・(゚д゚;)ナイヨ…
♪探し物は何ですか~、見つけにくいものですか~、
カバンのなかも、ポケットのなかも、
探したけれどみつからない・・・♪ ヘ(・ω・ヘ))) (((ノ・ω・)ノ
(邪道かもしれませんが、私はヨースイさんより、サイトーさん派☆)
・・・って、カ、カ、カ、カード(コンパクトフラッシュ)が無いー!Σ(゚□゚(゚□゚*)ナ、ナニーッ!! 予備のカードはいつもカメラバックに入れっぱのはずなのに、なぜ無いんだ!? 家に忘れてきた? それともどこかに落としたのか? どこかって、まさかさっきの市振俯瞰じゃないだろうな・・・アワワヽ(´Д`;≡;´Д`)丿アワワ。・・・まあ、撮影済みのものではなく、基本的にカードはカラに等しい状態なので、たとえ落としたとしてもまだ救われているけれど(結果を言うと、一枚は家にあるパソコンのカードスロットにささったまま、もう一枚はその傍らに置いてありました・・・←バカ (‐ω‐;) )、問題は今、そしてこの先の旅をどうするかと言うこと。とりあえずはもうここで撤収するか? でも、ひょっとしたら夕陽で赤みを帯びた立山連峰など、もう撮る機会に恵まれないかも・・・そう考えると、撤収する踏ん切りがつきません。ならば残り8枚で極力ムダ切りをせず、細々と撮影を続けるか・・・。なんとか今を乗り切り、今夜宿泊する富山へ行けば、明日以降に使用するカードを手に入れることができるかもしれない。私はそう考えて撮影を続行。それでもわずか8枚では心もとないので、今まで撮影した写真のなかから、少しずつ重要度の低い瑣末なカットを消去して枚数を稼ぐことにしました。ここでは誤って重要なものを消してしまわないようにする慎重さが求められます(ちなみに画質を落として枚数を稼ぐという選択肢は、私のなかにはありえませんでした)。その方法でなんとか残り8枚だったものが34枚にまで復活。鉄道写真の場合、一つの列車を連写したり、後追いで試し撮りしたりするので、意外と瑣末なカットは多いのかもしれません。34枚といえば、ほぼフィルム時代の36枚撮り一本に相当する枚数。これだけあれば、しばらくは持つか? さて、撮影の方へ話題を戻しましょう。
気を取り直して撮影再開。
赤い顔の「はくたか」が高速で過ぎ去ってゆきました。
これは市振で見たのと同じ北越急行車の「はくたか」ですが、
前回は681系で、今回の列車は683系。
ちょっとだけ顔が異なります。
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山(後追い)
日没が近づくにつれて撮影者の数は減っていくのかと思いきや、この時間になってからやってくる方が、けっこういらっしゃいます。私の隣にセッティングされたのは地元の方。お話を聞くと、この時期にしては今日の立山は地元民でもなかなかお目にかかれないほどクリアだそうで、しかもそれが休日に当たるのは本当に稀なのだとか。そしてこの条件で、もっともいい状態で捕えることができるのが、18時過ぎに通過する「北越8号」だとのこと。それを求めて、さらに続々と同業者は集まり、最終的には20人ほどにまで膨れ上がりました。しかし「8号」の運用は、朝に私が市振で見た「3号」の折り返しで、「ハズレ」と位置付けた3000番台「R編成」のハズ。それにしては同業者が多いように思います。でもその方によると、そんなことはここに集まった皆誰もが承知のこと。それでも撮影へ駆けつけるのは、もう車両の種類云々ではなく、この素晴らしい条件で、なんでもいいから列車を撮りたい。ただその気持ちだけだと・・・。たしかに、おっしゃる通りかもしれません。
うっすらと茜色に染まった立山に抱かれて、
R編成の特急「北越」が、金沢を目指して快走!
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山
その彼の言葉を裏付けるように、立山の麓で西日を浴びて現れたR編成のカッコよかったこと・・・。それはR編成を「ハズレ」だと言っていた自分が恥ずかしくなるくらい。と、同時に、この写真では肉眼で見たほどのカッコよさが10分の1も表現されていないように思え、もっと精進せねばならないなぁ・・・とも痛感させられました。そして隣人さんからはオマケ的に「次の下り普通列車は6連ですよ」との嬉しい情報もいただき、これに期待を高めて待っていると、日没ギリギリに現れたのは・・・
日暮れの帰宅ラッシュで、6連になった普通列車。
立山を臨みながら、乗客を家のある街まで送り届けます。
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山(後追い)
ぬはっ、またしても「海坊主」・・・Σ(´Д`lll)ヌヲッ!。 せっかく475系の6連だったのに・・・(・ε・`)チェッ。ほんのちょっと前まで、車両の種類云々ではなく、この素晴らしい条件で・・・などと諭されていたけれど、やはりどうみても、この「海坊主」と立山のコラボは似合わないよなぁ・・・。このままでは「海坊主」に始まり、「海坊主」に終わるような、気分的に面白くない一日になるので、日没後に無理を承知でもういっちょ。
日没となり、ブルートーンに包まれた立山山麓に
ライトを輝かせて走りゆくのは、681系「はくたか」。
13.4.28 北陸本線 水橋-東富山
475系の後追いからわずか10分ほどですが、日が沈むとこんなにも雰囲気が変わります。これで北陸旅、初日の撮影は終了。一日を通して、素晴らしい晴天に恵まれ、海バックの市振俯瞰、そして東富山の立山連峰バックと、どちらも大満足の結果を得ることができました。カードを忘れるという、情けないハプニングもあったけれど・・・って、Σ(゚д゚;) ハッ!! そうだ!急いで富山へ行って店が閉まる前にカードを買わなきゃ!「はくたか」を撮って撤収を終えたのが18時35分頃で、次の富山行きは東富山を19時19分。その次は19時53分なので、店が開いている可能性がある8時までに富山へ着くには、なんとしても19分の方に乗りたい・・・。再び往路と同じ45分という目標タイムで、私は東富山の駅へと戻るのでした。ε=ε=ε=┏(;´Д`)┛ヒイイィィィ
なんとか間に合った東富山19分発の普通列車は、
またしても413系でした。
結局、この日は一度も475系に乗れなかったなぁ・・・。
13.4.28 北陸本線 富山
東富山1919-(566M)-富山1925
お待ちかね、今日の一杯!
白エビ(手前)やホタルイカ(右)など、
GWの富山はまさに名物の旬尽くしです。
ちなみに奥にあるのはタケノコの昆布締め。
うーん、美味、美味!酒が進むぅ~!(*>∀<)クゥーッ!!
さらに干し甘海老なるもので、もう一杯。
今宵の酒はもちろん、銘酒「立山」。
今日の立山連峰を思い浮かべながら・・・。
ほろ酔い気分で赤ちょうちんの暖簾を出ると、
そこには道を横切る路面電車の姿が。
やっぱり路面電車が走る街での一杯はいいものです(^^)。
(この提灯は私が行った店のものではありませんが・・・)
13.4.28 富山地鉄市内線 新富町付近
ちょうちん越しに見た電車をおっかけ、
ガードレールにカメラを押し付けて、簡易の長時間露光。
ほろ酔いでも、なんとかブレずに止まったかな?
13.4.28 富山地鉄市内線 新富町
・・・二日目に続きます。~(~∀~*)~ウィ~
ONE-shot 119 ぐりん ぐり~ん♪
PICK UP ONE-shot 119 ぐりん ぐり~ん♪
ホントは木々の緑が車体色と同じくらいの淡い時期に撮りたくて、
4月中旬から下旬のちょうどいい頃合いの日に何度か訪れるも、
一度目は肝心の「みどりの山手線」が運転されておらず・・・。
二度目は直前に沸いた雲に遮られ、緑の発色が悪くなり・・・。
そして三度目は「みどり」の運転日+快晴にもかかわらず、
こともあろうか東武「スペーシア」の回送にカブられて、
先頭車が撮れず・・・と、撃沈を繰り返す日々。
あらためて、一本しか無い特定編成を狙う難しさを
痛感させられました。
その後、晴天の休日に私は北陸へと遠征へに出てしまい、
結局、四度目の正直(?)で、やっとこれが撮れたのは
5月に入ってからのこと。
もうだいぶ緑は濃くなってしまったけれど、
とりあえずは、思い描いていたのに近い絵は残せたかな?
都心にも、けっこう緑はあるものです (^^)。
13.5.3 山手線 原宿-代々木
ところで、タイトルの元になった、
どうも私は、Jリーグ・柏レイソルの
チャント(応援歌)を思い浮かべてしまいます・・・(^^;)
北陸03・・・富山地鉄「アルプスエキスプレス」 撮影記
GWの連休を利用してやってきた、北陸鉄道旅。前回からの続きです。
初日は北陸本線の撮影がメイン。午前は市振の俯瞰ポイントから日本海をバックに、そして午後は東富山で立山連峰をバックにして、元・急行形車両の475系や特急「はくたか」「北越」など、晴天に恵まれた空のもとで、思う存分撮影を楽しむことができました。そして二日目の朝は富山で迎えます。
4月29日(月・祝)
昨日はいつも以上にたくさん歩いたし、お酒もけっこう飲みました。これは朝までぐっすりと眠れそう・・・と思いきや、就寝中に突然、激痛が! グワアアァァΣ(゚口゚;#)ァァァアア!! あ、足が・・・つ、攣った・・・ (′Д`i|!)イツツツ...。そう、私を襲ったのはふくらはぎの痙攣、いわゆる「こむら返り」です。それだけ例の立山バックまでの道のりは、ハードだったということかな・・・(単なる運動不足?)。痛みが治まったところで時計を見ると、時刻は午前5時。なんともイヤな目覚め方ですが、皮肉なことに起床時間としてはちょうどいい頃合いで、カーテンの向こうはすでに明るくなっていました。ちょっと早いけれど、出発準備をするか・・・(*´0)ゞoOフアァ…。
宿泊したホテルの部屋からは、
朝日でシルエットになった立山連峰の稜線がクッキリ。
天気予報では曇りだったけれど、今日も晴れるかな?
ちなみに手前のカーブしている高架線は
建設中の北陸新幹線。
早朝の富山駅前には、
立山連峰を背にして、路面電車が待機中。
13.4.29 富山地鉄市内線 富山駅前
祝日の早朝で人影まばらなJR富山駅前のロータリーを横切り、私が向かったのは、もうひとつの富山駅。今回、久しぶりに訪れた富山では、この機会にぜひ訪れたいと思っていた鉄道路線がありました。それはここ富山を起点とする地方私鉄、富山地方鉄道。通称・富山地鉄(地鉄)です。
今日の旅はこの富山地鉄のターミナル、
電鉄富山駅からスタート。
13.4.29 富山地鉄本線 電鉄富山
富山地鉄の鉄道線(市内線を除く)は、富山と宇奈月温泉を結ぶ本線をはじめ、本線の寺田から分岐して立山へ向かう立山線、本線の稲荷町から南富山を経由して立山線の岩峅寺までの間を結ぶ、不二越線・上滝線の四路線からなり、全線が直流電化の単線。地域に密着した地元民の足としてだけでなく、その行き先を見ても解るように宇奈月や立山へ観光路線としての一面も持ち、かつてはJR北陸本線から直通の急行や特急なども運転されていて、前回に紹介した元・急行形の475系も急行「立山」として乗り入れていました。しかし現在ではJRからの直通運転は廃止され、線内は自社の車両が走るに留まっています。それでも、地鉄を走る車両はバラエティに富んでいて楽しく、いまだ訪れるファンの数も多い。最近では、ソネブロ仲間のあるまーきさんや、yasさんも、それぞれにお目当ての列車を求めて地鉄を訪れています。もちろん今回の私にもお目当ての車両があり、さっそくですが、まずはそれを撮りに沿線の撮影地へと向かいたいと思います。
自社発注のオリジナル車や大手私鉄からの譲渡車など、
バラエティに富んでいる、現在の富山地鉄。
左は地鉄オリジナルの14760形で、
右は元・京阪3000系の現・10030形。
私は右の「京阪さん(おけいはん?)」に乗り込みます。
13.4.29 富山地鉄本線 電鉄富山
元は京阪の特急車だった10030形の室内には、
転換クロスシートが並びます。
もちろん、乗り心地は上々(^^)。
私が富山地鉄の鉄道線に乗るのは、これが四度目。最初は小学生の頃で、父親に連れられて富山から乗車。どこか小さな駅で降りた覚えがあるのですが、どの駅かは記憶が定かではありません。ただハッキリと覚えているのは、当時乗った電車が上写真のような鮮やかな色ではなく、地味な紺色の電車だったということ。二度目は今から14年ほど前の99年で、地鉄の全線完乗が目的。もうその頃には地鉄オリジナル車に混じって京阪からの譲渡車も走っており、車両的には現在とさほど変わらないハズ。そして三度目はそれからわずか二年後の01年で、今度は黒部峡谷鉄道とアルペンルートにあるトロリーバス(立山黒部貫光と関西電力の二路線、トロリーバスも法令上は無軌条電車という鉄道扱いなので、鉄道全線乗車の対象としていました)の完乗ついでに、そのアクセスとなる地鉄へと乗っています。なので、今回の訪問は12年ぶり。でも今までは乗車ばかりだったので、本格的に沿線で撮影するのは今回が初めてです。
富山から本線の普通列車に乗って10分ちょっと。
味のある駅舎が印象的な、越中三郷で下車。
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷
電鉄富山0612-(地鉄本線107)-越中三郷0624
そんな富山地鉄の電車を撮るべく、私がやってきたのは越中三郷(さんごう)。バラエティに富んでいる地鉄の車両のなかでも、「地鉄マイスター」のあるまーきさんは、地鉄オリジナルの旧型車両(100020形・14720形)を主に追っておられるご様子で、大阪にお住まいのyasさんが胸を熱くさせるのは、今まさに私が乗ってきた元・京阪特急車の10030形。では私のお目当てはというと・・・地鉄オリジナルでも、元・京阪車でもなく、関東人にはちょっと懐かしい、この車両。
薄日を浴びて、緑色のガーダー橋を疾走するのは、
元・西武の特急「レッドアロー」! オオ! (゚∀゚)カコイイ!!
13.4.29 富山地鉄本線 越中荏原-越中三郷
撮影地の常願寺川に架かる鉄橋を颯爽と走り抜けて行ったのは、かつて西武の特急「ちちぶ」や「むさし」に使われた元・5000系「レッドアロー」で、現・16010形の「アルプスエキスプレス」。今回、私が地鉄を訪れたいちばんの目的は、この列車を撮ることでした。それにしてもなぜ、今さら「レッドアロー」なのか・・・。
何を隠そう、私はこの16010形が西武の特急として活躍していた時代を知る世代。しかし当時の私は国鉄やJRばかりに興味の対象が集中していて、私鉄特急にはほとんどカメラを向けることがありませんでした。過去の撮影記録を見返せば、かろうじて小田急ロマンスカーのSSEやNSEを撮っている程度で、西武5000系「レッドアロー」も、東武1720系「DRC」も、京成AE形(初代)「スカイライナー」も、現役時代を見ておきながら、み~んな撮らずじまい。私鉄特急の個性的な魅力に気づいたのは、すでに引退したずっとあとのことで、まさに時すでに遅し。しかしそのなかでかろうじて生き残ったのが、この富山地鉄に譲渡された西武「レッドアロー」でした。いつか撮りにいきたい・・・そう思うも、ついつい先延ばしになり、気がつけば西武から地鉄へ譲渡されて、18年もの歳月が流れてしまいました。そんな感じで、もう「レッドアロー」の存在など忘れかけていたとき、前述したあるまーきさんやyasさんの地鉄撮影記に「脇役」としてちょろっと出演していたのが、この「レッドアロー」こと地鉄16010形の姿。今の鉄道車両にはまず見られないような角張ったデザインは、まさに「昭和の私鉄特急」というにふさわしい面持ちで、今となってはそれが無性にカッコよく見えます。やはりこの名車を一度は撮っておきたい。撮影意欲が沸々と再燃し、今回ようやく重い腰が上がりました。ちなみにこの16010形、古い車両ではありますが今のところ引退予定はなく、今回は私お得意の(?)おくり鉄(葬式鉄)ではありません(笑)。
そのままの流れで、去り行く後ろ姿も見送ります。
画面が傾いているのは河原の石に足を取られたからで、
けっして「狙い」ではありません(^^;)
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷-越中荏原
そんな「レッドアロー」こと、16010形「アルプスエキスプレス」を撮るならば、特徴的な前面スタイルがよく解るように、右斜め45度の「釜本コース(古っ・・・´Д`; )」から流そうとあらかじめ考えており、そこで選んだのが富山地鉄の定番撮影地でスッキリと撮れる、ガーダー鉄橋の常願寺川橋梁でした。背景が青空ではなく曇っちゃったのは残念だけれど、やはりこの角度から見た並列ライトのお顔はシブいなぁ・・・(´▽`*)。ところが、地鉄ビギナーの私にとって予想外だったのは・・・あれ?「アルプスエキスプレス」って、富山駅の壁に掲げてあったような(タイトル写真)「うなづき」とか、「アルプス」といった、ヘッドマークが付くものなんじゃないの??σ(゜・゜*)ハテ? せっかくのハンサムなお顔もマークが空白では、なんとも間が抜けています・・・(´~`;)ウーン…。あとから調べたところによると、この「アルプスエキスプレス」は車両愛称であって種別ではなく、普通列車から特急列車まで幅広く使用されるらしい。そしてヘッドマークが掲出されるのは、特急運用のみだとのこと。たしかにこの撮影した列車は特急ではなく、急行の宇奈月温泉行き。なるほど、そう言うことだったのか・・・(´・ω・`)。
さて、今回は初めにメインとなる「アルプスエキスプレス」のカットからご紹介しましたが、ここで少しだけ時間をさかのぼることにしましょう。私が撮影地の最寄りとなる越中三郷の駅に着いたのは、「アルプスエキスプレス」が通過する約一時間前。駅から鉄橋を目指して線路沿いに歩みを進めていると、やがて広い田園地帯へと出ました。風もなく穏やかな朝、一面に水を張った田んぼは、まさに鏡状態です。
水面に姿を映して走るのは、朝日を浴びた14760形。
13.4.29 富山地鉄本線 越中荏原-越中三郷
地方私鉄とはいえ、このあたりの富山地鉄は宇奈月方面への本線と立山方面への立山線が乗り入れているために運転本数が多く、とくに朝方は上下合わせると10分間隔くらいで次々に列車がやってきます。目指す鉄橋のポイントまでは歩いて15分ほどなのですが、踏切が鳴るたびに歩みを止めて撮影。そのうちの上り列車一本が、嬉しいことにこの電車でした。
曇り空ながら、立山連峰を背にやって来たのは、
京阪特急色のリバイバルカラーを纏った10030形。
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷-越中荏原
京阪3000系のリバイバルカラー、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 一本しかない京阪復刻色編成、できればこれも撮りたい車両のひとつでした。またちょっとハナシが脱線しますが・・・
私には「メグミチャン」という、大阪出身で鉄子さんのお友達がいます。3月にそのメグミチャンと飲んだ際の会話で、「あおたけさんは、”そーしきてつ” なのに、京阪のテレビカーは撮らなかったの?(・ω・`) 」と、イタイところを突かれてしまいました。京阪のテレビカーとは、客室内にテレビを積んでいることで知られる京阪電車の特急形車両3000系(改番後は8030系)のことで、まさにこの富山地鉄を走る10030形の前身。最後まで本家の京阪に残っていた3000系最後の一本は、今年の3月に定期運用を終え、4月の臨時列車で引退となってしまいました。名車と謳われた京阪3000系、できれば私も引退発表後に一度くらいは撮影したかったところ。しかし、昨年の広島遠征帰りや、日帰りの大阪出張の際に撮影計画を企てるも、ことごとく公表されていた運転日とは重ならず、さらに今年の前半はメガネビンボーにより大阪へ遠征する経済的な余裕がなく、結局、京阪3000系は撮影できずに引退してしまいました。
私が撮った京阪3000系(8030系)は、
中之島線開業時の乗り潰しついでに野江で撮った、
この一枚が最後になってしまいました・・・。
08.11.5 京阪本線 野江
しかし京阪からは姿を消した3000系ですが、その一部は地方私鉄である、この富山地鉄と静岡の大井川鐵道へ譲渡され、編成こそ短いものの今でも元気な姿を見ることができます。地鉄に所属する元・3000系の現・10030形は基本的に、朝に乗ってきた「かぼちゃ色」と呼ばれる緑と黄色のツートンカラーへ塗り替えられているのですが、一編成だけ京阪時代のカラーが復刻されており、それが今撮った10033Fです。いや~、ここで出会えるとはホントにラッキーでした (メグミチャン、これで許してね ^^;)。
手前まで引き付けて、もう一カット。
伝統の京阪特急色が、クッキリと水鏡に映し出されました。
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷-越中荏原
ところが撮影ポイントを厳選したわけでなく、歩きながら片手間に撮っていたので、せっかく「立山バックの水鏡で京阪色」という願ってもない好条件にも関わらず、肝心の剣岳の真下に直立する「山◯ニット」さんの看板が入ってしまいました。それでも、もうこのアングルしか無いのならば諦めもつくのですが、京阪色通過後にほんの10歩ほど右へずれると・・・なんときれいに看板がかわせるではありませんか!Σ(゚〇゚;)ヌハッ! ああ、もう少しちゃんと見定めて、コッチで撮ればよかったよ・・・orz。そこで、いったん本命の「アルプスエキスプレス」を常願寺川橋梁で撮ったあと、再びその「10歩ずれた」水鏡ポイントへと戻ってきました(ちなみに「アルプスエキスプレス」をこの水鏡で撮らなかったのは、もうずっと顔アップの流し撮りと言うイメージが出来上がっていたので、初志を貫きました)。ここで狙うのはもちろん、そろそろ時間的に富山から折り返してくると思われる、先ほどの京阪色。富山到着後に車庫へ回送されちゃうって恐れもあるけれど、まあ、ためしに二~三本ほど待ってみる心づもりでいると、「アルプスエキスプレス」の三本後に富山方から現れたのは、期待通りの京阪色 (゚∀゚)! でも・・・
再び現れてくれた、京阪特急色の10033F。
この角度だと、シンボルの鳩マークがよくわかります。
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷-越中荏原(後追い)
残念ながら、剣岳をはじめとした立山連峰の山頂付近には低く雲が立ちこめ、さらに微風が吹いて水鏡も滲んでしまいました(´・ω・`)ショボーン。やはり好条件に恵まれるのは、ほんのワンチャンスであることが多く、いかにそれを落ち着いてモノにできるかが、勝負の分かれ目となるのですね ε=(‐ω‐;)ハァ…。それでも、撮れたらいいな程度に思っていた京阪色が、思いがけず立山バックの水鏡で撮れたのだから、まあヨシとしますか。
途中から京阪色の方へ話題が集中してしまいましたが、あくまでも私の狙いは元・「レッドアロー」の16010形。それを追って、次の撮影地へと移動することにします。
越中三郷で列車待ちの際に撮れた、何気ない日常のカット。
構内踏切のある駅は、フォトジェニックでいいですね(^^)。
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷
私が乗る下りの立山行きは、地鉄オリジナルの14760形。
ちなみに細かく数字が並ぶ地鉄の形式ですが、
その定義は私にはよく解りません・・・ヾ(゚д゚ )スマヌ。
13.4.29 富山地鉄本線 越中三郷
本線と立山線が分岐する寺田。
その分岐点にあるホームは三角形に近い形をしている、
ちょっとした「おもしろ駅」。
13.4.29 富山地鉄本線 寺田
単線の地鉄、主要駅で交換待ちをする際の停車時間は
ちょっと長めにとってあるらしく、先ほどの寺田で4分、
立山線と上滝線が接続する、ここ岩峅寺では6分待ち。
その間に、ちょっと駅なか散策を(^^)。
これは立山線ホームで、見えているのは私が乗っている列車。
13.4.29 富山地鉄立山線 岩峅寺
んで、木造屋根のついた通路を挟んであるのが、上滝線ホーム。
ちょうど到着したのは当駅止まりの上滝線列車で、
新塗装のかぼちゃ色に塗られた14760形です。
13.4.29 富山地鉄立山線 岩峅寺
本来、普通乗車券では途中下車できないのですが、
駅舎の外観が撮りたいと駅員さんにお願いして、
特別に外へ出ることを許可していただきました。
立派な構えの岩峅寺駅舎ですが・・・
どことなく、銭湯っぽく見えませんか? (^^;)ゞ
13.4.29 富山地鉄立山線 岩峅寺
本線との分岐後もしばらくは
平坦な富山平野を走っていた立山線ですが、
岩峅寺の次駅、横江を出たあたりから徐々に勾配を上げ、
車窓は山深い景色へと変化します。
13.4.29 富山地鉄立山線 横江-千垣(車窓から)
やがて列車は、立山線のハイライトともいえる、
常願寺川の渓流を跨ぐ千垣橋梁を渡ります。
川の向こうに立山連峰が望めるこの鉄橋上では、
観光サービスのために列車は速度を落として通過します
(鉄橋の老朽化で、速度が出せないとの理由も・・・^^;)。
13.4.29 富山地鉄立山線 千垣-有峰口
越中三郷で立山線へ直通する電車へ乗り、しばらく車窓風景を楽しみながら進んできましたが、その車窓に映った常願寺川を跨ぐ千垣鉄橋に並行する道路橋が次に目指す撮影地で、私は鉄橋を渡り切った立山側に位置する駅、有峰口で下車。
私の乗った列車が有峰口へ到着すると、
交換待ちしていたのは・・・京阪色!Σ(`0´;)ヌォッ!
ああ、できればこれを撮影地で撮りたかったなぁ・・・(´・∀・`)。
13.4.29 富山地鉄立山線 有峰口(車窓から)
この有峰口の駅舎も、とてもいい雰囲気。
地鉄沿線の駅舎は開業当時からの歴史を感じさせるものが多く、
訪駅するのが一つの楽しみになります(^^)。
ところでこの有峰口駅舎、
よく見ると軒下には「驛〇小」の文字(右から読み)が見えます。
不思議に思って、近くで掃除していた御老公に尋ねてみると、
数年前までは有峰口ではなく「小見」という駅名だったのだそうな。
(帰ってから調べてみたら、改名されたのは「数年前」ではなく、
もう40年以上も前(1971年)のことでした・・・^^;)。
13.4.29 富山地鉄立山線 有峰口
越中三郷0811-(立山線311)-有峰口0855
千垣鉄橋を撮影できる道路橋(芳見橋)は、駅から歩いて数分程度のところにあり、徒歩鉄には助かる「お手軽撮影地」。しかし、そこからの眺めはとてもお手軽とは思えない情景が広がります。ここで狙うのはもちろん元・「レッドアロー」の16010形。先ほどは西武時代の特急をイメージして、スピード感を強調した撮り方を選択しましたが、今度は富山地鉄を走る今現在の姿が撮影のコンセプトです。そういう意味では、緑豊かな自然に囲まれたなかにある高い千垣鉄橋はいかにも地鉄らしくて、うってつけのポイントと言えるでしょう。朝に越中三郷で撮った「アルプスエキスプレス」は、宇奈月温泉到着後に折り返し立山行きとなり、あと一時間くらいでここにやってくるハズ。とりあえず、その前に通過する普通列車などで試し撮りを・・・と思いきや、すぐに現れたのは「レッドアロー」!∑(゚∇゚;)ナニッ!?
アーチが美しい千垣鉄橋を渡るのは、二両編成の16010形。
まずはタテ位置で一枚。
13.4.29 富山地鉄立山線 千垣-有峰口
前述したように、この鉄橋上で列車は速度を落とすため、
何回かのシャッターチャンスがあります。
今度はヨコ位置にしてもう一枚。
新緑の谷に白+赤のツートンカラーがよく映えます(^^)。
実は16010形は二編成あり、そのうちの一本は先ほど撮った観光車両「アルプスエキスプレス」こと、第2編成の16013F。そしてもう一本は観光車両化改造が行われておらず汎用性の高い第1編成の16011Fで、今通ったのは後者の方。観光列車の「アルプスエキスプレス」は、事前に富山地鉄のHPで運用が公開されていて、私はそれを参考に撮影へ訪れたのですが、もう一本の第1編成の方は、まったくのノーマーク。モロに地鉄ビギナーの浅はかさが出てしまいました。でも、考えようによっては予定より早く、「千垣鉄橋上のレッドアロー」という狙いの絵が撮れたわけで、さらにこの後で通過する「アルプスエキスプレス」を同じ場所で撮る必要はありません。ならば撮影地を変えるか・・・。
上写真の16010形と有峰口で交換して、すぐにやってきたのは、
越中三郷から私が乗ってきた列車の折り返し。
やはりここで撮るならば「レッドアロー」よりも、
地鉄オリジナルで「雷鳥色」と呼ばれるこの電車の方が
富山地鉄らしい絵になりますね(^^)。
13.4.29 富山地鉄立山線 千垣-有峰口(後追い)
滞在わずか一時間弱。上下一本ずつですが、ウマい具合に「レッドアロー」と旧塗装の「雷鳥色」が撮れたところで、千垣鉄橋のポイントからは撤収します。だんだん行き当たりばったりになってきた富山地鉄撮影、はたして効率がいいんだか悪いんだか、よく解りません(^^;)。
有峰口からは再び下り列車へ乗車。
ここでホームに入ってきたのは、
あるまーきさんの好きな「二枚窓」の14720形。
13.4.29 富山地鉄立山線 有峰口
有峰口から下り方向へ二駅進むと、終点の立山。
構内では先ほどの16010形第1編成と14720形が並びました。
当駅からは立山ケーブルカーが接続しており、
立山黒部アルペンルートの拠点駅となっています。
13.4.29 富山地鉄立山線 立山
有峰口0946-(315)-立山0959
次に私が降り立ったのは、立山線の終点である立山。この駅の上り方(・・・といっても、終点なので下り方はないけれど)には歩いてすぐのところに、やはり千垣鉄橋同様、常願寺川に架かるガーダー橋(真川橋梁)があり、ここも駅から徒歩数分程度のお手軽撮影地。同じような鉄橋ポイントならば、移動する必要はなかったようにも思われますが、できれば少しでも絵に変化をつけたかったのです。
まずは乗ってきた14720形の折り返し。
考えてみたらこの日は、かぼちゃ色の新塗装より、
雷鳥色の旧塗装に恵まれている気がします。
13.4.29 富山地鉄立山線 本宮-立山(後追い)
続いて上り方向からやってきたのは、
16010形第2編成こと、本命の「アルプスエキスプレス」。
今度は特急「アルペン号」としての仕業なので、
しっかりとヘッドマークが掲げられていました
(遠景で見にくいけれど・・・^^;)。
13.4.29 富山地鉄立山線 本宮-立山
手前まで引きつけてもう一枚。
第2編成が観光列車の「アルプスエキスプレス」として運転される際には、
座席指定の中間車が組み込まれて三両編成となります
(平日は第1編成同様の二連)。
乗ってきた14720形の折り返し普通列車を見送ってから、待つことしばし。今度は予定通りに「アルプスエキスプレス」が川下の方からゆっくりと姿を見せました。近場で見ると、観光列車化改造されていない第1編成の方が「レッドアロー」のオリジナルに近くて好ましいのですが、遠景で撮る場合には、やはり三連の「アルプスエキスプレス」の方が絵になります。ここは千垣鉄橋に比べると、ちょっと背景がごちゃっとしているのが難点ですが、通過直前には雲の隙間から日も当たり、まずまずの結果を得ることができました(^^)。これで元・西武「レッドアロー」こと、16010形の撮影は終了です。すぐに立山駅へ戻って、乗るのはもちろんこの列車。
立山駅では16010形同士の並びが見られました。
ここは・・・西武秩父か!?Σ(・ω・ノ)ノ ヌヲッ!
奥の第1編成は宇奈月温泉行きの特急「アルペン号」で、
手前は富山行き普通列車の第2編成。
私が乗るのは富山行きです。
13.4.29 富山地鉄立山線 立山
観光列車「アルプスエキスプレス」の車内。
2号車は木材をふんだんに使用し、
簡易コンパートメントシートやシートを外向きに設置するなど、
いたるところに工夫が施されています。
もちろんこの車両のデザイナーは、JR九州で有名なあの方。
この2号車のみ座席指定券210円がかかります。
でも私が乗るのは、1号車の普通座席。
やはりこの方が落ち着きます(^^;)。
それでも、リクライニングシート装備とは、
なんとも豪華な「普通列車」です。
「アルプスエキスプレス」には専属のアテンダントさんが乗務。
2号車備え付けのカウンターでは座席指定券のほか、
軽食や飲み物、オリジナルグッズの販売などが行われています。
そんなアテンダントさんから購入したのは、
ご当地サイダー「黒部の泡水」。
北アルプスの雪解け水が蓄積された黒部川扇状地に湧き出る
天然伏流水で仕上げた、風味豊かなサイダー・・・だそうです。
たまには私だってアルコール以外のものを飲みます(^^;)。
「アルプスエキスプレス」の車窓に映るのは、
いつの間にか晴れて雲がスッキリと抜けた、立山連峰の山並み。
前日に続いてこの日も雄大な山容を拝むことができました。
13.4.29 富山地鉄立山線 稚子塚-寺田(車窓から)
朝の越中三郷から始まり、何カ所か巡ってみた富山地鉄撮影。本命の16010形のほか、京阪色の10030形や、地鉄オリジナルの14720形・14760形など、まさにバラエティに富んだ地鉄の車両たちをいろいろと撮ることができて、存分に楽しむことができました。また訪れる機会があれば、今度は宇奈月方面の本線でも撮影をしてみたいものです(^^)。
本当は上写真を見てもわかるように、昼近くになって立山連峰がクッキリと見え始めたことから、再び越中三郷あたりで下車して立山バックへでも行こうかと考えたのですが・・・実は、前回の撮影記で綴った「メモリーカード(コンパクトフラッシュ)問題」が、まだ解決していません。結局、前夜には富山駅周辺で開いているカメラ屋や家電量販店は見当たらず、そして今朝は6時に富山を出てきてしまいました。今回の地鉄撮影も枚数を抑えながら、撮っては消しての繰り返しで、だましだまし乗り切ってきたのです。いくら好条件が広がっていても記録メディアが無ければ撮ることはできず、車窓から見える立山連峰を恨めしく眺めながら、途中下車することなく私は富山へと戻るのでした。
富山へ到着した「アルプスエキスプレス」。
折り返しは特急の「アルプス号」となるため、
ヘッドマークが装着されていました。
13.4.29 富山地鉄本線 電鉄富山
立山1037-(320)-電鉄富山1145
・・・続きます。 メモリー…(´Д`;≡;´Д`) カード…
北陸04・・・氷見線「ハットリ君列車」撮影記
GWの連休を利用してやってきた、北陸鉄道旅。前回からの続きです。
でもその前に、まずはここで今回の記事を読むにあたっての注意点を・・・
今回の内容にはテレビ東京系列で4月に放映された「路線バス乗り継ぎの旅 第14弾」を参考にした経路が含まれており、まだ放映されていない関西地区などでは「ネタバレ」となってしまう恐れがあります。ソネブロ仲間のサットンさんをはじめ、当番組を楽しみにしていらっしゃる方は、あらかじめその点にご注意下さい(もしよろしければ、放映後にお読みいただけるといいかも知れません)。
二日日(4/29)となるこの日、午前中は富山地方鉄道(富山地鉄・地鉄)をメインに撮影。本線や立山線の各撮影地へと繰り出し、お目当てとなる元・西武「レッドアロー」の16010形「アルプスエキスプレス」のほか、京阪復刻色の10030形や地鉄オリジナル車両の14720形・14760形など、いろいろな車両を撮ることができました。できればもう少し地鉄での撮影を続けたいところですが、私にはそれができない事情がありました。そう、それは初日の北陸線撮影のときに発覚した「メモリーカード問題」。実は今旅で私は、デジカメを持って旅行へ出る際には決して忘れてはならない記録媒体(メモリーカード)の予備を、こともあろうか家に丸々忘れてきちゃったのです il||li(つд-。)il||li 。その結果、メインのデジイチ(デジタル一眼レフカメラ)で撮れる枚数は、朝の時点であと20枚ちょっと。地鉄撮影では枚数を抑えつつ、コンデジ(コンパクトデジカメ)との併用でなんとか乗り切ってきましたが、立山駅で16010形同士の並びを撮ったところで、ついにデジイチの撮影可能枚数は「0」。さすがにもう消せるような写真は無く、追い込まれてしまいました(前回紹介した「アルプスエキスプレス」車内での写真は、コンデジかスマホでの撮影です)。この先も撮影旅行を続けるには、やはりどこかで替えのメモリーカードを手に入れなければなりません。そこで、とりあえず地鉄撮影を終えた私は、街の規模が大きな富山へと戻ってきました。
北陸新幹線の延伸工事に伴い、
仮駅舎で営業中のJR富山駅(正面口)。
この駅前でスマホを使い、情報収集するも・・・(。-`ω-)ンー。
13.4.29 北陸本線 富山
デジカメに使用するメモリーカードにもいろいろな種類があって、コンデジや音楽プレーヤーなどで主流となっている「SDカード」は比較的手に入りやすく、コンビニなどでも買うことができます。しかし私のデジイチに必要なのは、もう少し大きいサイズの「コンパクトフラッシュ(CFカード)」というもので、SDカードに比べると転送速度が速いのが利点とされていますが、価格が高いのと、手に入りにくいのが難点で、これはカメラ屋か、もしくはデジイチを扱っている大型家電量販店などでないと、なかなか手に入れるのが難しいのです。しかし、ためしにスマホで富山駅周辺を検索するも、徒歩圏内には目ぼしいカメラ屋や家電量販店がヒットしません。富山駅前にあった写真屋はプリント専門店で、SDはあるもののCFは無し。やはり買い物にはクルマが主流の地方都市において、大型の家電量販店やカメラ屋の入ったショッピングモールなどは、駅前でなく郊外に行かなければ無いんですよね・・・(;´д`)=3トホホ…。かといって、タクシーで郊外まで往復するのはバカバカしいし・・・と、もう少し検索範囲を広げてみると、富山ではなく、高岡の駅前商店街にある一軒のカメラ屋さんがヒットしました (゚∀゚)オッ!。 高岡は富山の西側に隣接する、県内第二の中規模都市。富山からは北陸線の上りに乗って、20分ほどの距離です。このまま富山で探し続けても埒があかないし、もし高岡でもダメならば、もう金沢まで行ってしまおう。北陸地方第一の都市である金沢なら、間違いなくあるはず。そう思って、とにかく私は北陸線の普通列車へと乗り込むことに。
富山駅の北陸線ホームに入ってきた、
金沢行き普通列車は・・・海坊主の475系!(左)
ようやく今旅初の475系乗車です(^^)。
13.4.29 北陸本線 富山
475系に車内は、富山~金沢の都市間輸送で混雑していたため、
残念ながら往年の急行形を色濃く残した客室内の撮影は控え、
使用停止となっていた洗面所跡などを、かろうじて記録…。
Σ【◎】ω ̄*)パシャッ
ここで・・・いや、こんな時に限って、高岡方面へ向かう金沢ゆきの列車に使用されていたのは、元・急行形の475系 ∑(・ω・ノ)ノ ヌヲッ!。できればこの車両はもっと心に余裕があるときに、ゆっくりと長い時間をかけて乗り心地を味わいたかったところなのですが、今回の乗車は富山から高岡までのわずかな時間。しかも結果的に、これが今旅における最初で最後の475系乗車となりました・・・。いっそのこと、もうこのまま金沢まで乗り通してしまおうかとの考えもよぎるなか、やはり気分的には一刻も早く「メモリーカード問題」を解決したくて、私は予定通り(?)高岡で下車。
富山1219-(北陸434M)-高岡1237
大規模な工事が行われている高岡駅前(古城公園口)。
しかしこれは北陸新幹線の建設工事ではなく、
駅前広場の再開発によるもの。
北陸新幹線はルートの都合上から、この高岡駅は通らず、
ここから1.5キロほど離れた南側に、新高岡駅が設置されます
(高岡~新高岡は城端線でアクセスする計画)。
13.4.29 北陸本線 高岡
高岡はかつて、高岡城の城下町として盛えた歴史ある街。県内で唯一国宝に指定された「瑞龍寺」や、日本三大大仏のひとつである「高岡大仏」(あと二つは奈良と鎌倉ね)など見どころも多く、年間を通して多くの観光客が訪れます。
高岡駅の南側にある、国宝「瑞龍寺」。
これは四年ほど前に撮影したもので、
今回は観光をしている余裕はありませんでした・・・。
しかし、駅前のメインストリートにあるアーケードは、近年の地方都市によく見られるような閑散とした状態で、休日の昼過ぎにも関わらず人影はまばら。商店街も定休日なのか、閉店してしまったのかは解りませんが、シャッターを閉めた店が多い。まさか、私が目指しているカメラ屋も・・・なんて不安がよぎるなか、駅から5分ほど歩いたところに、そのお店はありました。シャッターは開いており、いちおう営業中のようなので一安心・・・なのですが、失礼ながらその構えは店名に「カメラの」とは付いているものの、どちらかといえばひと昔前の「街の写真屋さん」で、ウチはデジタルとは無縁といわんばかりに、懐かしいフ◯カラーのポップなどが店頭に飾ってあります (´Д`;)ダイジョブカ!? 。 おそるおそる扉を開けて中を覗くと、ショーケースの中央に鎮座していたのは、なんとキ◯ノンのT90!Σ(゚Д゚;)ナニーッ!! (1986年発売、もちろんフィルム使用の銀塩一眼レフカメラ)。まさかコレ、新品じゃないだろうな・・・(作り話のようですが、これホントのハナシです ^^;)。ちょっとしたインパクトを受けてボー然と立ち尽くしていると、店の奥からおかみさんが出てきてくれました。どうやら時間的にランチタイムだったらしい。とりあえず「コンパクトフラッシュは、置いてありますか?」と尋ねてみると、「フラッシュ? ストロボのこと?」という、これまた驚くべき返しが!(°△°;)エ… (クドいようですが、すべて実話です)。「・・・あ、いや、デジカメに使う、メモリーカードを・・・(・∀・;) 」と尋ね直すと、「う~ん、今は主人が留守なんで、おばちゃんにデジタルの詳しいことは解らないけれど、そこの壁にいくつかカードがあるよ」と、私の背にある壁を指差します。振り返ると、そのカードは「テレフォンカード」だった・・・(ノ;_ _)ノズルッ な~んてオチはさすがになく、たしかにSDをはじめとしたメモリーカード類が壁に並んでいます。そのなかに・・・あった!コンパクトフラ~ッシュ!ワ━ヾ(*≧∀≦)ノ゙━ィ!!!!。 ああ、ホントにヨカッタ・・・・゚・(´Д⊂・゚・。店にあったのは転送速度が最大で30MB/秒のタイプで、4GBが約4000円、8GBが約5500円。この転送速度でこの値段、首都圏の量販店などに比べると、ちょっと・・・いや、かなり高い値段設定だけれど(価格はオープンプライス)、この状況で背に腹は代えられません。私は泣く泣く5500円払って8GBの方を購入。支払いの際におばちゃんは「なんでこれはこんなに高いの!?」と驚かれており、私はさらに脱力。なんだかなぁ・・・(´∀`;)ハハ…。でも、何はともあれ、無事にメモリーカードが手に入り、これで撮影を再開することができます。
これが私の探していた「コンパクトフラッシュ」。
コンデジなどで一般的なSDカードより、
大きくて、厚みもあります。
さっそくカードをデジイチに装填して試し撮り。
高岡の駅前通りを走るのは
万葉線の低床式車両MLRV1000形「アイトラム」。
万葉線はここ高岡駅前から越ノ潟までを結ぶ、
第三セクター方式の鉄道路線。
高岡駅前から途中の六渡寺までは併用軌道を、
その先から越ノ潟までは専用軌道を走ります。
13.4.29 万葉線 末広町-高岡駅前
とりあえず、高岡の駅前通りを走る万葉線の電車で何枚か試し撮り。メモリーカードにはしっかりと撮影した画像が記録されているようで、使用に問題は無さそうです。さて、これからどうしようかなぁ・・・(*゜ヘ゜*) ウ~ン。当初の旅程ではまったく考えていなかった、高岡での途中下車。この日の予定はまさに白紙です。とはいえ、もうここまで来てしまうと、今さら富山へ戻って地鉄撮影に復帰するという気はおきません。ならば、不測の事態だったとはいえ、この高岡で降りたのも何かの縁。ここは高岡を起点とするいくつかのローカル線に的を絞ってみることにしましょう。
高岡に乗り入れる路線は北陸線の他、高岡から北上して氷見(ひみ)へ向かう氷見線、逆に高岡から南下して城端(じょうはな)へ向かう城端線、そして上写真で紹介した第三セクターの万葉線があります。このなかでもっとも沿線風景がいいとされるのは、富山湾の海沿いを走る氷見線で、私も過去に何度か乗車して車窓を楽しんでいる、お気に入りの路線です。しかし今まで沿線で撮影したことはありません。いっぽう、内陸部へ進む城端線の風景は氷見線に比べると地味で、私がこの城端線に乗ったのは乗り潰し目的で往復した一度だけ。ここは景色のいい氷見線で撮り鉄か・・・、それともこの機会で、久しぶりに城端線への乗り鉄か・・・悩んだ末、私は空を見上げて天気を確認。予報では曇りのハズでしたが、もうしばらくは晴天が持ちそうです。それならば、やはり富山湾を背景に走る氷見線を撮りたい(ちなみに万葉線は、四年前に高岡を訪れた際に終点まで往復しているので、今回は除外しました)。
しかし、運転本数がそれほど多くない氷見線。次の発車時刻までは、あと一時間半もの待ち時間あります。そこで私が訪れたのは、駅前のバス案内所。実はホントに偶々なのですが、この旅行へ出る前日にテレビで「路線バス」を使った旅番組が放映されており、さらに奇遇なことに、この高岡から氷見へと向かうバスルートがそこで紹介されていたのです。ひょっとするとそのバスをウマく使えば、一時間半後に高岡を出る列車を先回りして撮影できるかも知れません。期待半分に案内所で尋ねてみると、「次の氷見市民病院行きは、13時10分で4番のりばです」とのこと。13時10分・・・現時刻は13時をちょっと過ぎたところで、なんと次のバスまで10分もないではありませんか!まさにグッドタイミング!(゚∀゚)オオッ! でも、こんなにもタイミングよく来るのだから、きっと運転本数がそこそこはあるバス路線なのだろう・・・と思って、4番のりばの時刻表を見てみると、決してそんな事はなく、なんとこの次のバスは約一時間半後。これはもう奇跡的なタイミングと言っても過言ではないでしょう!オオーw(*゚o゚*)wスゲー!
時刻通りに入ってきたのは、
伏木経由氷見市民病院行きの加越能バス。
鮮やかな緑一色のノンステップバスでした。
13.4.29 加越能バス 高岡駅前
高岡から氷見方面に向かって走るバス。
その道中では鉄的にちょっと気になるモノを発見。
伏木を過ぎたあたりで不意に車窓へ飛び込んできたのは・・・
かつて北陸本線で使われていた「食パン電車」こと719系!
でも残念ながら、これは保存車などではなく、
この車両や奥に見えるバスが置いてあるここは、
リサイクル工場と銘打った、スクラップ処理場らしい・・・(´・ω・`)
市街地や工場地帯を抜けたバスはやがて、
富山湾の港湾地区を通り、海岸沿いへ。
鉄道同様、路線バスの車窓でも、
海が見えると気持ちがいいものです(^^)。
高岡駅を出発した氷見行きの路線バスは高岡の市街地を抜けると、かつて越中国の国府が置かれていた伏木の古い町並みを通り、やがて富山湾沿いへと出ます。このバスで私が目指すのは終点の氷見では無く、その少し手前にある景勝地・雨晴(あまはらし)海岸で、その海岸沿いにあるのが目的地となる氷見線の雨晴駅です。高岡からバスに揺られること30分、私は雨晴の駅前で下車。
高岡駅前1310-(加越能バス)-雨晴1339
バスでやってきた、氷見線の雨晴駅。
ここは雨と晴、両方の気象条件が揃った、
珍駅名のひとつです。
13.4.29 氷見線 雨晴
その雨晴というユーモラスな地名は、源義経が兄の頼朝に追われて京都から奥州へ向かう際、ここを通りかかったときににわか雨にあい、近くの岩陰で晴れるのを待ったことに由来するのだそうで、今ではその雨宿りをしたとされる岩は「義経岩(または雨晴岩)」の名で祀られ、観光スポットのひとつになっています。
雨晴駅近くにある「義経岩」が祀られた神社。
弁慶が岩を持ち上げ、その陰で雨宿りをしたという
伝説もあるのだそうな。
そんな義経伝説の残る雨晴ですが、もちろん私のお目当ては「義経岩」ではなく、その雨晴海岸沿いにある氷見線の撮影ポイント。でも列車の通過まではまだ時間があるので、まずは線路端ではなく駅の裏手にある砂浜へと降りてみました。実はこの浜辺からは、晴天で空気が澄んでいる好条件に恵まれると、富山湾の海上に立山連峰の山並みが見え、それが雨晴の絶景と言われているのです。しかし・・・
富山湾越しに立山方向を眺めるも・・・
山は霞んで、う~っすらと見る程度。(´・ω・`)
ちなみに左の島は
雨晴海岸のシンボル的な存在の女岩です。
さすがに前日の東富山で見られたような絶好の条件に連日は恵まれず、富山湾越しに見た立山連峰は霞んでいて、目を凝らさないとほとんど見えません。まあ、前日があまりにも恵まれすぎていて、冬場ではないこの時期は、本来こんなものなのかもしれないけれど・・・。
上写真をデジタル処理で
二段ほど露出アンダーにしてみると・・・
なんとか海上に立山連峰の姿が浮かび上がってきました。
でもこれじゃあ写真的に暗いよね・・・(^^;)
いちおう「富山湾越しの立山バック」が撮れるという、
氷見線の撮影地からも撮ってみましたが、
やはり露出アンダーにしないと立山は出ず、
線路や松の木は暗く沈んでしまいます。(‐ω‐;)
13.4.29 氷見線 越中国分-雨晴
このような状況だと、背景の立山連峰を出そうとすると露出アンダーで列車は暗くなってしまい、逆に列車の方を適正露出に合わせると、立山連峰は露出オーバーで白く飛んでしまいます。この場合、列車と山のどちらをメインにするかで露出が決まるワケですが、私の場合はやはり列車を優先させたい。それならば、未練が残るような中途半端な立ち位置ではなく、もう立山バックはスッパリと諦めて、もっと海の面積が多く入るポイントで列車を迎えることとしました。
穏やかな富山湾の海景色を眺めながら
のんびりと走る、氷見線のキハ40。
13.4.29 氷見線 雨晴-越中国分(後追い)
待つことしばし、海岸をかすめるようにやって来た氷見線の列車は「忍者ハットリくん」がラッピングされたキハ40の二連。これは「ハットリくん」や「ドラえもん」の作者、藤子不二雄先生の出身地が高岡であることにちなんだもので、JRの氷見線や城端線には「ハットリくん」が、万葉線には「ドラえもん」が描かれた列車が、運転されています。残念ながら待っている間に雲がどんどん沸きはじめて、列車通過時には薄日となってしまいましたが、なんとか雨晴の海沿いを走る「ハットリくん列車」という、氷見線らしい一枚を撮ることができました (^^)。ちなみにこの列車は、当初乗ろうかと考えていた高岡発14時15分の列車(539D)で、それを先回りして効率よく撮れたのは、まさに路線バスの存在を教えてくれた「アノ番組」のおかげ。何気なくチャンネルを合わせたテレビ番組だったのに、とても参考になったなぁ・・・(´▽`)。
さて、せっかくここまで来たのならば、もう一本くらい列車と海を絡めて撮影したい・・・と考えていたのですが、沸きはじめた雲はさらに広がり、気がつけば上空はすっかり鉛色になってしまいました。これでは空のみならず、海も青くはなりません。まあ、もともとこの日は曇り予報だったので、ここまでよく持ってくれたと考えるべきか・・・(´・∀・`)。次にここを通過する列車は30分後の上りの高岡行きで、それをここで撮るとなると、私が高岡へ戻るのに乗れる列車は、さらに一時間半後。前日のように日が沈むまで好条件が整っているのならば、一時間でも二時間でも撮影を続けるけれど、曇り空になってしまった以上、もうここで撮影する意欲は沸きません。それに、考えてみたらこの日は朝からサイダー一本しか口にしておらず、オナカも減っちゃったよ・・・(´Q`;)ハラヘタ…。結局、雨晴では一本の下り列車を後追いで撮ったのみで撤収。地鉄編でも書きましたが、私の行き当たりばったりは、効率がいいんだか悪いんだか、よく解りません・・・(^^;)
雨晴の駅に掲げてあった、観光看板。
空気が澄んだ冬の晴れた日には、
雨晴海岸からこんな絶景が見られるのですね。
できれば、いつかはこんな写真を撮ってみたいものですが、
冬の北陸は晴れの日が少なく、
地元民ではない旅行者がこのようなシーンを拝むのは、
かなり至難の業かな・・・(^^;)
雨晴の駅で乗車列車を待っていると、
さきほどの「ハットリくん列車」が折り返してきました。
この時点では単なるラッピング列車かと思っていましたが・・・(・・ )ン?
13.4.29 氷見線 雨晴
そんな「ハットリくん列車」の車窓から、雨晴海岸を臨みます。
浜辺を訪れている観光客からも
このラッピング列車は注目の的のようです(^^)。
13.4.29 氷見線 雨晴-越中国分(車窓から)
雨晴から乗った高岡行きの列車は、先ほどの「ハットリくん列車」。実はこの列車、単なる外装だけのラッピング列車かと思いきや、なんと所々の観光案内を「ハットリくん」の声で流してくれるのです。たとえば雨晴海岸だと、「左前方に海が開けて来たでござる。運が良ければ、海越しの立山連峰が見えるのでござるが、今日はどうでござろう? 左に見える大きな岩は義経岩でござる・・・」ってな具合。「ハットリくん」って「ドラえもん」ほどメジャーなキャラではないだけに、かえってその声には懐かしさを感じてしまいました。でも藤子アニメで私がいちばん好きなのは、やっぱり「パーマン」かな・・・(^^;)。越中国分で富山湾を離れ、往路にバスで通った古い町並みの伏木、万葉線との接続駅である能町、高岡古城公園最寄り駅の越中中川を過ぎると、まもなく終点の高岡です。「短い時間ではござったが、拙者との旅はいかがでござったかな?ではまた・・・でござる。ニンニン」。
高岡に到着した「ハットリくん列車」。
この「ハットリくん列車」は、とくに固定運用ではなく、
日によって異なるので、乗車できるかどうかは運次第?
13.4.29 北陸本線 高岡
雨晴1508-(氷見538D)-高岡1531
続きます・・・。ニンニン(@・д・@)/--=≡(((卍 シュッ!!
北陸05・・・福井鉄道200形 撮影記
GWの連休を利用してやってきた、北陸鉄道旅。前回からの続きです。
初日(4/28)は北陸本線の475系や特急「北越」を、そして二日目は富山地鉄で元・西武「レッドアロー」の16010形などを中心に撮影。天気にも恵まれて順調な撮影旅行だったはずなのですが、旅の途中で大問題が発覚。こともあろうに私は、デジカメ撮影に必要な予備のメモリーカードを、家に忘れるという大失態をしてしまったのですil||li(つд-。)il||li。そこで急きょ予定を変更、メモリーカードを求めてやってきたのは高岡。ここでなんとか無事に(?)カードを手に入れることができて撮影を再開し、せっかくここまで来たのならばと、高岡を起点とする氷見線へ立ち寄ったのでした。これが前回までの大まかなあらすじです。
雨晴での撮影後は氷見線の列車に乗って、高岡へと戻ってきました。実はこの日の撮影はこれでおしまい。あとは北陸線の上り普通列車に乗って、ひたすら南下するだけです。高岡から、金沢のある石川県を一気に通り越して、次に私が目指すのは福井。
金沢で乗り継いだ北陸線の福井行き普通列車は
増殖を続けるステンレス製車両の521系。
敦賀~金沢の普通列車は完全に同形式へ統一されてしまい、
現在では一部が富山まで運用範囲を広げています。
13.4.29 北陸本線 金沢
でもそれならば、前回の撮影記を高岡などで切らずに、この日の宿泊地となる福井まで進めたほうがスッキリとしていたのかも知れません。しかし、この時期に福井で一泊、しかも翌日はGWの狭間にある平日・・・この条件を先に伝えてしまうと、鉄分が濃い懸命な読者様なら、私の次の目的が容易に想像できてしまうはずで、いわゆる「ネタバレ」をちょっと避けたかったのです(^^;)。
高岡から普通列車を乗り継いで2時間15分、福井に到着。
転換クロスシートの521系は、長時間の乗車でも快適でした(^^)。
13.4.29 北陸本線 福井
05年に高架化となった福井駅。
再来年に予定されている北陸新幹線の延伸は金沢までですが、
福井周辺も現在、北陸新幹線工事のまっただなかです。
ただし、この福井を通る北陸新幹線の金沢~敦賀が開業するのは、
今のところ13年後となる、2025年度末の予定・・・ (´-` )トオイメ…。
13.4.29 北陸本線 福井
高岡1549-(北陸552M)-金沢1628~1638-(356M)-福井1805
まだ明るさが残る6時過ぎに福井へ到着し、まずは駅前のビジネスホテルにチェックイン。しかし、一息つく間もなくカメラを持って再び出かけ、私がやってきたのはJRの福井駅から150メートルほど離れた商店街にある、この駅(電停?)。
商店街にある電停に佇んでいたのは、
小さな車体のこの電車、福井鉄道770形。
13.4.29 福井鉄道福武線 福井駅前
そう、今回の北陸遠征で最後の目的となったのは、福井駅前の併用軌道を走る、この福鉄こと福井鉄道・福武線。福鉄福武線は、越前市の越前武生と福井市の田原町、および途中の市役所前から分岐して福井駅前を結ぶ、地方私鉄の電化路線で、越前武生から赤十字前までは専用軌道(いわゆる、ふつうの線路)を、そしてその先にある鉄軌分岐点から田原町・福井駅前までは併用軌道、つまり道路上を走るのが特徴。そこで現在の福鉄で主力に用いられているのは、両軌道に適した路面電車タイプといわれる、上写真の770形のような小さい車両です。
しかし在籍する一部には路面電車タイプではなく、昔から使用されている旧型の一般鉄道車両タイプ(これを在来車と呼ぶそうです)が残されており、私のお目当てはその在来車。なかでも福鉄生え抜きの200形がいちばんの狙い。実はこの福鉄200形の撮影には三年前の10年3月にも仕事の出張ついでに訪れているのですが、その時はいちばん撮りたかった「福鉄急行色」と呼ばれる203編成のみが撮れずに不完全燃焼。今回の福鉄訪問は、まさにその時のリベンジと言えるかもしれません。さらに最近では、低床式路面電車タイプの新型車両がデビューしたことから、200形の引退が囁かれており(ほぼ決定的!?)、この機会に急行色の203Fのみならず、他の編成(201F・202F)も、しっかりと記録しておきたいところ。
三年前、越前武生で留置中の姿は撮れたものの、
動いているところは見られなかった、急行色の203編成。
10.3.28 福井鉄道福武線 越前武生(再掲)
ただし以前も書いたように、通常だと輸送量の大きな在来型の200形が運転されるのは、「平日のラッシュ時」が中心で、休日にはほとんど出番がないらしい。祝日だったこの日も、田原町方向と福井駅前方向が分岐する市役所前駅でしばらく待ってはみたものの、やはりやって来るのは路面電車タイプの770形や880形ばかりで、200形は現れませんでした。そこで今旅では、あえて休日のみの三連休(4/27~29)をそのまま活用するのではなく、最終日は有給休暇を付け足して平日にかかるような行程にしたのです。200形撮影は翌朝のラッシュ時が勝負。今夜はその健闘を祈って、まずは一杯・・・。
今日の一杯。
電車通り沿いのふらりと入った居酒屋で
純鶏(メスの親鶏)とホタルイカの天ぷら(奥)を注文。
どちらも冷えたビールに合うっ!(*>∀<)クゥーッ!!
でも、ホントは福井といえば
「秋吉」で純鶏を食べたかったのですが、
お店は満席で、待ち客も多数でした・・・(´・∀・`)ザンネン。
シメは大根おろしで辛みの利いた、越前そばで。
お酒は福井の定番、「黒龍」です。
4月30日(火)
今旅は天気に恵まれていた方でした。しかし、この日はカーテンを開けると・・・外は雨。しかもけっこう強く降っています。ふだんからこの撮影記を見ているとお解りかと思いますが、私の撮影意欲は天気によって大きく左右され、雨の日に好んで撮影へ出ることは滅多にありません。というのも、徒歩鉄である私の場合は、撮影地で列車の待ち時間などに雨を凌げるような逃げ場がなく、体はもとより、カメラ機材の方も濡れてしまうのが心配。もし、この日のような雨天を東京の自宅で迎えていたならば、「え~い、もう今日はやめやめっ!ヾ(。`Д´。)ノ 」などと言って、二度寝を決め込んでいたことでしょう。しかしここで福鉄撮影を諦めてしまえば、ひょっとするともう二度と200形の撮影機会は無いかもしれません。そう考えると雨がイヤだとも言っていられず、私はなんとか撮影意欲を奮い立たせて、準備を始めることに ε-(-ω-`)フゥ…。ただし、当初はホテルをチェックアウトして、市街地の併用軌道区間と郊外の専用軌道区間を撮り歩こうと考えていたのですが、それをホテルから至近の併用軌道区間のみに変更。チェックアウトせずに荷物は部屋へと残し、ズームレンズを付けたカメラと傘だけを持って、外へ出ました。
併用軌道の路面を打ち付ける雨・・・。
ザーヽ`、ヽ`个o(・ω・。)`ヽ、`ヽザー
13.4.30 福井鉄道福武線 福井駅前
ちょっと特異な運転形態となっている福鉄の福井駅前周辺。
右下の武生方面から来た福井駅前行き列車は、
市役所前でスイッチバックして、福井駅前に入線します。
いっぽうで田原町行きはそのまま市役所前を直進するのと、
いったん福井駅前に立ち寄る2パターンがあり、
なかなか複雑です。(^^;)
宿泊したホテルの最寄り駅は前日にも訪れた福井駅前で、ここならば屋根のあるアーケードを伝いに進めば濡れずに済むのですが、上の地図で説明したように福武線の列車には市役所前を境にして福井駅前に寄るパターン(主に福井駅前発着)と、寄らないパターン(主に田原町発着)とがあり、その両列車を狙うには市役所前周辺まで出なくてはなりません。両駅間は500メートルほどで、歩いてもたいした距離ではないけれど、雨とともに時折強く吹く風に傘があおられて難儀します。そう言えばこの記事を書くにあたって、三年前の記事も見返してみたけれど、その時の天気も雨でした。どうも福鉄とは相性が悪いのかなぁ・・・(´・ω・`) (三年前は最終日に晴れたけれど)。雨のなかを歩いてたどり着いた市役所前駅のホームには、小さいながらも屋根があったので助かりました。まずはその下で田原町方向の直線を眺めていると、やがて雨煙の向こうに見えてきたのは、一灯のライトをオデコに輝かせた大きな車両・・・あっ200形だ!ε=(°ω° )キタッ!
早朝、交通量の少ない大通りを、
雨を突いて進んでくるのは、白い現行色の200形。
13.4.30 福井鉄道福武線 市役所前
併用軌道を我が物顔で進む、大きな電車。
これぞまさに福鉄撮影の醍醐味です。 オオ! (゚∀゚)カコイイ!!
お目当ての急行色ではなく、現行色(福鉄新塗装)の202Fではありましたが、さっそく200形を撮ることができました~ヽ( ´¬`)ノ ワ~イ。薄暗い雨のなかを力強く進んでくる200形、その勇姿ときたら・・・もう車体色など関係なく、素直にカッコいい! やっぱり雨でも、撮影に来てよかった・・・.。.:*(´▽`*).。.:*。。 このラッシュ時を中心に運用される在来車は、運用が固定されているのかどうか私には解らないのですが、とりあえずは一本目でさっそく200形が来るという幸先の良いスタートとなりました。
振り返って・・・
市役所駅前を発車してゆくところを一枚。
雨に濡れた路面が信号機を反射して、
なかなかいい感じです(^^)
スカッと爽やか・・・な空の下ではなく、
しっとりとした雨のなかで佇むのは、
真っ赤なコカコーララッピングの880形。
13.4.30 福井鉄道福武線 福井駅前-市役所前
こちらは200形と同じ「在来車」に分類される610形で、
元は名古屋市営地下鉄名城線の1200形。
やはりこの610形も新型への置き換え対象になるのかな・・・?
13.4.30 福井鉄道福武線 市役所前
雨の日の併用軌道、濡れた路面がライトなどを反射して意外といい雰囲気・・・などと思いながら、やって来る列車を次々に撮影。前述したように今までは極力、雨の日の撮影を避けてきた私ですが、ここであらためて雨には雨なりの面白さがあるものだと実感しました。こうなると、いっそのこともっと強く降ってくれなんて、撮り初めの時とは真逆の勝手なことを思うも、その意に反して雨は徐々に小振りとなってきてしまいました。そんな状況下で現れたのは・・・先ほどとは異なった色の200形!(゚∀゚)オッ!
770形とすれ違って、武生方からやってきたのは
旧・福鉄標準色の201編成!
大きさの違う両車両、比較が面白いです(^^)。
雨の日の通勤通学風景をスナップショット。
横断歩道の向こうに電車がある、
併用軌道ならではの光景ですね~(^^)。
今度は旧・福鉄標準色を纏った201F。これもなかなかシブい色で、お気に入りの電車です。しかしこの編成は、三年前に訪れた前回に併用軌道と専用軌道の両区間で撮影することができていた、言わば私にとって相性のいい編成。もちろん今回もこれが撮れたことはとても嬉しいのだけれど、三本それぞれ塗装が異なる200形のうち、今回もまだ急行色だけが来ないんだよなぁ・・・(´~`;)ウーン…。
通勤ラッシュの時間もピークを迎え、
だいぶ交通量が増えてきました。
そんななかを武生から折り返してきた現行色の201Fが、
クルマに取り囲まれるように、ゆっくりと走ります。
さらにしばらく待って、次に武生方からやって来た200形は、朝イチで撮った現行色の201F・・・と、いうことは、これでこの日の運用に入っている編成は一巡したことになるのか? またしても急行色は撮れないのかぁ・・・(´・ω・`)ショボーン と、諦めかけたその時! ∑(゚ロ゚〃)ナニッ!? なんと、その現行色の続行で来たのは・・・お目当ての急行色! キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
胸に掲げられた「福鉄」の羽根マークが誇らしい、
福鉄急行色(復刻)の203F。
深みのある、とてもいい色合いの電車です(^^)
福井の古豪、健在!
こんなシブい電車が今でもクルマに紛れて、
併用軌道上を走ってくるのですから、
ファンとしてはもう堪りません!o(≧ω≦)o クーッ!
やっと念願の福鉄急行色が撮れました~ヤタ━ヽ(^▽^☆)ノ ━ッッ!!。そう、私はこれが動いているところを、ずっと撮りたかったのです。ああ、やっぱりこの色はいいなぁ・・・。三年越しのリベンジをようやく果すことができました(^^)。
さて、せっかく捕まえることができた急行色。できればこの折り返しを専用軌道の浅水(あそうず)辺りまで行って撮りたいところですが、ホテルに荷物一式を置いてきてしまったためにそれは断念。ここは無理をせず、折り返しは朝イチに現行色を撮った、田原町方の直線で待つこととします。この市役所前は終点の田原町に近い(二駅手前)ので、程なくして急行色は戻ってきました。
朝イチと同じ場所とは思えないほど、クルマの量が増えた大通り。
その中央を堂々と急行色の200形が走り抜けます。
道路を行く一般形鉄道車両、こんな面白い情景が
福井ではもうすぐ見納めになってしまうのでしょうか?
新緑の街路樹を背景に、
前パンを高々と振りかざして、街中を走る203F。
今旅における福鉄訪問のお目当てだったこの車両、
最後の最後で来てくれたことに感謝です。
朝のラッシュ時を中心に二時間半ほど撮影。その間に三種すべての200形が撮れ、曇天とはいえ大満足の結果を得ることができました。では、もう200形に思い残すことは無いのかというと・・・やはり専用軌道区間での撮影もしたかったし、乗車の方も楽しみたかったところ。はたして200形に残された時間はあとどのくらいなのか、それまでにまた私が会いに来られるような機会はあるのか・・・は、解りませんが、200形には、たとえ引退の日が刻々と近づいているとしても、一日でも長い活躍を願うばかりです。
その200形を置き換える予定の低床式新型車両、
F1000形「FUKURAM(フクラム)」。
なかなか個性的なマスクのトラムですね・・・(^^;)
13.4.30 福井鉄道福武線 福井駅前
この福井鉄道を持って、今旅の撮影目的はすべて終了。いったんホテルの部屋に戻って荷物を取り出してから、JRの福井駅へ向かいます。
福井には福井鉄道の他、
勝山や永平寺口、三国港方面へと伸びる、
第三セクターのえちぜん鉄道もあります。
今回は寄ることができませんでしたが、
この路線にもいずれまたのんびりと訪れたいところ。
ちなみに福井に停車していたこの車両は
元・JR飯田線で使用されていた119系で、現・MC7000形。
13.4.30 えちぜん鉄道 福井
福井から乗るのは、
米原経由の名古屋行き、特急「しらさぎ」。
683系が貫通タイプを先頭にして入ってきました。
13.4.30 北陸本線 福井
直江津から始まった北陸本線旅。市振、東富山、富山、高岡、そして福井と、所々で途中下車して撮影しながら、鈍行列車で南下してきましたが、もう立ち寄るところはなく、最後は特急「しらさぎ」で一気に米原まで走破します。これで北陸本線は端から端まで完乗(終点から起点へと進んできたけれど)。北陸新幹線の金沢延伸により、大きな変動が予想される北陸本線。今、この時期に全線を通して乗れたのは、いい機会だったと思います。
「しらさぎ」のなかで味わう、北陸旅最後の食事は、
やはり北陸における味覚の王者・越前ガニをふんだんに使った
「越前・焼かにめし(¥1200)」
カニの出汁で炊いたご飯の上に、甘みのあるカニのほぐし身と、
香ばしく焼いたカニ足を乗せた、見た目も豪華な駅弁です。
値段はちょっと張るけれど、コストパフォーマンスは文句ナシ!
☆☆☆☆・ (゚д゚)ウマー。
敦賀を過ぎると大きくカーブし、車窓に見えてくるのが、
上り線と下り線がクロスする、有名なループ線(鳩原ループ)。
鉄的には上り線でこの情景を見ると、北陸旅の終わりを実感します。
さらば、北陸!ヾ(・д・。)マタネー
13.4.30 北陸本線 敦賀-新疋田(車窓から)
この旅行記の冒頭にも書いたように、今旅はとくにGW限定のネタとなるような臨時列車やイベントなどにはとらわれず、しばらくご無沙汰だったという理由でこの北陸地方を旅先に選びました。市振で高台から眺めた青い日本海、東富山で苦労の末に辿り着いた立山の絶景ポイント、富山地鉄で再会できた大手私鉄の名車たち、予期せぬ事態からの流れで立ち寄った雨晴、雨のなかで力強い走りを見せてくれた福鉄の古豪、そして各地で味わった美味しい名物やお酒の数々・・・など、結果的にいい選択だったのではないかと思っています。残念ながら、今旅に掲げた「Not even trouble. I want to get travel!!(”トラブル”ではなく、私がしたいのは”トラベル”なんだ!)」という気持ちに反して、またしても「メモリーカード問題」というトラブルを自ら引き起こしてしまいましたが、終わってみれば、懐は痛んだものの、ブログ的にはいいネタになったのかもしれません (って、少しは反省して、これを教訓に忘れ物をなくせよ・・・(´Д`;) )。長々と綴ってきた旅行記にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。今度泊まりがけで遠征に行けるのは、夏休みかな~?
旅のラストランナーは東海道新幹線。
米原に止まる「ひかり」は、てっきり700系かと思っていましたが、
嬉しいことに乗り心地がよくて、コンセントが装備されている、
N700系でした(^^)。
13.4.30 東海道新幹線 米原
今旅で使用したのは
東京都区内から上越新幹線・上越線・ほくほく線・
信越本線・北陸本線・東海道新幹線経由で
東京都区内までの、いわゆる大回り片道乗車券。
上は片道乗車券の圏外にあたる、雨晴から高岡までの乗車券です。
福井1036-(しらさぎ6号)-米原1144~1155-(ひかり518号)-東京1410
ONE-shot 120 初夏の入間川にて。
PICK UP ONE-shot 120 初夏の入間川にて。
団体列車として、珍しく八高線へ入線した
スカ色の115系(M40)を撮りに、
同線随一の撮影名所である入間川橋梁へ。
高さがあって、足の長いガーダー橋のここは、
どう切り取っても絵になるような鉄橋で、
平行する道路橋からも手軽に
スッキリと全景を撮ることができます。
でも、せっかくならば川の流れを強調したくて、
河原へと降りてみました。
この日の気温は25度を超える夏日。
川の浅瀬に裸足をつっこんで撮影していても
冷たさを感じずに、気持ちいいほどです。
しかし、青空には恵まれず、
清涼感が半減してしまったのは残念・・・(´・ω・`)。
晴れていても雲が多めに感じる、今日この頃の空模様。
梅雨が近づいてきている証でしょうか。
13.5.19 八高線 金子-東飯能
JR貨物・・・「東京貨物ターミナル駅」一般公開 見学記
ちょっと・・・いや、かな~りの鮮度落ちとなってしまいましたが、今回はGW中、5月5日のお話です。今年のGWは前半の三連休(4/27~29)と後半の四連休(5/3~6)に分けられ、長々とお伝えしてきたように、私は前半の三連休を使って北陸地方へ遠征。旅自体は存分に満喫できたものの、運賃、宿泊費、飲食費に加え、自分のミスによる「忘れ物」もあって、かなり出費が嵩んでしまいましたε-(‐ω‐;)フゥ。こうなると、いくら四連休といえども遠出する余裕はなく、GWの後半はおとなしく都内近郊で過ごすことに。それでも連休ともなれば、近隣の各地でもいろいろなイベントが催されてされています。そのなかで、私がぜひ行ってみたいと思っていたのが、東京・品川の大井埠頭近くにある日本最大の貨物駅「東京貨物ターミナル(東タ)」の一般公開。ふだんは一般の人が立ち入ることができない貨物専用駅が公開されるのは稀で、とくに貨物に疎い、自称・貨物オンチの私にとっては、JR貨物所属の機関車や貨車などを間近で見ることができる貴重な機会です。連休中のイベントともなれば混雑は必至ですが、たとえ展示されている車両がきれいに撮れなくても、中の様子を覗けるだけでじゅうぶんとの思いで、イベントへ足を運んでみることにしました。
5月5日(日・祝)
・・・とはいうものの、当然のことながら貨物専用の東京貨物ターミナル駅に旅客列車は運転されておらず、列車へ乗って直接アクセスすることはできません。貨物オンチの私は東タの正確な場所もうろ覚え。え~っと、たしか平和島だか、大井競馬場のあたりにあるんだっけ・・・?σ(゚・゚*)ンート… と、あやふやな記憶では頼りにならず、HPにあったイベントのリリースで確認してみると、最寄り駅は羽田空港へ向かう東京モノレールの流通センター駅で、そこから徒歩15分とのこと。なるほど。では、それに従って、まずは浜松町からモノレールへと乗り込みます。
浜松町に入ってきた、
折り返し羽田空港第2ビル行きのモノレールは・・・
お、復刻塗装車(1019F)だ。 (゚∀゚)オッ!
でも個人的に昔の東京モノレールは赤い方に馴染みがあるので、
できればその色も復刻して欲しいところ。
東京モノレール羽田空港線 浜松町
運良く、私が乗っているモノレールと、
東海道新幹線のN700系がしばらく並走。
あれ?でも都内で東海道新幹線の車窓に
こんな水っぺりを走るところがあったっけ?(・_・?)ハテ
と、お思いの方がいらっしゃるかもしれませんが、
この川は京浜運河で、N700系が走っているのは、
大井にある車庫(大井車両基地)へと続く回送線です。
東京モノレール羽田空港線 浜松町-天王洲アイル(車窓から)
連休中ということもあってモノレールの車内では、空港へ向かう大きな荷物を持った人が多く見られました。でもそれ以上に多かったのが、目的地は私と同じだと思われる、同業者や家族連れ。開場の30分前を目安にしてきたけれど、やはりかなりの人出になりそうです。
浜松町0908-(東京モノレール)-流通センター0918
東タの最寄り駅に指定されている流通センター。
モノレールの駅というと
近代的なイメージを思い浮かべますが、
69年開業の当駅の駅舎は、平屋の一軒家風。
東京モノレール羽田空港線 流通センター
駅を出たら東側の埋立地方向へと向かい、
先ほどモノレールの車窓から眺めた京浜運河を渡ります。
この日は雲ひとつないいい天気~(^^)
ここは羽田空港に程近いこともあり、
空を見上げれば旅客機の姿が。
飛んで行ったのはAirDo機
ああ、本場のジンギスカンを食べに札幌へ行きたいなぁ・・・。
(トリミング済み)
下車した流通センターの駅前から東タまでの間には、各所に道を案内する係員が配置されていましたが、その必要がないほどに道筋は一目瞭然。もうすでに、たくさんの人が東タを目指して列を成しています。私もそこへ付いて行くように産業道路沿いの倉庫街を進んでゆくと、やがて「JR貨物 東京貨物ターミナル駅」の文字を掲げた駅舎・・・というより、社屋っぽいビルが見えてきました。
駅名が掲げられた、
東京貨物ターミナル駅のメインゲート(上)と、
そのゲート脇にあるのが、駅の本おく(下)。
これも「駅ビル」・・・ですが、
ショッピングモールは併設されていません(笑)。
東海道貨物線 東京貨物ターミナル
到着は予定通り開場の30分前。ゲートにはすでに長~い行列ができていました。これは開場されても、入場するまでには相当な時間がかかるかな・・・と思いきや、開場時間の10時を過ぎるとぐんぐんと列は進みはじめ、ほぼ待つことなくスムーズに会場内へと入ることができました ε~((((((((っ´∀`)ノ スイスイ~ッ 。それだけ中は広いということか!?
開場と同時に多くの人が中へ。
ゲートに「おかげさまで40周年」の文字が
掲げられているので解るように、
今回のイベントは東タの開業40周年を
記念して開催されたもので、
東タの一般公開は40年目にして初とのこと。
構内の入り口に掲げてあった、荷役ホーム
(コンテナなどの荷物の積み降ろしをするホーム)の案内図。
こんなものも、一般人からしたら新鮮です(^^)。
ちなみに今回のイベントのメイン会場は
左端の18番ホームと21番ホームの間です。
会場内では全国各地の物流を担うJR貨物のイベントらしく、地方産の野菜販売(ジャガイモやタマネギ)なども行われています。でも、やはり私が真っ先に向かういちばんの目的は、もちろん車両展示。頭では焦らないようにと思いつつも自然と足早になり、物販コーナーを抜けた先に見えてきたのは、この豪華なラインナップ!・・・と、人だかり(笑)。
国鉄形など人気の機関車には
多くのファンが集まって人垣ができています。
なんとかかいくぐって撮影しなきゃ・・・。(*`ω´*)-3フンス!!
EF65PFのトップナンバーであるEF65 1001の他、
JR貨物の貴重な機関車がズラリ!(゚∀゚*)スゲー!
この1001号機は現在、すでに車籍はなく、
乗務員の教習用として使用されているのだとか。
それでも解体されずに残されているのは嬉しいかぎり。
今回のイベントでいちばん注目を集めていたのが、
最近、休車状態から奇跡の復活を果した、
国鉄色のEF66 27。
やはりこの機関車のスタイルはカッコイイですね~!
とくにサイドから眺めたシャープな面構えは秀逸です。
☆.。.:*ウーン(´▽`*)カコイイ.。.:*☆
同じEF66でも、こちら(手前二機)は、
JR化後に製造された100番台。
その色合いからファンに付けられたアダナは「サメ(鮫)」。
奥の二機はJR化後に開発されたEF210で、愛称は「桃太郎」。
今も増備を続けるEF210は、
前述のEF65やEF66(0)を次々に置き換えることで、
国鉄形ファンを脅かしています。((((;゚Д゚)))ヒイイィィ
ディーゼルエンジンと蓄電池、双方の動力源を協調する
ハイブリッドシステムを搭載した構内入換機のHD300
(Hは"Hybrid"を意味します)。
この901号機はその試作機で、東タ構内の入換えに就いています。
なんだか海外の機関車みたいなデザインですね~。
これは貨物"列車"ではなく、貨物"電車"のM250系、
「スーパーレールカーゴ」。
日本の貨物では珍しい機関車牽引ではなく、
動力分散式、いわゆる電車方式が採用されています。
この面白い列車、一度は撮ってみたいとは思うものの、
深夜から早朝にかけての運転がメインで、
なかなか撮影機会に恵まれません・・・(‐ω‐;)。
EF210は貨物列車の編成が組成された状態でも
展示されていました。
先頭に掲げられていたのは
「コンテナ特急 たから」のヘッドマーク。
その編成に入っていた黄緑色のコンテナは、
09年にコンテナ輸送50周年を記念して製作されたもので、
国鉄時代のコンテナをイメージしているらしい。
そう言えば昔のコンテナって、こんな色でしたね・・・。
さらに編成中には車掌車のヨ8000も。
車掌車って最近見かけなくなりました。
今でも使われるのは、特大貨物か、配給輸送くらいかな?
そしてEH500は運転実演(笑)。
ミニSLならぬ「ミニ金太郎」というところが、さすがJR貨物。
しかも実車同様に「がんばろう東北」の
ステッカーが付けられるという芸の細かさです。
それにしてもこのミニ列車、
運転する機関士以外の定員は一人だけ・・・? ∑( ̄□ ̄;)エッ!?
EF65 1001やEF66 27といったファン垂涎の国鉄形から、ふだんはあまりお目にかかれないHD300やMC200系「スーパーレールカーゴ」まで。充実した展示内容に大満足です(^^)。ただ、やはりできれば電気機関車などは架線のあるところでパンタを上げて欲しかったところですが、それは贅沢な願いかな・・・(´・∀・`)。
機関車の撮影は以上ですが、配布された案内図を見ていると、もうひとつ気になるモノがありました。それは懐かしい形をしたこのクルマ。
構内の外周をまわる体験乗車に使われていたのは、
懐かしいボンネットバス!
しかも【列車代行】なんて表示が
また泣かせるじゃないですか!Σd(´∀`)イイ!
体験乗車の合間に設けられた撮影タイムでは、
きれいな順光で公式側を撮影することができました。
でも表示は、なぜか【水戸】に変わっちゃった・・・。
う~ん、ツバメマーク付きのボンネットバスとは、シブいなぁ・・・。私はバスファンではないけれど、この無駄のない機能性重視の無骨なデザインには、惹かれるものがありますね。ちなみにこのボンネットバスはJR貨物のものではなく、どこかの保存団体が所有しているもので、いろんなイベントなどに貸し出されている様子。最近ではいすみ鉄道でキハ52とのコラボも実現しているらしい。
会場でのお昼ゴハンは、焼きそばをチョイス。
肉も野菜もほとんど入っていないんだけれど、
こういう外のイベントで食べる焼きそばって、
妙に美味しく感じるものですよね~。(゚д゚)ウマー
(夏フェスとか・・・ね、たじまーるさん☆)
会場内では前述した農産品の他、鉄道部品や鉄道グッズの販売なども行われていましたが、どこも黒山の人だかりだったし、金銭的にも余裕が無かったので(鉄道グッズはけっこうお高いっ ^^;)、何も買わずに・・・いや、250円の焼きそばだけを購入して (;´Д`)セコッ… 、コンテナ脇で展示機関車を眺めながらいただいたのち、私は会場を後にするのでした。
流通センター1219-(東京モノレール)-浜松町1229
冒頭にも書いたように、貨物に疎い私にとって今回のイベントは、貴重な機関車や貨車類を間近に眺められるまたとない機会になりました。でもやっぱり鉄道車両は展示されているものよりも、動いているところを撮りたいもの。最近復活したEF66 27なども、できれば力強い走行シーンを撮ってみたいけれど・・・それは貨物オンチを卒業しなきゃムリかな (^^;)。
☆ダン吉・なおみの(?) オマケ・コーナー☆
今回展示されていた国鉄形のうち、EF66 27は一度も撮ったことが無いのですが(国鉄色のEF66は過去に撮っているけれど、27号機は見当たらなかった・・・)、EF65 1001の方は何度か撮影機会がありました。そのなかでもちょっと忘れられない、こんなエピソードをば・・・。
今から25年も前のちょうどGW。私は「とある列車」を東北本線と高崎線が分岐する大宮駅で待ち構えていました。お目当ての列車は高崎線からやってくる上りの列車で、編成写真をきれいに撮るには、対向の東北線上りホームがいい。そこで待つことしばし・・・しばらくすると、お目当てが到着する直前に見えてきたのは、PFが牽引する貨物列車。しかも近づいてきてよく見ると、トップナンバーである1001号機です。その列車は高崎線ホームと東北線ホームの間にある中線にピタリと停止。
大宮に入線して来たのは1001号機が牽引する貨物列車。
後ろに引き連れている茶色いワム(二軸の有蓋貨車)も
今となっては懐かしい。
88.5 東北本線 大宮
この頃から貨物のダイヤなどには疎かった私。偶々やってきた貨物の牽引機が、1001号機とはラッキー!(´∀`*) ・・・かと思いきや、とんでもない!ここにこの貨物列車が居座られては、高崎線ホームに到着する本命の列車が隠されてしまい、このままでは撮影どころか見ることさえもできません Σ(゚Д゚#)ナニーッ!!。当時は国鉄色のPFなどまったく珍しいものではなく、1001号機といえども特別な存在ではありませんでした。それどころか「なんだよ、このク〇PF!邪魔しやがって!!」などと、私は暴言を吐き捨てるように、大慌てで階段を駆け上がって撮影ホームを変更 ε=ε=ε=┏(;゚ロ゚)┛ヒイイィィィ。どうやらこの貨物はここで私の本命列車を待避するダイヤが組まれているらしく、もう高崎線ホームでは本命列車の接近を知らせる案内放送が流れていました。はたして撮影は間に合うのか!? その本命というのが、実はこの列車。
1001の貨物を横目に見ながら、
高崎線ホームへと入ってきたのは、
なんとロクイチ牽引の「サロンエクスプレス そよかぜ」。
そう、当時絶大な人気を誇っていた「ロクイチ」こと、EF58 61が牽引する信越線の臨時特急「サロンエクスプレス そよかぜ」。私はこの列車の編成写真をキッチリと撮りたくて、大宮駅での停車を狙ったワケなのですが・・・見事、1001の貨物にカブられてしまいました。もちろんこのときは思い通りの写真が撮れずに落胆 orz。でも今見返すと、営業運転中のネタガマ同士が本線上で並ぶという、貴重な一枚となっていたのでした(笑)。
そんな1001号機も08年に引退。(´;ω;`)
末期には惜別のヘッドマークも掲げられました。
08.1.24 南武線 矢川-谷保
ONE-shot 121 Lucky Collaboration !
PICK UP ONE-shot 121 Lucky Collaboration !
一編成しかなくて、出会えるとラッキーといわれる
「みどりの山手線」。
そしてその下を行くのは、同じく一台のみの存在で、
都電荒川線を運行する東京都交通局が
ソネブロ仲間の FTドルフィンさんが撮影されていて、
二番煎じになってしまうけれど、
やはり「みどりの山手線」を記録するうえで、
この都電とのコラボは欠かせないシーンのひとつです。
停車中だと外との明暗差がありすぎて、都電が潰れてしまいます。
下で三ノ輪橋方面の都電が電停を発車するという
企業の広告が入った電車はイヤだなぁ・・・
何度も何度もタイミングが合わずに撃沈を繰り返すうち、
そんな贅沢は言っていられなくなってきました。
ヽ(´▽`)ノワーイ ♪
秩父鉄道・・・「JNRデフ」のC58 363 撮影記
「首都圏からもっとも近い、SLの走る鉄道路線」として知られる埼玉の地方私鉄、秩父鉄道。しかし私はといえば、幾度となく訪れているにもかかわらず、SL(蒸気機関車)をメインに撮ることはほとんどありませんでした。というのも、以前にも書いたように私は蒸気機関車の現役時代をほとんど知らない世代で、決してキライというわけではないけれど、どちらかといえば蒸気機関車よりも電気機関車や電車、気動車の方に心が惹かれます。なので、私が秩父鉄道を訪れる目的は、元・国鉄通勤型電車の101系(現・秩父鉄道1000系)か、SLの不具合などで代走となる電気機関車の撮影ばかり。最近では沿線の桜を求めて4月に訪ねていますが、そのときもSL列車の運転日だったことすら知らなかったほど。ところが先日、秩父鉄道の公開イベントでお披露目となったSLことC58 363には、そんな私でさえ思わず心動かされるような、驚きの装備が施されていました。それが「JNRデフ(正式には「JNRマーク」入りの後藤工場タイプ)」。「デフ」というのは、蒸気機関車の前方両サイドに取り付けられている除煙板「デフレクター」のことで、走行中の煙の流れを上向きに誘導し、運転室からの前方視界を保つ役割があります。普段は無地で真っ黒な鉄板であるこの部分に今回のC58 363が特別仕様で入れたのは、なんと日本国有鉄道、つまり国鉄を表す「JNR(Japanese National Railwaysの略)」マークだったのです w(゚o゚)wオオッ!!
4月に訪れたときには、標準のデフレクターを装備で
SL列車「パレオエクスプレス」を牽引していた
秩父のC58 363。
13.4.5 秩父鉄道 ひろせ野鳥の森-大麻生 (再掲)
「JNRマーク」は国鉄時代、485系や583系の先頭車側面などにも入れられていて、私としてはSLのデフよりも、そっちの印象が強くて懐かしい。しかし近年のリバイバルブームで国鉄特急色が各地で復活するものの、このJNRマークまで忠実に再現されていたのはJR九州の485系とJR北海道のキハ183系(すでに廃車)くらいでした。
昨年5月に撮影したJR九州の485系。
JRの現役車両でJNRマークが入っているのは
このDo32編成くらいかな?
上・12.4.28 日豊本線 大神-杵築
下・12.4.30 鹿児島本線 小倉
(ともに再掲)
シャープでスピード感のあったJNRマークは国鉄時代当時からとても好きなデザインで、それだけに丸みの帯びたJRマークへ差し替えられたときには、少なからずショックを受けたものでした。そんなJNRマークが現代に復活。しかもJRの特急車両ではなく、まさか秩父鉄道のSLで見られるなんて・・・。SLに疎い私には、この「JNRデフ」に関する謂われや、現役時代にこの装備を施していたカマ(機関車)などの詳細はよく解りませんが(どうやら秩父のSLと同型機で、かつて北海道で活躍していたC58 33を模して復刻したものらしい)、写真を見る限りこれはとてもカッコイイ (・∀・)! 前述したように私は秩父鉄道を4月に撮影したばかりで、訪れるにはかなり短いスパンになるけれど、この「JNRデフ」は6月いっぱいの限定装備。では、いつ撮るかって・・・щ(゚д゚щ)今でしょ!(って、このフレーズも、もうすでに古くなってきたような・・・^^;)
んなわけで、今回は二ヶ月ぶりの秩父へ。
6月1日(土)
今回は西武池袋・秩父線経由で秩父へ向かいます。
乗るのは10000系ニューレッドアローの特急「ちちぶ」。
西武池袋線 所沢
だいたい私が秩父鉄道を訪れるときのパターンとしては、東武東上線で寄居か、4月のように高崎線で熊谷へ出て、寄居や長瀞周辺で撮影し、秩父から西武秩父線で帰るという反時計回りが今までの定番。しかし今回は少し撮影地に変化をつけてみようと、目的地をいつもよりも西側(三峰口方向)にある白久あたりを考えています。となると、東上線や高崎線よりも、いちばん西にアクセスする西武線で入る方が効率いい。でも、都心の池袋からダイレクトに秩父へ行くことができる西武線の快速急行は、ハイキング客でけっこう混雑するんだよなぁ・・・(´~`;)ウーン。私のように途中の所沢から乗りこむ場合は座れないことも大いに考えられます。そこでちょっと贅沢だけれど、今回は途中駅からでも確実に座れる、全席指定の有料特急「ちちぶ」をチョイス。ちなみに贅沢といっても、特急券は乗車券にプラス500円(所沢~西武秩父)程度で、ウチの最寄り駅からだとJRの普通乗車券で熊谷へ出るよりも、ずっと安く済みます。特急ならではの快適なリクライニングシートに身を委ね、所沢から約一時間で西武秩父着。
国分寺0719-(西武国分寺線)-東村山0730~0732-(西武新宿線)-所沢0736~0753-(ちちぶ5号)-西武秩父0852
西武秩父は秩父鉄道との接続駅ですが、秩父鉄道側は御花畑(おはなばたけ)の駅名で、この西武秩父とは少し離れており、本来はいったん西武の改札を出て一般道を渡らなくてはなりません(乗換所要時間は5分程度)。しかし、私が乗った特急「ちちぶ」に接続する三峰口行きは、西武の車両を使用した西武秩父を経由する直通電車で、御花畑まで歩かずに乗り換えを容易に済ますことができました。( ̄∀ ̄ )ラッキ
特急の乗り継ぎで待機していたのは、
西武線から直通する、秩父鉄道の三峰口行き。
もともとこの列車の始発駅は西武池袋線の池袋で、
私が初めに乗ろうと考えていた快速急行の末端部分にあたります。
使用車両はボックスシート装備の西武4000系。
西武秩父線 西武秩父
西武線からの連絡線(渡り線)を通り、秩父鉄道へと入った三峰口行き。この電車に乗り続けていると、目的の撮影地がある白久に着くのは9時15分。昼過ぎに通過するSL「パレオエクスプレス」までには、まだ三時間以上もの時間があり、いくらなんでも早すぎます。ならば、もっとゆっくりと家を出てきてもよかったのですが、せっかく秩父鉄道の撮影へ行くのに、お目当てが「パレオ」だけではもったいない。そう、もちろん私のもう一つの狙いは、引退危機にある1000系。「パレオ」の通過前に一本でも撮れればめっけもんです。そう考えて私が下車したのは、白久の一駅手前にある武州日野。
西武秩父0957-(秩父鉄道S1)-武州日野0911
立派な木造駅舎の武州日野。
基本的に全てが有人駅(業務委託含む)の秩父鉄道では、
山間の小さな駅でも駅長室の看板が見られます。
秩父鉄道 武州日野
この武州日野駅の裏山には小さな神社があって、ホーム脇(改札外)にあるその参道・・・というか、獣道のような細い山道には幾重にも鳥居が建てられています。その鳥居と列車を絡めた写真を以前にソネブロ仲間のgardenwalkerさんが撮られており、私もかねてから一度は行ってみたいと思っていた撮影ポイントでした。
武州日野駅脇の細い道に連なる鳥居。
そこをあがってゆくと、とても小さな風穴神社があります。
初夏の緑に囲まれた細い参道は、なかなかいい雰囲気。ここでしばらく1000系を待ってみたいと思います。ただし一つ不安材料となるのが、この区間は秩父鉄道でも末端の部分にあたるため、手前にある影森止まりなどの途中駅で折り返す運用に1000系が入ってしまうと、ここには現れません。そういえば4月に1000系を撮りに来た時は、大半が影森止まりの運用だったよなぁ・・・。でも、先週の「ONE-shot」で紹介したラッキーコラボのように、自分で言うのもなんですが、何となく最近は鉄運があるような気がします ( ´_ゝ`)フーン 。何の根拠もないけれど、きっと一本くらいは1000系が来てくれるさ・・・と、楽観的に思っていると、そこへ現れたのは! Σ(゚∀゚)オッ! ・・・もう、おなじみの「東急さん(元・東急車)」 (´д`)ナーンダ…。ま、そんなもんだよね。
緑深い参道の鳥居をかすめて走りゆくのは、
元・東急8090系の7500系。
秩父鉄道 武州日野付近
続く上り列車も、東急さん。
今度はヨコ位置で撮ってみましたが、
覆いかぶさるように木々の緑が入るタテ位置の方が
個人的には好みかな・・・。
次に見えてきた下り列車は木々の隙間から
白い屋根がチラッと見えたので、
思わず「白1000か!?」と期待するも、
現れたのは先ほど私が乗ったのと同じ、直通列車の「西武さん」。
少し森に入って、参道を見下ろすようなアングルにしてみました。
4連の西武4000系はホームの有効長ギリギリに停まるため、
後部は参道のすぐ真横になります。
武州日野には止まらずに通過してゆく、急行「秩父路」。
この6000系は元・西武101系を改造して誕生した車両で、
言ってみれば、これも「西武さん」(^^;)。
う~む、東急さんや西武さんばかりで、いっこうにお目当ての国電さんが来ない。数を減らして、今や三編成のみとなった1000系、やはり捕まえるのはそう簡単なものではないか・・・(・ω・`)。でもそんな状況で、実は確実に1000系が運用に就くという列車がこの日は存在するのです (=゚ω゚=)ナヌ!? 。それは今月(6月)の土休日に全線(羽生~三峰口)を通して運転される「俳句展示列車」。その名の通り、俳句コンテストで入賞した句を車内に展示する企画列車(運用上はただの普通列車)で、この列車には嬉しいことにスカイブルーの1000系(1001F)がヘッドマーク付きで限定使用され、運転時刻も秩父鉄道のHPで公表されています。な~んだ、それならばこの列車を鳥居アングルで撮れれば・・・と言いたいところなのですが、問題はその運転時刻。よく調べてみると、この「俳句列車」こと1523列車はSL「パレオエクスプレス」の前走り運用にあたり、その差はわずか15分しかありません。もしも「俳句列車」をこの神社で撮るとすると、徒歩鉄の私には他への移動時間が無くなり、続く「パレオ」もこの撮影地で撮ることになってしまいます。鳥居アングルはたしかにいいポイントではあるけれど、ここで「パレオ」を撮ったら肝心の「JNRデフ」が鳥居の柱とカブってしまいそう・・・(-"-;)ウーム…。やはり今回の本命はあくまでも「パレオ」の方なので、それはデフが解るようにスッキリとしたところで撮りたい。となると、残念ながら鳥居アングルでの青1000は諦めざるを得ないという結論になりました。でもそれならば、もう割り切って神社からは撤収し、「俳句列車」も「パレオ」と同じ場所で撮ったほうがよさそうです。そこで私は少し余裕をもって「俳句列車」の二本前の電車に乗り、白久へ移動することを決めました。ところが、撤収して武州日野のホームで下り列車を待っていると、入ってきたのは・・・この電車。Σ(゚Д゚;)ナニッ!
ホーム脇の鳥居を横目に、
白1000こと、秩鉄色1000系(1010F)が登場!
秩父鉄道 武州日野
あああ、白1000・・・ (´Д`;)。あと一本粘っていれば、鳥居アングルでコイツが撮れたのね・・・orz。でも情弱の私からすると、1000系がどの運用に入るのかなど把握できず、いつ来るかはまさに時の運のようなもの。こればかりは仕方ないか・・・。ここは気持ちを切り替えて、残り少なくなったこの1000系に乗れることを喜びましょう(たった一駅だけどね ^^;)。
青いモケットのロングシートが並ぶ1000系の室内。
その様相は国鉄101系時代から、
ほとんど手が加えられていません。
そして天井でぶんぶん回っていた扇風機の中央には、
あの「JNR」マークが。
C58のデフを見る前に、早くもマークと対面しちゃいました(^^)。
武州日野1127-(1519)-白久1131
奥秩父の山里にある白久駅。
近くには温泉(白久温泉)があるとのこと。
秩父鉄道 白久
1000系に揺られてやってきたのは白久。この駅の下り方には大きくカーブを描く築堤があり、秩父鉄道のなかでも超ド定番といわれる撮影地のひとつです。ここは当然ながら同業者で混み合うことも予想される場所なので、もし立ち位置に余裕が無ければ、少し離れたサイドから「JNRデフ」が解るように撮れればイイや・・・と思いながらも、まずは定番ポイントの踏切へ行ってみると、意外にも先客は少なめ。あっさりといい場所を確保できちゃいましたヽ(・∀・)ノワーイ 。近くで待機していた方とお話ししてみると、どうやらこの日は高崎線で秋田新幹線用E6系の甲種輸送という大ネタがあり、けっこうそっちに流れたのではないかとのこと。ちなみに私はその輸送情報すら知らなかったよ・・・(^д^;)(ソネブロ仲間では、ゆるキャラさんやtwingo583さんが、しっかりとこのE6系甲種を記録されています。う~ん、さすがだなぁ・・・)。あと、鈍足の「パレオ」の場合はクルマでの追っかけが利くので、終点に近いこの場所は通過直前で一気に撮影者が増えるとも言っておられました。なるほどね・・・。
そんなお話を伺いながら、私は列車の通過時刻を再確認。予定では二本後の下り列車に例の「俳句列車」、そして三本後が本命のSL「パレオエクスプレス」なので、まずは次に来る一本目の列車で、ある程度のアングル調整をしておく必要があります。どうせ東急さんだろうと思いつつ、試し撮りのつもりでカメラを構えていると、カーブの向こうから見えてきたのは・・・あっ!
初夏の秩父路を行く、国電復刻色の1000系(1003F)。
緑濃い山に鮮やかなオレンジ色が映えます。
秩父鉄道 白久-三峰口
チューオーセン、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
鳥居アングルで見放されていた1000系、ここにきて、まさか白とオレンジが連続で来るなんて・・・って、あれ?ちょっと待てよ σ(゚・゚*)ンート…、たしかこのあとの上りはさっきの白が折り返して来るハズで、さらに次の下りは「俳句列車」だぞ!? と、いうことは・・・
今度は逆方向から白1000が走り去ってゆきます。
秩父鉄道 白久-三峰口(後追い)
チチブノシロイヤツが、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
さらに・・・
そして予定通り
「俳句列車」のヘッドマークを掲げて現れたのは、
スカイブルーの1000系(1001F)。
秩父鉄道 白久-三峰口
ケーヒントーホクセンも、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
オレンジ、白、青の現役1000系が立て続けに三連チャン。これぞまさしく、秩父鉄道版「ジェットストリームアタック」! アヒャヒャヒャ(゚∀゚≡(゚∀゚)≡゚∀゚)ヒャヒャヒャ (・・・なんのこっちゃ)。このうち一本でも鳥居アングルで撮れていれば・・・は、言いっこなしで、これは素直に嬉しいラッキーサプライズでした。そんな思わず本命が霞んでしまうほどの1000系による華麗な連続攻撃(?)を受けたのち、一息ついたところで、山あいに汽笛が響いてきました。もう一度気を引き締め直してファインダーに集中。いよいよ今度は、ラスボスとも言うべき「黒いヤツ」を仕留めます(もう、意味解らん)。
築堤上に姿を現した、
C58 363牽引のSL「パレオエクスプレス」。
ドラフト音を響かせて、力強い走りを見せるC58 363。
もう少し煙を期待したいところでしたが、
まわりの民家に配慮して、あまり煙をはかないとされる
秩父鉄道では、こんなものなのかな・・・。
おお~スゴい迫力!やはり間近で見る蒸気機関車の重厚感は、電車とはひと味もふた味も違います!ε=(°ω° ) ムフーッ! 私の場合、ふだんあまりSLを撮らないだけに、余計に新鮮味を覚えます。でも肝心の「JNRデフ」はといえば・・・少しでもサイドを目立たせようと、1000系よりちょっと引き気味のアングルで構えてみたのですが、反射もあって思ったよりも解りづらい。う~ん、さすがラスボス、一筋縄ではいかない・・・。ならば、これならどうだっ! ε-(`・ω・´)フンス!
C58 363のデフに燦然と輝く、JNRマーク!
ズームリングを広角側に回して、目一杯引き付けてみました。これならば「JNRマーク」もバッチリ~ヽ(´▽`)ノワーイ♪ ・・・ですが、ちょっと引き付けすぎたかな?(ギリギリ、フレームには収まっていますけどね・・・^^;)。実ははじめから狙っていたのは、この広角で引き付けた方だったので、カッツカツながらも個人的にはほぼ思い描いていたとおりの絵が撮れて大満足です (^^)。去り行くSLの残り香を嗅ぎながら余韻に浸って、ホッと一息・・・している余裕はなく、急いで撤収して築堤の反対側へ ε=ε=ε=┏(; ゚Д゚)┛アセアセ 。そう、今の「パレオ」と交換して次にやって来る上り列車は、先ほど下った「俳句列車」の青1000なのです。
三峰口から戻ってきた青1000「俳句列車」。
こちらの上り方先頭車にはパンタグラフがなく、
尾灯脇にはジャンパ栓受けの跡が残っているなど、
さらに国鉄101系っぽさが色濃く残ります。
ちなみに写真を見ると中間車の側窓が開いているのが
お解りいただけると思いますが、
これは中間車のみが非冷房であるため。
秩父鉄道 三峰口-白久
「俳句列車」の運用は前述したようにHPで公表されていたので、この時刻に戻って来るのはあらかじめ解っていましたが、それにしても先に下ったオレンジではなく、あとから下った青の方が先に戻って来るあたりは、さすが難解な秩父鉄道の運用といったところ (^^;)。
開いた踏切から停車中の正面をでーんと撮ってみました。
引退危機にある1000系のうち、
この青が熊谷の側線に留置されている姿を
やなぼーさんのブログで見て心配していましたが、
どうやらこの「俳句列車」の準備をしていたようですね。
(やなぼーさん、早とちりしてしまってスミマセン^^;)
秩父鉄道 白久
さて、ここ白久は秩父鉄道の終点である三峰口のひとつ手前にある駅。せっかくここまで来たのならば、三峰口まで行ってみることにしました。いま下った「パレオ」は三峰口で折り返し運転に備えて待機しているハズで、ウマくすると「JNRデフ」を装備したC58 363をじっくりと眺めることができるかもしれません。さっきはファインダーに集中していて、よく見られなかったし・・・。
白久に入ってきた下り列車は、東急さん。
もちろん1000系が来るはずは無いのですが、
そういや、最近「三田線(現・5000系)」を
見かけない気がするなぁ・・・。
秩父鉄道 白久
白久1321-(1525)-三峰口1328
秩父三社の一社、三峯神社の玄関口である三峰口。
木造平屋の駅舎は「関東の駅百選」に認定されています。
秩父鉄道 三峰口
構内を見渡すと、
ちょうどC58 363が入換作業の真っ最中。
「JNRデフ」がなかなかお似合いじゃないですか。
オオ!(゚∀゚)カコイイ!!
秩父鉄道 三峰口
一瞬、こんなコラボも見られました。
これぞまさに国鉄時代!?
私が三峰口に着いたときには、すでに転車台による「回転ショー」(方向転換)は終わっていましたが、なんとか入換中のC58 363を記録することができました。わずか15分の滞在時間内で、これが撮れれば上出来です。慌ただしくも、すぐに乗ってきた東急さんの折り返しで、再び白久へと戻ります。
三峰口1343-(38)-白久1346
次に狙うのは「パレオエクスプレス」の復路。何も往復を同じ白久で撮らなくても良さそうなものですが、もうひとつ「JNRデフ」のC58で撮りたいと思っていた撮り方に、この築堤ポイントは打ってつけだったのです。その撮り方というのはズバリ、サイドからの流し撮り。この撮り方は秩父鉄道沿線にお住まいでソネブロ仲間のやなぼーさんが先にチャレンジしておられ、私はそれを見て大いに刺激を受けてしまいました。ただし、往路で確認したところ「パレオ」の通過速度はとても遅く、せいぜい30~40キロ程度。走る列車に合わせてカメラを振る流し撮りは、列車の速度が遅い方が撮りやすいように思われがちですが、実は遅すぎると背景があまり流れてくれずに効果が出にくい。そこで列車の速度に合わせてカメラ側のシャッタースピード設定も遅くする必要があるのですが、シャッタースピードを遅くすればそれだけブレるリスクが大きくなり、成功率も低くなってしまいます。流し撮りは新幹線のような高速列車を追うのも難しいけれど、SLのような遅い列車を写し止めるのも、案外難しいものなのです。そして私個人的には「一桁の壁」というものがあって、流し撮りでシャッタースピードが一桁(分の一秒)になると、格段に成功率が低くなってしまいます。1/8sec位まで落とせると背景がきれいに流れてくれそうですが、ブレずに止める自信がない・・・。そこで今回は1/8secから一段上げた1/15secに設定。練習する列車は一本もなく、ぶっつけ本番で臨みます。でも、あまり気合いを入れすぎて肩に力が入ると、滑らかにカメラを振れずに失敗するので、リラックス、リラックス・・・ε-(*´ο`*)フウゥゥ…。さあ、結果やいかに!?
新緑に包まれて、軽やかに駆け抜けるC58 363。
秩父鉄道 三峰口-白久
「JNRデフ」をメインに、先頭部を引き付けます。
煙が無いのが惜しい・・・。
なんとかブレずに止まってくれました~\(≧∇≦)/イエイ♪ 。SLをサイドから撮る場合、はたして車体のどこまでを入れるべきなのか悩みましたが、テンダー(炭水車)まで入れると間延びして迫力に欠けそうだったので、一枚目は機関車本体を、二枚目は引き付けて「JNRデフ」のある先頭部を狙ってみました。でも、これってひょっとすると蒸気機関車を撮り慣れている方からしたら、変な切り取り方だと思われるかもしれませんね (^^;)。そして残念なのは、やはり煙がまったく無かったこと。まあ、もともと秩父のSLは煙を出す量が少ないといわれているし、そもそもここは下り坂なので煙が出るはずも無いのですが、私のなかでは他に流し撮りに適した引きが取れる、上りの撮影地が思い浮かびませんでした・・・。それでも第一目的の「JNRデフ」はしっかりと記録できたのでヨシとしましょう。今度は上越線の後閑あたりで、煙モクモクのC61 20などを流してみたいものですね。
これで白久での撮影は終了。すぐに駅へ戻って続行の上り電車へと乗りこみます。実は次に目指す所へ行くにはあまり時間がないのです。この普通列車は途中の長瀞で先行する「パレオエクスプレス」を追い抜くため、もう一発撮影ができる「追っかけ」が可能なハズ。となると、次に私が目指すのは長瀞以東の撮影地・・・かと思いきや、私のお目当てはコレでした。
秩父名物の「豚みそ丼」!
備長炭で香ばしく焼いた豚ロースの味噌漬けが、
豪快に盛られた、ボリューム満点の丼です。
(゚д゚)ウマー
ああ~、間に合ってよかった。実はここ、ランチタイムは三時までなんですよね~(´▽`*) ・・・って、「パレオ」を追っかけんじゃないんかい!ヽ(`Д´#)コラッ! というツッコミが入りそうですが、秩父へ行ったならば、ぜひこの「豚みそ丼」を食べてみたかったのです。実は以前の秩父鉄道撮影で「秩父名物・豚ロース味噌漬け あります」という幟を街中で見かけたものの、それは飲食店ではなくお肉屋さんで売られていたお土産品でした。そこで、この名物が地元で食べられるお店は無いのかと、先出のやなぼーさんに伺ったところ、西武秩父駅前にある、この「野さか」さんをおススメされたのです。さすがに地元の方が進めてくださるだけあって、とても美味しくて大満足。SLの追っかけよりも「豚みそ丼」を優先するとは、なんともユルい撮り鉄ですが、これが私のスタイルなんです(^^)。
満腹状態でお店を出る頃には、営業終了の看板が・・・。
「野さか」さんの営業時間は11:00~15:00。
乗ってきた電車は御花畑14:43着だったので、
まさにギリギリでした。
ところで、ちょっと時間は前後しますが、白久から乗った上り列車は午前中に三峰口へ下って行ったオレンジの折り返し。撮り鉄的には「パレオ」の追っかけだけでなく、このオレンジを白久周辺の撮影地でキッチリと撮るという選択肢も別にあったわけですが、やはり「豚みそ丼」の誘惑には勝てず、コレに乗ってお店のある御花畑(西武秩父)へと向かってしまいました。
カーブを切って白久のホームへ入って来た
オレンジ1000こと、1000系1003F。
お手軽な駅撮りですが、
小さな第四種踏切との組み合わせは、意外といいかも。
秩父鉄道 白久
先ほど乗った白1000の時とは異なり、
適度に座席が埋まっていたオレンジの車内。
やはり通勤形電車はこのくらい賑やかな方がしっくりきます。
乗ったのは前述した「非冷房」の中間車 (天井にも注目)。
元・国電101系の車内には、
思わずカメラを向けたくなるような
懐かしいアイテムがいっぱいです。
子供の頃、連結部の妻面にある窓を開けて、
下を眺めるのが結構好きでした。
考えてみたらいま、妻面に窓のある電車って、
少なくなったように思います・・・。
御花畑で下車し、オレンジ1000を見送ります。
これが最後の乗車機会なんてことに
ならなければいいけれど・・・。
秩父鉄道 御花畑(開いた踏切から撮影)
白久1321-(1540)-御花畑1443
どちらかというとSLは門外漢な私が、「JNRマーク」見たさに訪れた今回の秩父鉄道。言ってみれば秩父鉄道の「客寄せ策略」にまんまとハマってしまったような形ですが、やはり直に見た「JNRデフ」装備のC58はカッコイイと思ったし、さらに1000系の三連チャンというオマケまで付いてきて、大いに実りある秩父鉄道訪問となりました。武州日野の鳥居アングルで1000系を撮れなかったのが、ちょっと心残りですが、それはまた次への課題とすることにしましょう(う~ん、秩父に課題を残すと、やなぼーさんが喜んじゃうなぁ・・・^^;)。
今回は往復ともに同じ西武秩父線ルート。
行きは特急「ちちぶ」を使いましたが、
帰りはもちろん、普通列車を利用します。
西武秩父線 西武秩父
途中の横瀬で交換した特急「ちちぶ」は、
特別塗装の「レッドアロー・クラシック」。
これは、私が今年のGWに富山地鉄で会ってきた
先代「レッドアロー」こと、5000系の塗装を復刻したものです。
西武秩父線 横瀬
西武秩父1538-(西武秩父線)-飯能1624~1625-(西武池袋線)-所沢1648~1650-(西武新宿線)-東村山1653~1656-(西武国分寺線)-国分寺1708
いすみ鉄道・・・キハ52+28 撮影記
千葉の房総半島を走る、第三セクター路線「いすみ鉄道」。この鉄道では2011年から集客の目玉として、懐かしい元・国鉄型気動車(ディーゼルカー)である「キハ52」を観光列車として導入し、週末を中心に運転しています。この奇抜な戦略は功を奏し、単なるローカル線のひとつに過ぎなかったいすみ鉄道が、今では一躍ファンが注目する人気路線へと変貌。私も何度かそのキハ52を目当てにいすみ鉄道を訪れて、このブログでもご紹介しています。そんないすみ鉄道の観光列車(急行)に、今春から新たな仲間が加わりました。それはキハ52と同じ元・国鉄型気動車の「キハ28」。ただし同じ国鉄型といっても、今までのキハ52が「一般形」と呼ばれる普通列車タイプの車両だったのに対し、今回導入されたキハ28はかつて急行などの優等列車に使用されていた「急行形」で、こちらもキハ52同様・・・いや、もしかしたらそれ以上に、ファンの人気を博した名車でした。
北は北海道から、南は九州まで。
仕様を変えながら各地で活躍したキハ58グループ。
キハ28はキハ58の駆動用搭載エンジンが一基のタイプで、
通常はエンジンが二基のキハ58とペアで組まれることが多かったのですが、
晩年の普通列車格下げでは、一般型のキハ52などと組まれたことも。
上 キハ53-500 90.12 深名線 朱鞠内
下 キハ58+28 06.10 花輪線 八幡平-湯瀬温泉
しかし国鉄を引き継いだJRでは、特急列車の多様化や快速列車の高速化などにより、急行という種別自体が衰退。本来は急行形であるキハ28を含めた、いわゆる「キハ58グループ」は、ローカル線での普通列車運用などに格下げされて細々と活躍を続けてきましたが、今から二年前の2011年3月、高山線北部の普通列車運用を最後に全車が運転を終了。その最後まで現役で残った四両のうちの一台が、今回いすみ鉄道へやってきたキハ28 2346です。もう見ることは叶わないと思われたキハ28の勇姿が、房総の地で復活するなんて・・・これがファンに歓迎されないはずがありません。
( ・ω・)ノ【大】【歓】【迎】ヽ(・ω・ )
高山線で活躍していたキハ28 2346(右側の車両)。
このときはワインレッドに白帯の
通称「高岡色」に塗られていました。
同車はいすみ鉄道へ移籍する際に、
国鉄急行色への復刻が施されています。
10.8.2 高山本線 婦中鵜坂(当時)-西富山(再掲)
これにより、今まではキハ52一両の単行運転だったいすみ鉄道の観光急行はキハ52+キハ28の二両編成となり、魅力も倍増。さっそく私も3月のキハ28デビューとともに撮影へ訪れたかったところですが、春のいすみ鉄道といえば、桜や菜の花が咲き乱れる観光のトップシーズン。そこへキハ28のデビューとくれば沿線撮影地の混雑は必至です。まあ、焦らずに少し混雑が落ち着くまで待とう・・・そう考えているうちに、早くもキハ28の運転開始から三ヶ月が過ぎてしまいました。
そんな、もうそろそろファンの熱も落ち着いたかな? と、思っていた矢先、某社長さんのブログ情報によると、6月のキハによる観光急行はヘッドマークを取り付けずに運転するとのこと。ファン心理とは実にワガママ複雑なもので、マークなど付いていない普通の車両に特別なマークが掲げられると喜ぶのに、常にマークが付いている観光急行になると、マーク無しの方がシンプルでいいとほざきます。今月のマーク無しは、まさにそのファンの要望に答えたような形で実現。それにしても、前回お伝えした秩父鉄道の「JNRデフ」も6月限定の装備で、あまり集客が見込めない梅雨時をいかにして乗り切るか、各社あれこれいろんな策を考えるものですね・・・(^^;)。かくいう私もその策にハマってしまった一人で、前週の秩父鉄道に続き、今回はいすみ鉄道にマーク無しのキハ28狙いで、繰り出すことにしました。
6月9日(日)
国鉄型キハの観光急行が運転されるようになってから、私がいすみ鉄道を訪れるのはこれで三度目。最初は高速バスでいすみ鉄道沿線の中心地である大多喜へダイレクトに入り、二度目はJR外房線の大原からいすみ鉄道へと乗り継ぐルートでしたが、今回は初回と同様に東京駅からの高速バスで大多喜までやってきました。実は鉄である以上、やはり列車を乗り継いで行くべきと考えていたのですが、列車利用で観光急行通過前の9時半までに大多喜へ着こうとすると、ウチの最寄り駅を5時過ぎに出なくてはなりません。それでもはじめは列車で行くつもりでした。しかし、前夜の飲み会での深酒が祟って見事に寝坊(気付いたら6時だった・・・Σ(・ω・´;)ハッ! )。いっぽうの高速バスは東京駅7時45分発で、ウチを一時間前の6時45分に出れば余裕で間に合います。
今回は時間的な都合から高速バスを利用しました。
京成バス 大多喜停留所
ところが、梅雨時のわりには薄曇りで比較的お出かけ日和となった日曜日は、東京湾横断道路のアクアラインが混雑気味。高速バスルートは便利で早いのですが、渋滞などにハマると時間が読めないのが最大の欠点です。案の定、海ほたるパーキングエリア付近でのノロノロ運転が響いて、大多喜バス停には定刻の15分延の9時20分着。
東京駅八重洲口前0745-(京成バス)-大多喜0920(定刻0906)
わずか15分、されど15分。寝坊した自分が言えた義理ではありませんが、この15分遅れはけっこう大きい。というのも、次の国鉄型キハが使用される下り101Dの大多喜発車時刻は10時03分。大多喜バス停から大多喜駅までは徒歩で15分ほどの距離があり、そこからさらに撮影地まで行くことを考えると、もうギリギリです。大多喜城の城下町として栄えた趣ある大多喜の町を小走りで抜け、早くも汗だくになった私が飛び込んだのは、大多喜駅・・・の前にある観光案内所(観光本陣)。実はこの案内所では、一日300円ほどで自転車を貸してくれるのです。しかしその自転車の保有台数は僅か8台。案内所のオープンは9時で、私が焦っていた理由はここにもありました。幸い、残り4台のうちの一台を無事にゲット。しかも嬉しいことに電動アシスト付き自転車です ( ̄∀ ̄ )ラッキィ 。
大多喜駅前の観光案内所でお借りすることができる、
レンタサイクルは大人用8台(うち2台は電動アシスト付き)、
子供用2台が用意されており、一日300円です。
手続きを終えて自転車をお借りし、大多喜駅前を出発できたのは9時45分。キハの大多喜発車までは、あと20分もありません。ここからわずかな時間で撮影地を目指し、自転車を走らせます ε=ε=ε=┏(# ゚Д゚)┛ウオオォォォォー!(さすがに一行AAで自転車の表現はムズイね ^^;)。
そうだ、こんなときは電動アシストがきっと力になってくれるハズ。ためしにスイッチオン!m9(・∀・)ポチットナ ・・・あれ?全然軽くならないし、なんだか赤いランプが点滅しているぞ (・ω・;)ンン?? これって、ひょっとして・・・充電されていないじゃん il||li_| ̄|○il||li 。 なんだよー!充電されていない電チャなんて、逆にバッテリーのぶん重いだけじゃないか!ヽ(`Д´#)ノ ムキーッ! とはいえ、観光案内所に戻って交換してくる時間的な余裕はないし、多少重くたって徒歩よりはずっと楽。とりあえず、このまま電動のスイッチをオフに戻して、撮影地へ向かうこととしました。お目当てのポイントまでは10分ほどで到着。先客への挨拶もそこそこにカメラをセッティングすると、程なくして傍らの踏切が鳴りだしました。
小さな祠をかすめて
初夏の田園を行く、国鉄色キハ二連。
いすみ鉄道 大多喜-小谷松
ホッ、間に合った・・・ε-(´ο`*)ホッ 。そう、私がまず目指していたのは線路脇に小さな祠があることから「祠ポイント」などと呼ばれる、有名な撮影地です。キハ28導入前、つまり昨年度までの観光急行の運転範囲は、路線全体の東側にあたる大原と大多喜の間が主体で、大多喜より西にあるこの祠ポイントでは臨時列車としての運転でないと、国鉄型キハを見ることができませんでした。しかし今年3月に行われたダイヤ改正以降は国鉄型キハの運用範囲が大原から上総中野までのいすみ鉄道全線にまで広げられ(観光急行は今まで通り大原~大多喜での運転で、大多喜~上総中野は普通列車扱い)、今まではなかなか撮影機会のなかった大多喜~上総中野で国鉄型キハの撮影が、容易にできるようになったのです。そこで今回は大多喜より西側で撮ることに集中し、その手はじめにまずはこの祠ポイントを選んでみました。それにしても初撮影のこの場所、意外と二両をウマく納めるのって難しいものですね・・・(-"-;)ウーム 。割り切って画面右側の二両目は祠やイチョウの木と重ねてしまいましたが、考えてみたら今回の主役はその二両目のキハ28の方だったっけ・・・(^^;)。でも、何となくのどかさが伝わる一枚になったから、まあ、いいか。これで祠ポイントは撤収。せっかくいい撮影ポイントへ来たのに、わずか一列車、ワンカットだけ・・・?とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、この大多喜以西の区間は運転本数が少なく、次は一時間以上も列車はありません。そして徒歩鉄にとって、この閑散区間での移動に大きく役立つのが、私が今回利用したレンタサイクルなのです。その自転車にまたがって、次の撮影地へと向かいます。
周囲に紫陽花が咲き乱れる駅、小谷松。
いすみ鉄道 小谷松
次に考えていた撮影地へ行く前に、ちょっと気になって立ち寄ってみたのが、小さな無人駅の小谷松。ここはこの季節、ホーム脇に紫陽花が咲くことで有名な駅です。時期的には少し早いかなと思い、もし咲いていなかったら先へ進もうと考えていたのですが、実際に見てみるとまずまずの咲きっぷり。残念ながら肝心の線路際が少し寂しいものの、咲いているだけでもありがたいと思うことにし、ここで先ほどの折り返しで戻ってくるキハと、この紫陽花を絡めて撮ってゆくことにしました。
ところで、こういう風に花の咲きがまちまちの場合には、いっそのこと形のよい花に思いっきり寄って、花ボケ(手前の花をボカして、奥の列車にピントを合わせる)か、花ピン(逆に花にピントを合わせて奥の列車をボカす)で撮り、なるべく寂しいところを目立たせないという方法もあります。しかし、ここは自分以外にも多くの同業者(といっても10人程度)が集まり、なかには広角レンズで構えていらっしゃる方もおられます。そこで一人だけ前へ出て花に寄って撮影・・・なんてことは慎むべきで、ここは潔く花ボケなど諦め、与えられた条件の範囲で楽しむことが第一です (^^)。
天気は晴れたり曇ったりを繰り返すなか、やはり紫陽花は晴天よりも曇天の方がサマになるので、今回ばかりは曇ってくれる方に祈りながら待つことしばし、やがて新緑の木々の向こうからツートンカラーの国鉄急行色が見えてきました。
小さな小谷松駅にキハ28がすべり込みました。
わずか二両でも、ホームの有効長ギリギリ。
鮮やかな紫陽花を横目に見ながら、
小谷松を発車してゆく国鉄形キハの普通列車。
力強いエンジン音が響き渡ります。
ああ、ホントに生きている急行色キハ58(28)を、また撮れる機会に恵まれるなんて・・・もう、感動モノです!☆。*゚+.*.。ヒデキ(´∀`)カンゲキィ+..。*゚+☆ 。空もウマい具合に曇り、しっとりとした紫陽花と新緑が、いい感じに国鉄色を引き立ててくれました。
すぐに振り返って、キハ52側も。
咄嗟とはいえ、もう少し、右側に入った住宅の処理を
なんとかしたかったところ・・・。
ちなみに、いすみでマーク無しのキハ52を撮るのは
これが初めてです。
いすみ鉄道 小谷松(後追い)
先ほどの祠ポイント同様、ここでも一列車のみを撮影して移動します。次に向かう場所が、今回いちばん行ってみたいと思っていた撮影地になるのですが、そこはこの小谷松から3.5駅分(三駅目と四駅目の間にあるため)も進まなくてはなりません。距離的には6キロ弱とたいしたことはないけれど、実際に走ってみるとけっこうアップダウンが激しくて意外とキツい。上り坂の傾斜はそれほど急ではなく、ゆるーい坂が長々と続く感じで、むしろボディブローのようにじわじわと疲れが蓄積されてきます。ああ、ちゃんと電動アシストが使えれば、もっと楽に上れたんだろうになぁ・・・(´д`;)ハアア…。本来はここで道路に沿った夷隅川の渓谷美などをご紹介するべきなのですが、体力は失われ、さらに列車の時刻が迫ってきているという焦りもあり、途中で自転車を停めて写真を撮っているような余裕など無くなっていました。う~む、東富山での徒歩鉄といい、なんだか最近はこんなんばっかのような気がする・・・。キハがお目当ての撮影地を通過するまで残り10分を切った頃、ようやく最後の上り坂へとさしかかります。はたして間に合うのか!?
緑に包まれた深い谷を慎重に進む、二両の国鉄型キハ。
いすみ鉄道 総元-西畑
なんとか辿り着くことができました~\(T▽T)/ヤターッ! カメラを出した数分後には、もうキハのタイフォン(警笛)が聞こえてくるという、まさにギリギリセーフ。このポイントには小谷松でもご一緒された同業者さんがクルマで先着されていて、自転車で駆けつけた私を見ると、とても驚かれていました w(゚o゚)wウワォ! 。 でも苦労した甲斐があり、キハを山深い雄大な俯瞰ポイントで撮ることができて、大満足です v(^^) 。その後、同業者さんは上総中野での国鉄型キハと小湊キハの並びを撮るのだと言い、颯爽とクルマで去ってゆきました。では私はというと、計画ではすぐに大多喜へ戻って自転車を返却し、今度はキハ28の乗り鉄を楽しもう・・・などと考えていたのですが、思ったよりもチャリ鉄はハードですぐには体力が復活せず、とてもキハの発車時刻までに大多喜へ戻れる自信がありません。ここは無理をせずに乗車の方は諦め、30分後に戻ってくる同編成をもう一発、この俯瞰ポイントから撮ることにしました。でもその前に、失った体力を復活させるための、腹ごしらえを・・・。
この日のランチは撮影地で、うなぎ弁当~♪
カバンから取り出したのは、パックに入ったウナギ弁当。一体、これはどこで手に入れたのかというと、実は先ほどの小谷松駅で「いすみ鉄道応援団」という黄色いシャツを着た方々が、出張販売に来られていたのでした。お話を聞くと、休日の有名撮影ポイントなどで撮り鉄向けに弁当や菓子類などを販売して回っているのだとか。日によって出没場所はまちまちで、出会えるかどうかはそのとき次第ですが、このウナギ弁当自体は通常、国吉駅で売られているモノと同じだそうで、ひとつ500円という良心的なお値段。掛紙を見ると地元のお魚屋さんが作られているらしく、とても美味しくいただきました。あ、もちろん、このあとも自転車を運転するので、お弁当のお供にビールなどは飲んでいませんよ~(というか、山深いこのあたりに、アルコール類を売っているお店などありませんし・・・)。
景色を眺めながら弁当を食べていると適度に時間は潰れ、まもなく先ほどの列車が戻ってくる時間となりました。同じポイントから同じように撮ってもツマラナイので、少しだけアングルを変えて臨みます。山間で姿は見えず、ディーゼルの唸り音だけが頼りです。
山の谷間に架けられたガーダー橋上に
キハ28が顔を出しました。
これは房総半島というより、
まるで只見線か米坂線のような情景です。
いすみ鉄道 西畑-総元
ヨコ位置にしてもう一枚。
ゆっくりと走るキハは、アングルを変える余裕があります。
原風景にベストマッチした国鉄色凸凹コンビ。
やはりこの配色は秀逸だと思わずにはいられません。
山のなかを行くキハの感動が再び!ヤッパ(´∀`)イイネ~♪ 同じような感想になりますが、これが現代の房総半島で見られるシーンとは、本当に驚かされてしまいます。紫陽花のときとは逆に今度は曇り空なのが残念ですが、やはり空を入れた方が絵に奥行きが出てくれるように思います。次に訪れるときは真っ青な晴天下で撮影してみたいものですね。
これで国鉄型キハの撮影は終了です。行きと同じ道を通って大多喜へ戻ることになりますが、心なしか帰りの方が、上り坂でもペダルが軽く感じられました。ウナギ弁当パワーかな?(o≧▽^)┘ガッツ!
出発地点の大多喜駅へと戻ってきました。
俯瞰撮影地からの所要時間は約45分。
いすみ鉄道 デンタルサポート大多喜
往路はバスで大多喜まで来てしまい、
今回はまったくいすみ鉄道に貢献していないので、
少しお土産を買って帰りましょう。
キハ52がパッケージに描かれた「キハカレー」、
そしていすみ鉄道名物の「い鐵揚げ」。
この「い鉄揚げ」はホントにやみつきにあるお味で、
私は訪れるたびに買って帰ります。
新作のソース味はビールのお供にピッタリ!
もう一袋買ってくればよかった・・・。
帰りはもちろん鉄道利用。
大多喜のホームに入ってきた大原行きは、キハ350。
なんとコイツは新型なのに、
あえてデザインを国鉄形のキハ52に似せて作ったという、
ちょっと遊び心のある車両です (^▽^)オモロイ 。
いすみ鉄道 大多喜
そんなキハ350ですが、
室内はボックスシートのキハ52とは異なり、
青いモケットのロングシート仕様です。
国鉄型キハは、このあともう一往復の運転が残っています(大原~上総中野~大多喜)。しかし私は夕方から都内で別件の所用があるため、撮影はここで終了。半日程度の短い撮影時間でしたが、祠ポイントに始まり、小谷松の紫陽花、そして総元の俯瞰ポイントと、いろいろなアングルでキハの撮影を楽しむことができました。小谷松同様に紫陽花の咲く駅として有名な国吉などでも降りてみたかったところですが、ここはまた来年にでも訪れることにしましょう。それにしても、この日撮ったキハの写真でしっかりと顔が写っているのは小谷松でのカットだけ。ヘッドマークの有無、あまり意味ないじゃん・・・(´∀`;)
国吉駅に保存されているのは
昨年まで久留里線で活躍していたキハ30。
こちらも保存状態で見るのは今回が初めてです。
ちなみに左のホーム上にちょろっと見える白い花は紫陽花です。
いすみ鉄道 国吉(後方の車窓から)
終点の大原では、国鉄形キハの観光急行が待機中。
私が乗っている列車が到着すると同時に
発車するダイヤとなっています。
いすみ鉄道 大原(前方の車窓から)
先ほど小谷松で見たときとは異なり、
「急行」幕を掲出したキハ28。
やはり急行型キハには、この急行表示が合います。
いすみ鉄道 大原
大多喜1324-(いすみ62D)-大原1352~1439-(外房270M)-蘇我1541~1549-(京葉1522A)-東京1630
ONE-shot 122 あじさい
PICK UP ONE-shot 122 あじさい
梅雨時といえば、やはり紫陽花は欠かせません。
しかし、写真を見てお気づきの方も多いと思いますが、
この撮影場所は前回の「ONE-shot 121」で
都電と「みどりの山手線」のコラボを撮った、大塚駅前。
狙いは異なれども、同じ場所では芸が無いと思い、
車窓からこまめにチェックしたり、沿線を少し歩いたりしてみたものの、
線路脇に紫陽花はあっても、
フェンスなどに阻まれたりしてウマく撮れず、
結局、この大塚駅前に落ち着いてしまいました。
ところで、この「紫陽花コラボ」の撮影地を模索している最中、
(;´д`) 「あ~、山手線沿線のどこかに紫陽花が無いかな~」
と、私が思わずつぶやくと、
「え?山手線にアジサイなんていくらでもあるじゃん」 ヾ(・∀・)
などという、驚くべき返しが。
「ん~そうねえ・・・例えば近場だと、目黒とか、渋谷とか」 (´ω`*)
(;゚□゚)ナニーッ! 「目黒?渋谷?? 原宿じゃなくて!?」
普段は立ち入れない原宿の臨時ホーム(明治神宮側)の花壇に
紫陽花があるのは知っていましたが (あまり絵にならなかった)、
目黒や渋谷などは、まったく思い当たりません。
(;・ω・)ンン?? 「昼メシ・・・? あじさい・・・( ゚д゚)ハッ!
それって立ち食いそば屋じゃねーか!ヽ(# `Д´)ノ ムキーッ! 」
「”あじさい” に間違いないじゃ~ん」 (゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ
13.6.14 山手線 渋谷
カンボジア・・・プノンペン駅 訪問記
今週、私の仕事にしては珍しく、東南アジアへの出張が入りました。渡航先はインドシナ半島のほぼ中央に位置するカンボジア。私にとって初めて訪れる国です。
鉄である以上、まず真っ先に気になるのは、やはりその国の鉄道事情。東南アジアの鉄道というと、ソネブロ仲間のtwingo583さんが仕事でよく訪れていらっしゃるタイなどは路線や車両が充実しているようだし、インドネシアのジャカルタでは日本の中古車(東京メトロや東急の車両)が走ることで、ファンには有名。ではカンボジアはというと、事前に調べたところでは(と言ってもwikiだけどね)、国の運輸省が管轄しているカンボジア国鉄(カンボジア王立鉄道)の二路線(北線・南線)が存在していますが、70年代のカンボジア内戦で施設に大きな被害を受けた上、線路の敷石に地雷が埋設されていたり、さらに沿線がスラム化したりして立ち入りが危険な場所もあることから放置されて荒廃してしまい、長年に渡って列車の運転は行われていなかったとのこと。ようやく近年になって本格的な修復作業が進められて、一部の区間では貨物列車を中心に運転が再開し、旅客列車も週に一本程度の設定がされたものの、車両の老朽化が激しく、また、山賊に襲撃されるなどの治安問題で旅客・貨物ともに利用者は僅少。平行する国道が整備されていることから、輸送手段は鉄道よりもバスやトラックなどのクルマが主体で、鉄道は再び運休状態にあるという。そんなわけで、残念ながら現在のカンボジアで動いている列車の姿を見るのはかなり難しい様子 (´・ω・`)ショボーン。
それでも、私が訪れる首都のプノンペン(Phnom Penh)には地図を見るかぎり、今も街の中心部に駅が存在しています。たとえ営業列車はやって来なくても、駅へ行けば何かしらの鉄道にまつわるものがあるハズ。せっかく与えられた海外渡航の機会、鉄道ブロガーとしては一つでも鉄ネタを拾ってきたいものです。今回の出張は現地二泊三日の強行スケジュールで、プノンペンの滞在は一日。仕事の合間に与えられたわずかな自由時間で、同行者がお土産を求めてマーケットなどへ向かうなか、ひとり私はプノンペン駅を目指してみることにしました。
6月18日(火)
カンボジア滞在二日目のこの日は、午前中に二時間程度の余裕があります。はたしてこの時間内でホテルから駅へ往復できるのか、とりあえずスマホの地図アプリで調べてみると、宿泊しているホテルからプノンペン駅までは意外と近くて、約一キロといったところ。これならば徒歩で片道20分もあれば到達できそうです。さっそくスマホを片手にホテルをスタート (/*´∀`)o レッツラゴー♪。
街角で地図を広げて悩まなくても、
スマホで目的地の場所が容易に検索できます。
う~ん、便利になったものだなぁ・・・。
熱帯気候のカンボジアは、常に30度を超える気温と高い湿度で、かなりムシ暑い。歩きはじめて10分も経たないうちに、もう汗だくだく 。゚(;´д`A)アヂィ・・・。それでも雨期にあたる今の時期に雨が降っていないだけ、まだマシです。噴き出る汗を拭いながらも順調に歩みを進め、目的地の駅まではあと少し。ところがここへきて、交通量の激しい大きな幹線道路が横切り、行く手を阻まれてしまいました。さらに先へ行くにはこの道路を渡らなくてはならないのですが・・・困ったことに、あたりには歩行者信号が見当たらない。<(゚-゚=)キョロキョロ(=゚-゚)ゞ
交通量の多いカンボジアの幹線道路。
ラッシュ時などではなく、常にこんな感じで、
クルマよりもバイクの多さに驚かされます。
仕方なく、ここを渡れる歩行者信号か歩道橋などを求めて、しばらく駅へ向かうルートから外れて幹線道路沿いを歩いてみるも、安全に渡れそうな箇所がいっこうにありません。それどころか、やがてこの道には歩道すらなくなってきてしまい、何台ものバイクが私の肩をかすめるように飛ばしてゆきます。これはスリリングで、かなり怖い ヒイイィィィ((((((((lll゚Д゚)))))))) 。そんななか、ようやく見つけたのは・・・なんと、信号機の無い横断歩道 Σ(゚Д゚;)エエッ!? 。 この片側三車線で環七並みの交通量がある道路で手を挙げて渡れってか!? こんなの松崎真だって絶対無理だろ!オーダンホドーハo( ´ ∇ ` )ノ テヲアゲテ~♪ ためしに渡る意志を示しつつ横断歩道脇へ立ってみますが、当然のごとくクルマやバイクが止まってくれる気配などまるでナシ ━─━─━ゼッタイ、ムリポ_| ̄|○━─━─━。渡りたくても渡れない道路を目の前に、ボー然と立ち尽くしていると、そこへ一台のトゥクトゥク(バイクの簡易タクシー)が停まり、「どこへ行くんだ? 乗らないか?」と声をかけてきました。このままずっと渡れなくては埒があかないし、暑さによる疲労もあるので、ここは素直にトゥクトゥクを利用することにしましょう。でもその前に料金交渉を。タイやベトナムなどの近隣国と同様に、ここカンボジアでもタクシーや、このトゥクトゥクを利用する際にはあらかじめ料金を交渉して決めておかなくてはなりません。そうでないと、降りるときになって高い料金をふっかけられる恐れがあるからです。そこで、「駅まで行きたいんだけど、いくら?」と尋ねると、運転手のにーちゃんは二本指を立てて「ちゅーだらー(2ドル)」とのこと。カンボジアには独自の「リエル」という通貨が存在しますが、外国人の多い観光地やプノンペンのような大都市ではUSドルも流通していて、旅行者はそちらを使うのが一般的。駅まで一キロ弱の距離で2ドルという料金は、はたして現地の感覚で高いのか安いのか解りませんが、現在(6/18)の1ドルは98円なので2ドルでも200円以下。考えてみたら都バスの料金(210円)より安いのか・・・。私はうなずいて交渉成立。
トゥクトゥクに乗って、プノンペンの街を走ります。
ちょっと生暖かいけれど、風が気持ちいい~ヽ(〃'▽'〃)ノ♪
やがて道の先に、瀟洒な白亜の建物が見えてきました。
乗車からわずか5分足らず。道路を渡れずにしばらく立ち尽くしていたのがアホらしくなるくらい、あっけなく私を乗せたトゥクトゥクは目的のプノンペン駅に到着。こんなことならホテルから直接トゥクトゥクに乗ってくればよかったよ・・・(´∀`;)ヤレヤレ。
立派な西洋建築のプノンペン駅。
駅の詳しい歴史は解りませんが、
カンボジアの鉄道はフランス植民地である仏領インドシナ時代の
1932年にこのプノンペンからプルサトまでが開業しており、
おそらくこの駅舎も、その開業時に建てられたものではないかと思われます。
カンボジア国鉄 プノンペン
トゥクトゥクを降りて、さっそく駅舎へと向かおうとすると、突然、何人かのゴツい男たちに呼び止められます。実は休止状態となっているプノンペン駅はホームレスの巣窟と化していて、あまり治安がよくないらしい。そんな情報を得ていたことから、男たちに声をかけられたことで一瞬たじろいでしまいます ((゚ω゚;))ビクビク 。でも、「バタンパン」とか「プルサト」などと街の名前を連呼する彼らは、ホームレスではなくタクシーの運転手。走っていない列車の代わりにオレのクルマを利用しろとのことなのですが、もちろん私の目的は駅の訪問だけなので、手や首を横に振って拒否します。そんな彼らを振り切って駅舎へ近づくと、今度は視界に真の(?)ホームレスの姿が飛び込んできました。これにはさすがに近づくのを躊躇してしまいますが、カメラを持ってウロウロしている私を見ても向こうは特に興味を示す様子はないし、直接彼らを写真に撮るなどといった挑発的な態度を取らなければ、おそらく大丈夫だろうと判断。勇気を持って駅の撮影へ臨みます。(結果から言うと、恐れていたようなことは何も起こりませんでしたが、カンボジアだけでなく海外では予想外のことも起こりえますので、常に細心の注意を払う必要があります)。
大きな袋を担ぐ女性の向こうに、
駅舎にたむろするホームレスらしき人たちの姿が見えます。
しかし駅舎の入り口はシャッターが閉められており、簡単に構内へは入れない状況で、改札やプラットホームの様子などはそのシャッター越しにしか眺めることができません。ホームレスたちも駅舎内ではなく、その手前にある軒下を寝床にしています。その閉じられたシャッターの隙間から覗くと・・・おや?駅舎のなかにも寝ている人がいるぞ?
現在は列車の運転がなく、ガランとした駅舎内。
待合室と思わしき場所のベンチには、
男性がハンモックを吊るして眠っていました。
彼もホームレスの一人かと思いきや、よく見ると身なりがしっかりとしていて、明らかに軒下のホームレスとは違います。同様に駅舎内で寝ていた何人かも含め、おそらく彼らはこの駅を管理している軍の者か、もしくは今も進められている鉄道再生事業の労働関係者あたりだと思われます(推測ですが)。そして寝ている彼の先に目をやると、シャッター越しに黄色い鉄道車両の姿が見えるではありませんか!(゚∀゚)オッ!
シャッターで閉ざされたかつての改札口の向こうにはプラットホームがあり、
その構内の側線には黄色いDLが同色の貨車を連ねて留置されていました。
機関車をクローズアップしてみると、
「BB1060」のナンバープレートが読み取れます。
(トリミング済み)
ホーム脇に留置されていたのは、BB1060形という中国製のディーゼル機関車。しばらく運転が行えずに車両の老朽化が伝えられていたカンボジアの鉄道にしては、まさに予想外とも言うべき、新しくてモダンな形をした車両です。実はこのBB1060は2005年に製造された最新型にもかかわらず、現在はほとんど運転されていない「宝の持ち腐れ」状態。しかし近い将来にカンボジアの鉄路は国内の再生のみならず、隣国タイとの連結計画、さらにベトナムまで路線を延長する計画もあり、それが完成した場合には各国を経て、中国・タイ・ベトナム・マレーシア・シンガポールの鉄道とも連絡が取れることとなり、「東南アジア横断鉄道」といった夢も膨らみます。その暁には、この中国製のBB1060に活躍の場が与えられるのではないでしょうか。そしてこのプノンペン駅にも、活気が戻ってくることを期待したいものです。
せっかくなら、もう少しスッキリとBB1060が
撮れるところは無いかと移動してみるも、
敷地外からだと、やはりこの程度が限界か・・・。
それにしても、なにか鉄道にまつわるものがあればいいな・・・・といった程度の期待で訪れたプノンペン駅ですが、留置中のディーゼル機関車が見られるとは、思わぬ収穫でした。ただ、この機関車はちょっと新しすぎて、私が勝手に思い描いていた「運休により朽ち果てて、味の出たカンボジアの車両」というイメージとは、だいぶかけ離れていました(そんなのを期待するのは失礼なんですけれどね・・・^^;)。 そこで、もう少し面白いものは見つけられないかと、さらに駅の周囲を回ってみることに。すると・・・
柵の向こうに見えるのは・・・SL!?
近づいて見ると、たしかに蒸気機関車でした。
wikiによるとこれは136-106という形式の機関車で、
軸配置は日本式で言うところの1-C-1、プレーリー形。
秩父鉄道で活躍しているC58形に似ています。
敷地内の南側には、静態保存の蒸気機関車・136-106が鎮座していました。赤錆なのか、それとも元々こんな色なのかはわかりませんが、野ざらしの割には状態がよく、テンダーの補強柵(?)などが独特で、なかなかいい感じ。静態の保存機関車ではあるものの、少なくても先ほどの黄色いBB1060よりは、私のカンボジアのイメージに近い気がします。一般道に近い場所にあるSLは、上写真のように低い柵の外側からでもじゅうぶんきれいに撮影できるのですが、できればもっと近づいて、運転室まわりやテンダーなどをよく見てみたい。厳重なシャッターで閉ざされていた駅舎には入ることができなかったけれど、見たところこのSLは半ば公開展示的な保存状態だし、理由を説明すれば近くで見せてもらえそうな気がします。しかし、このSL近くで警備していた門番に交渉してみるも、答えはピシャリと「NO!」 (乂・д・´)ダメッ! 。 撮影したければ敷地外からしろとのこと。考えてみればそれは当然のことで、たとえ現在は休止中であっても、ここは国鉄という国が管理する敷地のひとつで、少なくとも外国人がそうたやすく入れる場所ではないのです。門番なんて軽々しく呼んでしまった彼も実は国を守る軍の兵士であって、敷地外のアングルを模索して右往左往するワケノワカラナイ日本人に対し、自動小銃を片手に目を光らせているのでした (`・ω・´)ゝ キリッ 。
SLと門番・・・いや、警備の兵士をギリギリ敷地外から撮影。
「一歩でも門の中に入ったら、自動小銃を構えるぞ!」
って、そんなことはありません。
・・・たぶん。
時間的にそろそろ戻らなくてはならず、これにて駅散策は終了。駅舎やSLなど、敷地外からではあったものの、鉄的なカンボジア観光のいい記録ができました。しかし、閉ざされた駅に留置されているDLや静態展示のSLなどはいくら撮ったところで、満足というよりも虚しさが募るのみです。やはり動いている列車、そしてそれを利用するための旅客が行きかう駅の姿。そんなシーンが見てみたい。復旧工事が進められているカンボジアの鉄道には、その活気を取り戻す可能性がじゅうぶんに見えています。何年後かに再びこの場所を訪れたとき、今度はホームレスではなく、楽しげな旅客の姿で賑わっていることを願っています。
散策していたらノドがカラカラになってしまったので、
駅前にいたジュース売りのにーちゃんから一杯買い求めます。
せっかくなら、コーラやファンタじゃ面白くないので、
現地のクメール語が書かれた毒々しい色の飲み物を選択。
にーちゃんは「オレンジジュース」だと言っていたけれど、
果汁0%、合成着色料・甘味料100%のような、
とてもケミカルな味のジュースでした。
こういうのキライじゃないけれどね・・・(^^;)
さて、駅前でジュースを飲んだ後にホテルへと戻り(もちろんトゥクトゥクで)、汗だくとなった洋服を着替えて午後の仕事に臨みます。何人かの同行者とともに迎えのマイクロバスで移動すると、走ってゆくのは先ほどのプノンペン駅方向。なんと仕事で訪れた会議室はプノンペン駅の真ん前だったのです。しかもそのビルからはこんな眺望が広がっているではありませんか!w(゚∀゚)wオオッ!
プノンペン駅に留置されている、
BB1060を先頭にした黄色い貨物列車編成が一望!
道路にトゥクトゥクが走ってくるタイミングを見計らって、
シャッターを切ってみました。
カンボジア国鉄 プノンペン
実は会議が行われたのは、あまり眺望の利かない二階の部屋だったのですが、仕事後に無理を言って、五階の空き部屋からこのカットを撮らせてもらっちゃいました。でも、こんなところでカンボジア鉄道の俯瞰撮影ができるなんて、これも鉄運があると言っていいのかもしれません (^^)。
☆おまけのカンボジア・ダイジェスト☆
鉄道に特化したこのブログ。本編ではプノンペン駅を中心にお伝えしましたが、前日には世界遺産で有名なシェムリアップのアンコールワットなどを観光してきました。ここではその様子をちょこっとだけご紹介したいと思います。
6月16日(日)
東京・成田(NRT)1100-(JL717)-タイ・バンコク(BKK)1540
タイ・バンコク(BKK)1720-(PG907)-カンボジア・シェムリアップ(REP)1815
バンコクからシェムリアップまで乗った飛行機は、
魚のイラストが描かれた、小型のプロペラ機でした。
上は12世紀前半のアンコール王朝時代に
ヒンドゥー教寺院として建立されたアンコールワット。
下は12世紀後半に建設されたといわれているアンコールトム。
どちらもそのスケールの大きさと緻密な壁画(回廊レリーフ)などに
圧倒されてしまいました。
私はあまり信仰心などないけれど、
石仏や壁画などに囲まれた空間に身を置くと、
なんだか心が落ち着くように感じます。
ただし、まわりを熱帯雨林に囲まれているので蒸し暑く、
アンコールワットの塔の上まで上がるのはキツかった~(^^;)
シェムリアップでの食事処はよく解らなかったので、
トゥクトゥクの運ちゃんに「美味しいところに行きたい」というと、
連れて行ってくれたのが、飾り気のない大衆食堂。
メニューが読めず、とりあえず店のおススメを注文しましたが、
ここで食べた麺(クイティウ)や炒飯(バーイチャー)は絶品でした。
また、それがカンボジアビールに合うんだなぁ・・・。
チョー(゚д゚)ウマー
6月17日(月)
シェムリアップ(REP)1640-(K6108)-プノンペン(PNH)1725
6月18日(火)~19(水)
カンボジア・プノンペン(PNH)1910-(PG936)-タイ・バンコク(BKK)2020
タイ・バンコク(BKK)2320-(JL718)-東京・成田(NRT)0735
ONE-shot 123 E6系 甲種輸送
PICK UP ONE-shot 123 E6系 甲種輸送
普段は通らない在来線を経由して行われる、
秋田新幹線用 E6系の甲種輸送。
この特異な形の列車は、
できれば引き画で編成全体の構成を見せたいもの。
しかし、
「赤い新幹線」というイメージが強いE6系ですが、
実際の車体側面は白を基調としていて、
梅雨空のどんよりとした空の下で引き画を撮ると、
あまり目立たなくなってしまいそうです。
何かいい手は無いかなぁ・・・と考えながら
武蔵野線の高架に沿って歩いていると、
ちょうどウマい具合にピンポイントで、
新幹線の背景にだけ森の木々が重なる場所を発見! (゚∀゚)オッ!
タイミング的にシャッターチャンスは一回だけで、
手に汗握る緊張感でしたが、なんとか狙い通り位置に
13.6.22 武蔵野線 北朝霞-西浦和
私は過去に先代のE3系も撮影していました。
ちょっと懐かしいものの、これは今からわずか8年前のことで、
最終増備から10年足らずで、次世代の車両が出てくるとは・・・
あらためて、昨今の世代交代の早さには驚かされてしまいます
05.6.25 武蔵野線 北朝霞-西浦和
何よりもお二方の心遣いが嬉しかったです(^^)。